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2011/12/02(金) 17:29 中鬼
 
2011/06/06(月) 06:00 中鬼
ヘレン・カルディコット医師『原子力が答えではない』(2006年出版)【Helen Caldicott, Nuclear Power Is Not The Answer】の要点和訳の第二弾です。

第1弾の要点は、原子力というものは事故がなくても労働者・住民・地球生命全体に多大な犠牲を強いるものだということでした(第一弾はこちらです)。第2弾は事故(1979年スリーマイルと1986年チェルノブイリ)の際に情報操作がされてきた事実の告発が中心です。特に米国スリーマイル島原発事故については、カルディコット医師自身が現地で医療活動にたずさわった経験から、御用学者の「想定」に基づく「理論」とは比べものにならないほど説得力のある臨床現場での事実が語られています。

カルディコット氏は小児科医です。1977年にハーバード医科大学で教え、1979年のスリーマイル事故をきっかけに脱原発を目指して活動をはじめ、1985年にノーベル平和賞を受賞した核戦争防止国際医師会議(IPPNW)にかかわり、自身もノーベル平和賞に個人ノミネートされています。(Wikipedia)


以下、中鬼が特に驚いた事実をまとめてみました。

<スリーマイル島原発災害について>
1 大嘘だった「原発事故が起こる確率」
2 スリーマイル原発災害でも隠ぺいされたアルファ線・ベータ線核種
3 公表値の4000倍の放射性物質が放出されていた
4 住民に知らされなかった放射能放出:裏で当たり前のようにベントしていた!
5 鼻血、下痢、吐き気、赤い発疹などは大量被曝の症状
6 政治的に隠ぺいされた臨床事実
7 ハーシーズ・チョコレートの犯罪的ビジネス
8 「科学」は金で買収された:こうして御用学者の時代が築かれた


<チェルノブイリ原発災害について>
9 IAEAがWHOを手なずけたことで世界はおかしくなった
10 フランスでもホットスポットがあったのに隠ぺいされた
11 数千キロ離れた低濃度汚染地域でも被害は多発している
12 原発災害は数十年たっても終わらない


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<スリーマイル島原発災害について>

1 大嘘だった「原発事故が起こる確率」
→スリーマイル事故前までは原子力産業はメルトダウンが起こるのは、駐車場で雷にうたれるのと同じくらい低い確率だと断言していた。
※大鬼注:NRCの1975年報告ではメルトダウン事故の確率は「2万年に1回」程度とされていた。日本の御用学者はチェルノブイリ後も何万年に一度とか大隕石が落ちる確率などと言っていた。現実は過去30-40年間に3回もの重大事故が発生した。3・11後のニュースでは、米国テネシー渓谷開発公社が米アラバマ州にあるブラウンズフェリー原発について「100万年に1度の洪水」にも耐えるとしたがその1ヶ月後に通常の竜巻で緊急停止・非常事態に陥った。

2 スリーマイル原発災害でも隠ぺいされたアルファ線・ベータ線核種
→沢山の種類の放射性物質が放出されたと分かっていたのに、政府と原子力産業は数種類の物質しか検査・公表をしなかった。そしてその後も正式な発表として多くの放射性物質の数値が世に出てくることはなかった。
→ガンマ線を測る機械は設置されたものの、それらの機械は高濃度の放射線を測れるものではなかったために多くが「計器故障」という結果になった。
→気体化された放射性物質の測定は事故発生から8日たってからやっと実施された。
→α線とβ線は公式には一度も測られることがなかった。

3 公表値の4000倍の放射性物質が放出されていた
→  そんな中で原子力産業はヨウ素の総排出量は13から17キューリー(48万から63万ベクレル)と、気体化したクリプトン、キセノン、アルゴンの総排出量240万から1300万キューリー(888億から4800億ベクレル)と発表した。しかしこれに対して元NRCの委員長ジョセフ・ヘンドリー(Joseph Hendrie)は、「私たちは目が見えないまま仕事をしているのと同じようなもんだ。州知事の出す情報は曖昧だし、私が持っている情報は無いのにも等しい。何人かの目の見えない人達がヨロヨロと不安定に決断をしようとしているだけだ。」と公表されたデータに対して信頼性が乏しいとの解釈をした。その他の専門家達も上記の数値について「甚だしく控えめな数値だ」と批難している。
→ 「(放射線の健康に対する影響を扱う)保健物理学の父」として知られているカール・モルガン医師(Dr. Karl Morgan)の1982年の調査ではヨウ素の総排出量は64000キューリー(約24億ベクレル)で気体化した物質の総排出量は4500万キューリー(1.665兆ベクレル)としている。

4 住民に知らされなかった放射能放出:裏で当たり前のようにベントしていた!
→ 放射能に関した病気を専門とするカール・ジョンソン医師(Dr. Carl Johnson)は、燃料が溶けたということは、ほぼ確実にプルトニウム、ストロンチウム、アメリシウムも放出されているという事になるとし、NRCにそれらの物質の調査を依頼したが断られた。
→ 事故発生から3日後に約480万リットルの汚染水が、NRCの許可なしにサスケハナ川に流出させられた。この川は漁業な盛んな海岸線につながっていて、ロブスター、蟹、魚など多くの魚介類を汚染したにも関わらず、一般市民にはその危険性について何も通達はなかった。
→ その後も秘密の放射能放出は続く。例えば1980年6月には大量のクリプトン85が事故を起こした原子炉から意図的に外にベントされている。更に1990年の11月には230万ガロン(870万リットル)ものトリチウムを含んだ汚染水が意図的に蒸気に変えられてベントされている。
※大鬼注:福島第一のベントは「世界で前例のないこと」ではなかった・・黙ってベントするのは殺人ですね。

5 鼻血、下痢、吐き気、赤い発疹などは大量被曝の症状

→ 事故発生後州知事から避難命令がでる以前に8km圏内の5%から6%の住民は自主避難をした。二日後の3月30日に当時のソーンバーグ知事 (Thornburgh) は8km圏内にいる子どもと妊婦に避難命令を出し、約14万人の人達が避難をした。
→  事故の1週間後にカルディコット医師はペンシルバニアのハリスバーグ(スリーマイル原発から一番近い都市)に行き、避難してきた人達に講演をしたりや質問を受けたりしていた。そこで、避難してきた人達がみせていた体調の状態は、チェルノブイリ事故10年後にプリペットという町の住民が訴えていた症状ととてもよく似ていた。これらの症状は、めまい、嘔吐、下痢、鼻血、口の中に金属の味、脱毛、皮膚の赤い発疹で、これは典型的な急性放射線障害の兆候である。
※大鬼注:こうした症状がみられた方は病院に行きカルテに記録を保存しておくことをお勧めします。

6 隠ぺいされた臨床事実

→  当時のペンシルバニア州の衛生局長であったゴードン・マクレウド医師(Dr. Gordon McLeod)は、事故前の9ヶ月間に甲状腺機能低下が認められて生まれきた赤ちゃんは9人だったのが、事故の9ヶ月後にはそれが20人になっていたという事実をつきとめた。このデータをもとにスリーマイル事故との因果関係を示す研究が求められたが、それは行われず、このゴードン・マクレウド医師は着任から6ヶ月あまりでクビにされた。

7 ハーシーズ・チョコレートの犯罪的ビジネス
→ ハーシーズは汚染された牛乳であると知っていながらそれを使用してチョコレート製品を作り続けた。
→ ハーシーズは自社が取り扱う牛乳に汚染はないとしたが、おかしなことに事故後には牛乳を通常より多く粉末状にしてヨウ素が消滅するまで保存していた。それでもヨウ素以外の大多数の放射性物質は残留しつづけるのだが。
→ ヨウ素やセシウムが放出されたということは、ストロンチウム90、プルトニウム、アメリシウム等の放射性物質も拡散したということ。それなのにハーシーズは何も検知されなかったとして従来通りその土地の牛乳を使っていた。

8 「科学」は金で買収された:こうして御用学者の時代が築かれた
→  コロンビア大学がスリーマイルの事故に関して二つの研究を発表した。そこには被ばく量とホジキン病や肺がんなどの様々な病気との因果関係が導き出されていたのだが(しかも政府や原子力産業が発表した「甚だしく控えめな数値」を使って!)、サンプルの数が少ないとしてその因果関係は説明できないとしたばかりか、何の科学的根拠もないまま発がん率の増加はストレスによるものとの結論にした。
→ 公式に認められた研究はTMI Public Health Fundという基金から研究費がでていたのだが、その基金は原子力産業から出ていた。そのため、まともな研究をしようとしたグループは全てその選考から外され、それでも研究を続けたとしても学会でバカにされて終わってしまうというとんでもない事態が続いた。
→ このような隠蔽体質、そして情報を軽くしたり後出しするやり方は核実験時代から米国で続けられていた。50年60年代の核実験時代には、そのような実験が健康に害は及ぼさないと断言されていた。1997年にやっと発表された米国立がん研究所(National Cancer Institute)の研究によると、212,000人のアメリカ人が核実験の影響で癌を発病した、もしくはその後発病した。しかしこの研究自体も完全ではなく、NCIの数値はストロンチウム90,セシウム137,そしてプルトニウムなどを考慮せずに計算されていた。

<チェルノブイリ原発災害について>

9 IAEAがWHOを手なずけたことで世界はおかしくなった
→ チェルノブイリ事故まで原子力産業は、万が一原発で事故が起こったとしても、炉心から外に放出される放射能はとても微量であると断言していた。
→ 原発推進団体の国際組織であるIAEA(国際原子力機関)と人々の健康への危険を監視するはずのWHO(世界保健機関)が、核にかかわる健康被害については一切研究をしないという悪名高い契約を1959年に結んだため、WHOはチェルノブイリ事故の研究をいっさいしていない。
→ 2005年にIAEAが出した報告によるとチェルノブイリ事故が原因で亡くなった犠牲者は56人(トンデモ報告)。
→ しかし、650000人いた事故後の作業員だけでも少なくとも5000人から10000人は若くして死んでしまっている。
→ ベラルーシ、ロシア、ウクライナの汚染地域の成人男性の寿命は世界の最貧国の一つであるスリランカより更に10歳も低い。

10 フランスでもホットスポットがあったのに隠ぺいされた

→  当時のフランス政府はチェルノブイリの放射能の影響は全くないから安全だと国民に報告をした。現在になってやっとフランスの一部は高濃度汚染地域であるベラルーシやウクライナと同等であったと認めた。80%の電気が原発でまかなわれている国としては驚くべきでない対応だったのかもしれない。

11 数千キロ離れた低濃度汚染地域でも被害は多発している
→ カルディコット医師は小児科医として癌や特殊な病気を専門にしてきたが、以前は小児甲状腺癌を取り扱ったことは一度もなかった。それほど小児甲状腺癌は確率の少ない稀な病気である。
→ ベラルーシでは1986年から2001年までに8358の甲状腺癌のケースが報告されている。その内、716人が児童、342人が青年、そして7300人が大人であった。これは医療的緊急事態である。
→ 2001年にユニセフが要約したチェルノブイリ事故の報告書がある。汚染されたベラルーシ、ロシア、ウクライナの一部ではそこの住民の平均寿命が、最も貧困な国の一つであるスリランカよりも10年も低くなっている。更に、循環器疾患も癌に続く死因の一つになっている。
→  2004年に初めて、ベラルーシ、ロシア、ウクライナ以外の地域でのチェルノブイリ事故と癌の因果関係を示す研究が発表された。そこにはチェルノブイリ事故が原因とされる癌の発症例は事故発生から1996年までの10年の間にスウェーデン内で849人確認されているということである。チェルノブイリからスウェーデンの距離と、癌発生には子どもでは最低で5年、大人では最低10年かかるという事を考慮すると、少ないとは言えない数値である。
→ フランスでも被曝による甲状腺癌の発病だとされるケースが認められ始めている。

12 原発災害は数十年たっても終わらない
→ 事故から18年たった時点でまだ70%から90%のセシウム137,40%から60%のストロンチウム、そして95%のプルトニウムはその場に残り汚染を続けている。
→ チェルノブイリで行われた石棺はすでに古くなり、いくら修復しても壊れ始めてしまうのは時間の問題であると考えられている。もしもそれが崩れたときには、大量の放射性物質がまた拡散される。事故はまだ終わってはいない。


関連記事
『原子力が答えではない』要点翻訳(1)放射線1ミリシーベルトでも死ぬ、原発は平常時でも放射能をばらまき労働者を殺し温暖化を促進する
最初からレベル7だった:政府が隠してきた福島原発災害発生直後の桁違いの放射能放出
3月分放射能で原発200km圏内の22万人が10年以内に、42万人が50年以内に犠牲となる:トンデル・ECRRリスクモデルによる警告的予測


 
2011/05/29(日) 23:49 中鬼
ヘレン・カルディコット医師『原子力が答えではない』(2006年出版)【Helen Caldicott, Nuclear Power Is Not The Answer】の要点を和訳しました。

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カルディコットさんは医師として、放射能に安全な「しきい値」はないとNYタイムズに投降記事を書いた方(この記事でに紹介しました)です。後になって随分有名な方だと分かりました。小児科医として働き、1977年にはハーバード医科大学で教えていたりもします。1980年のスリーマイル事故をきっかけに脱原発を目指して活動をはじめました。1985年にノーベル平和賞を受賞した核戦争防止国際医師会議(IPPNW)にも関与していますが、彼女自身も個人でノーベル平和賞にノミネートされています(Wikipedia

この本には沢山の有益な情報があったので、2・3回に分けて紹介したいと思います。今回はそのパート1、「放射線1ミリシーベルトでも死ぬ、原発は平常時でも放射能をばらまき労働者を殺し温暖化を促進する」です。


以下、中鬼が特に驚いた事実をまとめてみました。

1 「原発は地球温暖化防止のためにCO2削減の救世主」は完全に嘘
2 原発を稼働させる為のウラン採掘は労働者の命を削っておこなわれている
3 ウラン精製も一つ間違えると大変なことになる、というかすでになった地域がある
4 原発から放射性物質が定期的に排出されるのはとても当たり前のこと
5 放射線で細胞の突然変異が引き起こされる
6 「安全基準」には科学的根拠がない:1ミリシーベルトでも人は死ぬ
7 プルトニウムはやっぱり猛毒
8 平常運転時でも原発から漏れている猛毒トリチウム


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1 「原発地球温暖化防止のためにCO2削減の救世主」は完全に嘘
→ 原子力を稼働させる為に必要なウランを採掘して精製するのに莫大な量の化石燃料が必要=CO2排出 しかも、地球上のウラン鉱には限りがあって、ウランの質が近年どんどん悪くなってきていて、それを精製するのに更に多くの化石燃料が必要になってきている=CO2更に排出
→ 原発のコンクリ建屋を作るのに化石燃料が必要=CO2排出
→ 有害な使用済み核燃料を保管したり移動させたりするのに化石燃料が必要=CO2排出
→ このような事実を全く考慮せずに「原発はCO2を排出しないクリーンなもの」と原子力村は言っている=大嘘排出

※大鬼脚注:それに加えてエネルギー効率の極端に悪い原子力発電所は発生した熱の3分の2を海に高温排水として捨てているので海を暖め環境負荷を増やしています。また核廃棄物を何万年も閉じ込め続けることに成功しなければ(・・無理)将来大変な放射能汚染をもたらします。

2 原発を稼働させる為のウラン採掘は労働者の命を削っておこなわれている
→ 例えばアメリカにおけるウラン採掘は、先住民のナバホやプエブロ族の居住地区でおこなわれている。その結果先住民の人達がウラン採掘の仕事につくのだけれど、地下での採掘は気体化したラドン220を大量に吸ってしまうため、彼らの20~50%が肺がんで命を落としている。調査によると、ドイツ、ナミビア、そしてロシアのウラン採掘労働者も同じように高い肺がん率で亡くなっている。

