尊属傷害致死重罰規定合憲判決の少数意見 #虎に翼
虎に翼の7/3放送で題材にされた尊属傷害致死重罰規定(刑法旧205条)の合憲判決(最大判昭和25年10月11日刑集4巻10号2037頁)は、少数意見のうち実体法解釈の部分で多数意見に賛成する斎藤悠輔裁判官の「何が立法として筋が通らないのであるのか、休み休み御教示に預りたい」というフレーズでとても有名であるが、裁判所の裁判例提供システムでも「休み休み」と検索後に入れて大法廷にチェックすると、一つだけヒットする。
その中で、ドラマでは小林薫演じる穂高先生のモデルとなった穂積重遠裁判官の反対意見も、興味深いフレーズが見られる。
「親と名の附く者を殺すとは、憎みてもなお余りある場合が多いと同時に、親を殺しまた親が殺されるに至るのは言うに言われぬよくよくの事情で一掬の涙をそそがねばならぬ場合もまれではあるまい。」
「殺親罪重罰の特別規定によつて親孝行を強制せんとするがごときは、道徳に対する法律の限界を越境する法律万能思想であつて、かえつて孝行の美徳の神聖を害するもの」
これに対して、斎藤悠輔裁判官の意見でも、興味深いフレーズは上記の「休み休み」だけではない。