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ビーチサイドの人魚姫
俊樹

2019年9月Nikon D700で一眼レフデビュー。カメラは独学。2020年4月、Nikon D810へアップグレード。いつか写真展を開く為、日々精進。勿論、詩、小説、エッセイ、作詞は継続中。2021年夏、Nikon Z7Ⅱへと更にアップグレード。2022年10月、3回目の心臓手術に耐え抜き現在に至る。2023年8月ペースメーカー植え込み。

正しい豚の育て方 byモモコ。

2012年11月10日
ペット 11
モモコ

 ペットを飼う時は、一応その動物の特性などを調べる為に、飼い方の本を購入して知識を得る。捨て猫や捨て犬を拾った場合でも、やはり知恵を得る為に育て方の勉強をする。
 今から4年ほど前の事であるが皆さんは覚えているだろうか?ペットショップで子豚の「モモコ」が0円で売られていた為、男性が引き取った話である。
 買い手の付かない動物を哀れと思ったかは知らないが、自宅に連れて帰る途中、公園に立ち寄ったところ「モモコ」が物凄い勢いで草を食べ始めた。
 その姿に圧倒され、男性は餌代に不安を抱き、その場に捨てて帰ってしまったという。男性は大阪府警に動物愛護法違反容疑で書類送検されたが…。
 わたしは15歳の時、養護学校を卒業した後に、直ぐに就職はせず清水にある療養型訓練施設に一年半入所した。
 その施設は病気を抱えた老人たちばかりが社会復帰を願いつつ、手に職を付けながら病気の治療もするという、市の福祉施設だった。
 中にはどう見ても復帰は無理と思われる老人も何人かいたし、まるで姥捨て山に思えたものである。その施設で農業の実習があり、約3ヶ月ほど豚の世話をした事がある。
 最初は嫌で仕方がなかった。正直言って豚は臭いし汚いと言う先入観があったからだ。長靴とゴム手袋に身を固め、鼻先を摘みながらの世話が始まった。
 もちろん、初めての体験なので先輩の老人からノウハウを聞いていたが、当時のわたしは反抗期であった為、人の言う事に逆らってばかりいた。親がいないため、反抗の相手は常に先生や施設の職員だった。
 豚の世話をする時一番気をつけることは「餌」だった。豚の食欲は非常に旺盛だが、その丸々太った身体は人間よりもデリケート。
 人間の食べ残した残飯を大きな鍋に移し、じっくりと火で煮込む。これが非常に力仕事で時間がかかり大変であった。
 大きなしゃもじで丸い風呂釜ほどの鍋の中に、たっぷりと入った残飯をどろどろになるまで掻き回して行く。
 そして出来上がった餌は人間が食べたものだから栄養満点である。少し冷ましてから与えるのだが、待ち焦がれていたように奇声?を発して勢いよく食べ始める2匹の豚。
 ホースで水を掛け、身体をたわしで擦りマッサージしてやるととても喜ぶ。豚が綺麗好きだと知ったのはこの時だった。
 毎日このように豚と触れ合っていると、不思議なことに友情のようなものが芽生える。世話をしてくれる者への気持ちが伝わってくるし、こちらも愛情が湧いてくる。
そして実習が終わり少し経った頃、朝、豚子屋を見ると口から血を吐いて倒れている豚の姿があった。死因は食中毒だった。
 家畜として育てられる豚、牛、鶏など彼らは人間の為に生きている。自分の一生を自分で決められない動物たちである。役に立たない人間よりも彼らの方がよっぽど優れていると思ったりしたものである。

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俊樹
この記事を書いた人: 俊樹
本名/神戸俊樹
静岡県藤枝市出身。
19歳の時に受けた心臓手術を切っ掛けに20歳から詩を書き始める。
2005年3月詩集天国の地図を文芸社より出版、全国デビューを果たす。
うつ病回復をきっかけに詩の創作を再開。
長編小説「届かなかった僕の歌」三部作(幼少編・養護学校編・青春編)父を主人公にした(番外編)を現在執筆中。
詩、小説、エッセイ、作詞など幅広く創作。
2019年9月、一眼レフデビュー。Nikon D700を使用。
2020年4月、Nikon D810にアップグレード。
2021年夏、ミラーレス一眼 Z7Ⅱへと更にアップグレード。
2022年10月3度目となる心臓手術を受け、大成功を収める。
2023年8月徐脈性心房細動で心停止(失神)したため、ペースメーカーを植え込む。

コメント11件

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New jack

豚そだて?