3 ウラン精製も一つ間違えると大変なことになる、というか既になった地域がある
→ コロラド州であった本当の話。60年代半ばに、ウラン精製の際にできた大量の残りかすを放射能で汚染されていると知らずにコンクリートに混ぜて使ってしまった会社があった。そのコンクリは学校、病院、個人の家、道路、空港、そしてショッピングモールなんかに使われた。70年代になってから地元の小児科医達が新生児に口唇裂、口蓋裂やその他の先天異常が増えたことに気づき始めた。米政府はそれについてコロラド大学に放射能コンクリートと新生児の先天異常の関わりについて研究を委託したが、その1年後に突如研究を打ち止めにし、その後原因究明はされていない。

4 原発から意図的または「注意に値しない小さな事故」によって放射性物質が排出されることはごくごく当たり前のこと
→ 原発内で人工的にウランを核分裂させる過程で200以上もの放射性物質が作られて放射線濃度を何十億倍も強くする。例えば、1000メガワットの普通の原子炉一基には広島原爆の1000倍もの放射線が内蔵されることになる。この高濃度の放射線は定期的に外に出す以外方法はない構造になっている。
→ 1974年にアメリカが保有していた全部の原子炉から放出された放射性ガスは648万キューリー。これは総量約2400億ベクレル(!)の放射性ガスが放出されていたことになる。全て「平常運転」でこの結果です。
→ 汚染された冷却水も同じように意図的または事故によって外に出される。
→ このように意図的、もしくは小さな事故によって排出される放射性物質についての研究はほとんどされてきていない。

5 放射線で細胞の突然変異が引き起こされる
→ 放射線で引き起こされる突然変異は優生、劣性、または伴性突然変異。劣性変異で代表するものは糖尿病、嚢胞性繊維症、筋ジストロフィー、そして精神遅滞。典型的な伴性突然変異は色盲と血友病。
→ 確認されている遺伝子病は16,604種類もある(2006年当時)
→ 放射能によって破壊された染色体は、生まれてくる赤ちゃんにダウン症などの深刻な精神・身体の病気を起こさせる。
→ 奇形生成(teratogenesis)は体外からの放射線や胎盤から吸収され胎児に届いてしまい起こる。

6 「安全基準」には科学的根拠がない
:1ミリシーベルトでも人は死ぬ
→ 私たちは年間約100ミリレム(1ミリシーベルト)の自然放射能を大地や太陽から浴びている。しかしこの年間100ミリレム(1ミリシーベルト)という値は7年間その量を浴び続けると125人中1人が癌を発病する値である。
→ Nuclear Regulatory Commission(米原子力規制委員会)は何の科学的根拠もなく、一般人は自然放射能100ミリレム(1mSv)に加えて人工放射能も100ミリレム(1mSv)までは浴びられるといった限界値を作った。要するに年間200ミリレム(2mSv)まで安全だと言えるようにした。
→ 原発労働者の基準はそこから更に引き上がって5000ミリレム(50mSv)。年間に50mSvを浴び続けると、50年後に5人に1人が発癌する。
→ 安全基準は健康な70kgくらいの体重の成人男性を目安に作られている。
→ 放射性物質と化学物質は相互に発がん性を助長する場合がある。
→ National Academy of Science (米国科学アカデミー)の報告によると、大きな事故のない通常時で私たちの年間被ばく量の18%は人工放射能から起きている。ちなみにその人工放射能被ばくの内訳の79%がレントゲンや核医学から起きて、5%が汚染されたタバコや飲み水、そして原発からの放射能になる。しかし、これは通常時の計算であって、定期的に放射性物質をベントする原発が増えたり、核廃棄物が増えることでこの18%がどんどん増えていくことになる。

7 プルトニウムはやっぱり猛毒

→ 100万分の1グラムのプルトニウムを肺に吸い込むだけで高い確率で癌が引き起こされる。プルトニウムは短いが強烈なα線ですぐに細胞を死滅させる。すこし威力が弱まると今度は周りの細胞を破壊してそれが変異体となっていく。
→ チェルノブイリ事故のメルトダウンでは0.5トンのプルトニウムが放出させられた。プルトニウム0.5トンという量は、もしもこれが全世界の1人1人に平等に配布されて被ばくしたとすると、私たちが肺がんで死亡する確率が1100倍増加するという値である。
→ プルトニウムが4.5kgあれば原爆が一つ作れる。

8 平常運転時でも原発から漏れている猛毒トリチウム
→ トリチウムはどんなフィルターでも濾過できないので、気体や水と一緒になり流出されやすい。
→ 年間に少なくとも1360キューリー(5000万ベクレル)のトリチウムが平常運転している原子炉一基から放出されているという研究結果がある。
→ トリチウムの出すβ線は遠くまで貫通しないが、逆にそれは付近の細胞に吸収されやすいという事を意味していて突然変異誘発性がとても高い。
→ 動物実験の結果、トリチウムの被ばくにあった動物の子孫の卵巣に腫瘍が発生する確率が5倍増加した。さらに精巣萎縮や卵巣の縮みなどの生殖器の異常、脳の縮小、精神遅滞、脳腫瘍、周産期死亡率の上昇、そして発育阻害や奇形の胎児が観察された。
→ トリチウムは食品に組み込まれ、体内のDNAに組み込まれてしまう。
→ 通常運転中の原子炉からトリチウムは放出されていて、付近で霧が発生した時や汚染された森林から放出される気体によって人々は被ばくをしてしまう。

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感想:一言で言うと、原発って事故さえ起こらなければ安全でクリーンだなんて大嘘なんですね。事故が起きた場合のとんでもない規模の被害もさることながら、普段から地球と生命を痛めつけて成り立ってきたんですね。原発推進派は世界中でずっと嘘をついてそのことをごまかしてきました。1ミリシーベルトだって実は人を殺すんです。人々を騙してまで原発を作り続けようとする偉い方たちって一体どういうつもりなんでしょうか?どこかの国で命を削りながらウランを採掘している人達や、原発やウラン精製工場が近所に建てられてしまい定期的なベントによって知らず知らずのうちに被ばくしている人達など、沢山の犠牲によってしか成立しない原発がつくった電気を使わされることは、私たちも加害者にさせられることを意味します。私たちは今、もっと安全で環境負荷も少なく人を殺さず各地で雇用を生み安くて再生可能な自然エネルギーというオプションを持っています。節電(ピーク時電力の削減)だってちょっと電力料金の仕組みを変えるだけで簡単にできます。原発はただちに全部やめても問題ありません。エネルギーシフトに数十年かかるなどという戯言には何の根拠もありません。2010年の一年間に中国は原発17基分相等の風力発電、ドイツは7基分相等の太陽発電をつくりました。原発をなくされて困るのは原発で儲けてきた人たちと核兵器を持ちたがってる人たちだけでしょう。原発大好き政党のお一人がさすがに世論にびびって過ちを認めるって言いましたけど、これまで彼らがやってきたことの罪の深さを考えるとこんなにサラッと言われても今さら何言ってるの?と思ってしまうのは中鬼だけでしょうか。とにかくこれ以上こんな原発は続けられません。今こそ脱原発を実現させましょう!


要点翻訳(2)はこちらへ。


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2011/05/08(日) 04:35 中鬼
中鬼、久しぶりに衝撃で叫びました。25人に1人の子供をガン死させる20mSv/年という暫定基準を体内被曝を計算に入れずに強制しつづける人殺し官僚集団、文部科学省が、その殺人基準を正当化するために非科学的な安全神話で教員と親たちを洗脳する資料を配布しています。

文科省「放射能を正しく理解するために」
PDF文書への直接リンク


文科省洗脳資料の嘘と卑怯な表記をまとめてみました。

1ページ目:『放射能を正しく理解するために』
『放射能を正しく曲解するために』の間違いでしょ?

2ページ目:「『放射性物質』というのは安定していない状態・・・安定な物質になると、これ以上放射線は出しません」
放射線を出し終わった後に別の放射性物質に変わるものもあります。例えばヨウ素131は半減期で半分が消滅するのではなく半分が別の物質キセノン131に変わるし、3号機の核爆発で最も大量に放出されたヨウ素135はセシウム135に変わる。

4ページ目:自然放射能やレントゲンもあるのだから「過剰な対策は、生活に支障をきたしたり、偏見を産み出したりすることにもつながります。何事もバランスが大事です」
まず宇宙放射線やレントゲンはただの放射線であり原発災害で問題になる放射性物質による体内被曝は生じない(参考記事1参考記事2)。自然界にもともとあったカリウムやラドンだって細胞が壊されるけどそれは地球生命が受ける宿命だし自然そのものでしょ。原発災害での人工放射能被曝とは他者から強制的に受ける暴力と同じ。こういう全く違うものを同列に論じること自体が卑劣です。でも一番おかしいのは、ろくな対策もせずに25人に1人の子供がガン死することを認めるような基準まで作っておいて「過剰な対策」を云々していること。近い将来、子供達の命がガンや白血病で失われても「バランス」が大事ですか?リスクがある以上、対策は徹底的にやるというのが真っ当な大人のバランス感覚だと思うんですが。生活に支障をきたしているのも偏見が生まれるのも、東電や政府がいいかげんなことをやっていることに原因があるのであって、責任を個人に転換するのはやめてください。(文科省殺人基準についての参考記事

5ページ目:「被ばくには、『外部被ばく』と『内部被ばく』があります。どちらも人体に及ぼす影響は同じです。」「放射性物質をいったん体内に取り込んでも、排泄時に体外に排出されたり・・・」
違います。被曝量は距離の二乗に反比例するし、放射線も長い距離を飛ぶガンマ線よりも短い距離しか飛ばないアルファ・ベータ線の方が強力です。数メートル先からのガンマ線の外部被曝と、臓器の一部に付着した物質が発するアルファ・ベータ線から受ける内部被曝とでは、内部被曝の被害の方が桁違いに大きくなります。排泄に関しても、体内に溜まる物質もあるのですべてが排出されるわけではないと正確に書くべきでしょう。それに排出したところで手遅れの被曝量に達していたらどうするんだ。

6ページ目:「国際放射線防護委員会(ICRP)は・・・『非常事態が収束した後の一般公衆における参考レベルとして、1ー20ミリシーベルト/年の範囲で考えることも可能』」と言っているから20ミリSvだ 
他の国際機関や科学者の意見は無視して都合のいいICRP声明だけを取り上げています。ICRPのこの対応は科学的に何の根拠もありません。基準を云々する上で体内被曝を無視している時点でICRPも文科省も同じ過ちを犯しています(ICRPの過ちについての参考記事)。外部被曝だけで25人中1人の子を将来ガン死させる20ミリシーベルトを認めるということは、体内被曝を入れれば実際にはその何倍もの子供達を殺す基準ということになります。

7ページ目:「万が一ですが、放射性物質がたまっている場所があるかもしれません。・・・念のため、手洗いやうがいなどを十分意識させてください。」
万が一ではなく、ごろごろあるでしょ。すでに校庭の一部で放射能のホットスポットがあるという学校現場で行われた調査結果があるでしょう。念のため、とか危険性を分かってない大人が寝ぼけたこと言ってたら子供は聞かないでしょ。子供の自己責任にするなんて本当に最低。土壌の入れ替えくらいは東北関東全域でやってくださいよ!命の問題なんだから徹底的に「万が一」をなくすまでリスクの低い場所に避難させるべきです。

8ページ目:「毎時3.8マイクロシーベルト未満の区域ー普通に生活して支障はありません」
だから支障ありますから。米国科学アカデミーの2005年の報告によれば、放射能に安全な量(しきい値)など存在しないことが科学的に明かになっています(しきい値がないことについての参考記事)。

9ページ目:「3月17日以降、放射性物質の大量放出はありません。したがって、その時に放射性物質が体や服に付着していたとしても、すでに取れています。口などから体内に入っていた場合でも、体外に排出されています。」
CTBT放射性核種探知観測所(高崎市内)のデータによれば3月21日・30日や4月18日など断続的に濃度上昇が見られます。そしてこれからも「大量放出」がないとは言い切れませんね。取れた分は学校敷地内や屋内に落ちて堆積してるかもしれませんね。体外に排出されていない物質もありますね。そもそも放射性物質のデータ隠してますね。いまさら何を安全気運ただよわせてるんでしょうかこの人達は(政府統計で隠されているデータについての参考記事1参考記事2)。

10ページ目:「しきい値」
そんなものはない医者も言っているという参考記事)。

11ページ目:「『遺伝的影響』は、これまで人間(広島、長崎の原爆被害者や核実験被爆者、チェルノブイリなどの原発被ばく者を含む)で見られたことがありません。」「『発がん』の確率は・・・(100ミリSvだと)約0.5%程度上昇する」「今回、原発事故で考えられる唯一の身体の影響は「発がん」です」「積算で100ミリシーベルト以下では・・・放射線によるはっきりとした『発がん』の確率上昇は認められていません」
嘘だ!!チェルノブイリでは医者の証言も映像証拠もあるのに原発推進機関であるIAEAがそれを無視して勝手な結論を出し、さらにカルテなど大量の証拠隠滅までやって事実を認めなかっただけです。チェルノブイリの犠牲者は100万人を越えると多くの科学者が言っています。チェルノブイリで安全と言われていた第三区分のエリアでも大人のガンや白血病が出ているってNHKでもやってましたよ。他にも心臓病や生殖能力の低下・死産などいろいろ影響が出ることが分かっています。何度も言いますが、100ミリSvなど「しきい値」があるとする論は科学的に否定されています。(チェルノブイリについての参考記事1参考記事2

11ページ目:「しかし、『発がん』が起こる確率は、低い量の被ばくであっても被ばくした放射線の量に応じて増加すると考えて、必要のない放射線をできるだけ浴びないようにするという考え方は、大切です。」
まともなことを言っている唯一の箇所だが、考え方ではなく科学的事実だということをさっさと認めるべきだ。

12ページ目:「今回の事故による甲状腺がんの発生はほとんどないと考えられます。」「チェルノブイリ原発事故では、小児甲状腺がん以外のがんの増加は認められていません。」
やたら断定調ってことは、ほとんどないじゃなくてほとんど認めない、じゃないの?小児甲状腺がんが多発するのには最低でも5年かかるし、大人のガンが出てくるのはさらにその10年後、さらにそれを疫学調査するのに何十年もかかるとか言っている御用学者もいる。つまり連中は自分が現役の内は因果関係が認められないとか何とか言って逃げまくり、事実に勝てなくなりそうな20年後にはどうせ引退してるから、現時点では何とでも言えるわけだ。でも旧ソ連やIAEAの科学者たちが、現場の医師や住民の声や証拠を無視して、政治経済的な理由でインチキな結論を導き出したということは教訓になる。そんなインチキ組織がつくった前提を根拠に、文科省は被害が起きないんだと強弁しているに過ぎない。(チェルノブイリについての参考記事1参考記事2


ここから怒濤の論理すり替え(つまり責任転嫁)がおこなわれます。

12ページ末:「放射線の影響そのものよりも、『放射線を受けた』という不安を抱き続ける心理的ストレスの影響の方が大きいと言われています
13ページ:「保護者のふさぎこんだ気分や不安は、子どものこころの不安定さにつながります。放射能問題については保護者が正確な知識を持ち、必要以上に心配しすぎないことが重要です」
14ページ:脳の仕組みと「ストレス反応」の説明
15ページ:「心配なことがあると、胸のあたりが重くなって、ソワソワして、心が暗くなります・・・頭やおなかが痛くなったり・・・心とからだがつながっているからです」
16ページ:「自分ではどうにもできなかったという体験は、こころの傷として薄れていきにくくなることがあります(トラウマ)」
17ページ:「心的外傷後ストレス障害((PTSD))とは」「生命が危険にさらされるような強い恐怖を経験をしたり目撃した場合」に起こる

そして衝撃のクライマックス!

