入門Gitの著者のインタビュー
入門Gitの著者である濱野さんのインタビュー記事が公開されていたのでメモ。
【元ネタ】
OSS開発者に聞く!コミュニティー活動の実際 - Linus君がボクを後継者に指名した理由:ITpro
記事で目を引いた内容は下記の通り。
(引用開始)
引き継ぎを頼まれた時には、このインタビューの最後の段落で彼が言っているのとほぼ同じコトを言われました。「単にお前が一番たくさんパッチを送ったからではない、お前が他の開発者のパッチをレビューしたり、開発者間の意見の差を調停したりしているのを見ていて、開発者に必要な全体的なセンスが良いと思うから頼むんだ」と。
(引用終了)
(引用開始)
ボクが見たLinus君の一番の特質は「優秀なリーダー」であること、ですね。
自分で良いデザインができる、自分のか他人のかにかかわらず良いデザインがあったらそれをきれいなコードに書ける、という「優秀な開発者」はたくさんいます。でも、他の開発者それぞれの得意分野とか興味とかを知っていてその人たちをうまく使える、とか、プロジェクトの目標に照らして「この部分はこれでもう十分」とか「この部分は徹底的に丁寧に作らなきゃだめ」という判断が本能的にできる、とか、さきに上げたインタビューで彼が言っている「goodtaste」(日本語では「センスが良い」ですね)をプロジェクト管理に上手に適用できる「優秀なリーダー」は希少です。
「優秀なリーダー」に率いられたプロジェクトでは、参加している開発者たちがそれぞれ満足感を持って仕事をしてもらうことができます。そういうコミュニティを育てる能力が「優秀なリーダー」であること、だとボクは思っていますが、Linus君には卓越したものを感じます。
(引用終了)
優秀なリーダーは進捗管理が上手いという意味ではなく、システムのあるべき姿(ToBe)をイメージできていて、更にメンバーをその方向へ引っ張っていける力量があるという意味で述べているように思える。
「入門Git」の「あとがき」でも、Linusは中核となる機能をプログラミングしておき、興味を持つコミッタに機能拡張のプログラミングを促し、Linuxが考える方向へコミッタをうまくのせて仕事してもらう手法を見たし経験した、と書かれている。
Linusのような人こそが、本来の意味での「コミュニティマネージャ」であるのかもしれない。
コミュニティという場をコントロールできる人だけではなく、コミュニティをあるべき姿へ成長させていけるようにメンバーを引っ張っていける人、という意味かなと思ったりする。
【追記】
Gitに触り始めて、Git本の中で僕が良いと思う本は「入門Git」と「Gitポケットリファレンス」。
Gitの設計思想を知りたいなら「入門Git」、Gitのコマンドを調べながら実際に使いこなしていく時は「Gitポケットリファレンス」がお勧めだと思う。
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