(4)【熱海】文豪たちに愛された旅館。
- 2022/06/06
- 17:20
熱海のアカオフォレストの帰りに起雲閣に寄ったことは以前に書いた。
(3)【熱海】太宰よ、死に場所を探してたのかい?
熱海の三大別荘で、のちに旅館となり、文豪たちに愛された。そして、2000年に熱海市は、この由緒ある建物と庭園を文化と観光の拠点とするために整備し、一般公開している。
春風。尾崎紅葉の間。
「貫一、お宮」で有名な小説『金色夜叉』(こんじきやしゃ)。読売新聞に連載していた尾崎紅葉の代表作。その作品は尾崎紅葉の死によって、未完となった。
しかし、連載後に出版された本はベストセラーとなり、劇として上映され、大変な評判となった。演歌にもなり、テレビやラジオがない当時、ヴァイオリンの伴奏にのせて、日本国中に広められた。
松風。坪内逍遥の間。小説家、劇作家、評論家、翻訳家、教育家。
坪内逍遥は、近代演劇の父として、シェークスピアの戯曲を数々翻訳した。60歳を機に約20年かけて、シェークスピア全集40巻の訳業を完成させた。彼は、別荘を構えた熱海の地に眠っている。
熱海の来宮神社(きのみやじんじゃ)。私の両親は、香港の新婚旅行の後、父方の家紋が残る来宮神社を訪れている。熱海の鎮守として、また禁酒の神様として知られている。
金剛。明るい窓が印象的な部屋。
ローマ風浴室。正面のステンドグラスが海に向いている。お湯の張られた浴槽は、現在のものより、ひと回り大きかった。
孔雀の間。三島由紀夫が新婚旅行で宿泊。
かつての部屋の外観写真。
銀座にある酒場のルパンで、少し格好を付けた太宰治を写した一枚。
大鳳の部屋には、入水自殺する三ヵ月前に太宰治と山崎富栄が宿泊している。『恋の蛍』(松本侑子 著/光文社 刊)を読むと、山崎富栄が聡明な女性だったことがわかる。
『読んでおきたいベスト集! 太宰治』(宝島社 刊)の表紙の写真が好きだ。
ルパンで撮られたものとは異なり、これが太宰治の素顔なのだろう。こんな太宰治に「一緒に死んでくれ」と言われたら、断れない自分がいる。母性をくすぐられる顔だ。
『人間失格』は、起雲閣別館で、わずか一ヵ月で執筆された。書いている途中に山崎富栄を起雲閣に呼び寄せ、二泊している。
『葉桜と魔笛』が好きだ。装丁家のクラフト・エヴィング商會が褒めていて、好きになった。老夫人の35年前の回想を通して、死期の近い妹や厳格な父との生活が描かれている。
『渡る世間は鬼ばかり』。橋田壽賀子のドラマ。熱海に移住したが、出版社から遠くなるので、本当の実力がないと仕事が激減すると悩んだ。
熱海はおいしいものがあり、担当編集者が喜び、仕事は順調だった。橋田壽賀子が結婚していたとは、知らなかった。
(3)【熱海】太宰よ、死に場所を探してたのかい?
熱海の三大別荘で、のちに旅館となり、文豪たちに愛された。そして、2000年に熱海市は、この由緒ある建物と庭園を文化と観光の拠点とするために整備し、一般公開している。
春風。尾崎紅葉の間。
「貫一、お宮」で有名な小説『金色夜叉』(こんじきやしゃ)。読売新聞に連載していた尾崎紅葉の代表作。その作品は尾崎紅葉の死によって、未完となった。
しかし、連載後に出版された本はベストセラーとなり、劇として上映され、大変な評判となった。演歌にもなり、テレビやラジオがない当時、ヴァイオリンの伴奏にのせて、日本国中に広められた。
松風。坪内逍遥の間。小説家、劇作家、評論家、翻訳家、教育家。
坪内逍遥は、近代演劇の父として、シェークスピアの戯曲を数々翻訳した。60歳を機に約20年かけて、シェークスピア全集40巻の訳業を完成させた。彼は、別荘を構えた熱海の地に眠っている。
熱海の来宮神社(きのみやじんじゃ)。私の両親は、香港の新婚旅行の後、父方の家紋が残る来宮神社を訪れている。熱海の鎮守として、また禁酒の神様として知られている。
金剛。明るい窓が印象的な部屋。
ローマ風浴室。正面のステンドグラスが海に向いている。お湯の張られた浴槽は、現在のものより、ひと回り大きかった。
孔雀の間。三島由紀夫が新婚旅行で宿泊。
かつての部屋の外観写真。
銀座にある酒場のルパンで、少し格好を付けた太宰治を写した一枚。
大鳳の部屋には、入水自殺する三ヵ月前に太宰治と山崎富栄が宿泊している。『恋の蛍』(松本侑子 著/光文社 刊)を読むと、山崎富栄が聡明な女性だったことがわかる。
『読んでおきたいベスト集! 太宰治』(宝島社 刊)の表紙の写真が好きだ。
ルパンで撮られたものとは異なり、これが太宰治の素顔なのだろう。こんな太宰治に「一緒に死んでくれ」と言われたら、断れない自分がいる。母性をくすぐられる顔だ。
『人間失格』は、起雲閣別館で、わずか一ヵ月で執筆された。書いている途中に山崎富栄を起雲閣に呼び寄せ、二泊している。
『葉桜と魔笛』が好きだ。装丁家のクラフト・エヴィング商會が褒めていて、好きになった。老夫人の35年前の回想を通して、死期の近い妹や厳格な父との生活が描かれている。
『渡る世間は鬼ばかり』。橋田壽賀子のドラマ。熱海に移住したが、出版社から遠くなるので、本当の実力がないと仕事が激減すると悩んだ。
熱海はおいしいものがあり、担当編集者が喜び、仕事は順調だった。橋田壽賀子が結婚していたとは、知らなかった。