戻り鰹なヤイトガツオ
「はじめには歯にたちかねる堅い魚」
という川柳がある。 句意は、
「初鰹の出始めは、庶民ではとても手が出ない」
という意味だ。 そんな初ガツオを高い金を出して買って食すのが江戸の粋であったとか。
このように、初夏の初鰹ばかりが注目される中、私は戻り鰹の旨さを知ることになる。
ヤイトカツオとの遭遇
魚屋でグラマラスな鰹を見つけた。 見るからに旨そうだ。 なんでも今の時期の鰹は戻り鰹というそうで、初鰹どころではなく、脂が乗って美味なのだとか。 しかもこの鰹は「ヤイトカツオ」と言い、鰹の中でも最上の種類になるらしい。
ちなみにヤイトガツオの「ヤイト」とは、関西でいう「お灸」のことで、その腹側に、ちょうどヤイトをすえたような斑点があることから、ヤイトガツオと呼ばれるようになったという。
ウンチクはさておき、今宵はヤイトで一杯ヤルことに決めたので、丸ごと一本抱えて急いで家に戻った。 早速おろしてみると、見事な脂の乗り具合。 普通赤身の鰹の身が、なんと白っぽい。 こりゃ脂のせいである。
ヤイトの刺身
さてまずは、皮面だけを炙ってショウガ醤油で食べてみる。 いつものようにガスコンロの両脇にレンガを置いてと。 いやまてよ、今の時期は田んぼの稲刈りが終わって大量のワラがあるハズだ。 探せばその辺にワラが干されているかもしれん!
ということで、ひとまずカツオは冷蔵庫にしまい、車に乗ってワラ探しの旅へと出かけたのだった。 せっかくのヤイトガツオだもの。 走ること10分。 ガードレールに干されたワラを発見した。
勝手に取るワケにはいかないので、付近のお宅に訪問し、持ち主を尋ねてみた。 するとそのワラを干した当人のおじさんだった。 「持ってってよかよ!」と言ってくれたので、缶コーヒーと物々交換をする事にした。 そして急いでカツオの元へ戻った。
ヤイトガツオの切り身を串刺しにして、ワラに点火し、さっと炙る。 「バチバチバチッ」と、脂が焼ける音がすると共に、香ばしい香りがベランダを舞う。 そう、ベランダで焼いたのである。 わざわざ美味しいカツオを食うために、家が火事になるかもしれないというリスクを犯してまでも、ヤイトガツオを焼いたのだ。 何、ご近所さんに白い目で見られたって構いやしない、美味しく食う為である。
そしてほどよく焼けたカツオに包丁を入れると、皮が「パリッ」と音をたてながら、カツオが切り身になっていくわけで…旨いに決まってるワケで。 器に並んだ刺身は、皮下5mmまでは白い脂のグラデーションになっていて、美しくもある。 一口食べてみると、もはやため息しかでなかった。 旨すぎる。
こりゃトロの味だ。 いやそれよりも旨い。 薬味をまぶしつけてカツオのタタキなんかにするのは勿体無い。 カツオ特有の血なま臭さがまったくない。 舌上で身が溶ける。 甘味もすごい。
と自画絶賛しながら半身をペロリと平らげてしまった。 鰹は戻り鰹、ヤイトガツオなら尚良し。
※並の鰹だって美味しく食える → http://oisiso.com/katuo.html
幻の高級魚 スマ
近年ヤイトガツオ(スマ)が注目を集めている。 クロマグロの資源不足に代替できる逸材として、養殖研究がはじまった(※氷見で言う「シロカツオ」って、ヤイトガツオの事なのかなあ)。
ひぃ~たまんねえ!
初めまして。
しばらく前からロムってましたが
これはたまらない。
戻り鰹の脂が脂が、私を発情させました。がるるRRR。
それにしても、どんだけ荒野の一軒家に住んでいるのかと思えば
マンションベランダで藁を焼くオイどん。
うっかり地雷を踏んでしまいましたぜ。
(食後のコーシーと共に噴飯もの)
今灸鰹を叩きで頂きました、脂が乗って最高です 、刺し身デモ美味しいでしょうねー店の大将が近大でこれから養殖を考えている様ですね、
今灸鰹を叩きで頂いています、脂がのって最高です、
灸の後が胸部に有るので、ヤイト鰹と言うらしい?
近大が養殖を考えている様ですね〜上手く行けばこの美味い鰹がいつでも食べられたら、幸せです。
灸カツオ初めて使いました岐阜で千成ずし玉姓町支店と言いますまだまだ面白い名前でうまい魚ありますねでもあまり高くならない事をねがいます