18ページ:「放射能のことを必要以上に心配しすぎてしまうとかえって心身の不調を起こします。・・・もし保護者が過剰に心配すると、子どもにも不安が伝わって、子どもの心身が不安定になります。・・・だから、不確かな情報や、人の噂などの風評に惑わされず、学校から正しい知識と情報をもらって、毎日、明るく、楽しく、仲良く、安心した生活を送ることが心身の病気を防ぐ一番よい方法です。」

ああ~!!叫びたい。文科省に向かって叫びたい。なんなんだおまえ達は!

命と健康あってこその精神の安定なんだよ。その命と健康を脅かしているのが、おまえ達なんだよ。そして精神的不安やストレスを増幅させてるのも、おまえ達なんだよ。基本的に病んでるのも、おまえ達なんだよ。殺人基準や不徹底な対策や非科学的な議論で、子供達の命と健康を脅かしておきながら、それを心配する側のせいにして、親たちが心配しすぎるから子供がおかしくなるって!?ふざけんな

とろくさい脳の仕組みの話や下手なPTSDの話を使って論点をすりかえ、少しでも多くの命を守ろうと科学的真実を求めている人々をバカにして、俺たちの言うことを聞いていればいいんだよといった独善傲慢な文科省の官僚たちを、大量殺人の容疑で告訴したい。ここまで卑劣だと中鬼がPTSDになりそうです。

中鬼は4年間ほど、PTSDを持つ女性達の為の団体で仕事をしていた事があります。だから多少PTSDは知っているので、この資料のこの文脈でPTSDを引き合いに出すトンデモさがよく分かります。今回の大地震や津波の影響でPTSDだと診断される子供はいるでしょう。そして、文科省やその他の政府機関、東電、大手メディアのように嘘ばかりの情報によって、将来、自分やお友達、そして親御さん達の健康を損なわれた時のショックでPTSDになることもあると思う。でも、危険だと心配しているからと言ってPTSDと診断されるなんて聞いたことありません。正しい情報をきちんと説明されて、自分の身を守ってくれる行動をする大人に囲まれている子供達がPTSDになることはない。むしろこんな資料を配っている文科省のせいで人を信じられなくなって鬱病とか人格障害とかの診断を将来されてしまう確率の方を中鬼は心配します。

とにかく、こんなクソ資料の作成をした奴は公衆の前に出てこい。非科学的で命より利益を優先するための安全デマで教員や親を洗脳して、放射能の二次被害を拡大するために税金を使った官僚と政治家は全員辞めろ!!!教員の皆さんは絶対にこんな嘘を子供に教えないでください。お願いします。


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2011/05/02(月) 01:20 中鬼
ニューヨークタイムズ(2011年4月30日)掲載

「安全な量などない」(Unsafe At Any Dose)

by ヘレン・コルディコット医師
(Founder of Physicians for Social Responsibility and Author of "Nuclear Power Is Not the Answer")


6週間前に初めて日本の福島第一原発の原子炉の損傷を聞いたときに、私は一つの事を確信しました。

格納容器や燃料プールが一つでも爆発を起こせば、北半球全体で癌の新しい発症率が何百万も増加するのだ、と。

原発推進派はこれを否定するでしょう。先週おこなわれたチェルノブイリ事故25周年の集まりでも、「犠牲者はほとんどいなかったし生存者の子供たちに関しても遺伝的異常が見つかるケースはほとんどない」と何人もの人達が言っていました。石炭燃料に比べて原子力は安全だとか、福島近辺に住んでいる人達の健康についての楽観的予測も、そのような観点から簡単に導き出しているのです。

私のようにきちんと状況を理解している医者達にとっては、これはとてつもなく酷い情報で何の根拠もない議論だとすぐに分かります。チェルノブイリ事故の犠牲者の人数に関しては大きな議論がずっとなされています。International Atomic Energy Agency (IAEA)は約4000人があの事故が原因で癌を発病して亡くなっていると発表をしていますが、2009年にNew York Academy of Scienceのリポートでは、100万人の人達が事故の影響で癌やそれ以外の病気にかかって亡くなっているという結論をだしています。更に、高濃度放射能の放出によってどれだけの流産が起きたかについては、遺伝子を破壊された胎児の人数を知ることはできないのでその犠牲は数に入っていません(ベラルーシやウクライナでは奇形で生まれた多くの子供達が施設に住んでいます)。

原子力事故は決して終わりがないのです。チェルノブイリ事故の放射能汚染による影響は、何十年もしくは何世代も時間がたたないと全貌を理解することができないのです。

広島と長崎のケースから分かるように、癌の発病は何年もの時間がかかります。白血病は5から10年ですが、癌となると15から60年かかったりします。更に、放射能が関係する変異体は劣性的に起こります。つまり、二つの劣性遺伝によって特殊な病気をもった子供が産まれるまでには何世代も時間がかかったりするのです。特殊な病気とは、私の専門である嚢胞性繊維症などのことです。要するに、私たちはこれからの将来にチェルノブイリや福島の事故で拡散された放射性物質によってどれくらいの癌や他の病気が発病されるのかまったく分からない状態なのです。

医者達はこのような危険な状況を理解しています。私たちは白血病から子供達を救うために、そして転移性乳癌から女性達を救うために一生懸命働いているのです。それでも、医療的観点からこのような不治の病をどうにかする唯一の方法は予防でしかないのです。そのような事から、医者達ほど原子力産業に関わる物理学者達に対して声を上げる準備ができている人達はいないでしょう。

そんな物理学者達は放射能の”許容用量”なんて事について説明をします。彼らは、原発や核実験などで拡散される放射性物質が体内にとりこまれ、小さな細胞に大量の放射能が取り込まれる体内被ばくを全く考慮に入れずに議論をするのです。原発から拡散される放射性物質にしても、医療レントゲン、宇宙、そして自然界からの放射性物質にしても、彼らは常に健康への被害の少ない体外被ばくにだけに焦点をあてるのです。

しかし、医者達は放射能に関して安全な許容量などない、また放射能は蓄積されるものであることを知っています。放射能の影響で起こる細胞変異は一般に有害なものばかりです。嚢胞性繊維症、糖尿病、フェニールケトン尿症、筋ジストロフィなどの病気を引き起こす何百もの遺伝子を私たちはもっています。現在、2600以上もの遺伝的疾患があると言われていますが、そのどれもが放射能に由来する細胞変異に関係している可能性があります。そして、私たちが人工的に拡散される放射能のレベルを引き上げていることで、これらの病気の発病率は上がっていくことでしょう。

もう何年ものあいだ、医者達に比べると原子力産業に雇われた物理学者達は少なくとも政治やマスコミの間では随分と重宝がられています。40年代のマンハッタン計画以来、このような物理学者達は簡単に国会に登場することが可能になっています。まずは国の核となる部分から準備を始め、物理学者達は核兵器を擁護するにしろ原発を擁護するにしろ、大きな力をつけていったのです。彼らは国会に堂々と入り込み国会自体を彼らの言いなりにしたのです。彼らの言う先進技術こそが全てとなり、その代償は何十年後もあとになってやっと分かるという仕組みになりました。

それに比べて医者達は国会との関係の歴史が浅く、さらに核に関する事についてはアクセスが非常に制限されています。私たちは発癌の潜伏期間や放射線生物学にまつわる研究の発展について議論をしてまわったり普段はしません。しかしその結果、放射能の長期的な健康への被害について政治家や市民の皆さんに説明をするという仕事をおろそかにしてしまっていたのです。

癌の患者さんが私たちにやってきたときに、彼らが80年代にスリーマイルアイランドの風下に住んでいたとか、放射能に汚染された牛乳から作られたハーシーズのチョコレートを食べていたかなんて質問をするのはよくない事だとされています。私たちは最初から事が起こらないように働きかけるよりも、事故が起こってからそれに対処をしようとします。しかし医者達は今こそ原子力産業に立ち向かう必要があるのです。

原子力はクリーンでもないし、持続可能でもないし、化石燃料の代替でもありません。逆に地球温暖化を促進させるものなのです。太陽、風力、地熱発電、そして省エネで私たちの電気の需要は満たすことができるのです。

昔は放射能が癌を引き起こすなど誰も考えていませんでした。マリー・キューリー(キューリー夫人)とその娘は扱っている放射性物質が自分達を殺すことになるなんて知りもしませんでした。 しかし、マンハッタン計画に関わった初期の物理学者達が放射性物質の有害性を理解し始めるまではそれほど長い時間はかかりませんでした。私は個人的に彼らをよく知っています。彼らはヒロシマとナガサキで起こったことへの罪の意識から原子力の平和的利用が推進されることを常に願い続けてきましたが、結局はその逆の事が広まってしまっただけでした。

物理学者達が核の時代を始める知識を持っていたのならば、医者達はそれを終わらせるための知識と適格性を持っているのです。

 <訳:中鬼>

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2011/04/28(木) 10:41 中鬼
インタビュー動画(RT.com, Apr. 25, 2011 "チェルノブイリ原発災害25周年"報道)

クリス・バスビー教授(Prof. Christopher Busby), Scientific Secretary of ECRR

※EX-SKFさんが指摘してくださった点を赤字で修正しました。EX-SKFさんのブログにも載せていただいています。ありがとうございます!



司会:今世紀最悪ものとなった福島の事故について、バスビー教授、お越し頂きありがとうございます。まず、あまり広くメディアで浸透していない議論なのですが、福島で起こった爆発の一つが実は水素爆発ではなく、原子炉の一つ(※3号機)での核反応が原因だったというのがあります。もしもそれが真実だったとしたら、まさか東電はそんな重大な事故を隠蔽したりはしませんよね?

バスビー教授:私は東電がそれを隠蔽するということはあり得ると思っています。原子力産業が二枚舌を使うことや隠蔽をすることは歴史的に常に続いていることです。いつでも彼らは情報を自分達の都合の良いように変えてしまいます。私はおそらく核爆発があったと考えていますが、それは原子炉容器の方ではなく、使用済み燃料タンクでの爆発だと思います。プルトニウムやMOX燃料が含まれているタンクですね。あのすごい煙を上げた爆発をビデオで見た人は、誰もがそれが水素爆発であるはずがないと思ったはずです。

司会:水素爆発ではなくて核爆発だったとしたら、それはどのような意味をもつのですか?

バスビー教授:大きく変わるわけではないですが、問題となるのは、爆発と同時に膨大な放射性燃料が蒸発して拡散していまったということです。だから周りは非常に高い放射能濃度になっていることでしょう。またメルトダウンの問題がありますね。そしてまだ核分裂し続けていると我々は理解しています。もしかしたら容器自体に裂け目があるのかもしれません。一日に100テラベクレルの放射性物質が放出されているのです。これは本当に深刻な問題です。チェルノブイリも核爆発でした。数週間前にベルリンで報告されていますが、キセノンの同位体の測定量からして、今回のも水素爆発ではなく核爆発であるということが示されています。

司会:多くの人たちがチェルノブイリと福島第一は比較できないと言っています。その中であなたはずっと福島第一がチェルノブイリよりも悪い状況になると言っていました。現在でも同じ見解をお持ちですか?

バスビー教授:はい、そうです。とても悪い状況になる可能性があると思っています。その理由は、チェルノブイリに比べて福島第一の現状は制御されていないのです。旧ソ連はできる限り素早い行動で制御することに努めました。日本は随分とリラックスした対応をしていると言わざるを得ません。まず避難勧告が緩い。まだ多くの人たちが避難すべき場所に残っていますし、私の意見では最低でも60kmから70kmの範囲で避難勧告をだすべきだと思います。70km地点で高濃度放射能を計測しているのです。その量はチェルノブイリの避難区域の数値より高いんです。東京やその南部の地域でも高い放射能が検出されていることから、チェルノブイリに比べてとても多くの人たちがリスクにさらされているのです。チェルノブイリの時は、風が北に向いたために首都のキエフに放射能の汚染があまり広がりませんでした。要するに影響を受ける人の数が全然違うということです。ベルリン(の国際会議)で発表したECRRのリスクモデルを使った計算方式によると、チェルノブイリ事故が原因で癌になった人の数は140万人でした。我々はほぼ同数の人たちが福島第一の件で癌を発病するであろうとみています。

司会:幾つものメディアで『長期的な健康被害はまだ分からない、しかし一般的に人間へのリスクは低いとみられている。』『福島第一での放射能汚染による健康被害は確認されていない。』というような事を聞きます。これはまだこうした判断をするには時期尚早ということなのか、それともあなた自身が過剰に反応をしているのかなどと言いそうな人もいそうですよね。

バスビー教授:時期尚早というわけではありません。チェルノブイリに関して言えば、疫学的に癌発病率の増加など様々な研究がなされています。歴史を無視する人たちがそれを繰り返してしまうのです。こういう話を軽視するのは、ほとんどが原子力産業の人たちです。多額の利権が絡んでますから。

司会:日本政府は9ヶ月で事態を収拾できるとしていますよね。冷却をさせて放射能の漏出を止める。あなたはそれが可能だと思いますか?

バスビー教授:すみません。イアフォンに問題があるみたい。

司会:日本政府が特別なカバーをかけたり、冷却を成功させたり、放射能の漏出を止めるなどして9ヶ月で事態の収拾をはかるとしていますが、あなたはそれが現実的だと思いますか?

バスビー教授:たぶん無理でしょう。そのカバーをかけたとしても、地下から放射性物質は漏れて海水に流れでるし、核分裂を起こしている原子炉にコンクリートをかけても封じ込め(石棺)なんてできないんです。

司会:最後に、海水への漏出の事がでてきたのでそれについて。チェルノブイリは陸地にあって、福島第一は海に面している。これは汚染が日本を離れて広範囲に広がるという観点からどのような意味をもつのでしょう?

バスビー教授:もうすでにアメリカでは放射性物質が検出されてますよ。ウランもプルトニウムもハワイやマリアナ諸島のエアーフィルターから数値がでています。さらに汚染された海水も海岸に届きますね。だからこれはとても深刻な問題だと言っているのです。しかし日本政府や原子力産業によって一連の事は軽視されています。とっても深刻なことなんですよ。この為に多くの人たちが病気にかかって亡くなってしまうのですから。

司会:バスビー教授、興味深いお話しをどうもありがとうございました。

<訳:中鬼>

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アーノルド・ガンダーセン氏(Arnold Gundersen):米国の元原子力産業エンジニア・幹部で現在はエネルギー問題専門家・コンサルタント・教員(Fairewindsより)

すでに和訳をつけてくれた人がいるのでここに載せてもらいます。



ガンダーセン氏も3号機使用済み燃料プールでの再臨界・核反応による爆発説を支持しています。さらにガンダーセン氏は米軍が採取した大気中のキセノン同位体の比率が分かれば証拠がつかめると指摘しています。

こちらのブログでも訳して下さっています。


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2011/04/25(月) 22:16 中鬼
なぜセシウム137とヨウ素131しか測定値が発表されないのかずっと疑問に思っていました。
放射性物質はこの2種類ではなく、他にたくさんあるのでは?

