連続テレビ小説「おむすび」 (第36回・2024/11/18) 感想
NHK総合・NHK BS・プレミアム4K/連続テレビ小説『おむすび』
公式リンク:Website、X(旧Twitter)、Instagram
第36回/第8週『さよなら糸島 ただいま神戸』の感想。
※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まないほうが良いです。
高校卒業後の進路が決まってない結(橋本環奈)は、聖人(北村有起哉)と愛子(麻生久美子)が作業しているところに来て、自分のやりたいことが決まったと宣言する。それは、栄養を学びたいということで、結はそのために専門学校に行きたいと言う。一方、結のやりたいことを聞いた愛子は、聖人にもやりたいことを話してみたらと促す。
------上記のあらすじは、公式サイト等より引用------
作品の 粗探しや重箱の隅を楊枝でほじくる こと、スタッフの人格否定や俳優の個人攻撃 が 目的ではない ことをご理解ください。
原作:なし
脚本:根本ノンジ(過去作/正直不動産シリーズ,相棒シリーズ,フルーツ宅配便,ハコヅメ)
演出:野田雄介(過去作/スカーレット,マッサン,六畳間のピアノマン,舞いあがれ!) 第1,3,7週
小野見知(過去作/マチ工場のオンナ,トクサツガガガ,転・コウ・生) 第4,6週
松木健祐(過去作/ひよっこ,いだてん,晴天を衝け,舞いあがれ!) 第2,5週
盆子原誠(過去作/カーネーション,ごちそうさん,おちょやん,ブギウギ) 第8週
大野陽平(過去作/「ちむどんどん」第9週のみ,「舞いあがれ!」第25週のみ)
工藤隆史(過去作/「舞いあがれ!」第20週のみ)
原田氷詩(過去作/「おちょやん」 第17週のみ,「舞いあがれ!」第16週のみ)
音楽:堤博明(隣の家族は青く見える,ベビーシッター・ギン!)
主題歌:B'z「イルミネーション」
語り(本編):リリー・フランキー(過去作/「なつぞら」本編語り)
語り(土曜日版):高瀬耕造アナウンサー(過去作/「ブギウギ」本編語り)
副音声解説:山崎健太郎(過去作/舞いあがれ!,らんまん,ブギウギ,虎に翼)
制作統括:宇佐川隆史宇(過去作/岸辺露伴は動かないシリーズ,正直不動産シリーズ)
真鍋斎(過去作/まんぷく,正義の天秤,拾われた男)
※敬称略
※他のスタッフ表は、当記事の最下部へ移動
結と人間関係が薄めのキャラクターを集めたお別れって?
「初めまして」の皆様も、ご常連の皆様も、管理人のみっきーです!
お仕事や学校の休憩時間や移動中の方、就職活動中の方、病気療養、子育て、介護など、それぞれの生活を送る読者の皆様…
私のブログをご訪問いただき、心から感謝申し上げます。
―――ここまで、ごあいさつ―――
常連の読者様は、ご存じだと思います。
ここ数日間 連続で Web拍手が 30未満(投稿時)になりましたので…
読者様に向けて、どうしたら今作が巻き返せるのか考える感想にもしたいと思います。
よって今週も、通常モードより、本気で歯に衣着せぬ感想を書きます。
※しばらくテンプレです…
この程度のお見送り&旅立ちでも「陽太に全米が泣いた!」な人はいると思う。
がしかし、私には、どの朝ドラ以来か忘れたくらいに、白けた見送り&旅立ちに見えてしまった。
当然、俳優が、演技が、どうこうというのではない。
そもそも、私がこれまで見てきた印象で、主人公・結(橋本環奈)と同じ場面が多く、やりとりが強く印象に残っているのは…
クズ野菜の路上販売や、糸島フェスティバルで同じ舞台に立った結の祖父・永吉(松平健)。
当初はギャル嫌いが共通点で、のちに農作業を教わり、娘可愛さで好き勝手やらせてくれた父・聖人(北村有起哉)くらい。
母・愛子(麻生久美子)は歩との辛みの印象のほうが強いし。
祖母・佳代(宮崎美子)は、料理担当的にピンポイントでしかかかわっていない印象だ。
もちろん、結の幼なじみでありクラスメイトの陽太(菅生新樹)(幼少期:案津喜一)は、野球ネタど翔也(佐野勇斗)に劣るし。
イチゴ農家の井出康平(須田邦裕)は、聖人の幼なじみであって、結とのかかわりはほぼなし。
元々、 “ドラマ” として人間関係を描いてこなかった今作の中でも、人間関係が薄めのキャラクターを集めた時点で、ほぼ意味が… (自粛しなくても、分かりますよね 笑)
このお別れのためにも、もっと人間関係を描くべきだった…
脚本が仕上がった時点で、この場面のメンバーは分かっていたはずだ(当然!)
