性教育で伝えたいこと。
私が、統一教会を許せないと思うのは、性教育や女性の医療について、脅すことで、行動制限をしようとする、そのことなのです。「性」は、ただ、「結婚して」子どもを産むためだけのもの。そうでない性は「悪」。しかも、その独特の論理で、合同結婚式をしたカップルの間に生まれた子は祝福された子で、そうでない子はすべて生まれながらにして「原罪」・「罪」と「悪」をもって生まれた子。それを逃れるためには献金が必要でたくさん献金すればするほど、その罪はぬぐわれていくと。
彼らが多くの学校にまで入り込んで、生徒たちに直接、こんなことを吹き込んでいるのが、本当に怖いと思います。さんざん脅された生徒たちは、いったい、そこから先、どのような性意識が作られていくのでしょうか。これから先、大人になって、多くの生徒たちがパートナーとともら生きていこうとする時に、本当に力がついているのでしようか。
私は、生徒たちもいつかは、性を実行するようになるであろう。その時のために、これだけは知っておいてほしいと思うことを精一杯話します。単なる知識だけでなく、人権やパートナー間の平等など、人間関係を築く上で大切なことも。
先日、講演に行った高校から、校長先生のお礼の手紙と、生徒の感想が送られてきましたので、ご紹介します。
講演のお礼
深秋の候 貴殿におかれましては、ますますご清祥のこととお喜び申し上げます。
さて、先日はご多忙中にも関わりませず、本校の生徒に対し、貴重なご講演を賜り、誠にありがとうございました。
御経験に基づいた妊娠や出産に関するお話やDVDでも出産の様子から、生徒は生命の誕生のすばらしさや命の尊さを実感したようです。また、男女の身体、性の悩み、避妊や妊娠などについて事例や具体的な数値を交えてお話しいただき、生徒にはわかりやすく印象に残ったようです。
「自分と相手の身体に責任を持って行動したい」「パートナーとしっかりコミュニケーションをとりたい」という感想が多く、自分のこととして考え、講演で得た知識をこれからの行動につなげたいという思いがうかがえました。
また「性は素敵なもの」という先生のメッセージは多くの生徒の心に残ったようです。
なお、生徒の感想文の一部を同封させていただきますので、ご覧ください。
末筆ながら、先生のご健闘と、ますますのご活躍をお祈り申し上げ、略式ながら書中をもってお礼をさせていただきます。
生徒から。一部ですみません。
- 河野先生が性は大切なもの、素敵なものと教えてくださり、説明も分かりやすかったので納得できました。先生のクリニックには、未成年の受診が1,000人を超えていると知り、多いな、自分の周りにもいろいろなことで悩んで産婦人科に行っている人がいるのかなと初めて考えました。私が知らないだけで同じ年代でも人工中絶等してつらい思いをしているのかなとも考えました。誰かに相談された時、産婦人科へ行くように勧めたり、話を聞いてあげることもできると思うので手助けできるとよいなぁと考えました。コミュニケーションが取れてこそ最高の良い恋愛、お付き合だというのが心に残っています。私もそんな恋愛ができるように今日、先生から学んだことを生かしたいと思いました。
- 今までは全部知っていると思い込んでいたけれど、実際に話をされると知らないことのほうが多くびっくりしてしまいました。
僕たちの年齢になると子供ができる体になっています。たった1回と軽いノリで行為をしてしまうと妊娠してしまうことだってあり得ることです。よくニュースで妊娠させたや中絶などのことを言っているのを聞きますが、他人事ではないなと思いました。いざ自分に彼女ができ、行為をするとなったらコンドームをつけないといけないけど、妊娠しないわけではありません。なのでいかに彼女とのコミュニケーションをとることが必要なのかがわかりました。自分が行為をするようになったら、しっかり話し合って女性を傷つけることがないようにしようと思います。
- 知っている話もあったけど、全然知らないことや初めて聞くこともたくさんあって、いい勉強になった。河野先生が言っていたように性は恥ずかしいことではないと思った。
自分に子供ができたときは、ちゃんと教えてあげたいと思った。女性は生理があるし、妊娠もするし、男性に比べて辛い思いや悩み、痛い思いをするけど、男性にもいろんな体の悩みとかあるんだな、ってわかった。
22+X、22+X=44+XX=女の子、22+X,22+Y=44+XY=男の子で性別が決まるってことを初めて知れて、面白いなって思った。今日学んだことをこれからの自分に生かしていこうと思う。 - 性について、改めて考えさせられる講演会でした。一度の過ちで人生が一変してしまう、そのためにきちんと避妊をすべきだということは保健の授業でも習っていたことだけど、実際の数字を見てもっと現実的に考える必要があると思った。女性側ばかりに責任を押し付けるのではなく、男性もきちんと覚悟を決めてから行動すべきだとおっしゃっていたのが印象に残った。産む女性が苦しい思いをしなくてもすむように最後まで責任を取る男性と、困ったときにSOSを呼べる女性が増えていくといいと思った。自分も他人事だと思わずに、性について考えていくべきだと思った。望まない妊娠を増やさないためにも双方が合意の上でのことが増えていく世の中になればいいと思った。
- 保健の授業で習ったことよりも、さらに男女の間のコミュニケーションはしっかりしないといけないんだなと改めて感じることができました。話を聞く前はじっくり考えることはありませんでしたが、聞いた後、しっかり考えて世に出回っている情報をしっかり見極めることが大切だと思いました。そして命を一つでも無駄にすることをなるべくなくせるように頑張ろうと思いました。僕が生まれてこられたように、生まれてこられない命もあると思うとぞっとしました。性行為が無理でも幸せになれる方法をたくさん考えようと思いました。
- 男性も女性も相手のことを知っておくのが大切ということがわかりました。望まない妊娠で中絶に至る人がいる中で、法律によって中絶すらできない人もいるということが心に残っています。中絶ということもするものではないが、できなくなって育てもできないのに、産まなければならないことだってあるというのがとても胸が痛くなりました。僕たちは異性の方とお付き合いするということは責任があるということを自覚し、向き合っていかなければならないと強く思いました。
- 映画の出産シーンがとても印象的だった。出産するときに立ち会ったことがないから、とても臨場感があって大変だろうなと思った。血もたくさん出て、妊婦さんもきつそうだったけど、赤ちゃんが無事生まれた時の笑顔が素敵だった。河野先生のいろいろな話を聞いて、女性・男性、互いが責任をもってコミュニケーションをとることがとても大事なことなんだと分かった。その場の流れに流れるんじゃなくて、一回ちゃんと考えることが大切だと思った。
みなさん、一生懸命書いてくださってありがとうございました。励みになります。
ベランダの花が寂しくなりました。寒い中、おそらく最後のハイビスカスの花と思います。これは、昨年からベランダの簡易温室で冬を越して、また今年も咲き続けてくれたものです。もう三つつぼみはついていますが、おそらく咲けないでしょう。長い間楽しませてくれてありがとう。また、今年も温室に入れて冬越ししてもらうつもりです。冬に咲く花をべランダにおきたいのですが、なかなか見つかりません・・。
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