なれる!SE2 基礎から学ぶ? 運用構築
あらすじ
話題の萌えるSE残酷物語、待望の続編登場!
システム開発会社に入社し怒涛の4月を乗り切った桜坂工兵。彼が出会った同僚の姪乃浜梢は、小動物系でちょっと天然な気もあるかわいい女子だった。
しかし、システム運用担当の梢は、そのシステムを構築する工兵の見た目子供の鬼上司、室見立華と犬猿の仲で──。
とあるモバイルゲームインフラを舞台に、工兵を板挟みにしつつ構築と運用の熾烈な戦いの幕が上がる!
システムエンジニアの過酷な実態をコミカルに描くスラップスティック・ストーリー、第2弾!
レビュー
フロント(営業) VS バック(事務)の戦い!
この本で萌えを感じることができる社会人出てこい。
読者ターゲットは社会人?生々しい社内対決の構図がこちらの胃まで締め付ける。
今回はSE業界ということで構築VS運用とされているが、これは他の業界で言えば営業部隊VS事務部隊ということ。
恐らくはどの業界にもどの会社にもあり、永遠に解消することはない対立の構図。
営業は案件を取ってきて収益を稼ぐことで評価される、いわば加点評価方式。
事務(ミドルオフィス・バックオフィス)は営業が取ってきた案件の期中管理を当たり前にこなすことで評価される、そして問題が発生したらバツをつけられる減点評価方式。
本編で梢さんによる言及があるが、まさにその通り。
どちらが大変かといえば甲乙付けがたいが、評価のされやすさでは営業。
ミスを起こしたとしても他案件の獲得でカバーできる営業と、一度起こしたミスを挽回するチャンスが少ない事務。
当然新規案件に対するスタンスも異なる。だって営業にとってはプラス案件でも、事務にとってはミスを引き起こすかもしれないマイナス案件なんだから。
じゃあ社内では立場上営業が強いのかというと、そうでもない。
バックが業務を引き受けてくれないと、今回の室見の様に自ら抱え込む羽目になって自分が崩壊するし、そもそも案件化出来ない可能性もある。
案外鍵を握っているのは事務方だったりする。
かといって事務の力が強すぎて新たな案件が受けられなくなれば、その会社の成長は止まる・・・。
この二律背反をどうコントロールするかが経営者の手腕。
ちなみに私は事務の強い会社に勤めており、いかに彼らと友好な関係を築けるかがキモ。特に若手は事務に嫌われたらおしまい・・・。
とまぁ、そんな社会人体験してないとこの本の本質(?)はきっと楽しめないと思ったので長々と書いてみた。
大体、こんな使えるバックがいてしかも可愛いなんて環境あり得えてたまるか!現実はそんなに甘くないぞ!
しかもなんだかフラグ立てやがって。こんな狙い撃ちみたいな真似を無自覚にやるリア充は死ぬべき。
営業と事務の担当が対立してたら、それを解決するのが上席の役割。それをよりにもよって新入社員に振るっていうのは藤崎さん駄目すぎだろう。
ラノベ的展開の起点になる部分だから仕方ないけど、リアルにこんな上司がいたらその会社は終わってる。
SE的リアルさは経験者じゃないのでわからないが、社会人的にはあながち嘘言ってるわけじゃないのが面白い。
学生諸君が「まさか~(笑)」なんて笑い飛ばした話が案外普通なんてことがあるんですよ・・・
気が付けばすげー長文。色々思うところがあったみたい。
胃が締め付けられるくせに読むのをやめられない。
賛否両論あるみたいだが、私はSEから遠い業界のリーマンなので楽しめている。
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