雪代巴(緋村巴)とは、和月伸宏の漫画『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』の登場人物である。
白い小袖に、紫のショールを愛用し、雪のように白い肌、黒目がちな瞳、漆黒のロングヘアが印象的な美女である。
京都編が完結後に始まる「追憶編(人誅編)」の登場人物。同編のヒロインでもある。
主人公・緋村剣心の元妻で、剣心が比古清十郎の元を離れ、人斬り抜刀斎と呼ばれていた頃の妻。
しかし既婚者の設定を持つ少年漫画の主人公って、なかなかに珍しい気が。
そして人誅編のボス・雪代縁の実姉である。
十代らしからぬ類稀な美貌を持ち、無口・無表情で笑うのが苦手という、クールビューティーを絵に描いたような美人。日記を毎日付ける習慣があり、子供が好き。白梅香(香水)を愛用している。
初登場は居酒屋へ入ってきたところをゴロツキに絡まれ、そこを偶然居合わせた人斬り時代の剣心(当時14歳)が助けに入ったところから。その後、礼を言うべく剣心を追っていったらそこへ剣心が居酒屋の帰り道に幕府から差し向けられた隠密を返り討ちにして切り捨てている場面を目撃する、という衝撃的なものとなった。
元々苦手だった酒を飲んでいた事に加え、人を斬る現場へ居合わせた事で大量の血が飛び散る様を見た彼女はその場で気絶、剣心に介抱される事になる。
剣心に保護された後も巴は(元々、帰る場所が無い身であった事もあり)剣心に立ち去れと言われるのもかまわず維新志士達が身を置く宿に居着くことになる。やがて人斬りとして数多の命を奪っていった事で精神が不安定に陥っていた剣心は睡魔に襲われウトウトしていた折りに、不意に近づいた巴に対して無意識に刀を抜いてしまう。その事態を見かねた巴は「私があなたの狂気を抑える鞘になります」と剣心の側にいる事を誓うと、その後も剣心の側で行動を共にするようになる。
ちなみにこのときの維新志士達の巴に対する評価は「美人で緋村より年上、でも緋村と同じで愛想がない」との事。至極もっともな評価だ。
やがて幕府から身を隠さなければならなくなった折に本来は形式だけの夫婦として隠匿生活を送る事になるが、互いの同意の末に正式に夫婦として、滋賀の里山にある家で剣心と二人で過ごす事になり、束の間の小さな幸せに身を置く。だがしかし、彼女の弟・雪代縁が剣心達の元を訪れた事で再び運命は動き出す。
実は巴は剣心に斬られた許婚の仇を討つために幕府側の隠密部隊・闇乃武の手先として剣心に近づいていたのだが、やがて「剣心の弱点を探る」任務を果たすべく行動を共にするうちに剣心を愛してしまう。
(人斬りとして剣心がある任務で京都所司代を暗殺する際、その護衛を務める従者と剣を交えることになった。この時剣心は左頬に一太刀受けるのだが、その傷を付けた彼こそが清里明良、即ち巴の本来の許婚であった。この後本来の許婚がいた事と、その許婚が任務へ赴いて命を落とした事を剣心は巴から告白されるが、それが闇乃武の手先となったきっかけである事は最後まで語られなかった。)
縁がやってきた一件以降、剣心共々互いの心境を打ち明けると、巴はその翌朝に黙って剣心の元を離れ、闇乃武へ嘘の情報を報告するが、闇乃武の本来の目的は「巴を剣心の弱点へと仕上げ、剣心を闇乃武のホームグラウンドたる『結界の森』へ誘い込む事」にあった。彼らの真意を知り、自分が利用されているに過ぎなかった事を知らされた巴は持っていた短刀で一矢報いようとするも簡単に倒され、その後剣心が巴の元へ訪れるまで暫く小屋の中で気絶していたのだが、再び目が覚めた時は小屋の外で剣心が満身創痍の状態で戦っており・・・
最期は剣心を助けるために剣心の元へ割って入り、闇乃武の頭領・辰巳もろとも剣心に斬られ、儚い生涯を終えた。享年18歳。
その壮絶な死に様は剣心のみならず多くの読者(視聴者)を涙に暮れさせたが、巴自身は剣心を身を呈してでも救えた事を知ると、剣心に抱きかかえられながら満足して死んでいった。またこの時、巴が剣心に斬られた際に巴の持っていた短刀が彼女の手元を離れ、剣心の頬の傷跡に重なるように二つ目の傷を付けた事で、後のトレードマークにもなる十字傷が出来上がる事になる。
