バカが全裸でやってくる
あらすじ
バカが全裸でやってくる。僕の夢は小説家だ。そのための努力もしてるし、誰よりもその思いは強い。しかし努力と環境では、才能は覆せない日々が続いていた。お話をつくることを覚えた子供の頃のあの日から、僕には小説しかなかった。けれど僕は天才じゃなかった。小説家になりたくて、でも夢が迷子になりそうで。苦悩する僕のもとにやってきたのは、全裸のバカだった――。
大学の新歓コンパ。そこにバカが全裸でやってきた。そして、これが僕の夢を叶えるきっかけになった。こんなこと、誰が想像できた? 現実は、僕の夢である『小説家』が描く物語よりも、奇妙だった。
レビュー
小説家になりたいと思う方も、そうでない方も。
また入間先生がやってくれた。
なにこのぶっちゃけ本。
小説家の色んなジレンマが溢れまくりの、かなり「想い」のこもった本。
「この作品はフィクションであり、実在する作家・小説賞・団体とは一切関係ありません。」
と言っているものの、どうみても入間先生の私小説。
これは、ラノベとは少し違う路線を標榜しているMW文庫ならではの作品だと思う。
最終選考で落とされたとか、皮肉が効きすぎていて素直に笑って良いのやら。
作品に出てくる人物は誰もが書くことに取り憑かれたとしか思えないような、小説バカ。
若くしてデビューした女性作家、デビューを目指して書き続ける学生、死んでもなお書き続ける女流作家、スランプに陥って長らく筆を置いている作家、引き籠もりただ書き続けていた中堅作家。
その誰もが、紛れもなく小説バカ。小説を書くことに命を削り、しまいにゃ死んでも書き続ける本物のバカ達。
どんなに頑張っても作家になれない人、方や才能のある人、そんな人達のエピソードもあり、この業界の難しさを感じる。
書くことの喜び、苦しみ、快感。
作家の(というか入間先生の)書くことへの想いを、色々な登場人物の心情に乗せて読者に突き刺してくる。
しかし、そういった「想い」をただ書き連ねた本ではない。
全ての登場人物のファクターがぐるりと巡って、この物語が出来上がっている。
いろいろな面で凄い作品だと思う。
自分の赤裸々(まさに裸)な気持ちをドカンと投げ込つけて、「どうだコラー!」と胸を張っている著者が思い浮かぶ(もちろん全裸でだ)。
どうリアクションして良いかわからないんだけど、「すげぇなぁ」と感心してしまう。そんなパワーのある作品。
作家の全てがこんなに書くことにご執心か、実際のところは解らないが、物語を創り出すことの凄さは解る。
小説家は「自由で楽な職業」なんて夢見てる人は、まずこの本を読んで見解を改めるべき。
私自身、作家業(漫画家も含む)は自由でいいなーと思ったこともあったが、それは完全な誤解であることをとある交友関係から知った。
同人誌を作るプロ作家が何故多いか?それは自分の自由に本を作れるから、と言われている。
この「自由」の意味を本当に解っているのは、作家の方々だけなんだろう。
幕間にある新人賞の選考の過程がやけにリアルで面白かった。
一次選考は「まず小説として体を成してれば通過」なんてことを聞いたことがある。
実際数千という候補作の絞り込みなんてじっくり行えるわけないわけだ。
そんな点が気になる人も是非読んでみると良い。
しかし入間先生の作品は衝撃作が多い。
No title
2010-12-11 せーはく [URL]
こんにちはー。
この本、探してるんですけど見つからないんですよね^^;
『空の彼方』も見つかりません…。
というか、メディアワークス文庫がない!笑
入間人間さんの作品は読んだことがないんですが、
探してみます^^
それではー
この本、探してるんですけど見つからないんですよね^^;
『空の彼方』も見つかりません…。
というか、メディアワークス文庫がない!笑
入間人間さんの作品は読んだことがないんですが、
探してみます^^
それではー
Re: No title
2010-12-12 ラノベドランカー [URL]
せーはくさん、こんばんは。
> この本、探してるんですけど見つからないんですよね^^;
> 『空の彼方』も見つかりません…。
> というか、メディアワークス文庫がない!笑
本屋ではMW文庫は一般文芸の所に置いてあったりしますね。
本屋で見つからなければAmazonなら在庫あるようです。
> この本、探してるんですけど見つからないんですよね^^;
> 『空の彼方』も見つかりません…。
> というか、メディアワークス文庫がない!笑
本屋ではMW文庫は一般文芸の所に置いてあったりしますね。
本屋で見つからなければAmazonなら在庫あるようです。
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