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ビーチサイドの人魚姫
俊樹

2019年9月Nikon D700で一眼レフデビュー。カメラは独学。2020年4月、Nikon D810へアップグレード。いつか写真展を開く為、日々精進。勿論、詩、小説、エッセイ、作詞は継続中。2021年夏、Nikon Z7Ⅱへと更にアップグレード。2022年10月、3回目の心臓手術に耐え抜き現在に至る。2023年8月ペースメーカー植え込み。

good-bye Tara

2013年05月30日
ペット 13
タラ

 脳梗塞で救急搬送された時、愛猫である「タラ」の事を考える余裕など全くなかった。病室に移され病気の経過報告などを聞き、九死に一生を得た安堵感で緊張の連続だった表情に漸く笑みが戻った時、初めて家に残して来た「タラ」の事が脳裏を過った。
 今回だけでなく、過去に数回入院の事態に陥った時、知り合いに預かって貰った事もあったが、そう何度も頼めるものではない事を薄々感じ取ってはいた。心不全になり掛けていた時、猫がいる事を理由に入院を自ら断った事もあった。
 「猫と自分の身体をとどちらが大切ですか?」と、主治医からお叱りの言葉を頂いた事もあったが、「自分の身体が一番です」と即答する事は出来なかった。
 わたしにとってみれば「タラ」は家族も同然である。それはおしなべて猫や犬や鳥などの動物と一緒に暮らしている者であれば納得頂ける筈である。
 とは言うものの、脳梗塞と言う一刻一秒を争う緊急事態が発生した時は、理屈抜きで我が身の事が最優先される。二日三日家を留守にしたところで、インコなどと違い猫はそう簡単にくたばるものではないだろう。
 猫と二人暮らしだった状況で、いざと言う時に頼れる者が近くに居てくれると心強いものである。幸いわたしには東洋大学に通う娘がいたので、落ち着いた頃に娘にメールをし、「タラ」の面倒を見てくれるよう依頼した。
 たまたま娘が通う大学は都営三田線の白山にあったので、学校の帰りにわたしの住む西台(同じ沿線)に寄って餌と水とトイレの世話をして貰う事になった。最初の数日はそれでよかったのであるが、娘は「タラ」を自分のアパートに連れて行く事を思い付き実行しようとしたのであるが、ペット用のバッグに「タラ」を入れて運ぼうとした時、流石に住み慣れた家を出る事に不安を抱いた「タラ」が余りにも鳴いて訴えたため、娘はそれを断念し、途方に暮れながら「連れて行けない…どうしよう」と母親に涙ながらに電話で訴えたそうである。
 タラがわたしと住むようになったのはわたしが離婚した5年前の事。本来であればタラも前妻や子どもたちと一緒に新潟へ行く手筈だったのだが、どうしても猫を飼えない理由があったため、わたしが引き取る事になった次第である。
 現在は元妻のもとでヌクヌクと何不自由なく愛情を惜しげもなく受けて幸せに暮らしているようだ。然し、退院して自宅に戻ると、いる筈のタラがいない事を痛切に実感した。鳴き声を聞くことも出来ず、抱きしめて頬ずりする事ももう出来ないのである。僅か一匹の猫がいなくなっただけで寂寞とした思いに駆られ、それに慣れるまで相当時間が必要だったのは確かであった。
 タラがいなくなったからと言って、もうペットの話題に触れないと言う訳ではない。約8年間のタラとの思い出は数多くあり、これからも折をみて記事にして行きたいと思う次第である。

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俊樹
この記事を書いた人: 俊樹
本名/神戸俊樹
静岡県藤枝市出身。
19歳の時に受けた心臓手術を切っ掛けに20歳から詩を書き始める。
2005年3月詩集天国の地図を文芸社より出版、全国デビューを果たす。
うつ病回復をきっかけに詩の創作を再開。
長編小説「届かなかった僕の歌」三部作(幼少編・養護学校編・青春編)父を主人公にした(番外編)を現在執筆中。
詩、小説、エッセイ、作詞など幅広く創作。
2019年9月、一眼レフデビュー。Nikon D700を使用。
2020年4月、Nikon D810にアップグレード。
2021年夏、ミラーレス一眼 Z7Ⅱへと更にアップグレード。
2022年10月3度目となる心臓手術を受け、大成功を収める。
2023年8月徐脈性心房細動で心停止(失神)したため、ペースメーカーを植え込む。

