傘をひらいて、空を

伝聞と嘘とほんとうの話。

2024-11-01から1ヶ月間の記事一覧

わたしのいくらかの信仰

伝統宗教にも新宗教にも属していないという意味では無宗教だが、だからといって自分に信仰心に類するものがないとは思わない。たとえば和室のある家に入ったら畳の縁は踏まないし、自宅の箸や茶碗はメンバーごとに専用のものを使うという感覚がある。 わたし…

効率の領域

ふだん行かない部署を訪ねて、タスク管理ツールの使い方を教えてもらう。わたしの親しい同期の現在の配属部署で取り入れられて、「他部署の人でも、仕事で使わなくても、タダで教えてもらえるよ」と聞いたからである。 本を読んでひとりで勉強するのも良いし…

きみはラリらずに生きていけるか

二十代前半くらいまではいろんな経験が少ないから、何をやってもテンションが上がった。大学生のころなど、今にして思えば些細なことで脳内麻薬がばんばん出ていた。 旅先の景色はいつも新鮮で、恋愛は比喩でなく「死んでもいい」ほどのもので、友情は永遠の…

愛の純粋さを希求する

僕はしみじみとした気持ちで、「ぜったいに損をしたくないんだね」と言う。相変わらずだなあ、と思う。 この後輩は、「結婚は民法上の契約で、愛とはまったく関係のないものだ」と思っている。そうして「民事契約のごときものに、自分の愛が影響を受けていい…