アメリカ合衆国環境保護庁(EPA)が発表している大気中の放射性物質の数値(日本では測定すらされていない大気中の1立方メートルあたりの放射性物質量)から、アメリカ国内ではヨウ素131・セシウム137以外にも、セシウム134,セシウム136,ヨウ素132,テルル129,テルル132が検出されていることが分かりました。

  • 4月24日の時点で229地点での大気中放射性物質の検出結果が発表されていますが、このうちテルル132は46地点から検出されています。テルル132の検出量が一番多かったのが、3月19日にアラスカのDutch Harborで検出された0.015Bq/m3でした。ちなみにテルル132の半減期は3.26日です。
  • 同じようにセシウム134は44地点から検出されていて、その中での最大数値はカリフォルニアのAnaheimで3月25日に検出された0.0096Bq/m3。セシウム134の半減期は2年。
  • セシウム136は5地点で検出されていて、最大数値は3月24日にアラスカのNomeで検出された0.00045Bq/m3。セシウム136の半減期は13日。
  • ヨウ素132は32地点で検出されていて、最大数値は3月19日にアラスカのDutch Harborで検出された0.001Bq/m3。ヨウ素132の半減期は2.3時間です。
  • テルル129に関しては、一度だけ3月24日にアラスカのNomeで0.0045Bq/m3が検出されたのみです。テルル129の半減期は1.16時間。

※この記事を書いた後、EPAのデータベースで大気中の検出濃度を詳細に調べたところ、プルトニウム238・プルトニウム239・ウラン234・ウラン235・ウラン238・ストロンチウム89・タリウム208・ビスマス212・コバルト60・ベリリウム7など、上記以外にも数々の放射性物質が3・11後に検出されていました。これらのうち最も毒性の強いプルトニウムとウランについてはこちらで考察を行いました。EPAは一般の人がよく見るページでは、プルトニウムを含むこれらいくつかの物質の検出値を公表していません。この記事を最初に書いた時点では私もこのことに気づいていませんでした。
 
さて上記5つの放射性物質について、日本では測定できない・または検出されていない、なんてわけがないですね。米国での検出量は微量ですが、問題は比率です。セシウム137との量的比率を調べたところ、以下のようになっています。
 
セシウム134:セシウム137検出量の103%
セシウム136:セシウム137検出量の2%
ヨウ素132:セシウム137検出量の84%
テルル129:セシウム137検出量の8%
テルル129M:セシウム137検出量の13%
テルル132:セシウム137検出量の140%

半減期の長さから特に注目なのはセシウム134(半減期2年)です。日本ではセシウム134の放出量が測定されていないかもしくは情報公開されていません。したがって米国での検出比率を適用するしかありません。米国ではセシウム134はセシウム137とほぼ同量検出されているので、日本でもセシウム137と同じくらいの量のセシウム134が飛んでいる可能性が高いです。したがって放射性セシウム全体の量は、公表されているセシウム137の量の少なくとも2倍は見ておかないといけない。例えば東京には3月19日以降の累積で約7000メガベクレル/km2のセシウム137が降下しています(4月25日現在)が、放射性セシウム全体では14000メガベクレル/km2以上は降ったと推定できます。

セシウム137とヨウ素131のみ公表している日本政府には相当問題があります。情報が隠されている以上、このレベルなら安全だとかいうすべての議論の説得力はゼロです。

米国EPAは上記の物質以外にもバリウム140,コバルト60,ヨウ素133も調査範囲に入れていますが、今のところ未検出です(米国は「未検出」とする値が2桁小さいので、日本で「未検出」とされるレベルでも米国では検出データが出ます)。東電・政府はお詫びパフォーマンスなんかじゃなくて、まずは正直にすべての放射性物質量データを公開すべきではないでしょうか。

追記:プルトニウムやウランも米国で検出されていました。詳しくは以下へ。


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【2011年4月24日更新】都道府県別放射性物質累積降下量:首都圏にも大量の放射能が降っている
 
 
2011/04/24(日) 09:20 中鬼
中鬼と大鬼くんは19日以前のデータとヨウ素セシウム以外のデータが全く公開されないことに相変わらず不信感を募らせています。マスコミは3月15日の時点ですでにレベル7に相当する放射能約19万テラベクレルが排出されていたとようやく認めましたが、この前までは3月23日時点でレベル7になったとか言ってました。でも実は3・11は最初からレベル7だったんですけどね。とにかく最初の頃、御用学者、政府、東電はやたら自信満々で安全キャンペーンやってましたが、肝心な情報はすべて隠し、言ってることも嘘ばかりでした。

特にひどいのが、人々の目を意味のない「放射線」に向けさせるという情報操作です。原発事故で最も危険なのは体内被曝をもたらす「放射性物質」ですが、放射線量を測っても放射性物質の量は分かりません。特に地表面以外の空気中で計測した放射線量には意味がありません。地表に放射性物質が降り積もっている場合、人間が接している地表の放射線量を測ればある程度の放射性物質量を予測することは可能ですが、モニタリングポストのあるビル屋上の放射線量と地表の放射線量とでは桁が違ってきます。政府は放射線量を低く見せるためにビル屋上で計測しています。しかもガンマ線という比較的弱い一種類の放射線の計測値しか公表していないので、そもそも氷山の一角に過ぎません(強い放射線は届く距離がミリ単位と短いので空間上ではほとんど計測できませんが、地表から舞ったものを呼吸したり食物や水に入り込んだものを食べたりして臓器に付着すれば体外被曝の何兆倍もの量の体内被曝をもたらします)。要するに発表される放射線量など見ていても全く意味がないということです(自分ですべての放射線を測れるガイガーカウンターを買って地表面の放射線量を測れば別ですが)。

身の回りの放射能の危険度については、放射性物質の累積降下量を知っておく必要があります。以下に文科省発表の都道府県別放射性物積降下量の累積値をまとめておきます。ただしここにも注意点があります。気象庁の3月11日 予報および原子力安全委員会の4月11日見解から、原発事故発生直後の数日は桁違いの量の放射性物質が東日本・首都圏に降っていたと考えられます。下の数値は19日以降の累積なので、3月11日から18日の最初の1週間のとんでもない量の放射能分がすっぽりぬけています。最初の分を入れたらたぶん下の数値の数十倍から数百倍にもなると思います。また一番肝心な福島と宮城のデータの多くが「計測不能」とかなっています。そしてヨウ素131・セシウム137以外の放射性物質の降下量データが全く公表されていません。他にもセシウム134やテルルやストロンチウムやプルトニウムなどいろんな放射性物質が放出されているのですが。政府の隠蔽体質によって、放射性物質降下量のデータもまた危険性を判断する上で十分なデータとはなっていません。米国政府の降下量調査データから少なくともセシウム134はセシウム137と同量以上降下していると考えられますので、放射性セシウムの全体量は下の値の2倍以上と考えてください。最後に、政府は0.1Bq/kg以下を不検出としているようです。米国政府は日本より2桁ほど小さい値まで検出データとして公表しています。以上のようにいろいろ問題はありますが、公表される放射線を見ているよりは有用な情報だと思います。

ところで文科省が群馬のデータをこっそり変えたのを発見したので修正しました。したがって群馬の累積降下量はかなり増えました。東京がホットスポットになっているのは風向きとかのせいなんでしょうか?よく分かりませんが茨城に次いで東京は降下量がすごいことになっています。


■ 放射性物質累積降下量(3月19日以降)
2011年3月19日(データ公開日)から4月24日までに地表に降った放射性物質の累積量(百万ベクレル/km2)。原発から放出されている数十種類の放射性物質のうち計測・公表されているのはヨウ素131・セシウム137の2種類のみ。3月11日~18日の桁違いに大量の放射性物質下降量はデータ未公表のため含まれていません。セシウム134の降下量データは公表されていませんが、米国の降下量データによればセシウム137とほぼ同じ量が降下しています。どういう影響が考えられるかについてはこちらへ

   
  ヨウ素131セシウム137備考
福島 未公表未公表3月28日福島市:ヨウ素131=23000・セシウム137=790
宮城 未公表未公表
茨城 21272628625
東京 849396911
山形 6869286673月29日~4月3日までデータ未公表
埼玉 685743801
栃木 613122809
千葉 457874894
群馬 218441460
岩手 8186801
山梨 8018836
神奈川5773551
静岡 360139
新潟 19716
長野 1900
秋田 12827
石川 140
青森 110


■ 3月11日放出分の降下量は桁違い!

4月11日の原子力安全委員会の発表では、11日の事故発生直後の数時間には1時間あたり1万テラ(テラ=兆)ベクレルが放出されていた(現在は1時間あたり1兆Bq放出中)とのこと。このデータと気象庁の予報データと上記の降下量データを用いて、3月11日放出分の放射性物質が東京にどのくらい降ったのかを推定してみた。まず3月11日放出分の総量を低く見積もって3万テラBqとして、4月上旬の一日あたりの放出量を24テラBqとすると、4月上旬一日に比べて3月11日の放出量は1250倍であった。次に気象庁予報データによると、3月11日放出分の14日までの首都圏への降下量濃度は福島原発周辺の1万分の1(これも低く見積もっている)、4月4日放出分の7日までの首都圏への降下量濃度は同10兆分の1なので、3月11日放出分の降下量濃度は10億倍となる。1250X10億=12.5兆。4月7日の東京におけるヨウ素131降下量に12.5兆をかけると、65.6テラBq/km2(公表されている3月19日から4月10日までの東京のヨウ素131総降下量の700倍以上)というとんでもない数字になった。もっとも、東京に一様にこのような超高濃度放射能が降ったとは考えにくいため、あくまで風向きによっては東京でもこのくらい降った場所もあったであろう、という考え方になる。このことを裏付けるような情報がある。チェルノブイリ災害時に米国調査団代表を勤めたチャム・ダラス氏が都内の地表すれすれの放射線量(地表に降り積もった放射性物質の放射線をキャッチできる距離での計測)を調査したところ、新宿区と江東区の一部で福島県郡山市よりも高い放射線量の地域が見つかったという。こうしたエリアの都民の被曝量は相当なレベルだと考えられる。いずれにしても災害発生直後の数日のデータがないことは、累積降下量を考える上でとんでもないミスリーディングをもたらすということが分かった。


資料出所:文部科学省・定時降下物モニタリング

※注意:西日本も安全ではない
他の放射性物質の降下量が公開されていないため、これはあくまで氷山の一角に過ぎない。緩すぎる食品・水の安全基準をこのまま放置すれば、放射性物質に汚染された水・食品が大量に出回るため、上記以外の地域でも今後内部被曝を避けることは難しくなる。東電によれば福島第一原子力発電所から最低でもあと数ヶ月、長くて数年間、放射能が放出され続ける見通しとのこと。くれぐれも"大気中の放射線量が低い=身の回りの放射性物質が少ない"などという勘違いをしないよう、お気をつけ下さい。
  

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2011/04/20(水) 10:05 中鬼
中鬼、悔しくて仕方がないです。意見書送ったのにやっぱり聞いてもらえてなかった。

文科省が4月19日に福島県内の小中学校、幼稚園などの暫定利用基準を発表。恐れていた事にやはり年間被ばく量20ミリシーベルトで計算し、校庭の放射線量の3.8マイクロシーベルト/時を制限とした。

この暫定基準は「安全基準」ではなくもはや「殺人基準」なのです。なぜかと言えば、

1)文科省の使っているICRP(原発推進派の国際組織)の年間20ミリシーベルトという値は、25人に1人の子供を将来ガン死させる値で、そこまで認めるという殺人基準なのです。
詳しくは4月10日に大鬼くんがすでに書いています。読んで下さい。
25人に1人の子供たちをガンにする被曝基準:文科省が採用する方針


2)何よりも恐ろしい体内被ばくは考慮しない。
朝日によると「学校の汚染調査から、放射性物質が沈着した砂ぼこりを吸い込むことによる内部被曝の影響は、高い学校でも全体の被曝量の3.5%ほどで、考慮する必要はないと結論付けた。」
体内被曝が3.5%!?どういう計算をするとこんな数字をでっち上げられるの?この計算した人ぜったい心病んでる。

つまり体内被曝分は計算に入れずに、空間線量だけ測って外部被曝だけで20ミリシーベルト(25人に1人の子供が不必要にガンになる値)まで認めるというわけだから、実際には大量殺人を認めたようなもの。無知でもお役所仕事でも、子どもを被曝させガンにさせることを認可することは犯罪です!


これまで何通か文科省に意見を送っていましたが、とうとう暫定基準化してしまいました。でも、何も終わったわけではない!お母さん、お父さん、先生、子供を守りたいみんな、声を上げよう!!中鬼は真剣です。みんなの声で、このとんでもない「安全基準」を即座にやめてもらおう!一人でも多くの声が集まってこそ、大きなものを動かすパワーになる。みんなで物申そう!

文科省の政策評価に関するご意見フォーム
(ネット上で送信できます)

「子どもに「年20ミリシーベルト」を強要する日本政府の非人道的な 決定に抗議し、撤回を要求する」賛同受付フォーム


朝日新聞 学校の放射線量、暫定基準を公表 文科省
毎日新聞 福島第1原発:13校・園の屋外活動制限 文科省
読売新聞 校庭利用制限13か所…放射線量、国が安全基準


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2011/04/17(日) 23:31 中鬼
放射性核種(放射性物質)ごとの値を鬼一郎さんが表にまとめて送ってくれましたので、ここに掲載させていただきます。ヨウ素131とセシウム137以外に放射性物質は沢山あることは知っていても、その種類や半減期についてよく知ることができなかったので中鬼はとても嬉しいです。ちなみに鬼一郎さんは、妻と子供を3月16日にすぐに和歌山に疎開させて、自分は仕事を続けながら情報収集を続けていた方です。

半減期とはあくまで放射線の強さが半分になるまでの期間であって、別に半減期が何か重要な意味をもっているわけではなく(ゼロにならないから半減期を使っているだけ)、その後も半減期の何倍もの期間にわたって弱まりながらも放射線は出続けます。放射線がかなり弱まるまでの期間として見るなら少なくとも半減期の3倍くらいの期間はみておいたほうがいいと思います。

経口摂取線量係数(1ベクレルあたり食べてしまった場合の累積被曝量とされるシーベルト値)と吸収摂取線量係数(1ベクレルあたり吸い込んでしまった場合の累積被曝量とされるシーベルト値)は、ICRP(原発推進派)が誤った計算方法で算出した値なので総被曝量の計算に使うことは不適切であり、したがってこれ以下なら安全といった放射能基準値や摂取量上限などを算出するために用いてはいけません。あくまで物質ごとの放射線の相対的な強さを大まかに比較できるくらいです。なお放射線の強弱とは別に体内のどこに溜まるかや年齢等によって被曝量や健康リスクは変わります。「10-9」とは10のマイナス9乗、つまり10億分の1を意味します。数値が大きいセルは赤色と黄色がつけられていますが、無色でも体内被曝となれば基本的にすべて危険な物質です。

政府は被害の実態を隠蔽するためにこれまでヨウ素とセシウムのデータしか公開してきませんでしたが、他にもストロンチウムやプルトニウムなど危険な放射性物質が放出されているので、すべての放射性核種の累積降下量についてただちに情報公開すべきと考えます。この表を見れば、二つの物質しか公表しない政府のずさんさがよく分かるはず。


