今頃になってノコノコ姿を現しやがって
この俺に一体何の用だ?
比古清十郎(ひこ せいじゅうろう)とは、和月伸宏の漫画『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』の登場人物である。
飛天御剣流十三代目継承者にして、「るろうに剣心」の主人公・緋村剣心のかつての剣の師匠。
ちなみに「比古清十郎」という名前は飛天御剣流の継承者に後述の白マントと共に代々受け継がれている名前であるため、厳密には彼の本名ではない。
単行本6巻に収録された読切版「戦国の三日月」でも同名の人物が登場するが、こちらは後述。
他の著名なジャンプ作品でも、亀仙人、ツェペリさん、幻海、アバン先生、など名だたる師匠キャラ達が存在するものの、他作品の師匠たちと比較しても全く劣らない知名度と人気を誇る。
初登場は単行本10巻(第83話)。京都編にて、剣心が会得し損ねた奥義を改めて会得するべく比古の元を訪れた際に初めて顔を見せた。
冒頭に記載した通り43歳の中年男性であるが、どう見ても20代後半か30代くらいの若々しい容姿や顔立ちをしている。 剣心にも当てはまる事だが、明らかに年齢と外見が一致していないため弥彦や操からは「飛天御剣流には不老の秘術があるのか?」とツッコまれているのだが、詳細は不明。
(もっとも不老の秘術というと候補はアレとかコレとかいろいろ考えられるが、現代でもリアルではこういう生きた実例がいるしねぇ・・・)
幼い頃の心太(剣心)をかつて行きがかりに凶賊の手から守り、『剣心』という名前を与え、超一流の剣術使いとして育て、鍛え上げた、剣心にとっては名付け親にして育ての親でもある存在。
人間嫌いな性格であるため、普段は陶芸家「新津覚之進」として人里離れた山奥でひっそりと暮らしている。
その人物像は剣心に曰く「自信家で陰険でぶっきらぼうで人間嫌いで、(自分の過去を知っているという点で)斎藤よりも数倍タチが悪い」との事だが、比古本人によれば「昔ケンカ別れしたバカ弟子の再修業に、もう1週間も付き合ってやっている人の良い師匠」らしい。事実、剣心と再会後も剣心を「バカ弟子」と呼びながらも、奥義の伝授を通して和解した後は剣心を何かと気にかけている。
剣心よりも体格が一回り大柄で身長も高く、ガチムチを地で行くマッチョな体格をしているため「恵まれた体躯に筋肉の鎧を纏って操る、超人の剣術」と評される飛天御剣流を難なく放つ事が出来る。
さらには剣心の師匠だけに剣の実力も剣心をはるかに凌ぎ、あらゆる面で剣心を上回るほどの凄まじい力を持っている。その圧倒的な筋力と戦闘力をもって作品中では葵屋での戦いに駆けつけた際には十本刀の一人、不二の大刀を体格差をものともせずに(マントを付けたまま)生身で捌いてみせたばかりか、自身の得意技とする『九頭龍閃』の一撃で不二を戦闘不能にしてしまう程の超人ぶりを発揮している。普段から自意識過剰で、自らを「真の天才」と信じて疑わないナルシストな面もあるが、それを裏付けるだけの実力を備えているんだからしょうがない。 なお、比古独自の修行スタイルなのか歴代の飛天御剣流に共通する修行なのかは不明だが「手取り足取り教えられた技は身につかない」「一度喰らって、そこから学び取った技こそいざって時に役に立つ」という修行方針を持ち、技を伝授する際は絶妙な手加減を加えながら剣心に実際に技を浴びせるという危険な荒修行を行っていたため、後に剣心が手加減を極めて逆刃刀による不殺の極意に辿り着くための一助にもなっていると言える。
また、彼が常時身に付けている剣心には似合わなさそうな白マントは、飛天御剣流の継承者が「比古清十郎」の名前とともに代々受け継がれる継承者の証でもある。このマントの下には10貫(約37.5kg)の重さの肩当と身体の筋肉を逆さに反るバネが仕込まれているため、超人的な筋力を持つ飛天御剣流継承者の力をこのマントによって普段は常人程度に抑え込んでいるのである。しかしそれでも、後述するとおり剣心に奥義を伝授するときや葵屋での戦いではマントは常時付けたままである(=手加減している)。マントを外して真の力を発揮したのは、剣心に奥義を伝授する時ただ一度だけで、本気の彼は剣を一振りしただけで烈風が発生し、反射的に身構えた剣心の足元の地面が刀傷で割れるほどの未知数な力を持っている。そのためその気になれば志々雄にも普通に勝利できると思われるが(作品中でも「自分が出張れば済む」と発言している)、その役目は剣心に丸投げしてしまった。剣心の意志でもあるとはいえ、国の一大事を「面倒くさい」の一言で片付けるのはいかがなものか・・・
