『<朝鮮芸術映画>盾、第1部・第2部』:2013年に見逃したおもしろい映画、「思想・精神的」問題の実例を提示 (2015年11月8日 「朝鮮中央TV」)
8日、「朝鮮中央TV」で「盾」という「朝鮮芸術映画」が放映された。韓国・統一部のDBで昨日確認した限りでは、2013年に放映されたことになっていたが、今、確認したところ2006年11月12日以来、放送されていないことになっている。2013年に放送されたとされる日は、ストリーミングの不具合だったのかもしれないが、録画がされていないので、この日に実際に放送があったのかどうかは確認できない。
いずれにせよ、私は初めて見た映画なので、とてもおもしろかった。第1部と第2部までしか制作されていないようなのだが、北朝鮮に浸透した「南朝鮮」のスパイ組織を北朝鮮の「内務部」が暴き出すというストーリーである。ただ、映画を見る限りでは、3部以降も制作されるような流れで終わっている。というのは、2部まで北朝鮮のために二重スパイをしていた父親が病死し、その後を息子が継承するという形で終わっているのだが、肝心のスパイ組織の頭目(日本人の名前を使う男)は確認されたものの、泳がせておくのかどうかは不明のまま、終わっている。普通の北朝鮮映画であれば、「勧善懲悪」で終わるところであるが、それが達成されていない。過去に紹介した「日帝」と戦う映画でも、一度終了した上で、続編で「日帝」の頭目を掃討している。
そのような意味で、続編が予定されていたのかもしれないが、今日に至るまで、制作されていないようである。
さて、この映画はストーリー自体もおもしろいのだが、「思想・精神的」問題がかなり具体的に提示されている点である。「青峰楽団」問題も、もし韓国メディアが報じるように崔龍海が解任されたのであれば、「青峰」の「思想・精神的」問題に連座させられている可能性もある(しかし、依然として崔龍海の解任説はないと考えている)。
では、『盾』で紹介されている「思想・精神的問題」を紹介していく。ちなみに、この映画のテーマ音楽は『社会主義を守ろう』である。
Source: KCTV, 2015/11/08放送
北朝鮮の二重スパイ、カン・ソサンが、香港にいる「南朝鮮」のスパイ組織のボスの司令を傍受する受信機。懐かしい、日本製受信機Fair Mate、CR-312を使っている。この受信機は、中波から短波帯の6MHzまで受信できる仕様(「日本短波放送」の競馬中継を受信できる仕様)。
ラジカセ博物館、http://www.geocities.jp/yumesawanachi/radio/fairmate-cr312.html
Source: KCTV, 2015/11/08放送
指令を受信する、二重スパイのカン・ソサン。司令は「詩」として流され、カン・ソサンは辞書のようなものを見ながら、解読する。
Source: KCTV, 2015/11/08放送
「南朝鮮」の暗号放送を傍受して解読する北朝鮮の施設。「科学特捜隊」のような感じで、「人民軍」あるいは「国家安全部」らしさがない。
Source: KCTV, 2015/11/08放送
北朝鮮当局は、港の税関検査台のビデオ撮影をしている。外国人の鞄から出されるビデオテープ。北朝鮮内務部の「副局長」は、「あのようは反動出版物と録画物が、以前は気球で我々の地域のばらまかれたのだが、最近は、合法的な経路を通して旅行者が持ち込むのが問題」と言っている。
Source: KCTV, 2015/11/08放送
また、中国・図们対岸の北朝鮮・南陽駅でも、観光客の手荷物から「聖書」が出てくる。
Source: KCTV, 2015/11/08放送
東洋人の鞄から出てきた「聖書」
Source: KCTV, 2015/11/08放送
こうした、北朝鮮の社会主義を崩壊させようという陰謀は、香港にアジトを持つ「南朝鮮」のスパイ組織の仕業という。その、「南朝鮮」のスパイ組織の頭目が、女スパイのアジトである「料亭」にやってくる。ここででは、「思想・精神的」に問題がある沢田研二の『TOKIO』が流れている。客の女がカラオケで歌っているという設定であるが、なぜか、TOKIOの部分以外は歌わない。
歌が流れる場面は、以下のYouTubeを参照のこと。
YouTube, dprknow channel, https://youtu.be/R-ImXYDXI9Q
また、別の女スパイが、「思想・精神的」に問題がある曲が収録されたカセットテープを、北朝鮮の合作会社社長(支配人)の車で流す。これが、退廃的な曲調の典型。後に、この社長は、北朝鮮の二重スパイから「全てにおいて、原則を捨ててはならない。」、「今、帝国主義者達は、我々を目に刺さった棘のように思っている。だから、奴らの魔手にかかることもある。」と、社長が女スパイのテープを受け取ったことを非難する。社長は、素直に謝罪する。
