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2007/11/02

Webベースのプロジェクト管理

 最近、プロジェクト管理の手法が急激に変化しつつあるのを感じる。
 以前は、ExcelやMS Projectで進捗管理や要件管理をプロジェクトリーダーが取り仕切り、メンバーに節目ごとに展開していた。
 そこでよく出る症状として、プロジェクト全体の進捗や各メンバーの役割がメンバーに見えにくいことがあった。
 だから、「見える化」と称して、XPやPFの手法が使われた。

 最近は、Trac(Python)Redmine(Ruby on Rails)のようにWikiベースのFreeのプロジェクト管理ツールを導入するケースが多くなった。
 その特徴や感想について書いてみる。

【1】TracやRedmineの特徴は下記があるように思う。

1・Wikiに、技術上のアイデア、開発環境の構築方法、リリース作業手順、日報などを書き込み、皆で情報共有する

2・カレンダーにプロジェクトのマイルストーン、各自の作業納期を書き込み、皆で情報共有する

3・各自の作業をタスク(Tracならチケット)に作業ステータスや作業期間を記入し、管理者だけでなく皆で情報共有する

4・タスクに見込みの作業期間を入れられるので、ガントチャートを自動生成できる(!)
 バーンダーンチャートを生成するプラグインもあるらしい。

【2】普通の使い方は、下記が多いだろうと思う。

1・タスク(Tracならチケット)に管理者が作業内容と作業期間、担当者を決める。

1-1.マイルストーンごとにタスクを管理すると、見た目上も管理しやすくなる。
1-2.コンポーネント単位に担当者を決めておくやり方もある。

2・開発者は毎朝、自分が担当のチケットを作業して、終わったらCloseしていく。
2-1.Closeしたらメール送信するなどの機能などもある。

3・特に結合テスト以降のフェーズでは、、、
3-1.テスト担当者がバグ出しした現象をチケットに、画面のキャプチャやログをアップロードして、どんどん書き込む。

3-2.担当する開発者は、チケットを見て修正し、コミットする。
  CVS又はSubVersionのコミットコメントにTracチケットNoを貼り付けると、コミットログからTracチケットへリンクが張られる機能もある。

3-3.テスト担当者は、バグが修正されていたらCloseしていく。

【3】実際に使ってみた印象では、開発者には受けがすごくいい。

 理由の一つは、自分のタスクが全体のどの部分を占めているのか、すぐに分かること。
 更に、プロジェクトの現状がTracのチケットやカレンダー、ガントチャートによって末端のメンバーも分かるから。
 Wikiベースなので、不明点は検索すればよいし、各自が持っている仕様や技術をWikiにどんどん書き込めば情報共有も簡単。

 管理者にとっても、要件から仕様へ落とした後、タスクと担当者を紐付けるフェーズで使える。
 更に、Tracチケットの発行数、作業未完了の個数から、残工数を計測できる。
 また、要件とTracチケット、そしてTracチケットに紐づいたコミットログから、仕様漏れやソースのデグレを未然に防ぐことも可能になる。

 実際は、うまく活用し切れていない面も多い。
 Tracチケットを発行しすぎて、アサインする担当者が不明のチケットばかりになってしまい、なかなかバグフィックスできない時もある。
 ガントチャートやバーンダーンチャートも、日々変化するプロジェクトに追いつけなかったりする。
 
 でも、Webベースのプロジェクト管理は「見える化」をすごく意識している。
 うまく使いこなせば、以前よりも生産性が高くなるはず。

 特にRedmineの場合、Railsなので、インストールがすごく簡単。
 更にRubyやRailsの知識があれば、簡単にカスタマイズも出来る。

【4】昔ながらの強権的な密室主義のプロジェクト管理手法はもう限界に近づいている。
 XPやPFのような人間系の手法だけでなく、開発プロセスを補完するような環境作りもプロジェクト管理では大事。
 
 未だ発展途上のWebベースのプロジェクト管理手法は研究する価値があると思う。
 

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