脚本家も、チーフ監督も、結の次のセリフがあると知っていたはずなのだ。
結「お兄ちゃんみたいな 弟みたいな 大切な家族」
まあ、大切な家族だから、フェス後の打ち上げ会で、初参加の河童を放置し、陽太を真横に座らせたのか!?(失笑)
もちろん、脚本の仕上がる順番と撮影順は違うと思う。
が、それでも全体の流れ、それこそ “主人公の大事な分岐点” だから、詳細は書かれていなくても、情報提供くらいはあったはずだ。
だったら、7週間もあったのだから、今回の見送り&旅立ちが盛り上がるように、下準備を積み上げることしか、脚本家も演出家もやることはないはずなのだ。
やるべきことをやらないのは、プロとして… (自粛しなくても、分かりますよね 笑)
だから、ついつい『あまちゃん』のお別れのシーンをまた、見たくなるのである…
この感動の薄さは、筑肥線の車内の客の如し…
真っ赤なJR九州 筑肥線の103系と、青い空、緑の自然が美しい別れのシーン。
なんと、メインタイトル映像まで約6分18秒の長尺のアバンタイトルだった。
しかし、この感動の薄さは、見送るほうも見送られるほうも、見ている私も、筑肥線の車内の客の如し… だ。
ここまで、朝ドラの主人公の旅立ちシーンで、全員が他人行儀なのは新記録かも。
そんなことを思っていたら、光陰チョー矢の如しで神戸に到着だ。
あの程度のお見送り&旅立ちでも「陽太に全米が泣いた!」な人は別にして。
私には、商店街に到着直後の米田家の3人と、商店街の住人たちのやりとりも、何か違和感が。
もちろん、違和感の出どころは、下準備を積み上げてこなかった点に尽きる。
ここで、今回の内容から少し離れて、これまでをプチ復習してみたい。
是非とも、受講していただきたい。
震災時に6歳だった結が10歳のときに、歩が家を飛び出した
最近は、当ブログだけ読んで、「本編」も「土曜日版」も見ておらず。
感想を読んで「不快感がなく、面白くなってきたら復活しよう」という読者様の意思表示が相次いでいる(苦笑)
本来は「ドラマを見てほしい」わけだが、今作に限ってはやむを得ず私が人柱になっている(爆)
そこで、どうやら一応「新章」のようだから、再確認含めて、今作の主要登場人物の人間年表を書いてみる。
今作の導入部は、2004年(平成16年)4月6日、糸島で育った主人公・米田結(橋本環奈)が福岡県立糸島東高等学校に入学して早々に4人のギャルに絡まれるくだりだ。
その結は、1989年(平成元年)1月8日生まれ。
姉の歩(仲里依紗)は、公式サイトに次の記載があるので、981年(昭和56年)生まれ。
主人公・結の8つ年上の姉。
出典:連続テレビ小説『おむすび』キャスト・相関図紹介【第1週~】 - おむすび - NHK
したがって、第1週目の結は15歳、歩は23歳の設定だった。
そして、阪神淡路大震災の発生が、1995年(平成7年)1月17日(火)5時46分52秒。
発生時の年齢は、概算で、結は6歳、歩は14歳。
で、先週に光陰チョー矢の如しの2年経過後をやったので、現時点で結は17歳か18歳(歩は25歳か26歳)となる。
そこで、算数と現代史と社会常識のお勉強だ。
今作上では歩が家出をした時期が曖昧になってはいるが、歩が高校卒業と同時に家を飛び出したとしよう。
1981年生まれの歩が18歳のときに家を出たのだから、家出は1999年(平成11年)となる。。
震災のときに14歳だった歩が、4年後に家出をしたことになる。
この計算を結に当てはめてみる。
震災のときに6歳だった結が10歳のときに、歩が家を飛び出したわけだ。
では、「本編」の感想に戻ろう。
米田家3人と商店街の人らとの交流が描かれていないから…
今回の「神戸での再会のくだり」は、震災発生から、12年近く経過している設定だ。
結に至っては、5~6歳児(年中・年長児=まだまだ甘えたい未就学児)だったのだ。
そして外見は、その当時と全く別のギャルに変貌した18歳の専門学校入学生として戻ってきたのだ。
私の受けた印象は “中学生の結ちゃんとは変わったね” レベルでしかない。
いや、演出による演技指導も、それを受けての俳優陣のお芝居も間違ってはいないのだ。
ただ、これまで見てきた米田家3人と、商店街の人らとの交流が描かれていないから、12年間の時の隔たりを感じにくい、いいや、感じないのだ。
これも、やるべきことをやらないのは、プロとして… (もう、分かりますよね 笑)
糸島に移住してから"3~4年後"なら納得できなくもないのに
上記のやりとりの違和感は他にもある。
最大級の違和感は。
聖人「一日でも早く
商店街のために何とかしたいんですよ」
え~と、私の記憶が正しければ、ちょっと前に故郷の糸島で同じことを言っていなかったっけ?