核種和名 核種記号 半減期  経口摂取線量係数
(Sv/Bq) 
吸入摂取線量係数
(Sv/Bq)
水素3 H-3  12.3年  4.2×10-11  2.6×10-10
炭素14  C-14  5730年  5.8×10-10  5.8×10-9
リン32  P-32  14.3日  2.4×10-9  3.4×10-9
カリウム40  K-40  12.8億年  6.2×10-9  2.1×10-9
カルシウム45  Ca-45  163日  7.1×10-10  3.7×10-9
クロム51  Cr-51  27.7日  3.8×10-11  3.7×10-11
マンガン54  Mn-54  312日  7.1×10-10  1.5×10-9
鉄59  Fe-59  44.5日  1.8×10-9  4.0×10-9
コバルト58  Co-58  70.8日  7.4×10-10  2.1×10-9
コバルト60  Co-60  5.27年  3.4×10-9  3.1×10-8
亜鉛65  Zn-65  244日  3.9×10-9  2.2×10-9
ストロンチウム89  Sr-89  50.5日  2.6×10-9  7.9×10-9
ストロンチウム90 Sr-90  29.1年  2.8×10-8  1.6×10-7
ストロンチウム91 Sr-91  9.50時間  6.5×10-10  4.1×10-10
ストロンチウム92 Sr-92  2.71時間  4.3×10-10  2.3×10-10
イットリウム90  Y-90  2.67日  2.7×10-9  1.5×10-9
イットリウム91  Y-91  58.5日  2.4×10-9  8.9×10-9
ジルコニウム95  Zr-95  64.0日  9.5×10-10  5.9×10-9
ジルコニウム97  Zr-97  16.9時間  2.1×10-9  9.2×10-10
ニオブ95  Nb-95  35.1日  5.8×10-10  1.8×10-9
ニオブ97  Nb-97  1.20時間  6.8×10-11  4.5×10-11
モリブデン99  Mo-99  2.75日  6.0×10-10  9.9×10-10
テクネチウム99m  Tc-99m  6.02時間  2.2×10-11  2.0×10-11
ルテニウム103  Ru-103  39.3日  7.3×10-10  3.0×10-9
ルテニウム106  Ru-106  1.01年  7.0×10-9  6.6×10-8
ルテニウム105  Rh-105  1.47日  3.7×10-10  4.4×10-10
ルテニウム106m  Rh-106m  2.20時間  1.6×10-10  3.5×10-10
銀110m  Ag-110m  250日  2.8×10-9  1.2×10-8
Sb-125  Sb-125  2.77年  1.1×10-9  1.2×10-8
Sb-127  Sb-127  3.85日  1.7×10-9  1.9×10-9
Te-129  Te-129  1.16時間  6.3×10-11  3.9×10-11
Te-132  Te-132  3.26日  3.8×10-9  2.0×10-9
ヨウ素129  I-129  1570万年  1.1×10-7  3.6×10-8
ヨウ素131  I-131  8.04日  2.2×10-8  7.4×10-9
ヨウ素133  I-133  20.8時間  4.3×10-9  1.5×10-9
セシウム134  Cs-134  2.06年  1.9×10-8  2.0×10-8
セシウム136  Cs-136  13.1日  3.0×10-9  2.8×10-9
セシウム137  Cs-137  30.0年  1.3×10-8  3.9×10-8
バリウム140  Ba-140  12.7日  2.6×10-9  5.8×10-9
ランタン140  La-140  1.68日  2.0×10-9  1.1×10-9
セリウム141  Ce-141  32.5日  7.1×10-10  3.8×10-9
セリウム143  Ce-143  1.38日  1.1×10-9  8.3×10-10
セリウム144  Ce-144  284日  5.2×10-9  5.3×10-8
ネオジム147  Nd-147  11.0日  1.1×10-9  2.4×10-9
ラジウム226  Ra-226  1600年  2.8×10-7  9.5×10-6
トリウム232  Th-232  140億年  2.3×10-7  1.1×10-4
ウラン235  U-235  7.04億年  4.7×10-8  8.5×10-6
ウラン237  U-237  6.75日  7.6×10-10  1.9×10-9
ウラン238  U-238  44.7億年  4.5×10-8  8.0×10-6
ネプツニウム239  Np-239  2.36日  8.0×10-10  1.0×10-9
プルトニウム238  Pu-238  87.7年  2.3×10-7  1.1×10-4
プルトニウム239  Pu-239  2.41万年  2.5×10-7  1.2×10-4
アメリシウム241  Am-241  432年  2.0×10-7  9.6×10-5
キュリウム244  Cm-244  18.1年  1.2×10-7  5.7×10-5


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2011/04/17(日) 10:54 中鬼
大鬼くんならまだしも、中鬼にウソを見抜かれているようじゃあ大手メディアは本当に最悪ですね。

みんなも目にしたと思う、4月15日、16日に出たこの記事。


読売新聞 2011年4月15日 東京の放射線量はモスクワの半分…露調査
朝日新聞 2011年4月16日「東京の放射線量、モスクワの半分」ロシアが調査


相変わらず巧みな大ウソっぷりで国民に偽の安全を味わわせてくれてるじゃないのよ。これを見て、「ああ、良かった。じゃあやっと子供を外で遊ばせられる毎日がくるわ。」なんて思っちゃうお母さんたちがいたらどうすんのよ!と相当激怒している中鬼です。

この記事に出て来る大ウソキーワードは、

【放射線量】

でした。

というよりは、放射線量がモスクワの半分というのは、大ウソではなくて本当のなのかもしれない。大ウソなのは、放射線量がモスクワの半分だから「東京の放射線量は人体に悪影響はない」という事が非常に悪質な犯罪的大ウソなのであります。

測らなくてはいけないのは【放射性物質量】だからです。

ここで、放射線と放射性物質の違いをしっかり理解しておかないといけないんだけど、それはこちらでも。


【電球=放射性物質】と【電球から出る光=放射線】

体に付着する体外被ばくよりも、体内に侵入して体を蝕み続ける体内被ばくによるダメージを考えなければいけない事は、大鬼くんもずっと言って来た。その体内被ばくは【電球=放射性物質】が体に入って、何年、何十年、そして物質によっては何万年以上も【光=放射線】を出し続けることで癌や白血病を引き起こしたり、生殖機能などの遺伝子異常が起きるわけだ。

この【電球=放射性物質】がヨウ素、セシウム、プルトニウム、コバルトだったり。【電球から出る光=放射線】がα線、β線、γ線、そして中性子線。


んで、問題になってるロシアが言う「東京はモスクワの半分の放射線量」だってやつですけど、空気中の放射線量では体内被ばくへの影響は測れない。原発から近い場所なら原発から出る強力な放射線を測る必要があるけど、離れた場所では放射性物質の量を測らない限りは本当に安全か危険かどうかは分からない。

例えば、ものすごく話を単純化して説明してみる。東京が大量のプルトニウム【電球=放射性物質】で覆われていたとする(なんて無いと思いますが、誰も測ってくれてないので可能性がないとは言いきれない)。プルトニウムはα線【光=放射線】を強い力で解き放つんだけど、なんせ距離は1ミリとかしか飛ばせない。だから、東京の地面やビルや木々がプルトニウムに埋め尽くされていても、手元にある機械で放射線を測ってもα線の本当の数値は出て来ない。

最近よく一般の人がガイガーカウンターで汚染を調べているけど、あれは実は【電球から出る光=放射線】しか測定しないよね。だから、ガイガーカウンターで適当な空間の放射線量を測っても、その【光】の測定はできても、光のもとである【電球】がどれくらいあるのか全然分からない。地表すれすれで計測すれば積もった【電球】からの光をだいたい拾えるから、そうやって測れば放射性物質降下量をだいたいのところで推測することは可能だけど、公表されてる空間線量の値では何も分からない。

んで、なんでその【電球=放射性物質】を知る事が大事かというと、前述したように、その【電球】が体り、その物質によってα線、β線、γ線、中性子線を体内で放射し続けるわけで、そのダメージといったら計り知れない。プルトニウムが危険だと言われる一つの理由は、奴は1mmしか【光】を飛ばせないくせに、その光のパワー自体がもの凄く強くて、体に爆弾を抱え込むようなものだと言われている。確かに、1mmの距離なんて、体に入ってしまえば関係ない。

ちなみに【光=放射線】には自然界にもともと存在するものもある。そういった全ての放射線を測ってしまっていては、安全か安全でないかをきちんと理解する数値は出せない。

だから、この「東京の放射線量はモスクワの半分」、ってのは全く無意味なものを比べてるだけで、安全だっていう根拠にはなってない。これよりも、どれだけの量の放射性物質が降り積もっているのかを知らないといけない。


<日本政府の汚いところ>
放射性物質を測るのはかなり専門的な測定器が必要みたい。文科省は1日遅れくらいで各都道府県の毎日の放射性物質降下量を公表しているけれど(福島と宮城以外)、中鬼はこれに対して叫んでおきたいことが2つある。

1. 政府がヨウ素131とセシウム137しか計測を発表していないのは本当におかしい!放射性物質は沢山の種類がある。私達は全ての放射性物質の測定を知って、正確な汚染状況を知る権利がある。

2. もっと悪質なのは、3月11日から3月18日までの放射性物質の測定値を相変わらず未公表にしていること!!これは本当に許せない。この期間にレベル7の汚染になっていて、さらに「制御不能の所までいっていた」というのに、なぜその時の酷い放射性物質の汚染具合をひた隠しにするか?そしてその間にのうのうと「安全です」「問題ない」なんて言いやがって、そんなお粗末やろう達誰一人として信じられるかっつ~の。と一度も信じていないのに書いてるだけで血圧が上がってしまった中鬼ですが、この安全神話を信じていた人たちの怒りはもっとすごいものだと思います。でも、怒って全然良い状況ですよ。この一番ひどかったと政府すら認めたレベル7級の汚染ですが、この数値を出してもらわない限りは、今まで降り積もっている累積値を知る事ができない。大鬼くんが推定値をだしたりしてくれてますが、政府はきちんと情報公開するべきです。というか、政府がやることだろ~!!


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2011/04/13(水) 10:08 中鬼
これに似たやつを妹からもらったんだけれど、見やすくて良いなと思ったので、改訂して更に新しい情報も付け加えて作ってみました(まだ不完全ですが)。実は放射能に安全な値なんてないので(安全基準というのは何万人あたり何人かが死ぬくらいならいいっていうような考えで作られた値です)、これ基準値以下なら安全だとは絶対に思ってはいけないのですが、それを理解した上で見て下さい。日本の暫定基準のひどさが分かりますね(4月13日に更新しました)。セシウムについてはドイツ放射線防護協会の基準にしてもらいたい!

ヨウ素131(Bq/Kg)
0.11アメリカの安全基準(水)※3
6カナダの安全基準(水)
<10WHOの安全基準(水)※2
<100
コーデックス安全委のヨウ素131他5核種合計量の基準(食品)※1
100シンガポールの安全基準(食品)
<100日本の乳児への放射性ヨウ素暫定基準(牛乳・乳製品)
210東京の金町浄水場で3月22日に浄水場で検出された値(水)
<300日本の3月17日からの放射性ヨウ素暫定基準(水と牛乳・乳製品)
336千葉の北千葉浄水場で3月22日に採取されて3月29日に発表された値(水)
540茨城で4月2日に水菜から検出された値
648静岡産の小松菜で3月31日にシンガポールで拒否された小松菜の値
1,000WHOの餓死を避けるために緊急時に食べざるを得ない値(食品)
1,100埼玉で3月25日にホウレンソウから検出された値
1,700千葉の出荷自粛のサンチュで3月29日から4月4日まで東京で売られていたものの値
<2,000
日本の放射性ヨウ素暫定基準(食品)
2,700茨城で4月7日にホウレンソウから検出した値
3,100福島産の椎茸から4月3日に検出された値
4,080茨城で4月4日にコウナゴから検出された値
8,086東電が「低濃度」と呼ぶ意図的に海洋排水された汚染水の値(推定値)
15,000茨城で3月19日にホウレンソウから検出された値
430,0001号機の建屋近くの地下水から3月31日に検出された値
1,170,000飯舘村で3月20日に土壌から検出された値
2,540,000飯舘村で3月20日に雑草から検出された値
3,900,000,0003号機で作業員が被ばくした溜まり水
6,879,400,0002号機から4月2日から4月7日まで海洋排水された「高濃度」汚染水の値(推定値)

セシウム137(Bq/Kg)
2ウクライナの規制基準(水)
4ドイツ放射線防護協会が提言する乳児、子ども、青少年に対する安全基準(食品・飲料全般)
8ドイツ放射線防護協会が提言する大人に対する安全基準(食品・飲料全般)
7.4アメリカの安全基準(水)※3
<10
WHOの安全基準(水)※2
10カナダの安全基準(水)
40ウクライナの規制基準(野菜・穀物)
100ウクライナの規制基準(牛乳・乳製品)
<200日本の3月17日からの放射性セシウム暫定基準(水と牛乳・乳製品)
370日本がチェルノブイリ後に暫定的に決めた輸入食品への安全基準(食品)
376茨城で4月2日に水菜から検出された値
<500日本の3月17日からの放射性セシウム暫定基準(食品)
526茨城で4月4日にコウナゴから検出された値
570福島で4月9日にコウナゴから検出された値
813東電が「低濃度」と呼ぶ意図的に海洋排水された汚染水の値(推定値)
890福島で4月3日に椎茸から検出された値
<1000コーデックス安全委のセシウム・ストロンチウム他8核種合計量の基準(食品)※1
<5,000農水省が4月8日に発表したイネの作付け制限土壌基準(約15cmまでの土、放射性セシウム、チェルノブイリ任意移住レベルの2倍)
13,000福島で4月10日に椎茸から検出された値
15,544旧ソ連のチェルノブイリから200km離れたゼルジンスク村の1996年(10年後)の雑草の値
29,000飯舘村で4月12日にイネの作付けの土壌から検出された値(土壌)
163,000飯舘村で3月20日に土壌から検出された値(チェルノブイリ強制移住レベルの2倍)
2,650,000飯舘村で3月20日に雑草から検出された値
     699,600,0002号機から4月2日から4月7日まで海洋排水された「高濃度」汚染水の値(推定値)


※1:コーデックス基準(食品)は以下のようになっているため、厳密な比較は難しそう。ただヨウ素131については、5核種合計で100Bq/kg以下なので、日本の基準より厳しいということは確実。

グループ1
Pu プルトニウム238
Pu プルトニウム239
Pu プルトニウム240
Am アメリシウム241
これらすべての合計が、子供は1Bq/kgまで、大人は10Bq/kgまで

グループ2
Sr ストロンチウム90
Ru ルテニウム106
I ヨウ素129
I ヨウ素131
U ウラン235
これらすべての合計が、子供・大人とも100Bq/kgまで

グループ3
S イオウ35
Co コバルト60
Sr ストロンチウム89
Ru ルテニウム103
Cs セシウム134
Cs セシウム137
Ce セリウム144
Ir イリジウム192
これらすべての合計が、子供・大人とも1000Bq/kgまで

なおコーデックス委員会(FAO・WHO)の基準は、世界各国で実施されている基準のうち、原発推進派の側にかなり偏った主張を採用している。

※2:WHOは、全ベータ線核種の合計が1Bq/Lである場合、もしくは全アルファ線核種の合計が0.5Bq/Lである場合、初期介入が必要としている。その後、等価線量(体に与える影響)を0.1ミリシーベルト/年以下にする量として、以下のような核種(同位体)ごとの想定上限値を定めている:プルトニウム239=1Bq/L、ストロンチウム90=10Bq/L、ヨウ素131=10Bq/L、ヨウ素134=10Bq/L、セシウム134=10Bq/L、セシウム135=100Bq/L、セシウム137=10Bq/L。しかし上記の想定上限値は、その核種のみが水に含まれている場合を想定した上限という意味であり、現実には複数の異なる核種が存在することが考えられるため、それら合計の等価線量を0.1mSv/yにするには、個々の核種に適用される実際の規制値は上記の想定上限値よりも低い値になる点に注意が必要である。例えばヨウ素131とヨウ素134とセシウム134とセシウム137の4種だけが同量含有されている場合を仮定すれば、それぞれの規制値は2.5Bq/Lになる。なおWHO(コーデックス委員会)は世界的には、IAEAなどの原発推進機関との癒着のため基準がゆるすぎると批判されてきた。つまり国際的基準を議論する場合、WHO(コーデックス委員会)の基準は必ずしも公正なものとは言えず、世界中で実施されている基準値のうち原発推進派にかなり有利な基準がこの程度のレベルである、と理解すべき。

※3:米国の水質基準については、ベータ線・ガンマ線系のすべての放射性核種の合計量が4ミリレム/Lまでとあるので、仮にヨウ素131またはセシウム137だけが存在して他の放射性核種がないと仮定した場合、上記の数値になる(この数値はワシントン州などいくつかのサイトを参考にした)。例えばヨウ素とセシウムが両方ある場合は合計で4mrem/kgなので、上記の数値よりも低い値しか許されない。米国の食品安全基準は一般的にいって安全性を重視していないことで有名(食品産業のロビーは強力!)だが、水についてはこれほどの基準があるとは正直言って意外だった(ロビー勢力がいないとこんなにも良い基準になる?)。

※EU諸国については、仮にEU自体の基準がゆるくて放射能汚染食品が輸出入規制にひっかからなかったとしても、各国独自の基準が別にあるのでそれらを調べなくてはいけないですが、やれていません。


資料出所:
コーデックス基準(食品)
WHO基準(水)
米国の水質基準(その他のリンク1リンク2


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続きをどうぞ

 
2011/04/11(月) 03:40 中鬼
みんなで行こう、東電前アクション!

