連続テレビ小説「おむすび」 (第37回・2024/11/19) 感想

NHK総合・NHK BS・プレミアム4K/連続テレビ小説『おむすび』
公式リンク:Website、X(旧Twitter)、Instagram
第37回/第8週『さよなら糸島 ただいま神戸』の感想。
※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まないほうが良いです。
神戸に久しぶりに戻ってきた聖人(北村有起哉)は、理容店の看板の名前を女性のお客さんにも来てもらうよう「ヘアサロンヨネダ」と変える。一方、結(橋本環奈)は幼い頃友人だった菜摘(田畑志真)を部屋に招く。菜摘は女子大生で、勉強よりサークルに入って彼氏を作りたいという。菜摘から彼氏がいるのか聞かれた結は、翔也(佐野勇斗)の写真を見せる。
------上記のあらすじは、公式サイト等より引用------
作品の 粗探しや重箱の隅を楊枝でほじくる こと、スタッフの人格否定や俳優の個人攻撃 が 目的ではない ことをご理解ください。
原作:なし
脚本:根本ノンジ(過去作/正直不動産シリーズ,相棒シリーズ,フルーツ宅配便,ハコヅメ)
演出:野田雄介(過去作/スカーレット,マッサン,六畳間のピアノマン,舞いあがれ!) 第1,3,7週
小野見知(過去作/マチ工場のオンナ,トクサツガガガ,転・コウ・生) 第4,6週
松木健祐(過去作/ひよっこ,いだてん,晴天を衝け,舞いあがれ!) 第2,5週
盆子原誠(過去作/カーネーション,ごちそうさん,おちょやん,ブギウギ) 第8週
大野陽平(過去作/「ちむどんどん」第9週のみ,「舞いあがれ!」第25週のみ)
工藤隆史(過去作/「舞いあがれ!」第20週のみ)
原田氷詩(過去作/「おちょやん」 第17週のみ,「舞いあがれ!」第16週のみ)
音楽:堤博明(隣の家族は青く見える,ベビーシッター・ギン!)
主題歌:B'z「イルミネーション」
語り(本編):リリー・フランキー(過去作/「なつぞら」本編語り)
語り(土曜日版):高瀬耕造アナウンサー(過去作/「ブギウギ」本編語り)
副音声解説:山崎健太郎(過去作/舞いあがれ!,らんまん,ブギウギ,虎に翼)
制作統括:宇佐川隆史宇(過去作/岸辺露伴は動かないシリーズ,正直不動産シリーズ)
真鍋斎(過去作/まんぷく,正義の天秤,拾われた男)
※敬称略
※他のスタッフ表は、当記事の最下部へ移動
引き続き、丁寧な文章を書こうと思います
「初めまして」の皆様も、ご常連の皆様も、管理人のみっきーです!
お仕事や学校の休憩時間や移動中の方、就職活動中の方、病気療養、子育て、介護など、それぞれの生活を送る読者の皆様…
私のブログをご訪問いただき、心から感謝申し上げます。
―――ここまで、ごあいさつ―――
常連の読者様は、ご存じだと思います。
ここ数日間 連続で Web拍手が 30未満(投稿時)になりましたので…
読者様に向けて、どうしたら今作が巻き返せるのか考える感想にもしたいと思います。
よって今週も、通常モードより、本気で歯に衣着せぬ感想を書きます。
※しばらくテンプレです…
感想に入る前に、一人の読者様にお礼を申し上げます。
前回の感想で、主人公姉妹の年表を掲載しました。
その初期投稿で私が単純な計算ミスをしたのを非公開希望コメント指摘してくださった、ドキッとした貴方です。
お名前は公開しませんが、ありがとうございます、助かりました。
同様に、その都度、「あの~、違いません?」と教えてくださる皆様、本当にありがとうございます。
と同時に、引き続き、丁寧な文章を書こうと思います。
≪今週初めて担当するディレクターの目線≫で読んでみて…
さっそく、私がお得意の? プチ脱線をやってみる(笑)
私の仕事では、大企業の1○0周年イベント用の社史ビデオを制作することがよくある。
そんな時に苦労するのが、海外に複数の支社や工場があって、私が撮影現場のディレクション(指揮や管理)に行けない場合があることだ。
その場合は、別班に行ってもらって映像素材を作るわけだ。
その際に困るのが、「あれ、○○の映像が撮れてないよ!」のようなケースだ。