(そして巴が剣心に斬られた現場を縁が偶然目撃した事から、彼の長きに渡る復讐劇が始まる)
その後、剣心は守るべき最愛の人を自らの手で斬ってしまった悲しみに暮れながら、残された巴の日記から「かつて自分が巴の許婚(清里)を斬ったのだ」という更なる真実を知る事になるのだが・・・
本編の時点では上述の通り死亡しているので主な出番は追憶編のみであるが、追憶編が終わった後も本編中で剣心や縁の回想及び夢の中で度々姿を見せては、彼らの作品中の行動に対して少なからず影響を与えている。特に剣心の場合は夢の中へ会いに訪れては、剣心に対して「あなたが笑えば、あなたの中の私はいつでも一緒に笑います」と優しく語りかけるなどして剣心の心の支えになってみせている。
また、人誅終了後に登場する「落人群」ではオイボレという謎の老人が登場し、剣心を絶望の底から復活させるべく剣心の背中を後押しするのだが、実は彼こそが巴(縁)の父親である。全ての決着が付いた後には剣心の代わりに縁と出会うのだが、お互いが実の親子である事を互いに知らないまま「気のせい同士の知り合い」として共に会話を交わしている。
作者・和月伸宏の思い描く「クールビューティー系ヒロイン」の要素が追求された人物。キャラクターのデザインについては「新世紀エヴァンゲリオン」の綾波レイをモチーフにしたと述べており、寡黙であったりいつも何を考えているか解らない表情をしているなど、綾波を参考にしたと思わしき部分が所々に見える。
また、人誅編のメインテーマである剣心の十字傷については「剣心の過去の恋人と、その恋人に付けられた傷」という少年漫画にしては中々に重い設定が実は連載前から用意されていたようである。原作漫画では上記の通り、偶然から清里が付けた頬の傷の上に新たに巴が持っていた短刀で傷が増えた結果十字傷が出来上がるのに対して、OVA版では巴が故意に傷を付けている、という違いが存在する(OVAを全編見れば、その背景や事情も納得できるものになっているのだが)。
さらに、巴が作品中で愛用している白梅香は「巴には何か、匂いにまつわる要素がほしい」と考えた結果、『鬼平犯科帳』のエピソード(「暗剣白梅香」であると思われる)をモチーフに作り出したものであるとの事。
事実、単行本にしておよそ2~3冊分という短めの出番にも関わらず少年漫画らしからぬ悲劇的なストーリーや、「美人薄命」をそのまま体現したような儚さは読者の間でも高い人気を持つ。
ちなみに、女性に対しては(薫や燕を含め)敬称を付けて呼ぶ剣心が作中でただ一人、名前で呼ぶ女性でもある。
掲示板
135 ななしのよっしん
2023/07/17(月) 22:29:33 ID: BZgS+6dwpd
早見沙織いいねえ
>>132
和月伸宏は良くも悪くもストイックすぎる
オマージュ元なんてわざわざ単行本の1コーナーでばらさんでもいいだろうに
136 ななしのよっしん
2023/08/16(水) 22:44:08 ID: +b9oB/Or8t
原作見返してみると、剣心の傷が偶然十字になったでも良いと思うんだよな
加えてるろ剣展の一生懸命だけど不器用、芯の強さはそんなにないって原作者の文を読むとあの場で刃を向けられる子だとは思えん
137 ななしのよっしん
2023/10/27(金) 22:49:27 ID: kRnm1DXcCk
清里って巴と結婚するのに今のままじゃダメだって思って手柄立てる為に京都に来たんだっけ?
巴との祝言を控えてたなら、何らかの手柄を立てたのかな?
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最終更新:2024/12/23(月) 10:00
最終更新:2024/12/23(月) 10:00
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