2002年版と2003年版のTROIの自発的水蒸気爆発の論文報告その3
★ 中西正之 さんから:
2002年版と2003年版のTROIの自発的水蒸気爆発の論文報告その3
<TROIの実験では、巨大な水蒸気爆発圧力と巨大な容器への推力が測定されてい
る>
2002年版の報告書の349ページで説明されているようにTROIの実験の初期の頃の
TROI-3及びTROI-5の実験では、水蒸気爆発の映像を撮影するため、水を貯める容
器はステンレス鋼フレームを用いた透明なポリカーボネート製の壁を用いていま
す。この容器は水蒸気爆発が起きると、破壊されています。そこで、352ページ
で説明されているように、第2の一連の試験では、水を貯める容器は『強固な容
器が使用される。それはステンレス製の円筒形試験セクションです。容器の高さ
は150cm、内径は60cmです。壁の厚さは2cm、底の厚さは3cmです。試験容器の底
部に、ロードセル(IVDL)を設置して動的インパルスを測定する。』に変更して
います。
そして、TROI-13の試験で測定した、水蒸気爆発時の水中の内部圧力と、容器の
底にかかった推力の測定データーが353ページの図.8と図.9に示されていま
す。
TROI-13は模擬デブリにUO2:69%、ZrO2:30%、Zr:1%を使用し
た試験ですが、激しい水蒸気爆発が起きています。
水蒸気爆発の反応速度は非常に早く、千分の1秒位の間に反応が起きて、エネ
ルギーが一気に放出されるので、時間は短いがそれだけ巨大な力が発生します。
TROI-13の試験では、水中の内部圧力は最高が約7MPa(70気圧)になって
います。
また水を貯める容器の底に取り付けたロードセルの荷重計では約250kN(2
5トン)の荷重が測定されています。
この容器の底の面積は、直径が60cmの円盤なので2,826cm2となり、8.
8気圧の爆発反力を受けている事が分かります。
一方、2003年版の報告書の793ページの図15には、TROI-13の実験での実
験装置格納容器の圧力の測定値が記録されています。PVSP002とPVSP003は貯水さ
れた水とは直接接触しない気層での測定圧力ですが、水蒸気爆発の発生時には、
0.124MPa(1.24気圧)にしかなっていません。
原子炉の実炉に比べると、実験モデルの大きさが極めて小さいのですが、冷却
水と接している部分には巨大な力がかかるが、それら遠く離れた気層部分の壁に
はあま大きな力はかからないというとかと思われます。
このことは、格納容器下部のキャビティに貯められた水の量が少なければ、格
納容器が破裂してしまうほどの衝撃は受けにくいが、キャビティに水が満杯にな
っているようなとき、メルトダウンが起きると、キャビティや格納容器も吹き飛
んでしまう事が有るという事を意味しているように思われます。
2002年版と2003年版のTROIの自発的水蒸気爆発の論文報告その3
<TROIの実験では、巨大な水蒸気爆発圧力と巨大な容器への推力が測定されてい
る>
2002年版の報告書の349ページで説明されているようにTROIの実験の初期の頃の
TROI-3及びTROI-5の実験では、水蒸気爆発の映像を撮影するため、水を貯める容
器はステンレス鋼フレームを用いた透明なポリカーボネート製の壁を用いていま
す。この容器は水蒸気爆発が起きると、破壊されています。そこで、352ページ
で説明されているように、第2の一連の試験では、水を貯める容器は『強固な容
器が使用される。それはステンレス製の円筒形試験セクションです。容器の高さ
は150cm、内径は60cmです。壁の厚さは2cm、底の厚さは3cmです。試験容器の底
部に、ロードセル(IVDL)を設置して動的インパルスを測定する。』に変更して
います。
そして、TROI-13の試験で測定した、水蒸気爆発時の水中の内部圧力と、容器の
底にかかった推力の測定データーが353ページの図.8と図.9に示されていま
す。
TROI-13は模擬デブリにUO2:69%、ZrO2:30%、Zr:1%を使用し
た試験ですが、激しい水蒸気爆発が起きています。
水蒸気爆発の反応速度は非常に早く、千分の1秒位の間に反応が起きて、エネ
ルギーが一気に放出されるので、時間は短いがそれだけ巨大な力が発生します。
TROI-13の試験では、水中の内部圧力は最高が約7MPa(70気圧)になって
います。
また水を貯める容器の底に取り付けたロードセルの荷重計では約250kN(2
5トン)の荷重が測定されています。
この容器の底の面積は、直径が60cmの円盤なので2,826cm2となり、8.
8気圧の爆発反力を受けている事が分かります。
一方、2003年版の報告書の793ページの図15には、TROI-13の実験での実
験装置格納容器の圧力の測定値が記録されています。PVSP002とPVSP003は貯水さ
れた水とは直接接触しない気層での測定圧力ですが、水蒸気爆発の発生時には、
0.124MPa(1.24気圧)にしかなっていません。
原子炉の実炉に比べると、実験モデルの大きさが極めて小さいのですが、冷却
水と接している部分には巨大な力がかかるが、それら遠く離れた気層部分の壁に
はあま大きな力はかからないというとかと思われます。
このことは、格納容器下部のキャビティに貯められた水の量が少なければ、格
納容器が破裂してしまうほどの衝撃は受けにくいが、キャビティに水が満杯にな
っているようなとき、メルトダウンが起きると、キャビティや格納容器も吹き飛
んでしまう事が有るという事を意味しているように思われます。