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漫画『海皇紀』 レビュー
海皇紀
連載は『月刊少年マガジン』にて1998年3月号から2010年8月号まで(休載含む
単行本は全45巻。
作者は『修羅の門』『修羅の刻』などの川原正敏。
レビュー
船がメインといった紹介が多いけど、陸での戦闘も結構多め。
面白さに海とかはあまり関係ない気もする。
そうはいっても波がある状態での戦闘は独特だし、風を利用した船の動きもこの作品特有のものではあるが。
ただやっぱり作品の魅力はキャラクター、バックボーン、戦略、戦術だと思う。
戦いの行方の見せ方がとにかく上手くて、推理小説のような布石の撒き方をしている。
かといって策が毎回機能し過ぎるといったこともない。
予測不能なこともあるし、人の感情で戦況が変化することもある。
ファン・ガンマ・ビゼンの魅力
本作の主人公。
天才軍師+強いというチートっぽいキャラクターながら、怠け者アピールでなんとかバランスを取っている。
『海皇紀』という作品が暗くならなかったのは、ファンの性格が強く影響していると思う。
実は気遣いに長けた人物でもあり、能力とは関係なく仲間に慕われている部分もある。
その「慕われている」という部分が真の強みとして描かれていることも多い。
ただし嫉妬されて痛い目を見ることも。
ソルとの関係は特に大きな誤算だった。
とはいえ基本的には人を見る目はある。
それはもう敵味方問わず。
敵方の身内が裏切ることを想定した策などもあった。
ファンの仲間
有能なのが多い。
主人公を際立たせるために他を下げないのがこの漫画の良いところ。
読者視点でこいつ出来る、と思わせるシーンも多い。
ニッカなどは特にそうかな。
こういうのは漫画特有の見せ方かもしれない。
トゥバン・サノオのやり過ぎ感も結構好き。
技量を見抜いていたファンも化物だけどね。
伝説の方がしょぼい、みたいな言い回しも良かった。
ジンなどは亡くなった後で評価されていることが分かるなど、全体的にキャラクターが大切にされている。
この辺りが長く読める秘訣かもね。
マリシーユ・ビゼン
ファンの母親。
紹介するなら他のキャラにしろよって突っ込まれそうだけど、この作者の画風からすると割りと衝撃だったので。
だって母親なのに若干のロリ成分が入ってるんだもん。
それでいて切れるし、ファンを困らせたりと、ある意味流れを変えた人物。
実力的な描写としても面白い。
剣心が最強だと思ってたところに比古清十郎が出てきたみたいな感じ。
まとめ
割りと本気でオススメの漫画なんだけど、逆に書き辛い部分もあったりする。
長く続いた作品はどこを切り取って感想を書けばいいのか、そこに悩まされるのである。
魔導の設定も作品を面白くしている要素なんだけど、この辺の説明もちょっとむずかしい。
ただ全体的に『謎』の見せ方が上手く、そこが期待感に繋がっているのは確か。
布石と回収こそがこういった漫画の奥義。
地味に戦闘シーンでの駆け引き、描写も面白い。
なんか書けば書くほど冒険とファンタジー以外の部分が重要な気がしてくるな。
やたらと横に間延びしたコマが多いけど、それはもう川原正敏の味というか、特徴なので良しとすることにした。
Category: 漫画_レビュー
Thread: 漫画の感想
Janre: アニメ・コミック
Tag: 海皇紀 川原正敏 漫画 レビュー 感想 海洋冒険活劇 三国志« 人類最強のときめき / 西尾維新 | 涼宮ハルヒの憂鬱(2009年放送版) 総評 »
コメント
>敵方の身内が裏切ることを想定した策などもあった。
それだけに自分が買っていた人物が嫉妬から暴挙に出る事を読めなかった事を自嘲してましたね。
あれは長い物語の中でも、数少ないファンの読み違えでした
>だって母親なのに若干のロリ成分が入ってるんだもん。
まあ、それだけなら割と珍しくない設定ですがね
とはいえ、高校生の主人公の母ならともかく、成人してる主人公の母親が、あそこまで若々しいのは珍しいかな
自分の若さの秘訣の説明が、ファンの母親らしかったですが(真の理由は最終回で明らかになりましたが)
>地味に戦闘シーンでの駆け引き、描写も面白い
そもそも漫画界でも珍しい海戦に重きを置いた作品でしたしね
海賊が主人公のワンピースの比じゃないくらい海戦の数が多いですよ
海皇を決めるための海上レースまで含めたら、全体の四分の一くらいが海戦だった気がします
#- | URL | 2017/04/01 20:05 [edit]
Re: タイトルなし
>数少ないファンの読み違えでした
そういう読み違えに限って代償が大きいんですよね。
>あそこまで若々しいのは珍しいかな
「修羅の門」とかでも、母親キャラはたいていアクティブに動きますよね。
解説役も多め。
>漫画界でも珍しい海戦に重きを置いた作品でしたしね
風の読み方というか、使い方に個性がありましたね。
相手が狙いに気付いた時はもう遅い、みたいな展開も自然でした。
ルイ #- | URL | 2017/04/01 21:21 [edit]
>天才軍師+強いというチートっぽいキャラクターながら、怠け者アピールでなんとかバランスを取っている。
藤崎版の封神演義の太公望に少し似てますよね
まあ、太公望はあそこまで戦闘力が強くありませんでしたが
どっちも怠け者アピールしながらも、やるべき事はきっちりやって、それでいて場を和ませてますね
>敵方の身内が裏切ることを想定した策などもあった。
だからこそソルとの一件で自嘲してましたね
>なんか書けば書くほど冒険とファンタジー以外の部分が重要な気がしてくるな。
この作品は、うたわれるもの、スクラップド・プリンセスなどの作品と同じで
ファンタジーに見せかけた、もしくはファンタジー要素もあるSFだと思います
だって「森守」の正体は完全にロボットだし ビーム出すし
通りすがりの幻想殺し #- | URL | 2019/01/22 17:57 [edit]
Re: タイトルなし
>どっちも怠け者アピールしながらも、やるべき事はきっちりやって、それでいて場を和ませてますね
そしてどちらも人望がある。
>この作品は、うたわれるもの、スクラップド・プリンセスなどの作品と同じで
ファンタジーに見せかけた、もしくはファンタジー要素もあるSFだと思います
どの作品も読者視点だから分かることがけっこーあるのが特徴ですね。面白い。
ルイ #- | URL | 2019/01/30 08:22 [edit]
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