その映像素材ありきで全編を構成して撮影編集が進んでいるから、たった1つの素材でも、時と場合によって、全体を再構成しなければならないことが実際にあるのだ。
私の仕事の場合の “撮れていないケース” のほとんどが、「担当者が不在だった」「天候が悪かった」「工場が突然休暇に入っていた」などの、スタッフ以外の不可抗力なことが原因となるが。
したがって、前後のつながりだけでなく、全体の構成を常に意識して作り込んでいくことが必至の “連ドラ” の制作現場で、次のことがあったら演出家、ディレクターは頭を抱えるしかないのだ。
「あれ、○○の映像が撮れてないの?」
恐らく、今週の演出担当である盆子原誠氏も、次のように感じたかもしれない。
「あれ、こんな設定、今まで放送したっけ!?」
今回の感想は、そんな視点を踏まえて書いてみようと思う。
読者様も、自分が ≪今週初めて担当するディレクターの目線≫ で読んでいただきたい。
私がなっちゃんなら、あそこまで結の部屋でくつろげない…
神戸に久しぶりに戻ってきた聖人(北村有起哉)が、再開するべく理容店の看板の名前を女性のお客さんにも来てもらうよう「ヘアサロンヨネダ」と変えようが、変えまいが、そんなのはどうでもいい。
問題なのは、メインタイトル映像明けの描写だ。
主人公の結(橋本環奈)が、菜摘(田畑志真)と名乗る同い年くらいの女性を部屋に招いて、いきなり恋バナを始めている。
“セカチューブーム” を巻き起こした映画『世界の中心で、愛をさけぶ』(東宝/2002)での森山未來さんの名演技をリスペクトしたつもりで大声で絶叫したい!
「脚本家様! なっちゃん、菜摘って誰ですか!!」
前回の感想に載せた年表から、結が菜摘と離れ離れになったのは、5~6歳児(年中・年長児=まだまだ甘えたい未就学児)だったころだ。
それから12年ほど経過したのが、劇中の “いま” である。
果たして、映像にあったような感じになるだろうか?
それ以前に、少なくとも私がなっちゃんなら、12年ぶりに再会した、当時のこともうろ覚えの “ほぼ他人” の部屋で、あそこまでくつろげないが(苦笑)
全部が全部、大風呂敷からこぼれ落ちっ放し
ここで、突然、「こうしたらよかったのにコーナー」改め、今回から「後悔先に立たずコーナー」だ。
これだって、‘最も必要なき初期設定’こと阪神淡路大震災を安易に盛り込むからこうなるのだ。
すでに、今週の「新章」から出番がなくなった歩(仲里依紗)より1つ年上の親友‘真紀ちゃん’こと渡辺真紀(大島美優)ですら、胃もたれするくらいに食傷気味なのだ。
※先日の人間ドックでごく初期の胃食道逆流症(GERD)と診断され、処方薬の服用をはじめました…
話を戻すと、これだって、ただの “米田家のご近所さん” の家の娘として登場させて、「ご近所だから」の理由だけで友だちになれば良かったのだ。
設定上は、さくら通り商店街で夫婦で総菜屋を営む佐久間美佐江(キムラ緑子)の娘だが。
そもそも、視聴者にとって “ほぼ初登場キャラ” なのだから、震災後の最近引っ越してきた子で、「私、近所に友だちいないから」くらいの動機で、親しくなるくらいで良かったと思うが。
とにかく、要らぬ設定を盛り込んだ上に、それをあちこちで活用しまくるから、意味不明に広げた風呂敷ばかり広くなって、風呂敷で包むものがない! のと一緒。
まっ、ギャル、パラパラ、書道部、農業、そして震災、そして糸島、全部が全部、大風呂敷からこぼれ落ちっ放しなのが今作なのだ(失笑)
震災時の回想以外の神戸の映像の少なさで描かれても困る
大風呂敷からこぼれ落ちっ放しと言えば、聖人(北村有起哉)が、神戸という土地にこだわり続ける真意もそうだ。
いや、超好意的脳内補完のスイッチをオンにすれば、何となく理解はできる。
しかし、冷静に考えれば分かるが、震災以外の… 神戸の生活、さくら通り商店街の人たちとのかかわり、結や歩の交友関係、いずれの映像も、全部を合算しても1話分にも満たないのでは?
そんな状況で、冒頭で中高年が集まってワチャワチャを描かれても、ピンとこないのは私だけか?
それとも、こんな大人たちこそが、私が大好きなCreepy Nutsの「♪のびしろ」の歌詞にある “良い年のこき方” なのか?
