連続テレビ小説「おむすび」 (第41回・2024/11/25) 感想
NHK総合・NHK BS・プレミアム4K/連続テレビ小説『おむすび』
公式リンク:Website、X(旧Twitter)、Instagram
第41回/第9週『支えるって何なん?』の感想。
※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まないほうが良いです。
ヘアサロン米田で商店街の面々がよもやま話する中、結(橋本環奈)が彼氏のために栄養士になるのは偉いというのを聞いた聖人(北村有起哉)は動揺して周りのみんなからたしなめられる。そんな折、歩(仲里依紗)が突然神戸に現れ、みんな驚愕する。何やらロサンゼルスから帰国したとのことで、またもや米田家が騒がしくなる。
------上記のあらすじは、公式サイト等より引用------
作品の 粗探しや重箱の隅を楊枝でほじくる こと、スタッフの人格否定や俳優の個人攻撃 が 目的ではない ことをご理解ください。
原作:なし
脚本:根本ノンジ(過去作/正直不動産シリーズ,相棒シリーズ,フルーツ宅配便,ハコヅメ)
演出:野田雄介(過去作/スカーレット,マッサン,六畳間のピアノマン,舞いあがれ!) 第1,3,7週
小野見知(過去作/マチ工場のオンナ,トクサツガガガ,転・コウ・生) 第4,6週
松木健祐(過去作/ひよっこ,いだてん,晴天を衝け,舞いあがれ!) 第2,5週
盆子原誠(過去作/カーネーション,ごちそうさん,おちょやん,ブギウギ) 第8週
大野陽平(過去作/「ちむどんどん」第9週のみ,「舞いあがれ!」第25週のみ) 第9週
工藤隆史(過去作/「舞いあがれ!」第20週のみ)
原田氷詩(過去作/「おちょやん」 第17週のみ,「舞いあがれ!」第16週のみ)
音楽:堤博明(隣の家族は青く見える,ベビーシッター・ギン!)
主題歌:B'z「イルミネーション」
語り(本編):リリー・フランキー(過去作/「なつぞら」本編語り)
語り(土曜日版):高瀬耕造アナウンサー(過去作/「ブギウギ」本編語り)
副音声解説:山崎健太郎(過去作/舞いあがれ!,らんまん,ブギウギ,虎に翼)
制作統括:宇佐川隆史宇(過去作/岸辺露伴は動かないシリーズ,正直不動産シリーズ)
真鍋斎(過去作/まんぷく,正義の天秤,拾われた男)
※敬称略
※他のスタッフ表は、当記事の最下部へ移動
土曜日版の感想で「私が見たかった"おむすび"」が分かる
「初めまして」の皆様も、ご常連の皆様も、管理人のみっきーです!
お仕事や学校の休憩時間や移動中の方、就職活動中の方、病気療養、子育て、介護など、それぞれの生活を送る読者の皆様…
私のブログをご訪問いただき、心から感謝申し上げます。
―――ここまで、ごあいさつ―――
常連の読者様は、ご存じだと思います。
ここ数日間 連続で Web拍手が 30未満(投稿時)になりましたので…
読者様に向けて、どうしたら今作が巻き返せるのか考える感想にもしたいと思います。
よって今週も、通常モードより、本気で歯に衣着せぬ感想を書きます。
※しばらくテンプレです…
ごくたまにですが、「みっきーさんのドラマの評価基準がよく分かりません」とご質問をいただきます(汗)
私自身、私の感覚が異様で特殊なのは理解していますし、それがあって今の仕事が成立しているので、右に倣え! には今さらなれませんしね。
でも、ちょうどよい例があるのでご紹介します。
ただ、先週1週間分の「本編」と、土曜日放送の「土曜日版」を見た読者様限定ですが。
「土曜日版」の感想を読んでいただければ、あれだけ酷評しつづけた「本編」も演出(編集も)の解釈と方法次第で、印象を変えることができる…
要するに、「私が見たかったドラマ」が分かるという仕掛けです。
まだ読んでいなかったら、今回の感想の前に読めば、少しは感想の深読みができるかもしれません。
最下部にもありますが、こちらにもリンクを記載しておきますね。
連続テレビ小説「おむすび」 (第8週・土曜日版・2024/11/23) 感想 ※今週の「土曜日版」は格段に違う仕上がり!
