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泥臭いWEBの底から~WEBディレクター覚書~

WEBディレクターというのは何を考えておるのか。その一例。

soho Webデザイナーの試行錯誤な日々
web制作屋は、一体どのスキルを持っていれば即戦力なのか?を考えてみる。


とか、そこで関連記事になっている

ホームページを作る人のネタ帳
web制作屋は、一体どのスキルを持っていれば即戦力なのか?17の作業に分解


といった記事を読んで考えたこと。

どちらも「web制作屋」という広い範囲を対象にしていて、
「soho Webデザイナーの試行錯誤な日々」では

・コミュニケーション能力があること
・誠実な態度と責任感をもっていること
・一般常識(社会的モラル、大人のマナー)をもっていること
・webのセンスがあること(デザインセンスとか動画のセンスとか)
・htmlやCSSのコーディンができること
・photoshop,illustrator,flash等々のソフトを使えること
・ネット上で使用されている技法や技術がなんとなくわかること
・わからないことを解決する力


というのがあれば、即戦力としてどうにかなるんじゃないか?
という話。

一方で「ホームページを作る人のネタ帳」では作業を17工程に分けて

人間性・表現力・営業力・コミュニケーション能力・web知識・営業力・コミュニケーション能力・マーケティング力・SEO知識・illustrator・photoshop・webデザインセンス・ユーザビリティ・FLASH・JavaScript・Ajax・HTML・CSS・web・文章力・企画力・各種プログラムスキル・ストリーミング配信スキル・SEM・データベース・その他プログラム言語・ユーザビリティ・HTML・CSSweb閲覧時間・RSS・ネットが許可されている会社・検索力・人脈・人間性・説得力・柔軟性・コミュニケーション能力・アクセス解析術・ブログ術・法律


など、「一人で全部を」ではないけれど結構な数を挙げている。

どちらも間違ってはいないし。即戦力を雇うor職場へ迎え入れるなら、それくらい能力があると嬉しい。けれど実際にはそうそうキチンと要件を満たす人なんていないわけで。

で、今回は「webディレクターとして即戦力になる最小構成」を考えてみたい。もう本当にこれを下回るとwebディレクターは勤まらないというギリギリのライン。逆に、そのラインさえ超していれば適材適所で足りない部分はカバーしたりして騙し騙しでも即戦力として使えるレベル。

◆技術スキル
・microsoft officeが使える
・メーラーが使える

◆web知識
・だいたいどんなことすると幾らくらいが相場か想像できる

◆センス
・可もなく不可もないワイアフレームが作れる
・可もなく不可もないサイト構造が考えられる
・実装困難な提案かどうかが分かる

◆人間性
・思い込みが強すぎない
・軽率な発言をしない
・感情的になり過ぎない

◆コミュニケーションスキル
・「自分では普通にしているつもりが、相手を怒らせた」という経験がないレベル

ざっと上記の9項目を満たせば、ギリギリwebディレクターとして即戦力になる気がする。以下、解説。

◆技術スキル
・microsoft officeが使える

小規模で一人の役割が多いところはともかく、webディレクションだけするなら。wordは使えなくてもよい。というのも、webディレクターの主な仕事は「パワポで企画書を作る」「エクセルで見積りを作る」「メールを出す」「文章を書く」だからだ。このうちメールと文章作成は「webディレクターの技術スキル」というよりも「PCを使う技術スキル」だ。

また、webディレクションに専念するなら自分でデザインやコーディングをすることもない。途中途中でのサイト確認はwebブラウザで、画像素材の確認は.jpgやら.gifに書き出してもらったもので充分だ(実際、クライアントやエンドユーザはその画質で見るわけだし)。

◆web知識
・だいたいどんなことすると幾らくらいが相場か想像できる

これを想像するには、実装するための具体的な知識がなくてもok。実際、年齢が高めの人だと実装についての具体的な知識はなくても、優秀なwebディレクターとして働いている人がいる。もちろんこうした人も、「実装する方法」以外の知識はしっかりあるけれど。
でまあ、最低ラインの人でも、web知識として上記のことができないと、そもそも見積りが立てられない。客先で話していても、クライアントの要望が予算内で実装できるかどうか判断できない。などなど「ビジネスとして」弊害が多い。