アクティビストの園良太さんの呼びかけで始まった東電前の集会は人数がどんどん増えていってます。
会社帰りのサラリーマン、子供と一緒に来た若い夫婦、幼稚園の先生、フリーター。みんな声を上げています。若い人が中心になっています。中鬼はこの様子のビデオを見て感激して涙が出ました。その中の二人組が言っていた言葉、

「Switch Off! 希望 On!!!」

ぜひその様子をみなさんも見てみてください。そして一緒に参加しましょう!

次回の東電前アクション!は4月15日、23日、28日のようです。
でもこの様子を見ると、毎日のように東電前に行ってらっしゃる方々も沢山いるみたいです。

さらに4月24日には芝公園でチェルノブイリ事故に合わせた大きな集会も計画されています。

詳しくは下記サイトでチェックしてください。

アクティビスト・園良太の日記 「Electric<Life」
東電前アクション!


4月10日には高円寺でリサイクルショップ「素人の乱」店主の松本哉さんの呼びかけで15,000人が反原発を訴えました。
【現地レポ】反原発デモの様子

個人の呼びかけでこれだけの人数が集まったのはすごい事です。


高円寺のデモは日テレかなんかで少し取り上げられたぐらいだったのかな。日本の他の大手メディアはもちろんスルーです。そんなの最初っから分かってる。全然痛くも痒くもありません。とにかく今は一人でも多くの人が声を上げる時なんです。政府、東電、大手メディアは私たちを守る為の行動は一切していません。

動きましょう!声を上げましょう!立ち上がりましょう!私たちの次の世代を守りましょう!

東京電力本社
〒100-8560
東京都千代田区内幸町1-1-3

JR・東京メトロ・都営地下鉄浅草線駅より徒歩5分
都営地下鉄三田線内幸町駅より徒歩3分


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2011/04/11(月) 02:06 中鬼
ヒットラーはその宣伝術の巧みさが有名だった。
その宣伝省の大臣であったJosef Goebbelsが言っていた言葉。

「嘘を何度も沢山言い続ければ人々は最終的にはそれを信じるようになる。」


中鬼は怒ってますよ。不快この上ない。

311以降、日本の垢がボロボロ隠せずに出てきているわけですが、これもその氷山の一角。

中鬼が頼りにしている小出裕章さんは京大の原子炉実験所の"助教"です。助教ってのは助教授じゃないんですね。教授・准教授と違って3年とか5年とか任期が決まってる仕事で、大学改革の後にできたポストなんですね。あとは最近福島の土壌汚染の被害の高さについて京都新聞で鋭い記事を書いた今中哲二さんも同じ京大原子炉実験所の助教をやっていますが、メッセージがはっきりしているのはやはり小出さんです。

田中優さんは色々やっていらっしゃる方ですが、彼も大学で教えています。そのポストは非常勤。非常勤ってアルバイトみたいに何の手当もなしに学期・年度ごとに雇われてる人たちですね。

ん?世の中に一番役に立ってる人たちが、学問の世界ではなんかあまり地位をもっていない人たち、って・・


んでもって、大手メディアで犯罪的なコメントを並べまくっているいわゆる「御用学者」たちを見てみましょう。

■ 関村直人 東京大学大学院工学系研究科教授
今や平成の御用学者のリーダー格のひとり。原子炉は停止しているから大丈夫、など最初の頃からウソばかり。プルトニウムは大丈夫などとも平気で言っています。御用学者のリーダーを務める以前は、柏崎原発の運転再開なんかを主導してきたとかいう分かりやすい経歴。
■ 中島健 京都大学大学院工学研究科教授
「プルトニウムは重くて飛ばない」から安全とか、じゃあ原発の外に出てたあれは何?1000kmは飛ばないけど200kmくらいなら飛ぶとかでも、(ヨウ素よりは)重いから(ヨウ素よりは)飛ばないって言えちゃうんだよね。それって屁理屈だよね。出てこなくていいよ。
■ 諸葛宗男 東京大学公共政策大学院特任教授
元東芝、つまり原発メーカーの出身。沢山のちんぷんかんぷんな事を「朝ズバッ」なんかで言ってるけれど、中鬼のお気に入りは「こないだの雨で放射能が洗い流されて今は綺麗になってよかった 」です。ずっと降ってるんですけど。「核実験やってた頃はもっと放射能高かった」から福島原発の放射能くらいで過剰反応するな!?核実験直後と比べちゃうんだあ。その後急激にガンが増えたことも知らないんだあ・・この人を知って、単純計算ができなくても東大の特任教授になれるっていう事を知った中鬼です。
■ 山下俊一 長崎大学医学部教授 現在福島県の「放射線健康リスク管理アドバイザー」
「放射線の影響は、実はニコニコ笑ってる人には来ません。クヨクヨしてる人に来ます。」 「100ミリシーベルト浴びてもガンになるのは100人に一人ですよ」「(放射能の長期的影響について)将来のことは分かりません・・・神様しか分かりません」なんてもうろく発言で安全神話を守ろうと必死にご活躍なさっております。科学的根拠を実証しないか、果ては事実に基づかなくても、医学部の教授になれる事を知った中鬼です。こんなろくでもないのがアドバイザーだなんて、気の毒・・・
■ 宮里達郎 九州工業大学元学長
福島県郡山市のタウン誌に、長崎の被爆者が「原爆投下直後に、どんな野菜でも、魚でも、平気で食べた。おかげさまで、身体は元気で、頭もよくなった。世間では何を騒いでいるのか!」などといういかがわしい証言を紹介した上で、「被爆者は長命であるというデータもあります」と書いた、どこかの宗教の教祖かよとツッコミを入れたくなる男。
■ 新野宏  東京大学大気海洋研究所教授 日本気象学会理事長
放射性物質予測の公表自粛を促したかの有名人です。その理由が「学会の関係者が不確実性を伴う情報を提供することは、徒(いたずら)に国の防災対策に関する情報を混乱させる」「防災対策の基本は、信頼できる単一の情報に基づいて行動すること」(3/18学会HP)って、天気予報ってぜんぶ不確実性あるんじゃないの??一つの情報源に頼るってほんとに科学者?一応学者としてやってきているプライドもなにもない事を全開にしているすごい発言です。
■ 近藤駿介 東京大学名誉教授、内閣府原子力委員会委員長
4月12日にレベル7宣言がされた直後にしゃしゃり出てきて「レベルというのはあくまで状況を早く伝えるためのものであり、今後の原子力行政が変わる性格のものではない」とKY発言。この人たちは要するに、何が起きてもどんな被害が出ても原発推進という結論を変える気はないということね。ていうか民意とか関係なく上から決めつけってほんと何様よ。
■ 大橋弘忠 東京大学工学系研究科教授
2005年の小出さんらとの討論バトルで、一般人や小出さんを見下したようにヘラヘラ笑いながら、「専門家」から言えば、水蒸気爆発など起きるわけがないだとか、格納容器が壊れることは技術的にありえないだとか、プルトニウムを飲んでも安全だとか言っていた、今となってはアホ丸出しの狂信的技術信奉者。当然この発言の責任をおとりになって学生からやり直すのでしょうね?
■ 中川恵一 東京大学医学部付属病院放射線科准教授
チェルノブイリの現地の医師たちのデータが無視されたという歴史を無視し、「データがない」ことを理由に低線量内部被ばくの危険性を無視し、自分みたいな医者の意見を聞けと主張する。彼によると福島の人も言うことを聞いてればガンは増えないのだそうだ。というかガン死が0.5%くらい増えてもOKとのこと。20キロ圏内避難してるのもバカだそうです。本人の嗜好品であるタバコや野菜を全く食べないという極論での発癌率を勝手な方法でシーベルト換算して、放射能の被害など「誤差の範囲」だと結論づける言葉のマジシャン。ガンになったらなったで人生が深まったと思えばよい、などと言っちゃうお馬鹿さん。
■ 早野龍五 東京大学理学系研究科教授
メルトダウン可能性なしに始まり、その時点その時点での安全だと思わせる情報をかき集めている人。その手の情報の垂れ流しは誰よりも早いが、人々が本当に知りたい危険性についての情報には異常に「冷静」(ネガティブ)であるため、原子力村のゴロツキからも気に入られている。間違った情報を流しても信者が多いといわれるので気持ち悪い。世の中どう転んでも生き延びてゆくタイプ?
■ ○○○ 大阪大学
鼻血騒ぎはデマだと断言してネットをわざわざ騒がせているニセ科学者。スリーマイルでもチェルノブイリでも鼻血を初めとした被曝症状の記録があるにもかかわらず、それらを完全に無視。臨床医学の世界では、まだ一般に理論化されていない事実がたくさん出てくるものであり、その可能性を一切認めないというのは科学者の態度ではない。利権がらみなのか、単に必死に売名行為をはたらいている小物なのか?どうも彼の2ちゃんねら的書き込みをみていると後者のようなので、ここではあえて名前をふせさせてもらった。
■ 勝間和代 評論家・中央大学大学院客員教授
このおばさんは研究者でも学者でもなくてエセ知識人というかただのタレントなんで、ここに並べるのもどうかとは思いますが、朝生でとんでもない事吐いていたので、特別枠でここにつけてます。「放射性物質が危険だという考えがおかしい」「小児に甲状腺がんがでる程度」「津波の死者に比べて死者が出ていない」って、この人なんなの?もともと中鬼は大嫌いなおばさんだけど、これはひどすぎる。こんなのがテレビや大学教員として有名になれる国ってすごいなあ。

そしてこの男。
■ 斑目春樹 元東京大学大学院工学系研究科教授・内閣府原子力安全委員会委員長
日本の原子力を規制するはずの原子力安全委員会のトップです。原子力メーカーである東芝に勤めていたこともある。2007年の浜岡原発差し止め訴訟で、原発は大災害や大変な事態に陥ることなどを想定しない「割り切った考え」でつくるしかないと発言(そして3・11後もいまだにその考えを変えていない)。さらに処分場をめぐって「最後はカネでしょ?」という規制機関の役職として、いや普通に人間として最低のクズ発言をしたことでネット界を騒然とさせた、通称デタラメハルキ(またはハルキ)と呼ばれている人です。東大大学院の教授ってこんな人間ばかりなんでしょうか。挙げ句の果てに「3・11後のことはなかったことにしたい」・・・ハルキはいよいよメルトダウンしちゃったの?他のメンバーともども辞めて!!

残念ながらまだまだ沢山いるんですが、興味のある人はこちらでどうぞ。

安全安全っていってる「知識人」のみなさんは、ぜひ福島原発の作業員として働いてきて下さい。ホウレンソウもコウナゴもがんがん食べてみてください。あなたがたのぽんこつ理論を自ら実践できるいい機会ですよ!インチキ学問と嘘偽りで庶民をだましてきたことを謝罪してしかるべき責任をとってください。

もう気付いてもらえたと思うんですが、この人達だいたいみ~んな有名な大学の教授さま(勝間以外)。学問の世界で一番権威のあるとされてるポストですね。そういう人たちが一番使えない、というかむしろ社会の害悪といってもいいようなことを平気でやってる。とくに東京大学の御用さ、クズさはやはり日本一ですね。東大の理工系でのし上がる人というのは頭脳の一定部分はたしかにすごいのでしょうが、その分、人として最低なのがそろうのでしょうか。一般人をバカにして、社会を知らなさすぎるから、何のため、誰のために、おのれの知を活かすべきなのかを完全に見失っている。日本の学問、一体どうしちゃったんだ!

たぶん、1990年代から始まっていた「大学改革=構造改革」が大きな原因です。

利益重視の大企業(産業界)がお金で大学の学問の聖域を買い始めたってこと。教授達は自分の研究費用は自分でみつけてこなくちゃいけなくなった。もちろんそんな時にお金があるのが大企業。研究者は大企業が好きそうな研究を考える事で助成金にありつける。大企業側としても、「援助」を差し伸べることで、自分達に不利益になる研究結果を見なくてすむ。だから、どこの大学行っても商学部はめっちゃ良い校舎持ってて、社会学部とかは遠くの方の小屋みたいなとこに追いやられてるでしょ。簡潔にそういう事なんです。金で買われてしまってるんです。自分の業績や予算のことしか考えない人が学者気取りのご時世なんです。

現に東電が東大に6億円もの「寄付金」をしていたことはすでに知っている人も多いと思います。

要するに東電は多額の「寄付金」で大手メディアのみならず、大手電機メーカー、土建業者、そして学問までも買い取って大きな「原子力村」を作り上げてきていたんです。


それでもって、単純計算以上のことができて、単一の情報だけに頼らずにデータを集積する小出さんや今中さんが何十年も助教とか講師っていうポストに追いやられてるのは、この汚い世の中の構図があまりに見えすぎていて、中鬼はヘドロを吐きそうな気分になってます。こういう時はブルーハーツ聞いてくそったれの社会を蹴り飛ばすイメージでもしないと中鬼は暴走してしまいます。

朝日ニュースターで「電力会社と知識人」という題でジャーナリストの青木理さんがこの事について話をしています。青木さんによると、小出さんや今中さんは「熊取6人衆」と言われる原発の化学者としてその危険性を訴え続けていたグループの唯一現役で活躍なさっている2人です。青木さんも言っていましたが、これこそ真の知識人でしょう?真の研究者でしょう?でもそんな人たちが蔑ろにされているのが私達の住む日本という国なんです。日本の原子力専門家で原子力の危険性を言える人が2人しかいないって、学問分野として終わってない?その一方で、専門家でもないのに偉そうに「小児に甲状腺がんがでる程度」とか無責任きわまりない発言をする人がいて、それって許される事なんですか?

都知事選の天罰太郎の再選も、結局はこういうヘドロのようなシステムの中で甘い蜜吸ったりそれを変えたくない人たちの票が原因な気がします。これ(都知事選世代別投票率)を見ると、幻想でしかない現状に必死でしがみつく60,70歳代と、なんか「おかしい」と感じているけど行き場がなかった20代との対照がはっきりでてます。これで天罰太郎は原発の真の目的、核武装への妄想をさらに大きくさせるでしょうね。まあ目クソの話ばっかしてるけど、鼻クソの東国原が当選してたら東京に徴兵制でも作るとか言いそうだし、結局はこの男も原発維持派でしょ。どっちにしろ中鬼は東京御免って気分です。

一応言っておくけど、世の中の教授が全部御用学者なわけではもちろんないと思う。武田邦彦教授もこれに関連したことをついさっき自身のブログに書いていました。武田さんは結局のところ、原発は安全なら作っても良い派ですからね、だからぎりぎりテレビにも出るんでしょう。安全な原発なんてないから、この人も間違ってる。でも基準をゆるめるべきじゃないとか各論では時々いいこと言うね。


それで、文頭にナチスの宣伝省大臣の言葉をのせたのには意味があるんです。
残念ながら、大手メディアに出ている御用学者達が金につられたエセ中のエセ学者、というか中鬼は学者とか研究者と呼ぶのも拒みたいんですが、彼らの魂胆や素性を知らないで「偉い学者さん達が安全って言ってるから~~~しても大丈夫だ」って信じてる人が沢山いることです。実際中鬼、この言葉を何度友達のmixiのつぶやきで見たことか。

ウソは何度もついてると、人はそれを信じてしまうんですよ。

そして「原子力村」の金の亡者達は私たちの命や健康なんてだ~れも気にしてない。5年後に子供達が甲状腺ガンになったとしても、「原子力村」の有名大学教授さんたちは、儲けた研究費で老後の暮らしを悠々と暮らしてますよ。責任なんてひとっつもとる気はないだろうし。

こんな世の中やっぱおかしいですよね?