「ヘアサロンヨネダ」の店内風景が、平面的で寒々しい…
前回の振り返りは別にして(当然ですが)
その後の「ヘアサロンヨネダ」の店内風景から、映像の雰囲気が先週までと全く違うことに驚いた。
全体の印象が、出演している登場人物は多いし、バーバーチェア(理容椅子)も回転するし、それなりに賑やかに見えてもおかしくないのに、実に平面的で寒々しいのだ。
一つの原因は、ほぼ全てのカットが(私が考える最適解よりも)カメラが引きすぎているのだ。
画面に余白が多いのだ、
その上、その余白部分の大半が白い壁で、白色は膨張色だから実際の面積より広く感じる上に、(この場合は)色がついた人物を圧迫して、人間を小さく見せてしまうのだ。
この脚本、先週は熟練の盆子原氏だって手こずったのに?
例えば先週木曜日(11/21)の第39回のアバンタイトルの「ヘアサロンヨネダ」。
登場した人数こそ少なかったが、立ったまま、座ったまま、立って動くキャラ、店内に入ってくるキャラなど多種多様だったし。
何よりも、カット割りが多く、狭い空間なのに動的な印象が強かった。
店内奥の「女性専用個室」のカーテン仕切りスペースをうまく利用して、さくら通り商店街で夫婦でパン屋を営み、噂話が大好きな佐久間美佐江(キムラ緑子)と母・愛子(麻生久美子)をダイナミックに動かすことで、飽きさせない工夫も見られたのだ。
しかし今回は… そういうことだ。
結の部屋の場面も、全体的にのっぺりした印象で、切実感や孤独感すら漂わず。
クレジットには、今作初担当で、朝ドラの過去の担当は『ちむどんどん』第9週のみと『舞いあがれ!』第25週のみ… の大野陽平氏だ。
先週は、それなりのベテラン演出家の盆子原誠氏だって、「本編」は手こずったのだ(困)
脚本は当然だが、先週末に「勤労感謝の日」があったばかりだが、今週はスタッフとキャストの勤労に感謝する程度にしておくのがよさそうだ。
そう、今週も、過度な期待は禁物だってことだ。
なぜ、"必要性が薄い条件や設定"を盛り込むのだろう?
しかし、何なの?
私の記憶と解釈が正しければ。
母の愛子はそれほどでもなく、結(橋本環奈)も母ほどのこだわりもないとしても。
父・聖人(北村有起哉)と歩(仲里依紗)は、相当に “神戸” にこだわりとわだかまりのあった設定で。そもそも険悪な仲だったのが、何となく和解した感じになっただけ。
なのに、メインタイトル映像明け夕食シーンでは、「神戸の‘こ’の字」も出てこない。
もちろん、「糸島の‘い’の字」の思い出話もせずに一家団らんって?
最初に描くべきは、なぜ歩がいま神戸に来たのか? ではないのでは?
いや、それ以前に歩の言動からすると、行方不明だった期間に神戸に仕事がらみで来たことがあるようなことを。
それなら、元「米田理髪店」があった場所に行った回想シーンを盛り込むとか…
でも、そもそも “ひとりで行ける” ならとか…
きっと、好意的に解釈する御仁は、「照れ隠し」「寂しさ隠し」と妄想ドラマをつくるのだろうが。
これなら、歩は「田舎を捨てて東京に行きたい」で済んだし。
両親も、「元の実家に空きが出たから」でも済んだのでは?
なぜ、わざわざ、やたらと “必要性が乏しいとしか感じない条件や設定” を盛り込むのだろう?
8歳違いの姉妹が、同程度にトラウマを抱え続けるのは無茶
すでに、全体の 1/3(三分の一)も進んでいるから、今さら「描くな!」「盛り込むな!」とまで言うつもりはない。
しかし、今回の姉妹の寝床の場面で、脚本と演出は次のように提示している。
結「家の前に来た時は
ちょっと思い出したけど
でも 今は もう大丈夫」
歩「そん時は… やっぱ きつかった」
本当に繰り返して申し訳ないが、結と歩は8歳も差があるのだ。
評判が良かった年表を再掲載してみる。
これを見ても分かるように、結は年長さんの6歳児で、歩は14歳の中2の時に震災に遭ったのだ。
「震災が怖いことに年齢は関係ない」の主張もあろう。
しかし、怖いとしても、世間の広さや経験も年齢の影響を受けるだろうから、そもそも “8歳違い” が同じように深い傷、トラウマを抱えていると描くことが無茶なのでは?
