ポーランド外相は正しい:オラフ・ショルツは実際、ポーランドの選挙に干渉している(抄訳)
アンドリュー・コリブコ氏の分析の抄訳。ポーランドとドイツの関係は、10/15にポーランドの選挙を控えて、ポーランドとウクライナの関係と並行して悪化している。
The Polish Foreign Minister Is Right: Olaf Scholz Is Indeed Meddling In Poland’s Elections
ポーランドとドイツの関係は、ポーランドとウクライナの関係と並行して悪化している。
2023/07/02、ポーランド最大野党のドナルド・トゥスク党首は、ポーランド政府がグローバル・サウスの主にイスラム教徒達に対し「無制限に」ビザを発行していると非難した。
この件についてドイツのオラフ・ショルツ首相は09/23、この件を解明するようポーランドに要求した。ポーランド側は実際の移民の数は僅か数百人だと主張したが、ショルツは隣国からの移民を警戒したポーランドとの国境に管理を課す可能性を示唆した。
この挑発に対してポーランドのズビグネフ・ラウ外相が反発し、09/25に次の様な非難のツイートを行った。
「ドイツのオラフ・ショルツ首相の最新の声明は、1991年のポーランドとの条約でドイツ連邦共和国政府が宣言した、ポーランドとの善隣関係と友好協力の基礎である国家主権平等の原則に違反しています。ドイツ首相の権限は明らかに、ポーランドで係争中の訴訟には適用されません。
この件に関する声明は、ポーランド国家の内政とポーランドで進行中の選挙運動に干渉する試みを示唆しています。良好な二国間関係の名に於て、私はドイツ首相に対し、ポーランドの主権を尊重し、両国関係を損なう発言を控えるよう訴えます。」
これは非常に深刻な申し立てだが、彼の主張は的確だ。これはショルツが、領事館から不法にビザを購入した人の数はプロトコルに従って適切な外交ルートを通じて個々に共有されるべきだったと云うポーランド当局の主張に、どんな疑問を抱いたかには関係無い。
ショルツは自身の懸念を公にすることで、ポーランド与党は嘘を吐いているのではないかと云う野党側の憶測に、結果的に信憑性を与えている。これは10/15の次の選挙に向けて、有権者の認識に影響を与える可能性が有る。
欧州の覇権争いに於てポーランド与党を疎ましく思っているショルツは、この干渉によって与党の再選を妨害出来ると思っていたのだろうが、これは裏目に出る可能性も有る。ドイツのレジーム・チェンジ計画を阻止せねばと云う愛国心に掻き立てられて、有権者達が投票所に向かう可能性も有るからだ。
ポーランド与党はベルリンが野党を支持していると一貫して主張して来た。これは選挙向けのレトリックだとしてこれまでは却下されて来た訳だが、今となってはこれが事実であることを心底否定出来る人は一人も居ない。平均的なポーランド人は、投票に行く時に必ずこのことを念頭に置くことだろう。
ポーランドのアルカディウシュ・ムラルチク外務次官は、最近のポーランドとウクライナの論争の背後でドイツが糸を引いていると推測したが、外部の観察者にとっては、この主張が正しいかどうかを検討する手掛かり得られた。ショルツが今回の発言の様にポーランドの次の選挙に公然と干渉しているのであれば、ひょっとしたら更に隠れた手段によっても干渉しているかも知れない。
ラウ氏のツイートから判ることは、仮令それが欧州の結束を更に弱める恐れが有るとしても、ポーランドはドイツの非友好的な政策を非難するだろうと云うことだ。
ポーランド、ドイツ、ウクライナの急速な関係悪化の複合的な影響により、ポーランドがならず者になったか、或いはドイツとウクライナが結託してポーランドに対抗しているかの様な印象が広がっている。どちらの解釈を受け入れるにせよ、問題は、ポーランドが次の選挙に向けて突然欧州の注目の中心となったと云うことだ。
The Polish Foreign Minister Is Right: Olaf Scholz Is Indeed Meddling In Poland’s Elections
ポーランドとドイツの関係は、ポーランドとウクライナの関係と並行して悪化している。
