アメリカ大統領選挙
よその大統領のこととはいえ、日本国の同盟国だし、かつては「世界の警察官」を自認していたぐらいの国で、そこの指導者には、何よりも良識というものがほしいところ。
対立候補にして前任の大統領は「アメリカ・ファースト」を打ち出して、警察官の役割を求めるなら金を出せ、日米安保を維持したいなら金を出せと言ってきた人だから、安定した国際関係を希むなら、この人の復帰には不安が多い。
であるけれど、バイデン大統領が確固とした信念で国際秩序を維持しようと頑張ったという印象はない。実績抜群であれば選挙戦から撤退するまで追い込まれはしなかっただろう。
前の選挙のときにもバイデン氏の年齢を心配する声があったと思う。1942年生まれの82歳。前の選挙でも78歳で4年後には82歳という高齢になることが心配された。
トランプ氏も1946年生まれの78歳。高齢が心配されていたが、中身はともかく元気そのもの。
民主党の大統領候補はまだ決定には至っていないようだが、ハリス副大統領が有力らしい。
バイデン氏が任期中にするべきだったのは、自らの年齢を考えて、後継者を見極め、その人に経験を積ませ、注目を集めさせることだったのではないだろうか。
ひょっとしたらトランプ氏が多くの「犯罪」で大統領返り咲きなどありえないと楽観視していたのだろうか。しかしそうした相手の失策を期待するのではなく、自分の老いを認識し、しっかりしたビジョンと後継者を用意しようとは考えなかったのか。
それにしても、世界的に自国第一主義の政党が伸びている。しかしウクライナ戦争を止め、価値観を異にして警戒される中国を抑えることなどを考えるのなら、自国第一主義では難しく、おそらく多くの国による包囲網やバランスのとれた国際関係の樹立が必要ではないだろうか。
国家間の相互依存関係が深まると戦争は起こらないというのはフィクションである。それは第一次世界大戦で既に証明されている。(⇒「八月の砲声」)
むしろ相互依存関係をてこに強圧的な国家関係を強いる力のほうが大きくなっているかもしれない。
では日本国はどうしたらよいのか。
右往左往するしかないのだろうか。