それらに加え、飛天御剣流継承者として世の中のあらゆる場面に立ち会ってきたという事なのか色々と達観した発言をしたり、登場人物達の心理の裏を見抜く観察眼を持つ歳相応な(?)一面もあり、作品中では読者や視聴者の記憶に残る名言も多く発している。十本刀が誇る巨人兵・不二と対峙した際には、彼が振るった一太刀から不二が「化け物」ではなく「武人」である事を見抜いて、不二との果たし合いに応えて見せた。
幼い頃の剣心を、飛天御剣流の次期後継者とするべく育て上げるが、やがて剣心が13歳となった折に「山を下りたい」と言い出した剣心を止めるも結局喧嘩別れしてしまう。
その15年後に恥を捨てて戻ってきた剣心と再会するが、当初は「飛天御剣流の理に背いて権力(長州派維新志士)に手を貸した」事を理由に、奥義を伝授することに否定的だった。しかし剣心の抱えている事情を薫や弥彦達を通しても一通り聞いた後、剣心に奥義を伝授する事を決めると、剣心を再び鍛え上げる。
その後奥義伝授の直前、剣心の心理状態を見抜いた比古は剣心に「己に欠けているものを見つけ出せ」と指示、同時に比古も飛天御剣流の師弟の運命を受け入れるべく、覚悟を決めていた。
(奥義:天翔龍閃の伝授とは、師匠が放つ九頭龍閃を弟子が奥義を放ち破る事で完了するため、成功すれば師匠が命を落としてしまう。逆に弟子が奥義で九頭龍閃を破れなければ、弟子は九頭龍閃を受け死亡するという構図である。事実、比古清十郎も先代・十二代目比古清十郎の命と引き換えに奥義を会得している)
結果として剣心は「生きようとする意志」に開眼し奥義の伝授は無事完了、比古は命を落としかけるが、しかし剣心が持っていた逆刃刀・真打の目釘が緩んでいたお陰で天翔龍閃を受け死にかけながらも一命を取り留めた。その後、白マントと共に飛天御剣流を剣心に継承しようとするも、剣心がそれをマントが似合わなさそうだという理由で拒否したため比古は剣心を改めて破門するのだった。
もっとも剣心が雪代縁と巴をめぐる過酷な運命を背負う事になった背景に「自分自身にも責任の一端があるかもしれない」と考えているのか剣心の事を息子のように少なからず気にかけているようで、別れ際の「葵屋のみんなを守ってほしい」という剣心の頼みを聞き入れて志々雄一派の大部隊が葵屋へ襲撃してきた際はすんでのところで弥彦達に加勢すると「陸の黒船」を体現したような圧倒的戦闘力で巨人・不二を才槌共々破ってみせた。
作者・和月伸宏も公言している通り作中で最強の戦闘能力を持つ人物でもあり、白マントを装備した状態でもなお剣心が手も足も出なかった程の剣の使い手(捨て身で挑んでも、掠り傷を負わせるのが精一杯であった)。「その圧倒的な強さゆえに、使いどころが難しかった」「トランプで例えるとジョーカーに相当する」と和月は単行本の中で発言しているため、作品中でも戦闘を行ったのは剣心への奥義伝授の過程を除けば、葵屋での十本刀・不二との戦闘1度きりしかない。
また戦闘時以外は(回想の中でも)よく酒を飲んでいるが、こちらについては比古清十郎という人物の「男臭さ」を演出するための描写であるため、比古がアル中なわけではないと断われている。もっとも、酒についても自分なりの美学を持ち合わせているらしく、彼の台詞の中にもそれらの要素が散見される。
OVA版「星霜編」では、縁をめぐるストーリーが完結した後も登場しており、父が振るっていた飛天御剣流を会得するために剣心と薫の息子・剣路に押しかけられている。
その後、止めにやってきた弥彦をも巻き込むのだが、成長した弥彦と酒を飲み交わしながら星空の下で「バカ弟子はついに、剣術の理まで変えちまったか・・・」「元より、誰にも継がせる気は無い・・・ 飛天御剣流は俺の代で終いだ」と述べており、時代が飛天御剣流を必要としなくなっていった事を反映して誰にも知られる事無くひっそりと流派を畳むつもりであった事がわかる。
原作の5年後を描いた「北海道編」でも、剣客兵器からも猛者として名前が挙がるほどの存在なのは変わりないが、北海道編開始より一年ほど前から「新たな土と水、酒を探して旅立った」らしいことが陶器の取引先から語られたと翁の手紙を通して明らかになっており、北海道編の時点では消息不明となっている。
北海道にも不二共々登場する可能性が期待されているが・・・?
