Legend of The Moon(伝説の月)。
宇宙の存在が現在ほど明らかにされていなかった遥か昔、古代人の眼に月はどのように映っていただろうか。月に纏わる話しは世界各地に散らばっており、そこの住人によって語り継がれている月の姿は様々だ。
日本では「かぐや姫」の伝説が最も有名であり、そしてまた「うさぎの餅つき」はインドが発祥地となっている。古代から人類と密接な関係にある月、子どもが産まれる確立が最も高いのが満月の時であり、潮の満ち引きも月の引力によって引き起こされる自然現象である。
どれほど文明や科学が進んでも、人は月の持つ神秘に魅せられ、果てしなき浪漫と情景を月に求めるものである。
10月8日夕暮れ過ぎ、夜の帳が下り始めた頃に3年ぶりの皆既月食が始まった。東京は生憎の薄曇りであったが、日本全国でその姿を確認。月が地球の本影(太陽の光を完全に遮る領域)に入り、オレンジや赤の色合いに月が染まる様子を約1時間に亘って観測。
この皆既月食に纏わる伝説も世界の神話の中に散りばめられており、北欧では太陽と月が2頭の狼に追い回され、「月が狼に飲み込まれた」と捉えられている。 そしてまたインド神話によると、ヒンドゥー教の神・ビシュヌの怒りを買い、首だけにされた4本腕の魔族「ラーフ」が、月を飲み込んでしまう等、「悪が月を飲み込む」と言った説が多く見受けられる。
いかにも古代人らしい、日蝕や今回の月蝕にしても不吉な予兆として捉えられていたようだが、その人類の叡智を超えた宇宙の神秘の前にあっては、まさに「神と悪魔」を象徴していると言ってよいのではないだろうか。
運よく、この神と悪魔が織り成す天体ドラマを見たという方がおられたなら、ぜひご一報頂ければと思います。
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