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ところで、このスポーツ仲裁機構のウェブにある仲裁判断集をみると、色々と面白い事例が載っている。
当事者能力やら適格やら訴えの利益やら、一部認容やら、訴訟法的な材料の宝庫かもしれない。

そして何よりも、結果から見ると、一番最初の除籍決定取消の仲裁判断を除き、すべてが申立人の請求棄却ないし却下に終わっている事が注目される。最新のセーリング事件は一部認容だが、実質的に見れば今後不利益処分はないことの確認を求めているのに、不利益処分の余地があることを認めた仲裁判断なので、全部棄却と変わらない。
スポーツ仲裁機構がスポーツ団体の苦情処理機関になってしまわないかどうか、少し心配な気がしてきたが、ＡＤＲ認証を取得したということで、いよいよ中立的な判断機関の方向に充実していくことを期待している。