折れたクレヨン(鎮魂歌)追記あり。
一本の
クレヨンが折れた
音も立てず
ひっそりと
山深く
名も無きその谷に
吹き渡る風は震えて眠り
月夜が照らす岩肌は
氷のように冷たかろう
闇の雫が滴り落ちる
その底で
君はもう
二度と絵筆を握らない
涙で滲んだクレヨンが
空を悲しみの色に
染めるだけで
ムジカ創刊準備号に掲載された3作品の内の一つ。
2009年9月11日、不慮の事故で亡くなったクレヨンしんちゃんの作者である臼井儀人さんを偲んで書き上げた詩。
- 関連記事
-
- 最後の合図。 (2014/06/19)
- 懺悔の雨。 (2014/06/02)
- 池の主(未刊詩集より抜粋)。 (2014/05/15)
- 母の日には冷たい涙の雨が降る。 (2014/05/11)
- 裸足の少女(鎮魂歌)。 (2014/03/18)
- 折れたクレヨン(鎮魂歌)追記あり。 (2013/12/15)
- 砂漠の公園(未刊詩集より抜粋)。 (2013/11/30)
- 父の死んだその日(詩集・天国の地図より抜粋「命日に寄せて」)。 (2013/11/05)
- 翼を持った少年(鎮魂歌)追記あり。 (2013/10/21)
- 白いチョーク(未刊詩集より抜粋)追記あり。 (2013/09/27)
- 猫の詩。 (2013/09/23)