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ホテル食品偽装問題について:タラバガニだってカニじゃないんですが

 さて、コンプライアンスというと壷から出てくるの守護神、郷原信郎先生が、阪神阪急ホテルグループの食品偽装問題についてブログに書かれて3日もたたないうちに、いろいろなホテルグループや飲食店での「メニューと出していたものが違う」という問題が、派手に浮上してまいりました。

 しかし、そもそも、メニューや商品名に「かならずしも正確な品名を書いていない」というのは、かなり昔から、暗黙の了解として、日本に存在していたことではないでしょうかね。

 たとえば、近鉄ホテルでは「ロブスター」を「伊勢エビ」と表示していたというので謝罪しています。確かに、厳密には、ロブスターはザリガニ下目でエビではありませんが、一方で、伊勢エビの英名は、Japanese spiny lobsterです。

 この手の話でしたら、タラバガニはカニと言いながら、ヤドカリの仲間ですから、「カニ食べ放題」とか「カニコロッケ」と言いながらタラバガニが入っていたらいけないということになってしまいます。
(どうでもいい話ですが、南米チリでは、巨大なフジツボがおりまして、これを食します。どういう味がするかといいますとね、タラバガニ系の味なんですよね。さすが、フジツボは甲殻類だと思った次第であります。)

 しかし、そういう観点では、大正エビとブラックタイガーも、さらには芝エビとバナメイエビも、すべてクルマエビ科なので、種としては非常に近く、「大きいのを大正エビ、小さいのを芝エビと慣用的に呼んでいた」とかいうのがまったくの出鱈目だったとは言いきれません。

 スーパーでシシャモとして売られているものだって、その大半は、カペリンという似て非なる別の魚です。

 回転寿司であの値段で売られているのも、ほとんどは代用魚です。マグロはアナツロスとかガストロですし、鯛はナイルテラピアです。アナゴはウミヘビですし、カンパチもブリも、まず代用魚と思って差し支えありません。違うという点では、こちらの方が遥かに違います。イクラなどは完全な人造だったりします。

 もっと言ってしまうと、葛餅やわらび餅として売られているもので、本物の葛やわらび粉を使っているものはほとんど無いでしょうし、片栗粉だって、実際に片栗の根から作っていたのは大昔の話で、現在は、じゃがいものデンプンです。これだって「暗黙の了解」ですが、本物の入手困難や価格的な理由で、偽装が本物を駆逐してしまったわけでしょう。

 そういう意味では、なにがどこから偽装で、どういう表示が許されるべきなのか?

 そういった議論を、農林水産省なり消費者庁なりできちんと行わないままにずるずるやってきたし、ま、伝統的にもそれがなんとなく許されてきたというのが、食品業界、とりわけレストラン業界の実態なのではないでしょうか。
 明らかなのは、「厳密で正確な表示」が「遵守」されなければならないとなると、大半の(とりわけ大衆価格の)レストランや食堂のメニューが、とんでもなく意味不明でマズそうになるだろうということです。

 謝罪するとか叩くとか返金するとかしないとか、そういうことの前に、そのへんの分析をきちんと行い、実態調査を行ってから、指針を決める、というのがまず必要なのではないでしょうかね。

テーマ : 政治・経済・時事問題
ジャンル : 政治・経済

不起訴通知が届いたあとも、もちろんカナリアは歌い続けます

さて、昨日はばたばたしていて、クリスマスイブとは思えない淋しい夕食だったけれど、一夜明けて今日が、うちのクリスマスパーティ。

というわけで朝から買い出しに。
買い物に出ている間に、例の不起訴通知が届きました

まあ、今日か遅くて月曜に来るのは判っていたのですが、これでなんというか、やっと第二幕に進めるわけです。

それにしても、この不起訴通知。いや、すごいです。不起訴理由も何もなし。よほど突っ込まれるのが怖いんでしょうか(笑)
長谷川充弘検事は、前田恒彦元検事を逮捕した人ですが、それ以外にも、検察史に名前を残すことになられるわけですね。

で、東京地検公安部の落合洋司先生によると「最高検で検番をとっているのは珍しい。初めて見た」そうです。ふーんそうなのか。

ちなみに一緒に不起訴仲間となられた落合先生は、仕事はじめの1月4日早々に、検察審査会に申し立てをなさるかもしれないとか。おめでたい年の始まりですので、ぜひ、その際に、検察庁の方々の気持ちが、真っ暗になるようなことを、みっちりお話になっていただきたいものです。

で、とりあえず、会員の皆様にお知らせしたり、ツイートしたりしてから、ふたたび料理に。

オードブルは、メキシコのクリスマスに欠かせない鱈のビスカヤ風煮込み。これは鱈をトマトとオリーブオイルでペースト状になるまでとろ火で煮込んだもの。鱈の脂の旨味とトマトとオリーブオイルのマリアージュが絶妙です。じゃがいもかフランスパンを添えます。あとはサラダ。

