nuk:使用済み核燃料は一時貯蔵すら困難になっている
今朝(9/4)の東京新聞朝刊1面には、デカデカと「核燃料プール数年で満杯」という大見出しが踊っていた。
ネット記事は核燃料プール 数年で満杯 6割が運転不可にとある。
東電の福島第5、第6号機、柏崎刈羽第6、第7号機は、ほぼ満杯。
中部電力の浜岡第3、第4号機、関西電力の美浜第1、第2号機、高浜第1、第2号機は、再稼働すれば1年から3年程度の空き容量しかないという。
その他、6年未満の容量しか残されていないところが泊第1、第2号機など、33基に及ぶ。
6年以上12年未満の容量しか残されていないところは14基。現在稼働している大飯原発の第3、第4号機はここに位置する。
12年以上の空き容量があるのは泊第3号機、伊方第3号機、川内第1号機の三つしかない。
東京電力と日本原電は、青森県むつ市に中間貯蔵施設を建設中であり、これが出来れば6年程度の空き容量ができるはずだが、この施設は六ケ所村の再処理工場を運転することを前提とした中間貯蔵であり、再処理しないのであれば、あるいはできないのであれば、中間貯蔵施設に搬入することは約束違反となる。
しかし上記のような状況で、再処理工場は未完成なのだから、東電と日本原電の原発が再稼働されれば、遅かれ早かれむつ市に搬入され、そしてそれは行き場がない以上、事実上の最終処分場に近いことになる。
結局、トイレのないマンションと言われるが、くみ取り業者が存在しないのにくみ取り式のトイレを持っている家屋というのが正確であり、くみ取りされないで溜まり続ける汚物は、その家屋が稼働すれば満杯とならざるをえない。
で、原発サイトの使用済み核燃料プールは、あくまで一時保管という位置づけだが、現実には運び出す先がないので、半永久保存である。
これから原発を稼働させるのに同意するかどうか判断するにあたっては、地元自治体内に半永久的な使用済み核燃料の保管が否応なくついてくるということを覚悟して、同意するかどうかを決める必要がある。
2030年まで16年、仮に原発にエネルギー源を依存するという選択肢をとるならば、それが15%だろうと20%だろうと、現在存在する核燃料ブールを拡大するか、あるいはむつ市のような中間貯蔵施設を再処理工場に搬出するという約束抜きで建設できなければならない。使用済み核燃料とは比較にならないほど低レベルの放射線しかない放射性物質汚染ゴミの貯蔵施設すら満足に受け入れ先を見つけられないのに、どうして可能だといえるのだろうか?
現実的に可能なのは、原発サイト内で、誰の同意も得ないで使用済み核燃料貯蔵プールを拡大建設し、運び出す見込みがないまま一時保管という名の永久保管をするしかなさそうである。
原発に依存すれば、当面のエネルギーコストは低く抑えられるかもしれないが、安定的な保管形態とはいえない一時保管のプールで半永久的に保管するなんて、誰が望むのだろうか。論外ではないか。
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コメント
そんなに核のゴミを問題視しているのであれば、ご自身の地元や地域に採集処分場を建設するのはいかがですか?北海道の北東部は活断層もなく、地層や地殻変動の状態さえ合えば理想的な環境ではないでしょう。
核のゴミを問題視していることから、自分の地元以外に押し付ければいいという身勝手なお考えではありませんよね?
投稿: Moriya, Tomo | 2012/09/06 14:16