news:懲りない体質の東京電力
6、7号機の中央制御室の蛍光灯86本が落ちたことなど新たな事実が報告されたが、現地調査の段階では、既に片付けられていた上、調査した委員に担当者は報告していなかったという。
東電の言い分「当時は事態を重要視しておらず、説明者が蛍光灯落下を知らなかった。不手際で申し訳ない」
こうぼろぼろと、次々隠れていた事実が明るみに出るのは、コンプライアンス対応としても最悪のパターンだ。
東電の態度は、多重債務者が、いよいよ追いつめられて家族や弁護士に助けを求めるときでも、なお債務の一部を隠したがるのにそっくりである。本人が事態を把握していないこともあるし、少しでもかっこ悪いのを取り繕うという意識もある。
多重債務者の場合は、そのツケはもちろん本人に跳ね返り、最終的に破産もやむなしという事態に陥るのだが、東電の悪質なところは、どんなに隠してばれても、信頼を失っても、会社は潰れない・潰せない、国は絶対守ってくれる、どんなに事故が起こっても絶対原発なしではやっていけないし、そのためには国民の安心という名目で国ぐるみで「安全です、万全を尽くしています」と言い繕い続けて守ってくれると、高をくくっている点だ。
しかし、社会保険庁も、郵政事業も、それなしではやっていけない、潰せない事業を担っているわけだが、事業主体を潰して別の主体にやらせることはできた。
東電が隠蔽体質を改めないのであれば、別に東京電力という会社にやらせることはないのである。
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コメント
委員は現場視察に行って、現場にいなかった管理職の話を聞いて帰ったようですね。原子力安全委員会の方が問題の根が深いんじゃないでしょうか?
投稿: kumakuma1967 | 2007/08/07 23:23
「次々隠れていた事実が明るみに」
「隠したがる」
「隠蔽体質」
こういう論理で東電を一刀両断している感じですが、kumakuma1967さんのコメントに同意です。
原発にとって最悪は、原子炉の制御ができなくなってメルトダウンを起こすことですが、今回の地震では制御不能になることもなく、原子炉が安定に停止したことは特筆すべきことです。それに比べれば、蛍光管の落下などは微々たるもので、敢えて隠蔽しなければならないような事項とも思えません。
もちろん原発にあってはすべてを公表することも重要ですが、聞く側にその意識、その軽重を判断できる能力が求められているような気がします。
投稿: まさ | 2007/08/09 11:45
現地調査に行った方がちゃんと調べなかったという問題は、確かにあるでしょう。
それを否定するつもりはありません。
しかし原子力なんて高度な技術の粋で、すべてをさらけ出すわけには保安上いかず、またすべて理解することも困難で、設置管理者の説明に依存せざるを得ない性格の設備です。
命にも関わるリスクを一般人が負っているのですから、設置管理者の説明が不正確だったり、よく事態を把握していない人が説明したりすれば非難されて当然でしょう。まして書類の改竄までしてまずいことを隠してきた前歴の会社が、地震被害を過小に報告している態度が明らかなら、誰も信用しません。
投稿: 町村 | 2007/08/09 13:10