メロンパンと母マーク
おとなしく折り紙をしていた娘が走ってきた。
紙切れを持っていて、顔の前に差し出された。
「このメロンパン、だれがかいた?」
これは「母マーク」だ。 カミさんが長男にメモを渡す際につけられるものである。 母マークがつけられたメモに書いてある用件は、全て消化してしまわなければ、息子は自分の自由な時間を持つことができないルールになってしまっている。 気の毒。
「メロンパン?」
このメモの一体どこにメロンパンが記されているのであろうか、母マークと用事以外には何も書かれていない。 なんのこっちゃ、さっぱりわからん。 「で、どこに?」と娘の顔を見上げようとした瞬間、メロンパンが見えてしまった。
母マークを90度回転させるとメロンパンのように見えたのだ! 「なーるほど、このメロンパンはね、ママが書いたものです。」