農協の何かの係を仰せつかったのを見捨てて、神戸にやってきたのが、聖人本人では?
確かに、祖父の栄吉をうまくいっていなかったのは認めるところだ。
神戸に、理髪店にも、思い入れが強いのも認める。
ただ、聖人が糸島を捨てて神戸にやってきた理由を、今作は全て “震災のせい” として強引に進めているのだ。
上記の年表を思い出してほしい。
震災から12年以上も経過し、それこそ、ほぼ “糸島の人” として、生まれ故郷の糸島を愛していたのでは?
それこそ、前述の神戸での再会劇の3~4年ぶりの雰囲気に合わせて、糸島に移住してから3~4年後に “震災のせい” にするだけで良かったと思うが。
百歩譲って、聖人が神戸に思い入れがあるとするなら、軸足は糸島に置いて糸島で理髪業をやりながら、町内会の行事や商店街のイベントのために月1度なり、年数回は参加する設定にするだけで印象は違ったのでは?
その程度の自作のための補強や補完もできないってこと?
結が、神戸に引っ越す合理的な理由が見当たらない
もう一つだけ気になったこと。
親子三人で… は、分からなくもない。
大阪が近い… の、今後の展開があるからなのも理解はできる。
しかし、結が祖父母とハギャレンの残して、両親の仕事再開に合わせて引っ越す合理的な理由が見当たらないのだ。
そう、設定を十分に、いや最低限活用できないなら、震災なんて盛り込むべきではなかった… それだけのことだ。
もちろん、「やたらと “死や余命”、“病気や障がい”、“現実に遭った災害” を盛り込むな!」の私の主張は変わらない。
でも、祖父母のどちらかがケガをするなりして農業が続けられないから、一家全員で床屋を閉めて糸島に移住するだけで良かったのでは?
どうしても歩を家出させたいなら、「こんな田舎イヤ!」で家出させれば良いだけ。
ギャルを盛り込みたいなら、それこそお得意の “時代のせい” にするために、時間軸を前倒しすれば良いだけ。
結局、毎度のように書いているが、「結果の羅列」しか考えていないような構成だから、個々の「原因や動機」を考えた途端に “連ドラ” として破綻するのだ。
もう、遅いが。
ここまでの責任を取る意味でも、チーフ監督らが引き継ぐべきだった
最後の最後に。
今週の演出担当は、今作は初担当の盆子原誠氏だ。
阪神淡路大震災から20年を迎える年に放送された、菅田将暉主演ドラマ『二十歳と一匹』(NHK/2015)の監督だ。
内容は、「災害救助犬」のハンドラーを目指す青年の姿を通して「希望」を描いた物語で、ほぼオール神戸ロケのドラマだった。
他には『カーネーション』『おちょやん』『ブギウギ』も担当しているが。
私が大いに評価している演出作品が、NHK夜ドラ『あなたのブツが、ここに』(NHK/2022)のチーフ監督の仕事だ。
その盆子原氏の演出でも、この程度にしか作り込めない。
また、今週の撮影担当は『カムカムエヴリバディ』を担当した源拓哉氏。
照明は、朝ドラ『べっぴんさん』のスペシャルドラマ『恋する百貨店』を担当した橋村祐哉氏。
ハッキリ言わせていただくが、ここまでの責任を取る意味でも、チーフ監督、撮影も照明もチーフクラスが担当して、自身の後始末をやってから、引き継ぐべきだったと思う。
遠い意味での同業者、それもその端くれとしても、自分のケツくらい自分で… (言わずもがなです 笑)
あとがき
いかにもって感じで、真紀ちゃんの父、孝雄(緒形直人)が登場していましたけど。
きっと、今週は、菜摘との恋愛談義と、栄養専門学校の状況説明が8割だと思いますよ。
あっ、そうそう、今日11月18日は、ミッキーマウスとミニーマウスのふたりの誕生日で、今年で96歳です。
いつまでも、お若いですね。
ミッキーとミニーの写真掲載は、今日はやめておきます…
『おむすび』を召し上がった後の ≪お口直し≫ に下記の感想をおすすめ!