コメント13件

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2013年05月30日 (木) 02:38

ネリム

おはようございます
ネリムです。

猫が家族の一員なのは分かります。
私も「猫と自分どちらが大事か」と言われても即答できないと思います。

2013年05月30日 (木) 08:55

まり姫

こんにちは~♪
私も猫と2人暮らしなのでお気持ちはよくわかります。
体が弱く度々入退院を繰り返しているのもよく似ていますね(*^_^*)
私は今年元旦に心臓発作で救急車のお世話になり緊急入院しましたが、猫は伯父夫婦がすぐに預かってくれました。
こんな生活が13年もつづいています(^^;

2013年05月30日 (木) 17:00

おこちゃんちゃん

うちもミュウが先月、逝ってしまい空気が沈んでいる寂しさがありました。

幸い今は新しい里親となりましたが、ミュウはミュウしかいないんです。

俊樹さん タラちゃんの温もり、感触がわすれられないでしょう。
寂しいと思います。
でも、全く知らない人に譲ったのではないので、安心ですね。

2013年05月30日 (木) 20:22

zen

同じ猫の話題でびっくり(笑)
そうですね家族のいない生活。
たまにフィリピンとチャットして
みんな(犬や猫)の元気な姿を見るとさびしくなります。

2013年05月31日 (金) 05:46

こんにちは

いつも当然のようにそこにいた存在が
たいして気にかけていないと思っていても

急にいなくなると寂しくなりますよね

2013年05月31日 (金) 12:39

俊樹

燐さん

足跡なかったのでこちらでお返事します。
タラは多分わたしなんかと暮らしているよりも、大好きな人の傍にいる方が幸せでしょう^^
真冬に新潟へ行ったので風邪ひいたらしいですよ(*´∀`*)
時々タラの夢見たりしますが・・・。

> こんにちは
>
> いつも当然のようにそこにいた存在が
> たいして気にかけていないと思っていても
>
> 急にいなくなると寂しくなりますよね

2013年05月31日 (金) 20:30

寂しいですね

俊樹さん こんばんは。
私のブログに拍手コメント ありがとうございました。

俊樹さんは 脳梗塞や心不全という大病をされたんですね。
お体 気をつけてくださいませ。
「タラ」ちゃんを引き取ってくださった前妻さんは、素敵ですv-345

応援ポチッポチッポチッv-291
ではでは☆

2013年05月31日 (金) 21:02

銀次

ウチにもいますよ!ネコちゃん(^.^)
ネコは小学生のころから飼いはじめて今はもう4匹目です。
ネコとは縁があるのか、捨て猫だったり、友人宅で子猫が生まれたりで、自分から欲しいと言ったことはないのですが、事の成り行きでなんとなくウチにやってきてます(^.^)

いなくなって寂しいですね。彼らは相当な癒し能力を持っていますからね!
折をみて記事にしていくということで、こちらの方も楽しみにしています(^.^)



2013年05月31日 (金) 23:25

ストロベリーアンドラズベリー

俊樹さん。こんばんわ。
体調はいかがでしょうか?
うちの母ちゃんも、10年前に脳腫瘍で手術し、腎不全で人工透析に通っています。
だから私はかつて独り暮らししていましたが、現在は実家に戻っています。母ちゃんも病気と戦ってるから俊樹さんも一緒に頑張りましょう。

タラちゃんとの別れつらかったですね。
ずっと飼ってて、一緒に過ごしてた猫ちゃんと離れるのは、せつないです。
またタラちゃんとお会いできたらいいですね。

2013年06月01日 (土) 04:27

ミタ子

別れてしまったら他人のようであっても、
お嬢様はもちろん、元奥様も、俊樹さんの力になってくださる。

繋がってるんですね。
もちろん、
今は離れ離れになっても、タラちゃんともね。

2013年06月01日 (土) 13:14

sepia


猫がいつもいる場所に
いないと寂しいですね

タラちゃんが慣れた人に引き取って
もらえて良かったですね

2013年06月01日 (土) 22:16

とも

ほんとに。似てますね。

2013年08月29日 (木) 22:33