トトロに会いたい。
昨年の12月25日、東京スカイツリーのXmasイベントを撮影に行った際に立ち寄った『どんぐり共和国』。ジブリ関連のグッズを多数販売・展示しているショップである。店内はさほど広い訳ではないのだが、所狭しと陳列されているぬいぐるみやアクセサリー、ジブリ作品の中でも最も人気の高い『トトロ』たち。長編アニメ映画『となりのトトロ』が劇場公開されたのは1988年だからもう、32年の月日が経っている。
昭和30年代前半の頃を舞台としたファンタジーであるが、世代を越えて未だに人気が衰えない日本を代表するアニメ作品となった。トトロやネコバスのぬいぐるみを見ていると、つい口元が緩んで笑みを浮かべてしまう。私は子どものように夢中になってカメラのシャッターを切った。
写真は光と影の世界である。射し込む光とそこに浮かび上がる影の段階的変化を瞬時に捉え、一枚の写真に仕上げて行く。その人形がまるで生きているかの様に私に向かって語り掛けてくるのである。そしてまた写真は被写体との対話でもある。ファインダーを通してこちらの意図がそちら側に伝われば、ベストな一枚が完成するのである。