朝ドラ「カーネーション」全151回分の感想リンク
朝ドラ「カムカムエヴリバディ」全112回分の感想リンク
★すべての読者様に愛と感謝の “ありがっとう!!”
★本家の記事のURL → https://director.blog.shinobi.jp/Entry/19283/
※上記のスタッフ表の続き
主人公のモデルの1人:松丸奨
※1983年千葉県生まれの栄養教諭・管理栄養士
(過去作/「Chef~三ッ星の給食~」給食監修指導)
※人物像作成のための取材を受けた複数名の1人であると判明(2024/10/9)
ネタ元:松丸奨@men's管理栄養士 [@matsumarurecipe] (2024年9月30日)
タイトルロゴ制作:大島慶一郎(Keiichiro Oshima )
タイトル映像:田向潤(過去作/きゃりーぱみゅぱみゅ,くるり,緑黄色社会MV)
イラスト:サンレモ(ILLUSTRATOR サンレモ )
振付:TAKAHIRO(欅坂46,日向坂46,櫻坂46,ゆず,SEKAI NO OWARI,藤井風)
栄養学考証:中村丁次(神奈川県立保健福祉大学教員)
福岡ことは指導:坪内陽子(元MRT宮崎放送アナウンサー)
栃木ことは指:猪瀬光博(栃木県出身の俳優)
神戸ことは指導:辻葉子(兵庫県出身の俳優)
ギャルことば指導:Rumi(美容・ギャル評論家,今作パラパラ指導)
医事指導:矢木崇善(過去作/スカーレット,舞いあがれ!,ブギウギ,)
料理指導:広里貴子(過去作/ごちそうさん,まんぷく,カムカムエブリバディ,舞いあがれ!,ブギウギ)
書道指導:津吾井香奈(「書道パフォーマンス甲子園」指導など)
農業指導:德安出雲
理容指導:宮城丈二(兵庫県理容組合理事長)
警察指導:板東正敏子(過去作/まんぷく,スカーレット,おちょやん,ブギウギ)
美術:西村薫(過去作/トクサツガガガ,ハムラアキラ,舞いあがれ!)
技術・増田徹
音響効果:林恵太郎
助監督:藤玲衣,影浦安希子,山田陽介,畑本健太
小峰陸矢,亀井優成,長澤康貴,佐伯木乃実
竹原朋加,林祐香,増田愛海,野曽原明香,福崎功真
スケジューラー:南野彩子(NHK BSドラマ「パーセント」プロデューサー)
リサーチ:有川奈々絵(NPO法人 かごしまフィルムオフィス)
撮影:竹内北斗(過去作/ブギウギ)
源拓哉(過去作/カムカムエブリバディ)
照明:岡元昌弘(過去作/軍師官兵衛)
橋村祐哉(過去作/べっぴんさんSP「恋する百貨店」)
音声: 渡辺暁雄
映像技術:山下健
カラーグレーティング:中井高人
VFX :佐久間正泰
美術進行:鴫原広起
装置:内田健
裝飾:野崎次郎
衣装:早藤博
メイク:西口富美子
制作:原田潔,岡本剛毅,中津琢,扇谷愛理,杉山遥人,高田寛之
プロデューサー:菅原弘(過去作/天国にいちばん近い島,二代目はクリスチャン,ぼくらの七日間戦争)
※敬称略
【これまでの感想】
第1週『おむすびとギャル』
1 2 3 4 5土
拍手コメント返信(2024/10/2):「おむすび」(第3回) ※“ギャル文化”には、圧倒的な“ポジティブパワー”がある
拍手コメント返信(2024/10/3):「おむすび」(第4回) ※「虎に翼」の総括、「おむすび」結のモデルと脚本家について深掘り解説します(更新)
朝ドラ「おむすび」未だに“姉と妹の子ども時代の初期物語”がないのは…ある事情で追って“伝説のギャルのスピンオフ”をやるから!?
第2週『ギャルって何なん?』
6 7 8 9 10 土
第3週『夢って何なん?』
11 12 13 14 15 土
第4週『うちとお姉ちゃん』
16 17 18 19 20 土
朝ドラ「おむすび」:提灯記事に加え,ついに注意喚起までやる必死さ!でも,その前にやることがあると思う
第5週『あの日のこと』
21 22 23 24 25 土
NHK連続テレビ小説「おむすび」:朝ドラが“リアルな大災害”を扱うたびに思うこと
第6週『うち、ギャル、やめるけん』
26 27 28 29 30 土
第7週『おむすび、恋をする』
31 32 33 34 35 土
第8週『さよなら糸島 ただいま神戸』
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