メインディッシュは、大きな丸鶏一羽を特製のタレに漬け込んで、お腹に栗と銀杏と茸入りの中華風のおこわをたっぷり詰めてローストチキンに。鶏の焼き汁がおこわに染みこんで、これまた、それはもう美味しいのです。

そうそう、これも合間を見て一昨日、マジパン入りのシュトーレンも焼いてあります。ほんとは10日ほど熟成させる方が美味しいのですが、今年は仕方ありません。

デザートは、ふわふわのスポンジケーキに生クリームという、いわゆる日本スタイルのクリスマスケーキ。これも朝から手作り。

ひさびさに、たっぷり楽しく料理して、美味しく食べて、ストレス解消。
(みんなで食べちゃったので、写真撮るの忘れました)

わたくし、本来は政治的な人間ではないのですよ。なんといっても、本来は歌い手ですから。
ただ、カナリアですので、炭鉱の空気が濁ってきたら、誰より先に気づいて騒ぎ立てるだけなのですわ。

テーマ : 時事ニュース
ジャンル : ニュース

ミートボールのトマト煮込み・メキシコ風味

 雑用に追いまくられた一日。
ミートボールのトマト煮
 なにか美味しいものを食べたいけれど、雨の中を買い物に出かけるのも面倒で、しかも気がつくと外も暗いし.........なんで、冷蔵庫を探し、挽肉の使い残し発見。あと、豆腐の残り、フランスパンの耳の硬くなったのとか。
 で、パンの耳をすりおろし、小ぶりの玉ねぎ半分とにんにくを刻んで炒め、挽肉と豆腐少々と卵を加えて、ハンバーグのタネ状のものを作り、これに好みで干しぶどうと松の実を加える。
 これまた使いのこりのチレ・グァヒージョとたまねぎの残り半分、にんにくを湯に入れて、3分ほどぐらぐらさせたものを上げ、缶詰トマト一缶といっしょにミキサーにぶち込んでピューレ状にしたものを、フライパンで少し煮込んで、メキシコ風のトマトソース。
 チレ・グァヒージョは辛くないチリを乾燥させたもので、旨味成分が強い。もちろんなくても可で、その場合は、正しいイタリアン。好みで生のパブリカとか人参少々入れるのも可。
 このトマトソースを塩胡椒とハーブで味を整えて、さきほどのハンバーグのタネを、たこ焼きぐらいのボール状に丸めて入れて、ちょっと煮込むだけ。
 簡単に、ミートボールのトマト煮込み。ソースがちょっとメキシコ風なので、スペイン語でアルボンディガス。

テーマ : ごはん日記(写真付き)
ジャンル : 日記

豚のピクルスソース

 食いネタついでに、ちょっと脱線。

 さて、数日前、お友達の江下雅之さん(というか、NIFTY-Serveのパソコン通信時代の付き合いなのだが)と一緒に、神田のロシア料理店サラファンでお食事をした。
 べつに堅苦しい相手ではないので、コースメニューではなく、前菜にピロシキ、そして、アラカルトのお皿を二つとってシェアすることに。
 で、アラカルトを決めようとするが、メニューを見るより先に、江下さんの目が、黒板の「本日のおすすめ 豚のピクルスソース」に焦点を合わせてスイッチが入っておられたようなので、一品目は、それ。二品目は、ここの名物料理のひとつでもあるロールキャベツ。

 で、まず出てくる、ここのピロシキは、いわゆる揚げパンタイプのピロシキではなくて、具をクレープ包みにして揚げた手の込んだもの。
 ピロシキもロシアの地方によって違いがあるそうで、私はここのピロシキがとっても好きなので、とりあえずここに来ると、かならずお願いする。あつあつに粒マスタードを添えてセーブ。
 食べ終わった頃、絶妙のタイミングで、「豚のピクルスソース」

 これがですね。想像以上においしかったんですよ。
 茹でて余計な油を落としたうえで、薄切りにした豚肉に、美しいグリーンのさっぱりと酸味の利いたソースがかかっているのですが、じつに絶妙。ほんのり温めて出されましたが、真夏なら冷製でもおいしそう。
 とにかく、ソースがじつに良い感じです。

 で、サラファンのオーナーであり、ギャルソン&ソムリエの戸田師匠にお尋ねする。この人も、ロシア料理店のギャルソンでありながら、ワインヲタで、なぜか香港にも超詳しい人。なぜ知っているかといえば、戸田さんもNIIFTY-Serveのパソコン通信時代の付き合いだったりするから。おそるべし、パソコン通信。
 「これはですね、名称どおり、ピクルスを使ったソースです(以下作り方 いじわるなので略 知りたい人はサラファンに行きましょう)」