そして余談となるが、比古が語っている思い出話の中に「剣心が飢えのあまりワライダケを食って笑い死にしかけた」というエピソードがあり、剣心が毒キノコを口にせざるを得ないような境遇へ追い込まれた剣心の少年時代についても「剣心華伝」の中で語られている。同書によれば「飯抜きの罰を受けたのかもしれない」と言われているが、比古の修行は上記の通り確かに生易しいものではないだろう。(またこの時、デタラメに薬を調合して飲ませたというトンデモない一面もあり、それは奥義伝授後に剣心がその薬を比古へ飲ませた後初めて発覚したのだった)
さらに28巻では恵が剣心に対して「比古さんのような恵まれた体格に~」と発言していることから、恵もまた比古清十郎とどこかで面識があるような事を匂わせている。しかし恵が京都へやってきたのは志々雄一派を打倒後に剣心達の治療のため訪れたのであって、上述の通り人間嫌いな性格の彼が牛なべ屋「白べこ」の宴会へ参上したとは少々考えにくいところだが、恵が比古の姿をどこで見たのか?その真偽は不明である。
(単に酒がタダで飲めるからと、何食わぬ顔で参上していた可能性も否定できないが。)
「るろうに剣心」が連載される前に製作された読みきり漫画「戦国の三日月」でも、同姓同名の人物が登場する。
基本的には上記で説明した比古清十郎のモチーフとなった人物だけに容姿や立ち位置など様々な点が似ているのだが、両者の間に血縁及び直接の関係は無い。
ついでに言うと、本作に登場する流派は「飛天三剣流」であるので飛天御剣流とはやはり関係無いものの、比古が使用する長刀「桔梗仙冬月」が「冬月」の名で、飛天三剣流に代々伝わる宝刀として登場している。
(こちらは同じ刀なのか、それとも同名の別物かは不明だが)
2012年以降に公開された実写版映画「るろうに剣心」でも登場。福山雅治が演じた。
第2部「京都大火編」のラストで顔見せ程度に出演し、第3部「伝説の最期編」にて本格的に登場。
京都大火編にて、志々雄との船上での戦いに敗れ海へと転落、力尽きたまま砂浜に流れ着いた剣心を肩に担いで去っていく謎の人物が出てくるが、彼こそが比古清十郎である。なお放映当時「伝説の最期編」公開までは正体を伏せられていたが、原作ファンからは思い切りバレていた。
「伝説の最期編」序盤で、志々雄を倒しに行くかつての弟子・剣心に対して奥義を伝授するために、剣心に再修行を行う点は原作と同様。
原作とは違いマントは付けておらず、筋肉隆々でもない普通の剣客といった見た目であるが、その若作りぶりカリスマ性や実力も原作の比古清十郎とは別の意味で達人級であり、剣を交える場面では山野に落ちていた手頃な枝切れのみで(逆刃刀とはいえ)剣心が振るう剣を最小限の動きで軽々とあしらい圧倒してしまうなど、時代劇だからこそ映える剣術アクションを見事に披露している。
なお、剣心役を演じた佐藤健とは同じ事務所の先輩・後輩の間柄でもあり、佐藤健は「比古役は福山さん以外考えられないくらいぴったり」と福山の役作りを絶賛している。
また、福山も剣心の師匠を演じるにあたり剣心以上の剣の達人として、撮影時は剣心以上にハードなアクションを要求されたという。殺陣の立ち回りをマスターするまでは相当に苦労したようで、撮影終了後福山は今まで体験した事がない関節の痛みに苦しんだと明かしている。
掲示板
191 ななしのよっしん
2024/12/16(月) 22:15:12 ID: xHQKJ7DByF
最初の世間話シーンの時はさすがに旧のイメージが残ってて声に違和感あったけど
声に圧のかかった説教シーンを聞いている頃には違和感なかった
192 ななしのよっしん
2024/12/17(火) 20:15:39 ID: 2A9YEsdwtz
原作の師匠の解釈と一致しててめっちゃ合ってるよ中村は
なぜか原作ではなく旧を原典にしてる人がうるさいだけで新の師匠は優しさと圧がちょうど良くて良い感じ
193 ななしのよっしん
2024/12/18(水) 00:11:19 ID: fCpXGEVTfg
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最終更新:2024/12/23(月) 10:00
最終更新:2024/12/23(月) 10:00
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