2018年初頭におけるRedmineの動向に関するメモ
Redmineに関するアイデアを書こうとしていたら、アイデアをまとめきれず、どうしても筆が進まないので、思っていることを箇条書きでラフに書く。
【1】Ver4.0のリリースに向けて、リリースの足音が聞こえてくる
最近のRedmine本家では、 @g_maeda さんが積極的にコミットされている。
今まで3ヶ月おきにリリースされた運用を振り返ると、次回リリースでVer4.0がリリースされるのが望ましい。
Rails5に対応できれば、新しい機能追加の提案がより活発になるだろうからだ。
たとえば、Ver4.0では、数多くのガントチャート改善の機能がすでに盛り込まれている。
日本のRedmineユーザはガントチャートが大好きなので(笑)、Ver4.0が早くリリースされるメリットはすごく大きいはずだ。
Redmineのガントチャート改善パッチに注目している: プログラマの思索
【2】Ver4.1の目玉機能は、添付ファイルの全文検索の機能追加
Redmineの次々期メジャーバージョン4.1で、一番の目玉は添付ファイルや文書機能にある文書を全文検索できる機能追加パッチだろう。
Feature #306: Full Text Search of files - Redmine
この機能が実現されれば、Excel設計書やパワポの提案書をRedmineに全て集約することで、Redmineをナレッジシステムにできる。
つまり、Redmineにあるチケットデータ(過去の障害、課題、レビュー記録等)、Redmineにある添付ファイル(障害のエビデンス、レビュー記録、設計書、システム提案書など)がRedmineサーバーに全て集約されたら、過去の障害履歴や仕様変更の履歴は、いつでも検索すれば見つかるようになる。
よって、チケットに詳細に内容を書いたり、ファイルを添付するというインセンティブがRedmine利用者により働くようになるだろう。
なぜなら、Redmineはナレッジシステムとして便利になる動機づけになるからだ。
Redmineの添付ファイルを全文検索するパッチの可能性~Redmineをナレッジシステムにするための要件とは何か?: プログラマの思索
Redmineの検索機能の改善はチケット管理システムにとって重要な要件だ: プログラマの思索
さらに@clearcode さんの全文検索プラグインを追加すれば、Redmineで全文検索するメリットがより際立つはず。
なぜなら、この機能が実現されると、大量のExcelファイルがRedmineサーバー上にアップロードされるため、Redmine標準の全文検索機能では処理性能に不安が出てくるだろうが、@clearcode さんの全文検索プラグインによって、検索の処理性能の問題は解決できるし、PageRankのように有用な検索結果を優先表示してくれるので便利になるからだ。
Full text search - Plugins - Redmine
第17回Redmine大阪の感想 #redmineosaka: プログラマの思索
Redmine大阪 第17回勉強会 - 全文検索でRedmineをさらに活用! #RedmineOsaka - ククログ(2017-08-27)
但し、この機能が実現された時の課題として、機能改善が遅々として進まないRedmineの文書管理機能があがってくるだろう。
Alefrescoみたいに、Excelファイルを文書画面上でD&Dでアップロードできたり、簡単にフォルダ分けやカテゴリ分け、ランク付けできるような機能が欲しくなってくる。
たぶん、DMSFプラグインみたいな文書管理機能を実現したくなるだろう。
他にも、ファイル機能(ファイルをダウンロードできる機能)をもっと使いやすくすべき、という方へ影響を受けると思う。
【3】RedmineもJenkinsやiPhoneアプリみたいに自動アップデート可能にできるか?
【3-1】@acha_821 さんが以前、RedmineもJenkinsみたいに自動アップデートする仕組みが欲しいと言ってた。
理由は、RedmineのバージョンアップやRedmineのプラグインのインストールにつまずく人達が多いから。
あさこさんのツイート: "redmineにも、アップデートセンター入れてほしい。… "
実際、Twitterでも、Redmineのインストールは難しい、というツイートがすごく多い。
個人的には、BitnamiやDockerでインストールするのが一番簡単と思うが、バージョンアップは結局手作業になる。
Install Redmine, Download Redmine
Docker for Windowsでredmineを動かす - Qiita
また、Rubyに慣れていないために、環境構築という最初の設定手順でつまずいている人が多い。
だから、Redmineの普及のためには、iPhoneアプリみたいにRedmine本体を自動アップデートできる機能が課題になるだろう。
ここで、JenkinsはWarという単一のコンポーネントで配布されていて、DBを持たない仕組みなので、インストール自動化やバージョンアップ作業を自動アップデートする仕組みに実現するのは簡単だ。
一方、RedmineはRuby本体をインストールする必要があるし、Redmine本体はWarのようなコンポーネントで配布されていないし、約50個ほどのテーブルももつので、自動アップデートする機能を実現するのはそう簡単ではないだろう。
【3-2】但し、Redmine本家では、プラグインをGem化し、Gemfile.localにプラグインのバージョンも指定する方法のパッチが提供されているので、改善できるかもしれない。
Feature #27705: Gemify redmine plugins - Redmine
【3-3】また、EasyRedmineという海外の会社が、Redmine本体やRedmineプラグインを画面上から自動アップデートできるような仕組みを実現するプラグインを公開している。
まだ試してないので詳細は分からないが、このプラグインで本当にRedmine本体やRedmineプラグインの自動アップデートが実現できるならば、ぜひ、Redmine本家でも取り入れて欲しい、と思う。
Redmine Installer - Plugins - Redmine
Redmine Plugin Generator - Plugins - Redmine
Entity Generator - Plugins - Redmine
easyredmine/redmine-installer: Easy way how to install/upgrade Redmine or plugin.
easyredmine/redmine_entity_generator
easyredmine/plugin-installer: Plugin into Redmine to easily handle installing and upgrading Redmine
Rake tasks - GitLab Documentation
【3-4】なお、同じRailsアプリGitlabには、バックアップやリストアなどはrakeコマンドで自動化出来る仕組みがある。
DBバックアップなどは日次バッチ化しておきたいから、Cronで設定しておけばいい。
同様の機能をRedmineにも実装できないか?
さらに、プラグイン更新やバージョンアップのような機能もrakeタスクでバッチ化できないか??
Rake tasks - GitLab Documentation
【3-5】個人的には、Railsフレームワーク本体が、Warのようなコンポーネントで配布できるような機能を実現すべきではないか、と思う。
つまり、Redmineの自動アップデート機能が欲しいという要望は、Redmineの問題ではなく、Railsフレームワークという下層のレイヤの問題であると思うからだ。
なぜなら、他のRailsアプリでも、同様の課題を持つはずと思うからだ。
この辺りも色々考えてみたい。
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