がんばりますねw

2012年11月10日 (土) 02:48

MK

ご訪問ありがとうございました。

我が稚拙なる『喫茶きまぐれ』をご訪問いただきありがとうございました。
私達の食料他に欠かせない、経済動物に関する事。
現在、環境教育に微力ながらも携わっている関係上避けて通れない分野だと考えています。
今後共御教授の程宜しく御願いたします。
PS.これから循環器科(拡張型心筋症)の定期予約診療に出かけます。

2012年11月10日 (土) 08:43

あんずミャミャ

豚は思っているよりも
ずっときれい好きで賢い。

最後の一文
考えさせられる記事ですね。

2012年11月10日 (土) 14:14

ネリム

訪問有り難うございます。
豚も生き物ですし、人間の都合で捨ててはいけないと思います。

2012年11月10日 (土) 17:13

まり姫

こんにちは~☆
私は動物番組をよく観ますが、仰るように豚はホントに清潔好きな動物です。
家畜としての豚は人間だけが頼りですが、野生化した豚は思ったより凶暴になりますよ^^

人間の都合でおとなしくしているのは豚が賢い動物だということでしょうね(*^_^*)

2012年11月10日 (土) 17:17

昌子

おじゃまします。

コメント、拍手、ありがとう^^です。

パニック障害と不安障害持ちなので、
あまり字が読めませんが、
また、おじゃまさせていただきます。

うちは、黒猫飼ってます^^

2012年11月10日 (土) 18:54

とうこ

命は尊いです。

私は、病気になったことで命の大切さと学びました。
今は、保護団体さんに支援をしています。
ガリガリになって毛玉の塊になったワンコがよく
保健所から保護されてきます。
お店で売られている子たちの親は4~6年で用済みとなり、一度も檻の中から出されることなく
保健所に捨てられることも多いです。
そんな不衛生な中で産まれた子供は、お店に並び
何の疑いもなく、買って行く人たちがいる事に
悲しみを覚えます。
動物は、そのぬくもりだけで人間に大切な事を
沢山教えてくれるんですけどね。
私の傍らには、そんな大事なぬくもりが
小さな寝息を立てています。

2012年11月10日 (土) 23:11

アイヌラックル

確かに・・・
家畜として育てられた豚や牛や鶏の命をもらって自分達は生かされているということを理解しなければなりませんね。

2012年11月10日 (土) 23:31

みけねこ

捨て猫

私は団地暮らしなので本当は動物を飼ってはいけないんだけどね。
8年前の日曜の深夜11時くらいにジョギング中の夫婦に追い払われ首をかしげてもといた場所に戻ろうとする子猫の鳴き声が力なく無視できず連れて帰りました。
猫の飼育本を何冊か買って、もしバレたらペット可のマンションにでも移ろうと妻と相談しました。
その猫も、もう八歳。団地でぬくぬくと暮らしています。

2012年11月11日 (日) 04:06

noboseri1217

応援します

2012年11月11日 (日) 17:45

まいにゃんこ

おひさしぶりです。
ちょっと前に千葉の公園に
ウインナーにバッテリー液(?)のようなのを
かけて置いておき、
猫や犬が食べて亡くなったりしている事件がありました。
いまの日本は、動物の命、他人の命を大事に思わない国になっていますよね。
豚さんだって育てていると愛着がわく、そういう優しい心を持った人が減ってるんでしょうか・・・。

2012年11月25日 (日) 21:04