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2011/04/08(金) 11:46 中鬼
3月17日という比較的早い時期にあの朝日新聞が結構まともな記事を載せた。これを読んでまだメディアもメディアとしての役割を果たしているなと思ったのは、一瞬の灯火として消え去り今や何の名残もないのだけれど。とにかくその記事がこれ、

2011年3月17日 asahi.com <伝えたいー阪神から>西日本へ「疎開を」

神戸女学院大の内田樹教授が、阪神大震災での経験をもとに東北や関東の人たちに西日本への疎開を勧めている。

この記事の後にも、首都圏から名古屋や大阪に一時疎開をする人たちのニュースはいくつか見た。しかし、最近じゃあそれをほとんど見なくなった。もちろん、地震と津波に被害にあった方々の話は聞くけれど、同じように放射能が降り注ぐ首都圏からの疎開は、大手メディアにとっては今や何万もあるタブーの中の一つになってしまったのではと感じている。

そんな折、きっこのブログのきっこさんが東京から西に疎開していると4月3日ブログに書いていた。

2011年4月3日 きっこの疎開生活

中鬼の長年のマブオニも福島原発事故が起ってから比較的すぐの3月16日に息子くんと2人で和歌山に疎開していた。幼稚園や仕事の関係で先週末東京に戻って来ざるを得なかったんだけど、とにかく素晴らしい行動だと思った。

でもそんな彼女が心を痛めていた。彼女と彼女の家族の行動を首都圏の周りの人たちが変人扱いするというのだ。中鬼は周りとの温度差にはとっくに気がついていたけれど、自分と自分の大切な人たちの命と長期的健康を守る行為をする人が変人扱いされるなんて、そんな世の中が相当「末」だなと強く思った。

だから中鬼はきっこさんの疎開ブログを見た時にすぐに彼女にそれを読んでとメールした。そしたら彼女はこんな返事をくれた。こういった人たちの経験が表に出て来ないこと自体がおかしいと思って、中鬼は彼女の承諾を得てここに載せてもらうことにした。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
まったく(きっこさんが)私と同じ状況だったものでリアルすぎて息を吸い込むのがしんどかった。
私もそんな感じで16日の朝、【旦那さんの名前】が決断して、そこから夢中で準備してチケットとって小田原からの新幹線に飛び乗ったの【息子くんの名前】が新幹線の窓からお父さんに手を振っていて、そのままおとなしく窓の外を見ていたから、抱き上げて顔を見たら

声を出さずに泣いていたよ
こんなに小さいのにね

初めての新大阪に60リットルのバックパック背負って到着してそこから乗り継いでなんとか和歌山駅まで行って疎開先の人が迎えに来てくれるまで、寒い中待ってた

新幹線、途中は雪だったよやっぱり

私のいたところは漁港の目の前でとても穏やかなところでした

和歌山では、私がついた前日に地元のひとが立ち上がって疎開してくる人に空き家を探そうというボランティアができました。ボランティアの人数が少ないのと、みんな初めてのことなので受け入れの広報は出さず、顔の見える近しい人から受け入れしようということです。
たくさんの人数は政府に任せて。福島や被害地域のかたに向けては政府の受け入れがありますが神奈川や、埼玉の人で妊婦や幼児を抱えていて不安なひとがいるそんな人を助けたい。ということです。和歌山に着いた次の日から、そこに参加していました。チラシのお手伝いをさせてもらえたので和歌山にずいぶんたくさんお友達ができました漁師さんから魚をもらって捌いては干したよだいぶ覚えたよ。

何かあったらすぐに和歌山に帰ってくるように そう言われてまだ全然安全でない東京に複雑な思いで帰ってきたよ

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

お父さんと離れることや、311以来の環境の変化の不安を隠せない息子くんの涙はとってもリアルに伝わる。でも息子くんのお母さんとお父さんが一生懸命彼を守ってくれようとしていることもリアルなことだから、そういうのも子どもは敏感に捉える。あと、和歌山では素晴らしい行動を始めてくれている人たちがいるんだなと、中鬼も感謝の気持ちでいっぱいになった。しかし、この彼女の行為を変だとみなすのはどこからくるのだろう。

中鬼には命に対して真剣なごく当たり前な行動にしか見えません。

ただ、色々な受け止め方と色々な状況の人たちがいるというのは確か。彼女のようにしたかったけれど、できない人が沢山いると思う。気持ちがいっぱいいっぱいで押しつぶされそうで、自分達の状況は安全だと信じ込みたい人たちもいると思う。そして、根拠のない安全神話を作り続ける東電、政府、メディア以外に情報が入って来ない人たちがもっともっと沢山いると思う。

そんな中でじゃあ何が一体一番良いのだろう??

原発推進派だろうが反対派だろうが、ICRPだろうがECRRだろうが、関村直人だろうが広瀬隆さんだろうが、チェルノブイリ事故の犠牲者が全部で50人だと言い張り続けるIAEAの情報を信じる人だろうが信じない人だろうが、石原天罰慎太郎だろうが中鬼だろうが、2011年3月11日以降の生活はそれ以前のものに比べて「安全なものではなくなっている」というのは多かれ少なかれ同意できることなんじゃないかと思う。そしてそれが命に関わる話をしている事もほとんどの人が同意するんじゃないかと思う。だとしたら、2011年3月11日以前はごく普通だった自分と家族を守る行動が、突然やってはいけないタブーになってしまったみたいだ。

「不安を煽る」って言葉で事を片付けないでほしい。


不安ならば不安だとその気持ちを受け止めて、それを人の行動のせいにしないで、その中で自分のできる範囲で何をするかを決める事が今一番必要なことだと思う。そう、まず自分の気持ちがどこにいるのかきちんと受け止める事なんだ。

現に中鬼の家族はみなさま首都圏にいます。そして中鬼と大鬼くんが伝える情報を真意に受け止めながら、それでもみんなで最初から疎開はしないと決めて生活してます。そうと決めたらその中で最善を尽くすのみなんです。マスクを2重にしたり、水道水は事故後すぐに貯め始めてもらってたものから使ってもらっていたり、なるべく外出しない、帰宅時のシャワーと服の管理、室内の換気の制限、そして食への注意なんかをやっている。これは自宅をセーフゾーンとして維持することを目指してやっているんです。そして、外出時は常に再臨界や今までとは違う更に大きく深刻な水素爆発が起きたときの事を想定して行動をしてもらっています。自宅までどのくらいの距離に自分はいるのか、そしてすぐに逃げられるコンクリートの建物はどこかをできるだけ考えておく。そして3家族が一つの家に行く事も決まっています。誰がおじいちゃんおばあちゃんを連れて来るとかも決めている。実際11日から1週間は7人と猫4匹が3家族の家の中で1番安全であると判断された3LDKのマンションでずっと共同生活をしていました。

いつでもそんな大事故を想定して生活してたら頭がおかしくなると思うかもしれないけれど、なんと言っても家に帰るとセーフゾーンが待っているので、そしたら普通にのんびり生活してます。もちろん換気の制限とか水や食への注意はしながらも。もしも本当は全くのセーフゾーンじゃなかったとしても、その為に出来る限りの行動をして帰宅したらその中で安心して過ごすってそういう気持ちも大事なんです。中鬼は恐ろしいことを沢山家族に伝えています。何度も何度も聞きました。「こんなこといっぱい聞いていて頭おかしくならない?」って。不思議とみんな平気なんです。何をすれば良いか分かってるし、それをしていれば大丈夫だって言ってくれて励まし合える人たちがいるから不安は少ないみたいです。

あと大事なのは、大手メディアの嘘を絶対信じないようにしてもらってます。中鬼はそれが一番「不安を煽らせる」「流言飛語」だと思っています。不安だと思っている人たちは、命に関わることなのに、それを認める事がおかしいとされる矛盾した世の中にいるから不安になるんです。だから、矛盾を打ち破って自分や大切な人たちを守る行動をする人を見ると不安になるんです。だってそれを認めたら、自分が命を守ってない事を認めてしまうことになるから。

聞いてください。今から行動しても何も遅い事はない。

今からだってやれる。セーフゾーンを作りましょう。首都圏にいようが東北にいようが、これから疎開を予定していようが、疎開が無理であろうが、関係ない。

まずは、2011年3月11日以前の日々と比べたら、自分の命と長期的健康に危険が訪れていることを受け止めるべきです。そしてそこから自己防衛の行動をおこす。

結局、疎開すべきか、しないべきか、は究極の選択ではなくて、本当の選択は今自分の周りで起っている事と自分の心の奥底の気持ちと直感を受け止めるか受け止めないかの選択なんです。道はそこから開けて来る。

最後に先人たち(?)の賢い言葉を載せておきます。

<危機的状況では、リスクを過小評価するよりは過大評価する方が生き延びる確率は高い。避難が無駄になっても責める人はいない。「何事もなくてよかったね」と喜べばいい。「安全だ」と信じ込まされて、いきなり「さあ逃げろ」と言われたらパニックになる。> 
2011年3月17日 asahi.comより 神戸女学院大教授 内田樹さん

<こうやって原発の危険を知らせると、必ず大げさだ、言い過ぎだ、と言う人たちがいる。でも今のメディアを見ていると、こんなにも楽観的になれる学者さんたちがいてそれに対しても同じことを言いたい。それは大げさで言い過ぎなんです。>(というようなことをおっしゃってたのを中鬼が勝手に要約)
2011年3月26日 原子力資料情報室会見より 元日立福島原発4号機圧力容器設計者 田中三彦さん

<命と長期的健康を守るために早め早めの行動をすることは、パニックする事ではない。きちんとした情報を手に入れることができずに、本当にまずくなった時に慌てて行動することがパニックなのである。>
2011年3月29日 パニックじゃないってばより 中鬼


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2011/04/05(火) 06:46 中鬼
みなさま、今日は朝からとっても良いニュースがあります。
なんと東電様が先週政府に提出した福島第一原発7、8号機の増設計画を事実上断念しましたー。

毎日.jp 2011年4月4日福島第1原発:東電、7、8号機の増設計画を断念

っておいっ!!!!

これ以上馬鹿にすんのもいい加減にしてください。もうやる事ALL全て中鬼の逆鱗に触れている最近のデンコちゃんです。ごめんなさいのCM流すお金あるんだったら、おがくずや新聞紙60kgで汚水の流出を止めようとするより、まともな行動をしてください。早く本当に責任がある上層部を現地に派遣させて働かせてくださいよ。日本を守ろうと必死で働いてくれている下請けの人たちの体や命をこれ以上粗末に扱わないでください。と最近ツノがどんどん伸びている中鬼なんです。

と、ここでこれを皆に見てもらいたい。重要です。
日本でなぜか公表されないドイツの気象庁(DWD)がおこなっている放射性物質拡散予測の4月4日から7日のものです。

ドイツ気象庁のページに行けば見れるんですが、これはドイツ語を丁寧に訳してくれた方のサイトなので説明文も読めて良いと思います。

「要注意:放出源の濃度が明らかでないため、この予想図には空気中にある放射性粒子の実際の密度が反映されているとは限りません。発電所からの仮想上の放射が天候条件によってどのように拡散し希釈化されていくのかのみが表現されています。」

と書いてることは付け足しておきます。それでも、話題に上がってすぐに聞かなくなったマジック布が今日使われて、福島第一から放射線物質がもう飛び散らなくなることが突然おこらないかぎり、放射能が東日本のみならず西日本一帯、更には韓国や台湾まで流れていくのがよくわかります。

5日から7日まではなるべく外に出ない。家の換気をしっかり制限する。マスクの絶対着用(花粉用マスクを2重にして、濡れたガーゼなんかを中にいれておくと良いと田中優さんがおっしゃってました)、そして帰宅時の洋服の管理やシャワーをすぐ浴びるなど徹底しましょう。特にお子さんのいる家は気をつけてください。

あの右曲がりでどうしようもない新聞でさえ、技術があるにも関わらずこういった値を日本政府が頑に発表しないことを4月4日に書いてますね。

読売.jp 2011年4月4日 日本で公表されない気象庁の放射性物質拡散予測

もしもこの情報が嘘だと言うのならば、日本政府は直ちにドイツ政府に批判を言うべきですよ。そうでないならば、どうしてこういう事をひた隠しにするんだろう。まるで5年後、10年後に「直ちに影響が出る」期間が終わって放射能汚染が実際の被害として出始める頃の補償やそれを巡る裁判に証拠を残したくないかのようですね。頑張っているジャーナリストやまともな研究者のデータをいくら見せたって「確固となる証拠にはならない」って言えば済むだけのことですもんね。中鬼は考え過ぎですか?


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2011/04/02(土) 23:47 中鬼
Chernobyl Legacy by Paul Fusco (Magnum Photos)

泣きました。チェルノブイリが起こってしまったこと、その教訓が全く活かせずに25年後に原発からまた危機的状況が起こっているということ。人間の欲が作り出したものであること。犠牲はいつも弱い者達であるということ。Days Japanでこういう写真を過去に見たことがあるにも関わらず、今これを見たときの衝撃があまりにも大きかった自分自身に対してとてもつもない嫌悪感を抱きました。自分の身に降り注いでやっとその事態の深刻さを受けとめようとするのでしょうか。対岸の火事は所詮対岸の火事だったのか。ちなみにマグナムはその名も知れた超有名なフォトジャーナリスト集団ですよね。

「不安を煽る」と思い、広めるのは自粛しようと少しは思いましたが、これが真実である限りは単に「不安を煽る」ような不正確な情報と一緒にしては絶対にいけないので、みんなも見て、感じて欲しいと思いました。

これを見た直後に、東電が政府に福島第一に7号機と8号機の増設を含めた供給計画を提出したと知りました。
NHK 東電 供給計画に原発増設 4/2/2011

怒りとかそういうモノをとっくに超えた絶望的なものを感じ始めてしまいました。

みなさんもそうでしょうか?中鬼はここ数日、絶望的な将来の展望に悲観する瞬間と、楽観的に「安全だ。どうにかなる。」とハイになってる瞬間が交互に訪れます。それ以外の時間に落ち着いてこうやって文章が書けるのです。事態の長期化に伴って気持ちが不安定になっています。あとはやっぱり大手メディアがひどすぎますね。


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2011/03/29(火) 22:54 中鬼
プルトニウムがとっくに検出されていたというニュースに動揺を隠せない中鬼です(大鬼くんの最新文章参考)。

折しもそんな時に内閣食品安全委員会の「食の安全ダイアル」から返答がきました。下記にそのままコピペします。

-----------------------------------------------------
<中鬼(ここは本名)>様

このたびは食の安全ダイヤルにお問い合わせいただきありがとうございました。
現在、厚生労働省から食品衛生法に基づく暫定規制値を設定することに
関してリスク評価の諮問を受け、速やかに審議を行っているところです。
一部報道に結論が出たかのような報道がありましたが、委員会はまだ審議中であり、
結論は出ておりません。

また、各種の基準値などは、食品安全委員会のリスク評価(人への健康影響度の評価)を
踏まえ、個別に厚生労働省により定められます。
したがって、具体的な規制値についてのお問い合わせは厚生労働省にお問い合わせください。

  厚生労働省:https://www-secure.mhlw.go.jp/getmail/getmail.html

 「食の安全ダイヤル」担当

-----Original Message-----

標題:25日の放射能基準値の緩和容認について

内容(全角1,000文字以内):放射能基準値の緩和に憤りを感じます。
風評被害ではなく原発被害であることは、国民は気づき始めているにも関わらず、このような決定が考慮されていることはあってはならない事だと思います。もともと日本の基準値は高いのに、年間総量でヨウ素50,000マイクロSv、セシウム5,000マイクロSvにするというのは犯罪的だと思われます。

責任転嫁はすぐにやめて、原発被害と認め多くの農家や漁師の方々の補償をすぐにおこない、より多くの国民の命と長期的健康を守る行動をしてください。<中鬼>
---------------------------------------------------------

中鬼が言いたいのは一言です。だ~か~らああああ、それが責任転換だっちゅうのおおおおおおお。相当怒ってます。そして中鬼はとっくのとうに厚労省にもの申してるんですけどね。でもまだ決まってないなら、希望はある!

