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2006/05/02

ITの地殻変動はどこで起きているのか?

 Javaエンジニアと開発手法について議論していたら、彼は、お客が求めているのは使いやすいユーザーインターフェイスなんだ、JSFがこれからの主流になる、と言っていた。
 僕は、JSFなんて、ASP.NETのJava版に過ぎないでしょ、と思っている。

 .NETエンジニアと、Javaと.NETの違いについて議論していたら、Javaよりも.NETの方がユーザーインターフェイスを重視したクライアントアプリケーションを作りやすい、と言っていた。
 僕は、Javaに対する.NETの優位性はクライアントアプリ開発だけにあると思っている。

 Javaエンジニアと、RDBとオブジェクト指向の相性の悪さについて議論していたら、JavaならHibernateを使うのが一番の解決策だ、と言っていた。
 僕は、Hibernateは確かに良い技術だが、結局HQLに書く所が納得できていなかった。

 最近、自分の興味がちょっとずつ変わってきた。

 IT技術の地殻変動はどこで起きているのだろうか?

 以前は、「ORマッピング」で事件が起きているように見えていたが、最近はちょっと異なる視点を持っている。
 事件は「プロセス」で起きている。
 キーワードは「ソフトウェアプロダクトライン」だろう。

 ITシステムがこれだけ普及した今、大規模なシステムを最初からスクラッチ開発するプロジェクトはそう多くない。
 既存システムにサブシステムを追加する、あるいは、既存システムをカスタマイズするプロジェクトが多い。
 最初の顧客に売ったシステムをカスタマイズして、別の顧客へ売るビジネスは非常に多い。

 その時に重要な点は、「ソフトウェア部品を再利用したい」こと。
 つまり、古くから続く難問が横たわる。

 その一つの解決手法が「ソフトウェアプロダクトライン」。
 似通った仕様で少数生産するための開発手法。
 コア資産(フレームワーク)とアプリケーションの分離。
 再利用資産の開発(ドメインエンジニアリング)と再利用資産に基づくプロダクトの開発(アプリケーションエンジニアリング)。

 EP法で言えば、プロセス供給レイヤーパターンに相当する。

 でも、コア資産を作ると言う別プロセスが発生するため、普通の開発に比べると、1.5~3倍ものコストがかかると聞く。
 また、コア資産を作っていたのに、時代の変化で使えないものになったというリスクもはらむ。

 事件は技術よりもプロセスに移っている。

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» 変化の速いもの遅いもの [Another brick in the wall]
あきぴーさんがITの地殻変動はどこで起きているのか?で「事件は技術よりもプロセスに移っている。」と書かれています。 技術、プロセスを含めて「変化の速いもの」「変化の遅いもの」を見分けて考えるとわかりやすいと思ってます。 「ミドルウェア、フレームワーク」「ユーザの表面的要求」は変化が速いものに分類されます。 「プログラミング言語(言語そのものが陳腐化する速度)」「ユーザの本質的な要求」は変化が遅いものに分類されます。 SPLにおける再利用の戦略とは経営的観点から「変化の速いもの」「変化... [続きを読む]

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