Source: KCTV, 2015/11/08放送
歌が流れる場面は、以下のYouTubeを参照のこと。
YouTube, dprknow channel, https://youtu.be/UogCJDr_e80
いずれにせよ、私は初めて見た映画なので、とてもおもしろかった。第1部と第2部までしか制作されていないようなのだが、北朝鮮に浸透した「南朝鮮」のスパイ組織を北朝鮮の「内務部」が暴き出すというストーリーである。ただ、映画を見る限りでは、3部以降も制作されるような流れで終わっている。というのは、2部まで北朝鮮のために二重スパイをしていた父親が病死し、その後を息子が継承するという形で終わっているのだが、肝心のスパイ組織の頭目(日本人の名前を使う男)は確認されたものの、泳がせておくのかどうかは不明のまま、終わっている。普通の北朝鮮映画であれば、「勧善懲悪」で終わるところであるが、それが達成されていない。過去に紹介した「日帝」と戦う映画でも、一度終了した上で、続編で「日帝」の頭目を掃討している。
そのような意味で、続編が予定されていたのかもしれないが、今日に至るまで、制作されていないようである。
さて、この映画はストーリー自体もおもしろいのだが、「思想・精神的」問題がかなり具体的に提示されている点である。「青峰楽団」問題も、もし韓国メディアが報じるように崔龍海が解任されたのであれば、「青峰」の「思想・精神的」問題に連座させられている可能性もある(しかし、依然として崔龍海の解任説はないと考えている)。
では、『盾』で紹介されている「思想・精神的問題」を紹介していく。ちなみに、この映画のテーマ音楽は『社会主義を守ろう』である。
Source: KCTV, 2015/11/08放送
北朝鮮の二重スパイ、カン・ソサンが、香港にいる「南朝鮮」のスパイ組織のボスの司令を傍受する受信機。懐かしい、日本製受信機Fair Mate、CR-312を使っている。この受信機は、中波から短波帯の6MHzまで受信できる仕様(「日本短波放送」の競馬中継を受信できる仕様)。
ラジカセ博物館、http://www.geocities.jp/yumesawanachi/radio/fairmate-cr312.html
Source: KCTV, 2015/11/08放送
指令を受信する、二重スパイのカン・ソサン。司令は「詩」として流され、カン・ソサンは辞書のようなものを見ながら、解読する。
Source: KCTV, 2015/11/08放送
「南朝鮮」の暗号放送を傍受して解読する北朝鮮の施設。「科学特捜隊」のような感じで、「人民軍」あるいは「国家安全部」らしさがない。
Source: KCTV, 2015/11/08放送
北朝鮮当局は、港の税関検査台のビデオ撮影をしている。外国人の鞄から出されるビデオテープ。北朝鮮内務部の「副局長」は、「あのようは反動出版物と録画物が、以前は気球で我々の地域のばらまかれたのだが、最近は、合法的な経路を通して旅行者が持ち込むのが問題」と言っている。
Source: KCTV, 2015/11/08放送
また、中国・図们対岸の北朝鮮・南陽駅でも、観光客の手荷物から「聖書」が出てくる。
Source: KCTV, 2015/11/08放送
東洋人の鞄から出てきた「聖書」
Source: KCTV, 2015/11/08放送
こうした、北朝鮮の社会主義を崩壊させようという陰謀は、香港にアジトを持つ「南朝鮮」のスパイ組織の仕業という。その、「南朝鮮」のスパイ組織の頭目が、女スパイのアジトである「料亭」にやってくる。ここででは、「思想・精神的」に問題がある沢田研二の『TOKIO』が流れている。客の女がカラオケで歌っているという設定であるが、なぜか、TOKIOの部分以外は歌わない。
歌が流れる場面は、以下のYouTubeを参照のこと。
YouTube, dprknow channel, https://youtu.be/R-ImXYDXI9Q
また、別の女スパイが、「思想・精神的」に問題がある曲が収録されたカセットテープを、北朝鮮の合作会社社長(支配人)の車で流す。これが、退廃的な曲調の典型。後に、この社長は、北朝鮮の二重スパイから「全てにおいて、原則を捨ててはならない。」、「今、帝国主義者達は、我々を目に刺さった棘のように思っている。だから、奴らの魔手にかかることもある。」と、社長が女スパイのテープを受け取ったことを非難する。社長は、素直に謝罪する。
Source: KCTV, 2015/11/08放送
歌が流れる場面は、以下のYouTubeを参照のこと。
YouTube, dprknow channel, https://youtu.be/UogCJDr_e80