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2006年3月17日 (金)

読む

森博嗣さんの、MORI LOG ACADEMY内、【HR】 映像展開を読んで。

たまに、読書の速さを誇る人がいますよね(あまりいないかな…)。本を速く読む必要性など、全く無いと思うのですが、何故か、一日に3冊も4冊も(読書にどれだけ時間を割けるか、という事情にも拠りますが)読む人がいます。「本を沢山読む」、という「結果」に拘っているのではないかと思います。森さんも仰っている様に、あらすじだけ把握しよう、と、考えているのかも知れません。知識の多さをひけらかそう、という心理でしょうか。中には、速く読みながら、且つ深く読める人もいるのでしょうけれど。勿論、速く読むのがいけない、と言っている訳ではありませんし、ゆっくり読む方が良い、と言っている訳でもありません。

私は、小説を読むのは、比較的速い方ですが(平均的な文庫本で、2・3時間程度)、それは、森さん程には、具体的な映像展開をしていないからですね(MLA掲示板に書いてあったのですが、森さんは、キャラクターの服装や、部屋のインテリア等まで、具体的にイメージされるそうです。画も直ぐに描ける、との事)。人物は、ぼんやりとしたシルエットの様なものを浮かべていますし、風景も、余り詳細なイメージは浮かべません。ただ、登場人物の所作は、かなり具体的にイメージします。元々、人の「動き」に興味があるからでしょうか。そういう意味では、ある程度ビジュアルなイメージで読む方なのかも知れません。ドラマ化やアニメ化されて、それを観た後に原作を読む場合は、当然、詳細にイメージします。設定がある訳ですから。そのデザインが好みで無かった場合には、別な画を浮かべようとする事もあります。なかなか面白いですね。

「活字(画を載せていない本の、象徴的表現)を読みなさい。」と、言う人がいますね。その方が、想像力を働かせるから良い、と。でも、本のあらすじを理解するだけなら、簡単な事です。問題は、「どう読むか」だと思います。又、活字を読め、と言う人は、漫画やアニメ、ゲーム等に対して、ビジュアルな表現が多用されているので、想像力が要らない、と批判します。まあ、そういう事を言う人は、想像力が乏しいのでしょう。漫画やアニメに触れて、原作とは異なった展開を考えたり、オリジナルのキャラクターを思いついたり、という事には、考えが及ばないのでしょうね。「自分は本を沢山読んできた。だから、皆本を読むべきだ。」と、短絡しているのでしょうか。

この様に、偉そうな事を書いている私ですが、何年か前に、小説を1時間半で読み終わって、他人に自慢していました。今考えると、汗顔の至りでございます。

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