久しぶりの神戸の印象を語る順序を変えるだけで違ったのに
もちろん、これだって、脚本がしっかりと考えて書けばよかっただけだ。
無駄を承知で「後悔先に立たずコーナー」をやるなら。
寝室で、神戸に来た印象を述べる順序を逆、歩が最初に話してから、結にすればよかっただけ。
やはり、言葉(セリフ)はあとに言われたことのほうが強く印象に残るのだ。
だから、脚本は、歩のトラウマのほうがキツイとの印象付けをやったわけだ。
しかし、これでは、結のトラウマがキツくない… にはならないのだ。
それこそ、前述のセリフの前半をバッサリ切り捨てて、歩の「やっぱ きつかった」」のあとに、「今は もう 大丈夫。彼氏もいるけん!」と明るく答えさせるだけで、結のトラウマは姉ほど強くはないと印象付けに成功できたのだ。
そうすれば、トラウマの地・神戸で彼氏とデートしていることの違和感すら払しょくできたわけである。
肝心の「主人公の学校」の場面が、わずか数分で終了…
今回で数分間しかない「神戸栄養専門学校」の授業シーンに講師役で登場したのが、メインタイトル映像の振付を担当している TAKAHIRO氏。
知る人知る、欅坂46、日向坂46、櫻坂46、ゆず、SEKAI NO OWARI、藤井風さんらの MVやライブの振り付けを担当している人だ。
それは、さておき。
なぜ、なぜ、肝心の「主人公の学校」の場面が、わずか数分で終わるのか!
もう、不思議、アンビリバボーでしかない。
こんな状態で、まだ公式サイトに次のように掲載し続けているのだから、困ったものだ。
平成元年生まれのヒロインが、栄養士として、人の心と未来を結んでいく“平成青春グラフィティ”。
一体、どこをどう見れば?????
"なっちゃん"ですら、まだ使いこなせていないのに新キャラ
さて、残り3分となって、また新キャラの投入だ。
歩の中学時代からの友人で、元町の古着店「ガーリーズ」の店主‘チャンミカ’こと相原三花(松井玲奈)らしい。
プロの、それもプロの多くが憧れる朝ドラのスタッフに言うのもおこがましいが。
つい先日、「神戸編」から投入した… 結の幼なじみで、美佐江の娘‘なっちゃん’こと佐久間菜摘(田畑志真)だって、使いこなせていないのだ。
そればかりか、アゲ記事による広報支援と、擁護派による後方支援がなければ、存在意義すらほぼないのに。
また、新キャラって?
見たいわけではないが、描かなった2年間で、歩と三花がどんな交遊をし互いを思っているのかも全く見ていないのに、いきなり「どやった? 家族」と物語を勝手に進められても、こっちこそ「チャンミカって誰?」なのだ。
描いていないのに “描いたつもり” で話を進めるのは、そろそろ最後にしてほしい。
何度も言うが、視聴者による「好意的な脳内補完」は、その人の頭の中にあるだけの “妄想ドラマ” でしかないのだ。
あとがき
こう言ったらおしまいですけど。
‘なっちゃん’も‘チャンミカ’も「主人公が栄養士を目指す」とは直接関係ありませんよね。
それこそ、‘真紀ちゃん’もその父も、「主人公が栄養士を目指す」に影響を与えたわけでもありません。
だったら、「主人公が栄養士を目指す」を数分だけにする意味も意義もあります?
それこそ、栄養士は片手間になれるけど、就職は大変です… と描きたいとか。
もう、これ、“ドラマ” として大切な部分が欠落していると思います。
今週の感想は、欠落部分の捜索(search)と創作(creation)でしょうか?(笑)
引き続き、一緒に右上がりになるのを信じて、応援しましょう!
『おむすび』を召し上がった後の ≪お口直し≫ に下記の感想をおすすめ!
朝ドラ「カーネーション」全151回分の感想リンク
朝ドラ「カムカムエヴリバディ」全112回分の感想リンク
★すべての読者様に愛と感謝の “ありがっとう!!”