みなさんも、物申しちゃってください。日本は確かまだ民主主義のはずだから、聞いてもらわなくちゃ。
内閣食品安全委員会「食の安全ダイヤル・メール窓口」
厚労省「国民の皆様の声募集」

そしてさらに8都県の知事さんたちがおこなおうとしている「放射能摂取推進キャンペーン」に対して断固とNOをつきつけましょう!!!(詳細はここ)

東京都 都民の声総合窓口
神奈川県 わたしの提案フォーム
千葉県 お聴きします ちば
茨城県 私の提案
群馬県 わたしの提案 知事への手紙
埼玉県 知事への提言
栃木県 あなたの声を県政に!
以上は全てメールで意見提出可能です。

福島県はHPも暫定で緊急対応になっています。地震、津波、そして原発の被害にあわれている福島県は想像を絶する状態だとは思いますが、福島県の知事さんがそれでも放射能基準値の更なる緩和を国に要望している事実に対して、何と言って良いのか分かりません。


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2011/03/29(火) 12:23 中鬼
「命と長期的健康を守るために早め早めの行動をすることは、パニックする事ではない。きちんとした情報を手に入れることができずに、本当にまずくなった時に慌てて行動することがパニックなのである。」 中鬼

と昔の人はよく言ったわけではないと思います。政府や東電の情報抑制を察してる人は結構いるんです、でもそれをパニックを防ぐためにやってくれているんだって言ったりもするんです。そう信じたい気持ちは分かります。不安で不安で仕方ないんです。でも政府や東電や大手メディアを信じていては、自分の身は守れない状況なんです。残念ながら。その理由を細かく知りたい人は特に大鬼くんの記事を全て読んで下さい。そしてこれからもチェックしてください。

3月26日に福島原発4号機の設計に携わった元日立の田中三彦さんと元東芝の原子炉各容器設計者の後藤政志さんが原子力資料情報室(CNIC)の新しい記者会見にでていらっしゃいました。これ、中鬼は大鬼と一緒に3時間近い相当専門的な発表を頑張って聞いたんです。中鬼の頭じゃどれくらい理解できたか信用なりませんが、よく分かったのは両者ともこれが「緊急事態の中の緊急事態」だと受け止めていらっしゃることです。それは「冷却材喪失事故」という前代未聞の大事故(簡単に言えば電源が復旧しても修復できない事故)が起きている可能性がとても高いからと言っていました。初めからお二人はこれを恐れていたみたいですが、25日の首相官邸のHPにのせられたデータから、この可能性がほぼ間違いないという理由を説明してくれました。要するに冷却装置は直らないのではないかとう事です。これは止めようのない状態なんです。そしてもしそれが本当ならば、どんな暴走がこれから起るのか予測しがたいとも言っていました。また、3号機でも同じ「冷却材喪失事故」が起っているかもしれない可能性を言っていましたが、これに関してはまだデータを研究中なので正確なことは言えないようでした。ただ、忘れてはいけないのは、3号機にプルトニウムが含まれているということ。プルトニウム砂糖粒5つの量で日本が破滅するって本当ですかね。でも微量に体内に付着するだけですぐに癌になるのは本当みたいですね。そんな物質、人間が生み出したと考えると、中鬼は怖くなります。

しかし、なぜ、このような元技術者の人たちを大手メディアは出さないし、東電や政府はきちんとしたデータを渡して分析してもらわないんでしょうかね。中鬼は理解に苦しみます。政府と東電は本当に事態を解決しようと思っているのでしょうか?

とても専門的な話だったのですが、中鬼の心にとても残った言葉があったんです。元日立の田中三彦さんが、「こうやって原発の危険を知らせると、必ず大げさだ、言い過ぎだ、と言う人たちがいる。でも今のメディアを見ていると、こんなにも楽観的になれる学者さんたちがいてそれに対しても同じことを言いたい。それは大げさで言い過ぎなんです。」ってな感じのことをおしゃったんです。その通りだと思ったのと同時になんか胸が熱くなりました。中鬼は自分自身、家族、友だち、ご近所さん、そして地震と津波で被災した方々、さらにとにかく多くの人間と動植物の命が危機にさらされているかもしれない時に、大げさだと言われても変人だと言われても構わないと思ったんです。実際、家族には、中鬼があの時ひとりでパニくってたってずっと笑い話にしようねって言いながら、いざという時の為に万全を期してもらっています。それって命を守ることであって、やっぱりパニクることではないんです。これは中鬼断言します。

原子力安全資料室 2011年3月26日記者会見#1
原子力安全資料室 2011年3月26日記者会見#2
原子力安全資料室 2011年3月26日記者会見#3


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2011/03/28(月) 20:35 中鬼
中鬼はずっと気になってたことを大鬼に聞いてみた。

中鬼「私は昔っからただ単に原発反対~!原発反対~!ってよく言ってたんだけどさ、みんなにじゃあそれで使えなくなる電気はどうすんだよ。30%なくなって毎日計画停電かよ。って言われてぐうの音も出なくなってしまうんだけど、ぐうの音は出るの?」

大鬼「計画停電が福島原発事故のせいだと思ってる人けっこういるけど、まずそこから間違ってるよ」

中鬼「え?」

大鬼「フル稼働してない火力発電などを全部使えば電力は十分なレベル供給できる。今回は他の発電所も被害を受けたけど報道されていない。電力会社は計画停電によって原発の必要性を宣伝したいって側面もあるのでは?」

中鬼「でも火力発電をいっぱい使うとなると化石燃料を燃やすから地球温暖化につながって生態系がおかしくなる。それはそれで悪いわけでしょ?」

大鬼「悪い。石油利権のために温暖化や戦争で世界がめちゃめちゃにされるのは避けたい。ただ短期的には火力発電の利用自体はやむを得ないと思う。放射能汚染で水や食べ物が安心して食べられなくなるような原発に比べたらはるかにましだし。あくまで短期的にね。」

中鬼「中期・長期的には?」

大鬼「自然エネルギーの研究開発と生産にもっと資源を注ぎ込んでいけば、安全・持続可能で分散型の発電システムができるはず。新技術浸透のスピードを速めるためには市場まかせではダメで、政府が財政・規制を組み合わせてちゃんと政策的にやらないと!」

中鬼「自然エネルギーって太陽・水・風・地熱とか?今もやってるんじゃなかったっけ?」

大鬼「必要性の大きさからみれば全然やっていないに等しい。ソーラーパネルとか太陽光電気自動車なんて何十年たっても全然生産体制が進んでないから高いでしょ。石油や原発が今の時点で比較上効率がいいからというだけで(実は原発がコスト安いというのは真っ赤な嘘なんだけど)、つまり短期的な金もうけや効率のために、長期的な生存そのもののリスクを考えないっていうのは愚かでしょ。」

中鬼「確かに。そういえばこの前放射線リスク欧州委員会( ECRR )のバズビー教授が日本政府の一連の事故の対応についてこんなことを言ってたね。」

バスビー教授「彼らは(日本政府)、原子力発電所を建設し続け、ウランを採掘し続け、沢山のお金を儲けたいのだと思います。これは、犯罪と言っても良いほど無責任です。」

大鬼「テレビに出てくるのはみんな原発推進派だから、嘘をついたり基準を上げて問題をもみ消してまで原発を擁護しようとする。歴代政府・電力会社・原発産業・マスコミ・御用学者・エセ専門家は利権ズブズブだし、自民党や右派は野党だから政府を批判するけど核武装につながる原発はもっと推進派だから、今政権とってなくてラッキーくらいに思ってるわけで、嘘や世論誘導や欺瞞ばかりでしょ。原発に毎年4000億円以上も補助金だしていて、「仕分け」茶番劇でもカットしない、そういうことを誰か追求した?しないよね。」

中鬼「はっ、じゃあその予算を全部自然エネルギーの支援・開発に使えば良いのでは!!!」

大鬼「それは今すぐ可能なことだし絶対そうすべきだと思う。民間の融資も含めれば原発に無駄に注ぎ込まれてる資源は膨大だから、それを脱原発の方向で有効利用すれば、日本には全然やれる力量がある。ソーラーパネルだって財政支援しつつ一家に一台支給するくらいやらないと。それは必要なコストだよ。問題は日本の世界有数な労働力と膨大な資本をどこに振り向けるのか~一部の人間の短期的な利益のために破滅的リスクと数万年分の放射性廃棄物管理コストをかかえて自然に怯えながら生きていくのか、それとも自然と共存しながら安全で十分に快適で持続可能な社会を築いていくのか~という選択の問題。」

中鬼「よく分かったよ。」

大鬼「あ、あと僕らも省エネや健康リスクのことをもっと本気で考えないとね。短期的には火力に依存しないといけないから、地球環境を持続可能なものにするにはもっとエコな生活スタイルにしていかないと!」

中鬼「そりゃそうだ。原発に頼った暮らしは平和な世界だとは中鬼は思えないよ。みんなが考えたら原発依存をやめられるね。」

大鬼「うん。世界の原子炉の半数以上をたった3つの経済大国、米国・フランス・日本が保有してる。他の国はそんなに原発に依存しないで十分やってるし、ドイツとか原発をさらに見直していくみたいだよ。原発産業は温暖化問題をうまく世論誘導して「原発ルネサンス」にしようと企んでたわけだけど、福島の事故でその計画が揺らいだ。いま温暖化も原発もノーだとみんなが自覚する時だと思う。もう一度いうけど、これは短期的な利益・利権をとるのか、一般の人たちの命と長期的な発展をとるのか、という選択の問題。世界の地震の2割は日本で起きるし、日本の国土面積はチェルノブイリを起こした旧ソ連の1.7%。もう分かるよね、どっちが賢い選択か。」

中鬼「オッケー!じゃあオルタナティブな社会が無理だなんてことを言い訳にはできないね。ありがとう。これからは胸を張って日本の、いや、世界の原子力発電所をすぐさま停止するという大きな使命を背負って生きていけるよ。」

大鬼「相変わらず、大げさだなあ、中鬼は・・」

2011年3月24日のバスビー教授のインタビュー(英語)
 

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2011/03/28(月) 02:09 中鬼
大鬼くんと違い、人に説明するのがとても苦手な中鬼ですが、簡単でシンプルな言葉で説明する事が今は求められているのではと思い「体内被ばく」について書いてみようと思います。

「体内被ばく」を理解して、更にそれから身を守る行動をするために必要な知識としてまずは『放射能』と『放射性物質』の違い。毎日新聞の特集ワイドで使われていた『電球』を使った説明が分かりやすかったんでそれを使います。

まず、放射線っていうのは、放射性物質から放出されるエネルギー。電球に例えると、『電球』が放射性物質で、『電球から出る光』が放射線。その『電球』自体が体に入って住みつくことが「体内被ばく」。『電球』は体に入ったら何十年にもわたってそこから『光』を出し続け、それが体を蝕むという構造になっている。1ヶ月前までは一度も聞かなかったのに最近毎日聞くセシウムやヨウ素なんかは『電球』である放射線物質。

首都圏の水道水に混入しているヨウ素は半減期が8日だから大丈夫!なんてバカらしいこと毎日聞きますが、まず第一に半減期はその『電球』の寿命半分地点ではないんです。16日たてばまた綺麗なお水ではない。更に、水道水で検出されているヨウ素はヨウ素131だからね。ヨウ素129なんて検出されたなんて言ったら、それは半減期だけでもなんと1600万年!!どえええ~!!これを測る検査はされているんでしょうかね。そしてヨウ素131と一緒に検出されているセシウム137は半減期が30年。これも気が遠くなる値ですよ。

ってことは、水道水だけみて考えても、すでに首都圏の水道水にはヨウ素131とセシウム137が検出されたってことは、その『電球』入りの水を飲んだ人は、その『電球』が体に付着してずっと『光』である放射線、つまりα線、β線、γ線、そして中性子(こわっ)なんかを体内で出し続けるってことになる。

だからこの『電球』を体に少しでも蓄えないことが今一番大切なこと。0歳未満の赤ちゃんはもちろんx1000のことで身を守ってあげる。でも、チェルノブイリの事故5年後から25年たった今でも、当時子供だった人達の甲状腺癌の割合はずっと高いまま。若ければ若い体ほどホルモンの分泌が活発だから『電球』も活発化して体をどんどん蝕んでいく。逆に言えば0歳未満だけではなくて、5歳の子も、10歳の子も、15歳の子も、そして大人も『電球』の量が体内に増えれば増えるほど癌や白血病、そして生殖器の異常なんかが出てくるということ。

政府や東電の「安全です」は根も葉もないことがはっきりしてる。

これが全部嘘だと思う人は政府に意見を送って聞いてみれば良い。
内閣食品安全委員会「食の安全ダイヤル・メール窓口」
厚労省「国民の皆様の声募集」


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2011/03/28(月) 01:18 中鬼
中鬼は怒ってます。びっくりするような犯罪的報道がまだまだ続けられているのです。

水道水が安全だと示すためにどこかの都知事さんがパフォーマンスで飲んでいたのを見た時には嗚咽しそうになりましたよ。

大鬼くんが言っていたとおりに、政府は放射性汚染の安全基準値をこっそりと言っても良い感じの動きで緩和させてました。しかもその緩和っぷりがものすごい。水道水につての基準はなんとWHOの国際基準の20~30倍。そして米国基準の25~60倍です(って米国の基準が高いのにちょっと意外)。これで乳幼児以外は安全なんて言っているのは犯罪ではないのですか?

そして、まだメディアがのうのうと『レントゲンや飛行機に乗った時間と比べて安全作戦』を使っているのはどういうことなんだ?
まず、一瞬のレントゲンや成田ーLA間10時間の飛行機滞在時間と、汚染された空間で生きていく私達の生活と比べないでちょうだい!!
そして何よりも、『体外被ばく』と『体内被ばく』の違いを知りませんでした~なんてあとで言うつもりなのか?

恐ろしい。

さらに規制値を緩和するって?オイオイ本気か?。放射線の基準値が「体外被ばく」で年間総量1000~3000マイクロSvだったのに、「体内被ばく」となる食品汚染についてヨウ素131は50倍の50000マイクロSv、セシウムも 5000マイクロSvにするってどういうことだよ?これまで食べなくても危険とされていた量の放射能がべったりついた食品がスーパーで売り出されても「安全です」ってこと?。そして5~10年後に「首都圏のガンの割合が増えていますね。ストレスや喫煙によるものと考えられています」な~んてまたエセ学者を動員してテレビで宣伝する気か。

日本の安全基準は科学的信頼性がゼロです。これは被害をないものにして原発をさらに推進するための原発産業にとっての安全基準です。原発推進派が負うべき責任と負担を、こっそり市民に転嫁してガンや遺伝子異常のリスクを受け入れさせるために、基準をとにかくゆるーくする、こんなインチキを許したら日本人は放射能まみれにされちゃうよ。

それで中鬼と大鬼くんは政府に意見しました。みなさんもお願いします。一言、「これは本当ですか?不安に思います。」ってな感じでも良いんです。簡単なもんです。でもそれがみんなの命を救うんです。

内閣食品安全委員会「食の安全ダイヤル・メール窓口」
厚労省「国民の皆様の声募集」


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2011/03/28(月) 00:42 中鬼
感情の起伏が激しいことを女性的と言い訳して生きてきている私が憤っているのは珍しい事ではないんですが、仏や仙人以上に穏やかな大鬼くんが怒ってます。ということなんです。