2023/07/02、ポーランド最大野党のドナルド・トゥスク党首は、ポーランド政府がグローバル・サウスの主にイスラム教徒達に対し「無制限に」ビザを発行していると非難した。
この件についてドイツのオラフ・ショルツ首相は09/23、この件を解明するようポーランドに要求した。ポーランド側は実際の移民の数は僅か数百人だと主張したが、ショルツは隣国からの移民を警戒したポーランドとの国境に管理を課す可能性を示唆した。
この挑発に対してポーランドのズビグネフ・ラウ外相が反発し、09/25に次の様な非難のツイートを行った。
「ドイツのオラフ・ショルツ首相の最新の声明は、1991年のポーランドとの条約でドイツ連邦共和国政府が宣言した、ポーランドとの善隣関係と友好協力の基礎である国家主権平等の原則に違反しています。ドイツ首相の権限は明らかに、ポーランドで係争中の訴訟には適用されません。
この件に関する声明は、ポーランド国家の内政とポーランドで進行中の選挙運動に干渉する試みを示唆しています。良好な二国間関係の名に於て、私はドイツ首相に対し、ポーランドの主権を尊重し、両国関係を損なう発言を控えるよう訴えます。」
Ostatnie oświadczenie kanclerza Niemiec Olafa Scholza narusza zasady suwerennej równości państw, stanowiącą fundament dobrosąsiedzkich stosunków i przyjaznej współpracy z Polską, zadeklarowanej przez rząd Republiki Federalnej Niemiec w traktacie z Polską z 1991 roku. Kompetencje…
— Zbigniew Rau (@RauZbigniew) September 24, 2023
これは非常に深刻な申し立てだが、彼の主張は的確だ。これはショルツが、領事館から不法にビザを購入した人の数はプロトコルに従って適切な外交ルートを通じて個々に共有されるべきだったと云うポーランド当局の主張に、どんな疑問を抱いたかには関係無い。
ショルツは自身の懸念を公にすることで、ポーランド与党は嘘を吐いているのではないかと云う野党側の憶測に、結果的に信憑性を与えている。これは10/15の次の選挙に向けて、有権者の認識に影響を与える可能性が有る。
欧州の覇権争いに於てポーランド与党を疎ましく思っているショルツは、この干渉によって与党の再選を妨害出来ると思っていたのだろうが、これは裏目に出る可能性も有る。ドイツのレジーム・チェンジ計画を阻止せねばと云う愛国心に掻き立てられて、有権者達が投票所に向かう可能性も有るからだ。
ポーランド与党はベルリンが野党を支持していると一貫して主張して来た。これは選挙向けのレトリックだとしてこれまでは却下されて来た訳だが、今となってはこれが事実であることを心底否定出来る人は一人も居ない。平均的なポーランド人は、投票に行く時に必ずこのことを念頭に置くことだろう。
ポーランドのアルカディウシュ・ムラルチク外務次官は、最近のポーランドとウクライナの論争の背後でドイツが糸を引いていると推測したが、外部の観察者にとっては、この主張が正しいかどうかを検討する手掛かり得られた。ショルツが今回の発言の様にポーランドの次の選挙に公然と干渉しているのであれば、ひょっとしたら更に隠れた手段によっても干渉しているかも知れない。
ラウ氏のツイートから判ることは、仮令それが欧州の結束を更に弱める恐れが有るとしても、ポーランドはドイツの非友好的な政策を非難するだろうと云うことだ。
ポーランド、ドイツ、ウクライナの急速な関係悪化の複合的な影響により、ポーランドがならず者になったか、或いはドイツとウクライナが結託してポーランドに対抗しているかの様な印象が広がっている。どちらの解釈を受け入れるにせよ、問題は、ポーランドが次の選挙に向けて突然欧州の注目の中心となったと云うことだ。
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