八木啓代のひとりごと

後先考えずに中国船を拿捕して、船長逮捕した挙げ句、中国が本気で怒ったふりをしてみせると、すぐにびびって、地方検察に外交官の真似事をやらせるなど、日本が対中関係でおろおろしている間に、ロシアのメドベージェフ大統領が、近くクリール諸島（日本の北方領土と千島列島）を訪問する意向を表明。
つまり、ロシアとの領土問題も急速浮上してきたわけ。
http://jp.reuters.com/article/worldNews/idJPJAPAN-17430220100929
これに関しては、さすがの産経が詳しい。
http://sankei.jp.msn.com/world/europe/100929/erp1009291929014-n1.htm

むろん、こちらはロシアが文字通りの実効支配済み。これは、尖閣諸島みたいに「微妙な実効支配」ではなくて、文字通りの実効支配。具体的には、軍隊が駐屯しサハリン州が管理している。
なので、もし日本が、尖閣諸島を「実効支配しているのは日本だから、領土問題は存在しない」と言いつのればつのるほど、北方領土問題ではロシアの占領が意味を持つことになる。

ロシアが動くのがこのタイミングというのが、さすがというかなんというか。なぜなら、中国こそ、北方領土を日本領と認めている数少ない国だからだ。

そして、こちらも窓口であった鈴木宗男氏はいない。
外務省と検察と最高裁とメディアのタッグで窓口を潰したのである。父親が北方領土問題の解決に尽力していた鳩山総理も失脚済み。

冤罪をでっち上げてでも、ロシアとの窓口を潰し、中国との窓口を潰す。
ああ、なんか景色が見えてくるな。
菅～仙谷～前原ラインは、こうなると、赤子の手をひねられたごとく、もはやひたすらアメリカに盲従するしかないわけで、これでアメリカがイランに戦争を仕掛ければ、もちろん、日本はいの一番に協力させられるというシナリオね。

救いは、中国とロシアにイラン戦争を回避する気があるなら、日本に対しては、この領土問題をちらつかせて威嚇しつつ、強硬路線をあえて長期化させずに、関係修復方向に舵を切ってくれるであろうことかな。
もちろん、日本のメディアがやるであろうように「ほんとは日本が怖いから」あるいは「日本と関係悪化すると自分が困るから」とか「日米安保のおかげで」という理由ではなくて、日本が孤立することで、アメリカのこれ以上の奴隷的補給路となることを防ぎ、イラン開戦を牽制するため。

大人の駆け引きの前で、行き当たりばったりにオロオロしている日本の姿は、情けないという点ではあまり変わらないんだけど。

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