★本家の記事のURL → https://director.blog.shinobi.jp/Entry/19297/
※上記のスタッフ表の続き
主人公のモデルの1人:松丸奨
※1983年千葉県生まれの栄養教諭・管理栄養士
(過去作/「Chef~三ッ星の給食~」給食監修指導)
※人物像作成のための取材を受けた複数名の1人であると判明(2024/10/9)
ネタ元:松丸奨@men's管理栄養士 [@matsumarurecipe] (2024年9月30日)
タイトルロゴ制作:大島慶一郎(Keiichiro Oshima )
タイトル映像:田向潤(過去作/きゃりーぱみゅぱみゅ,くるり,緑黄色社会MV)
イラスト:サンレモ(ILLUSTRATOR サンレモ )
振付:TAKAHIRO(欅坂46,日向坂46,櫻坂46,ゆず,SEKAI NO OWARI,藤井風)
栄養学考証:中村丁次(神奈川県立保健福祉大学教員)
福岡ことは指導:坪内陽子(元MRT宮崎放送アナウンサー)
栃木ことは指:猪瀬光博(栃木県出身の俳優)
神戸ことは指導:辻葉子(兵庫県出身の俳優)
ギャルことば指導:Rumi(美容・ギャル評論家,今作パラパラ指導)
医事指導:矢木崇善(過去作/スカーレット,舞いあがれ!,ブギウギ,)
料理指導:広里貴子(過去作/ごちそうさん,まんぷく,カムカムエブリバディ,舞いあがれ!,ブギウギ)
書道指導:津吾井香奈(「書道パフォーマンス甲子園」指導など)
農業指導:德安出雲
理容指導:宮城丈二(兵庫県理容組合理事長)
警察指導:板東正敏子(過去作/まんぷく,スカーレット,おちょやん,ブギウギ)
美術:西村薫(過去作/トクサツガガガ,ハムラアキラ,舞いあがれ!)
技術・増田徹
音響効果:林恵太郎
助監督:藤玲衣,影浦安希子,山田陽介,畑本健太
小峰陸矢,亀井優成,長澤康貴,佐伯木乃実
竹原朋加,林祐香,増田愛海,野曽原明香,福崎功真
スケジューラー:南野彩子(NHK BSドラマ「パーセント」プロデューサー)
リサーチ:有川奈々絵(NPO法人 かごしまフィルムオフィス)
撮影:竹内北斗(過去作/ブギウギ)
源拓哉(過去作/カムカムエブリバディ)
照明:岡元昌弘(過去作/軍師官兵衛)
橋村祐哉(過去作/べっぴんさんSP「恋する百貨店」)
音声: 渡辺暁雄
映像技術:山下健
カラーグレーティング:中井高人
VFX :佐久間正泰
美術進行:鴫原広起
装置:内田健
裝飾:野崎次郎
衣装:早藤博
メイク:西口富美子
制作:原田潔,岡本剛毅,中津琢,扇谷愛理,杉山遥人,高田寛之
プロデューサー:菅原弘(過去作/天国にいちばん近い島,二代目はクリスチャン,ぼくらの七日間戦争)
※敬称略
【これまでの感想】
第1週『おむすびとギャル』
1 2 3 4 5土
拍手コメント返信(2024/10/2):「おむすび」(第3回) ※“ギャル文化”には、圧倒的な“ポジティブパワー”がある
拍手コメント返信(2024/10/3):「おむすび」(第4回) ※「虎に翼」の総括、「おむすび」結のモデルと脚本家について深掘り解説します(更新)
朝ドラ「おむすび」未だに“姉と妹の子ども時代の初期物語”がないのは…ある事情で追って“伝説のギャルのスピンオフ”をやるから!?
第2週『ギャルって何なん?』
6 7 8 9 10 土
第3週『夢って何なん?』
11 12 13 14 15 土
第4週『うちとお姉ちゃん』
16 17 18 19 20 土
朝ドラ「おむすび」:提灯記事に加え,ついに注意喚起までやる必死さ!でも,その前にやることがあると思う
第5週『あの日のこと』
21 22 23 24 25 土
NHK連続テレビ小説「おむすび」:朝ドラが“リアルな大災害”を扱うたびに思うこと
第6週『うち、ギャル、やめるけん』
26 27 28 29 30 土
第7週『おむすび、恋をする』
31 32 33 34 35 土
第8週『さよなら糸島 ただいま神戸』
36 37 38 39 40 土
第9週『支えるって何なん?』
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