ああ、まだまだ、俺もまだのびしろしかないわ!(笑)
中華店「太極拳」の店主を演じる堀内正美さんと震災の関係
「トリノオリンピック」「太極拳」は面倒なのでスルーする。
いや、中華店「太極軒」の店主・明石太一を演じておられた堀内正美さんにはフォーカスしたい。
アラ還(あらかん)世代にとっての堀内さんと言えば、50年前の連続テレビ小説『鳩子の海』(NHK/1974-75)でヒロインの憧れの男性を演じた元祖イケメン俳優だ。
さらに、俳優業の傍らで、阪神淡路大震災の被災者支援活動に注力し続けているのをご存じの方も多いのでは?
簡単に説明すると。
震災直後に神戸市民の合言葉「がんばろう!!神戸」を提唱。
同時に、避難所・仮設住宅・復興住宅で被災者支援活動を展開する市民ボランティア団体「がんばろう!!神戸」を結成。
2002年には、震災だけでなく事件・事故の遺族も参加する NPO法人「阪神淡路大震災1.17希望の灯り」を設立。
私たちは、ご遺族・被災者・ボランティア団体・企業・行政・メディアといった所属や組織にこだわる事なく「亡くなった『みんな』のために、いったい何ができるのか」という思いに突き動かされ、活動を続けてきました。そしてその『思い』と、そこから生まれた支え合う『こころ』を伝えひろげることを目的とし、特定非営利活動法人阪神淡路大震災「1.17希望の灯り」を設立するものです。
出典:NPO法人阪神淡路大震災1.17希望の灯りとは|公式サイト![]()
というわけで、この配役だけは評価したい。
と同時に、だからこそ、震災の描写や扱いについて、プロとしての矜持をもって、真摯に向き合ってほしい。
今回は、「まさかやー!」「ありえん!」の連続!
結「あ 翔也 神戸初めてやろ?
案内するけん」
繰り返しになるが、結の記憶は、12年ほど前の 5~6歳児(年中・年長児=まだまだ甘えたい未就学児)止まりのはずだ。
ご近所の商店街に古くからある中華店ですら知らなかった結が「案内するけん」って?
まあ、これで進めるしかない気持ちも分からなくもないが(涙)
そして、面倒だから端折って…
結「うちも初めて来た」
もう、言いたくないが言っちゃおう!
「まさかやー!」「ありえん!」
なぜ、ずっと神戸在住の菜摘を活用しないの?
下書きの時点で2時間も要してしまい、12時を回ってしまうから片付けちゃおう!(オウ!)
今回2度目の「後悔先に立たずコーナー」の開催だ。
これ、せっかく冒頭で、(恐らく)生まれてからずっと神戸在住の菜摘を登場させたのだから、活用するべきなのだ。
結「なっちゃん?うち最近の神戸のこと分からんから
人気のデートスポット教えてくれん?」
それこそ、冒頭の会話だって。
アバンタイトルのワンカット目で翔也からの「今度の日曜日、神戸でデートしねえ?」のメール画面のアップで、女子会が盛り上がるだけで良かったのでは?)
こういう展開、こういう流れこそが、「菜摘って誰?」を払拭していくのでは?
ホント、俳優の誰もが憧れの朝ドラを手掛けるプロのクリエイターとして…(自粛)
あとがき
これ、好意的に脳内補完して、それを “ドラマ” だと勘違いしている人は別にして。
いや、恐らく脚本家本人も、本来は描いていないのに、描いたつもりで書き続けているのですよ、きっと。
例えば、聖人と商店街の人たちとの交流、結と菜摘の幼少期時代も、あの程度の尺と内容の描写(回想)で、描いたつもりで進めているんですね。
でも、まともな演出家なら、「聖人と商店街の人たちとの交流」「結と菜摘の幼少期時代」が足りないから、追加撮影してでも盛り込み直したいと考えると思いますよ。
例えば、以前の店名「BARBERヨネダ」が開店した日の商店街の風景、商店街の人々の様子とか。
幼稚園や保育園で幼き結と菜摘が園庭で遊ぶ様子とか、神戸を離れるときの別れの場面とか。
この場に及んでは、追加撮影がかなわない演出担当がお気の毒すぎます。
そういうのがないから “連ドラ” として、何もつながって見えないのです。
なんか、舞台が変わる度に別のドラマになるのは、迷作『舞いあがれ!』みたいですね。
『おむすび』を召し上がった後の ≪お口直し≫ に下記の感想をおすすめ!