◆センス
・可もなく不可もないワイアフレームが作れる
・可もなく不可もないサイト構造が考えられる
・実装困難な提案かどうかが分かる

ここで言う「可もなく不可もなく」は見た瞬間にクライアントが怒り出さない程度のこと。なので、クライアントによってやや必要なレベルが異なる。怒り出さない程度のクオリティがあるなら、あとは先方の要望を勘案して試行錯誤すれば何度かやり直すうちに、いずれはクライアントのOKが出ると思う。

また、自分が提案しようとしているのが(技術的or予算的に)どれくらいの難易度なのかを分かっておかないと、ワイアフレーム段階でOKが出たのに、その後でエラい苦労したり、工程が差し戻しになったり、費用がハイパーなことになったりする。

◆人間性
・思い込みが強すぎない
・軽率な発言をしない
・感情的になり過ぎない

つまり「思い込みで勘違いしたまま突っ走る」「できもしないことを軽はずみに請け負う」「クライアントや制作スタッフと感情的な喧嘩になる」という事態が避けられればいい。

◆コミュニケーションスキル
・「自分では普通にしているつもりが、相手を怒らせた」という経験がないか、ないに近いレベル

「気付かないうちに」クライアントや制作スタッフを怒らせたりしない程度に空気が読め、配慮ができ、情報を伝達し、相手の意図が汲み取れればいい。

とまあ、こんな感じ。繰り返すけれは本当にギリギリのライン。もし本当に「これをどうにか満たす」という程度の人が仕事仲間になったら、自分としては採用した人間を呪う。

取り上げていただき、ありがとうございます(気づくの遅くてスミマセン)。

個人的には、webディレクターさんには
・だいたいどんなことすると幾らくらいが相場か想像できる

ということ(つまり項数が読めてそこからスケジュールと金額を決められる)をまず求めてしまいます。

とはいっても何かが秀でていて「この人と仕事したい!」と思わせてくれる仕事をする人であれば、多少人間性に問題があっても他に問題があっても、また一緒に仕事したい!と思ってしまうのですけどね…

2008.02.17 05:23 URL | hirom #- [ 編集 ]

コメント、ありがとうございます。
・だいたいどんなことすると幾らくらいが相場か想像できる
っていうのは、けっこう大事ですよね。これができるっていうことは、その背後に基本的な知識や認識がちゃんと備わってるということでもありますし。
料理人なら「ちゃんとオムレツが作れるか?」という部分に相当するかと。

人間性は、本当に関わる人によって評価が違うし、やっぱり役割がちゃんと果たせるかどうかの方が大きいですよね。自分もそうありたいものです。

2008.02.17 18:24 URL | ハムカツ #- [ 編集 ]

YAHOOニュース → 読み物 → ランク順 → WEB製作高いか安いかではない → ちゃんちゃらおかしい と巡回して、ここまで、まいりました。
 私も、小さな会社でWEBディレクターという肩書きで仕事ををしているのですが、ようやく、腑に落ちるブログにたどり着いたと思いブログ内の記事を興味深く読ませていただきました。
 そんな中、「即戦力の条件」をハラハラしながら読み、何とかクリアできたかな・・・と思った刹那、「自分としては採用した人間を呪う。」
・・・今後ともよろしくお願いします。

2008.02.24 02:45 URL | ヒポポ #mQop/nM. [ 編集 ]

>ヒポポさん
はじめまして。こちらこそよろしくお願いします。

腑に落ちる、と思ってもらえて本望です。自分も人のブログを読ませてもらって、ピンと来ないことも多いので。書いたかいがありました。

webディレクターの資質は上に書いた以外にも、ハッキリ文章化できない曖昧な能力が多いですよね。実際はそっちの方が重要だったり。自分でも条件をどれだけクリアしてるか、確信はないです。

2008.02.25 23:24 URL | ハムカツ #- [ 編集 ]

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