愛新覚羅 浩 『流転の王妃の昭和史』
- 2020/07/06
- 21:20
日本が戦争の泥沼に陥りつつあった、昭和12年、旧侯爵家の長女だった浩は、軍部の仕組んだ政略結婚をあえて受け入れ、満州国皇帝の弟に嫁いだ。
日中の架け橋として、健気にその務めを果たしながら、戦後は、夫と離ればなれになり、動乱の満州を流浪。
収容所に抑留されていた夫とは、16年という長い歳月を経て、再会した。
その間、大学生の長女がピストルによる無理心中に巻き込まれる。相手は、学習院の男子学生だった。
マスコミは、「天城山で二人は散った」、「天国で結ぶ恋」などと、あたかも同意の上の心中だったかのようにセンセーショナルに書き立てた。
夫の長きにわたる抑留だけでも、筆舌に尽くしがたい出来事なのに、今度は、長女の無理心中とは……。
夫と再会し、生前あれほど恋しがっていた父の腕にしっかりと抱かれた長女の遺骨。
浩は、「申し訳ございません」と言うのが精一杯だった。文才があった長女は、将来を楽しみにされていたという。
『愛新覚羅浩の生涯〜昭和の貴婦人〜』(渡辺みどり著/文藝春秋刊)も、興味深い本だ。
日中の架け橋として、健気にその務めを果たしながら、戦後は、夫と離ればなれになり、動乱の満州を流浪。
収容所に抑留されていた夫とは、16年という長い歳月を経て、再会した。
その間、大学生の長女がピストルによる無理心中に巻き込まれる。相手は、学習院の男子学生だった。
マスコミは、「天城山で二人は散った」、「天国で結ぶ恋」などと、あたかも同意の上の心中だったかのようにセンセーショナルに書き立てた。
夫の長きにわたる抑留だけでも、筆舌に尽くしがたい出来事なのに、今度は、長女の無理心中とは……。
夫と再会し、生前あれほど恋しがっていた父の腕にしっかりと抱かれた長女の遺骨。
浩は、「申し訳ございません」と言うのが精一杯だった。文才があった長女は、将来を楽しみにされていたという。
『愛新覚羅浩の生涯〜昭和の貴婦人〜』(渡辺みどり著/文藝春秋刊)も、興味深い本だ。