朝ドラ「カーネーション」全151回分の感想リンク
朝ドラ「カムカムエヴリバディ」全112回分の感想リンク
★すべての読者様に愛と感謝の “ありがっとう!!”
★本家の記事のURL → https://director.blog.shinobi.jp/Entry/19285/
※上記のスタッフ表の続き
主人公のモデルの1人:松丸奨
※1983年千葉県生まれの栄養教諭・管理栄養士
(過去作/「Chef~三ッ星の給食~」給食監修指導)
※人物像作成のための取材を受けた複数名の1人であると判明(2024/10/9)
ネタ元:松丸奨@men's管理栄養士 [@matsumarurecipe] (2024年9月30日)
タイトルロゴ制作:大島慶一郎(Keiichiro Oshima )
タイトル映像:田向潤(過去作/きゃりーぱみゅぱみゅ,くるり,緑黄色社会MV)
イラスト:サンレモ(ILLUSTRATOR サンレモ )
振付:TAKAHIRO(欅坂46,日向坂46,櫻坂46,ゆず,SEKAI NO OWARI,藤井風)
栄養学考証:中村丁次(神奈川県立保健福祉大学教員)
福岡ことは指導:坪内陽子(元MRT宮崎放送アナウンサー)
栃木ことは指:猪瀬光博(栃木県出身の俳優)
神戸ことは指導:辻葉子(兵庫県出身の俳優)
ギャルことば指導:Rumi(美容・ギャル評論家,今作パラパラ指導)
医事指導:矢木崇善(過去作/スカーレット,舞いあがれ!,ブギウギ,)
料理指導:広里貴子(過去作/ごちそうさん,まんぷく,カムカムエブリバディ,舞いあがれ!,ブギウギ)
書道指導:津吾井香奈(「書道パフォーマンス甲子園」指導など)
農業指導:德安出雲
理容指導:宮城丈二(兵庫県理容組合理事長)
警察指導:板東正敏子(過去作/まんぷく,スカーレット,おちょやん,ブギウギ)
美術:西村薫(過去作/トクサツガガガ,ハムラアキラ,舞いあがれ!)
技術・増田徹
音響効果:林恵太郎
助監督:藤玲衣,影浦安希子,山田陽介,畑本健太
小峰陸矢,亀井優成,長澤康貴,佐伯木乃実
竹原朋加,林祐香,増田愛海,野曽原明香,福崎功真
スケジューラー:南野彩子(NHK BSドラマ「パーセント」プロデューサー)
リサーチ:有川奈々絵(NPO法人 かごしまフィルムオフィス)
撮影:竹内北斗(過去作/ブギウギ)
源拓哉(過去作/カムカムエブリバディ)
照明:岡元昌弘(過去作/軍師官兵衛)
橋村祐哉(過去作/べっぴんさんSP「恋する百貨店」)
音声: 渡辺暁雄
映像技術:山下健
カラーグレーティング:中井高人
VFX :佐久間正泰
美術進行:鴫原広起
装置:内田健
裝飾:野崎次郎
衣装:早藤博
メイク:西口富美子
制作:原田潔,岡本剛毅,中津琢,扇谷愛理,杉山遥人,高田寛之
プロデューサー:菅原弘(過去作/天国にいちばん近い島,二代目はクリスチャン,ぼくらの七日間戦争)
※敬称略
【これまでの感想】
第1週『おむすびとギャル』
1 2 3 4 5土
拍手コメント返信(2024/10/2):「おむすび」(第3回) ※“ギャル文化”には、圧倒的な“ポジティブパワー”がある
拍手コメント返信(2024/10/3):「おむすび」(第4回) ※「虎に翼」の総括、「おむすび」結のモデルと脚本家について深掘り解説します(更新)
朝ドラ「おむすび」未だに“姉と妹の子ども時代の初期物語”がないのは…ある事情で追って“伝説のギャルのスピンオフ”をやるから!?
第2週『ギャルって何なん?』
6 7 8 9 10 土
第3週『夢って何なん?』
11 12 13 14 15 土
第4週『うちとお姉ちゃん』
16 17 18 19 20 土
朝ドラ「おむすび」:提灯記事に加え,ついに注意喚起までやる必死さ!でも,その前にやることがあると思う
第5週『あの日のこと』
21 22 23 24 25 土
NHK連続テレビ小説「おむすび」:朝ドラが“リアルな大災害”を扱うたびに思うこと
第6週『うち、ギャル、やめるけん』
26 27 28 29 30 土
第7週『おむすび、恋をする』
31 32 33 34 35 土
第8週『さよなら糸島 ただいま神戸』
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