 ほーお。

 そして、定番のロールキャベツなのだけれど、とろとろに煮込んであるにもかかわらず、具の挽肉の旨味が抜けきっていないという絶妙のところに、トマトソースとサワークリームがかかっているロシア風。
 んまい。

 .....カロリーオーバーだけど。

 ......今朝、荒川の土手をジョギングしたからいいことにしよう。
(実は、あとで書くが、ある理由によって、八木はいま、ダイエット中なのである)

 で、ここのケーキもすごくおいしいのだけど、すでにこれでかなり満腹だったので、遠慮する。
 満足な夜であった。

 ところが、話はここで終わらない。
 この江下氏が、数日後、サラファンにランチにお出かけになって、この「豚のピクルスソース」をまた召し上がったというではないか。
 しかも、これが改良版であったと。
豚のピクルスソース・桜色バージョン
 ....くやしい。
 ので、自分でも作ってみることにした。

 豚の肩ロース肉に塩をまぶして1時間ほどおいたものを、軽く塩を流して茹でる。
 それを上げて、自然に冷ましておき、茹で汁で、下ゆでした大根を煮る。
 一方で、ピクルスソース。
 サラファンでは、きゅうりのピクルスを使っておられたが、たまたま冷蔵庫にこないだ大量に作った紫タマネギのピクルスがあったので、これを使うことに。

 で、作ると、サラファンで出た若草色の美しいソースとはまた違う、桜色のソースが。
 ただ、これ、単独で見ると実に綺麗なんですが、お肉にかけると、お肉もピンクなので、色が映えないのが残念。今度、胡瓜のピクルスで作ってみましょう。

(ちなみに、3日前からの画像ファイルは、すべてPixelmatorで処理しています。なかなか使えます)

テーマ : ごはん日記(写真付き)
ジャンル : 日記

鹿肉の赤ワイン煮

ところで、PANDORA REPORTには、あるジンクスがある。
このREPORTがはじまったのは、10年以上前のパソコン通信の時代で、当時のNifty-SERVEでちょっとした反響を呼んで以来、それ以後、断続的にシリーズが連載されてきたわけだが、(ちなみに過去のレポートは、私のサイトの「GALLERY」ページで読めます)、シリーズが始まると、必ず、誰かが美味しいものを送って下さる、というジンクスである。

「うちの果樹園でとれた桃」とか「うちの田んぼでとれたお米」とか「うちの農園の野菜」とか「裏山で取ってきた松茸」とか、ええ、パソコン通信をやっている人たちの広がりを実感できることだったのですが、やはり皆様、私にとって、書くエネルギーになるのは食物だとよくご存じで。(爆)

鹿のスネ肉を煮込むところ
で、今回も、ジンクスは裏切らず、届きました!
「丹波篠山を元気に走っていた鹿の肉」
兵庫県伊丹市で、鹿肉料理を出すイタリアン・レストランとして、最近メディア登場も多いAntonさんからの差し入れです。
ちなみに、ここの鹿肉のカツレツは絶品です。私は大阪に里帰りすると、わざわざ電車乗って友達誘って食べにいくお店。

それにしても、ジビエですよ~。ジビエ。いやもうどうしようかしらね。
前回クビ肉をいただいて、これは黒オリーブ入れてトマト煮にしたら、たいへんおいしかったのですが、今回は、タタキ用のモモと、スネ肉。
さすがに野生の鹿だけあって、運動量たっぷりの引き締まったスネです。

鹿肉の赤ワイン煮込み
で、このスネ肉を、本日、赤ワイン煮にしました。
スネ肉をさっとフライパンで焼いた後、たっぷりの赤ワインに、ローリエ、ローズマリー、セージ、セロリ、たまねぎ、トマト少々を、圧力鍋で煮込み、さらに、ホワイトマッシュルームとプルーンとクルミを加えて煮込みます。少し酸味が勝っている気がしたので、ちょっぴりはちみつも加えてみました。
付け合わせはクスクスです。おいしー!

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PANDORA

Author:PANDORA
ラテンアメリカと日本を拠点に活動する音楽家・作家 八木啓代のBlog
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3.11を心に刻んで (岩波ブックレット)
人は、どのような局面において言葉をつむぐか。30人の執筆者が震災を語ったエッセイ集。澤地久枝、斎藤 環、池澤夏樹、渡辺えり、やなせたかしらと並んで八木も寄稿。
刑事司法への問い (シリーズ 刑事司法を考える 第0巻) (岩波書店)
日本の刑事司法の何が問題か、どのような改革が求められているか。刑事法研究者、実務法曹の他、八木も執筆しております。
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