空の彼方3
あらすじ
王都レーギスに春がやってきた。トラマンテ通りも春の空気に活気づき、アルとソラは平穏な日々を送っていた――。だが、突然事件は起きる。防具屋シャイニーテラスに営業停止命令が出されたのだ。それは、有力貴族であるアルの父が、身分を捨て傭兵になった息子を連れ戻すために出した警告だった。
ソラは店のために自由を捨てる必要はないと告げるが、アルはシャイニーテラスを守るため、父とひとつの“賭け”をする。そして、長い旅に出ることになるのだが――。不思議な防具屋を舞台にした心洗われるファンタジー、感動の完結編!
レビュー
心が澄んでいく傑作ファンタジー、完結。
季節は過ぎ、いくつかの事件を乗り越え絆を深めていたアルとソラ。
そんな二人に突然降りかかった最大の試練、それはシャイニーテラスへの営業停止命令。
しかもその命令を下したのはアルの父親だった。
アルは店を護るため、ソラの居場所を護るため旅にでることを決意する。
その旅で目指すものは、苦しくもシャインが命を賭して、そして命を落としたものだった。
アルを失うかもしれない恐怖、断ち切れないシャインへの想い。
ソラは選択しなければいけなかった、アルと共に未来へ向かうか、シャインへの想いと共に生きるか。
アルフォンスとソラは、これからの生き方の選択を迫られる。
――貴方が居たから、私は幸せだった。
この言葉の本当の意味は、そして彼らが選んだ道は・・・
一つの防具店から生まれた物語がここに完結する。
完結と言うより、始まる、と言った方が正しいか。
とかく、アルとソラの純粋な絆が心を洗ってくれる。
「いってきます」「おかえりなさい」の言葉の有り難さを痛感させてくれる本だった。
読了後に脳裏に浮かぶどこまでも青い空。
その清々しさに疲れた心がすっと癒されていく。
こんな美しい物語に出会えて、幸運だった。
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