掲示板ジャック
その開票速報のためだろうか、大河ドラマ「光る君へ」が1週とばされて、東京都民以外からは不満も出ているとか。
かくいう私も東京都民じゃないから選挙権はない。
それに候補者の顔ぶれをみても、都知事になってもらいたいというような人は見当たらない。
だいたい気に入らないのは、都民ファーストとかいう主張。アメリカファーストという言葉とどっちが先にあったのか、もしアメリカファーストをまねたのなら危険思想に与する心理があるのではないかと思う。
〇〇ファーストは昔からある言葉ではある。たとえばレディファースト。
IT分野ではクラウドファーストといって、情報システムを導入するにあたって、まず検討すべきなのはクラウドサービスで、クラウドでは対処できないとか、適切なものがないというときに他の手法を考えるというやりかた。
そして東京ファーストというのは不愉快。東京が大きいのは東京都の行政が優れているからでは全然ない。東京都のインフラがしっかりしているのも国策が大量に入っているからである。その点、関西圏は地元の力で頑張っている。つまり関西での大阪ファースト、京都ファーストと、東京ファーストでは全くその値打ちが異なると思う。
対立候補は「一番じゃなきゃいけないんですか」で有名な人だが、この発言が技術で勝負しなければならない日本国で、真摯にそれを追求している人達をどれだけ落胆させたか、そのことを反省する言葉を聞いたことがない。
他の候補についてはよくわからないが、東京には力があるという人には、東京だけ良ければ良いのか聞きたいものだ。
まあそんなことはどうでも良い。
この都知事選の注目は、やはり大量の立候補者がいること、そしてうち24人が某政党からの立候補である。
当選者が一人の選挙で、大量の候補者を出すなんてのはハナから当選を目的としていないことが明白であるが、なぜこんなことをしたのかといえば、どうやら候補者のポスター掲示板に好き勝手なポスターを貼れるようにしようということらしい。
しかも、ポスターを貼れるのは立候補者に限られておらず、この政党に「使用料」を納めれば良いらしい。
東京新聞によれば、都内の掲示板は約14,000ヵ所あって、この党が確保したのは24人分、つまり14,000×24=336,000枚分だそうだ。都知事選の立候補に必要な供託金は300万円、この党全体では、300万円×24=7200万円であるが、は誰一人として供託金が回収できる得票(有効投票の1/10)は得られないから、掲示板「販売」原価は7200万円と見てよいだろう。ポスター1コマあたりにすると214円というところだが、全コマを売り切ることは到底できず、トータル「売上」はせいぜい1200万円と推定されている。
そしてそうやって張り出されたポスターには女性のヌードなどもあり、みかねた都民が警察になんとかならないかと訴えても、選挙の掲示板だから勝手にはがすことはできないという。
張り出した候補者には警告は出したらしいが、ポスターはそのままのようだ。
<選挙中はどうにもならないにしても、選挙期間が終了したら、不適切掲示物については公選法のしばりが解けるわけだから、余罪があればそのときに摘発することはできそうだ。
ところで、某政党の行動と同様に考えてはいけないのだが、大昔、市議選とかに出て、街宣車で「ベトナムに平和を」と宣伝してまわったらどうだろうというアイデアを言う知り合いがいたことを思い出した。
私の予想では現職当選で、何も変わり映えしないことになるだろう。
ただ某政党のおかげで、選挙を撹乱するような選挙運動の規制をどうやれば良いのかという問題だけは突きつけられたと思う。