冬枯れて…。
西に沈む夕陽が、わたしの影を四角に作る。
外が冬だったことに、気づいてわたしは驚いていた。
わたしの部屋には、季節が訪れない。
残り少ないカレンダーだけが、冬をわざとこじつける。
くちびるを突き出して息を吐く。
それは白く色付いて、寒さに震えて凍えそう。
長い間、忘れ去られたクリスマス・ツリーが、一斉に輝き出す。
深い夜の淵に腰掛けて、嘘を数えてみたりする。
するべきことなど、何一つありもしないのに。
暗いばかりの冬空は、わたしを不安に駆り立てる。
歩いても、走っても、何処へも辿り着けない。
居心地の悪い解放感だけが、わたしを包み、
心は、不自由な暮らしへと帰りたがるばかりで。