ネット調査と古い政治手法は意外に相性が良い

所謂ネット世論調査というのは、一見「“マスゴミ”が伝えない真の市民の声」と思われやすい傾向があるようだ。「ネットは独立した個人の意見が反映される」という無根拠な、脊髄反射的な思い込みがあるからだろう。けれど、実体は全く逆でネットほど組織力でいくらでも世論操作可能な媒体もない。特に今回の民主党代表選マスコミ各社の統計学に基づいた世論調査とそうでないネット調査との真逆の乖離は露骨なまでにそのことが示されている。
【民主党代表選】わき起こる「小沢コール」に冷ややかな視線も(産経)

午後3時の開始前には会場から離れた歩道橋の上まで聴衆があふれた。異様な熱気の中、選挙カーの上にスーツ姿の小沢氏と白いワイシャツ姿の菅氏が登場すると、選挙カー前で小沢コールがわき起こった。

テレビで見ていると、これは正確さを欠いていて、実は小沢一郎、菅直人が登場する前から選挙カーの周りの“特等席”を占拠した小沢ガールズならぬ小沢コールズが既に大合唱を始めていた。前日の新宿でも小沢コールが鳴り響いていたので、新幹線で移動した2連投の小沢コールズもいたのだろう。

しかし別の男性は、繰り返される小沢コールに「きっと支持者に動員をかけたんでしょう」としらけた表情だった。

動員をかけたというのは小沢グループ関係者も認めているらしいし、認めなくても普通のA級市民ならすぐ分かることなので、「きっと」ではなく、間違いなく動員されている。
A級市民的に考えれば、こんなことしたら却ってイメージを悪くするだけと思うのだけれど、しかし、いかんせん、選挙は数の論理だからA級市民よりB級市民の方が圧倒的に多いのも現実で、それなりに効果があるのも事実だろう。
こうした現実を目の当たりにすると、なぜネット世論調査とマスコミ世論調査が真逆に反対の結果を示しているのかも一目瞭然だろう。

ネットリサーチ ライブドア公式【民主代表選】立候補決意表明、どちらを支持?では、今のところ、小沢氏6割支持のようだ。ネット調査では「答えない」「分からない」という選択肢がない。そういう人はそもそもサイトにアクセスしないだろう。それに投票総数も分からない。投票すると「投票済」となるが、2台PCがあれば2度、携帯でも投票可能みたいだから、事実上1人何票でも投票できるので、ネット工作員に動員をかければいくらでも操作できる。そもそも、これは「ネットリサーチ」なので、本当の世論調査ではないのだけれど。
民主党代表選、「首相は菅氏」60%以上 各紙調査(AFP)

6日付読売新聞(Yomiuri Shimbun)によると、民主党代表に菅氏がふさわしいとの回答は66%。これに対し、小沢氏がふさわしいとの回答は18%にすぎなかった。
同日の朝日新聞(Asahi Shimbun)でも、菅氏が首相としてふさわしいとの回答が65%で、小沢氏の17%を上回っている。

最新のテレビ朝日「【代表選】世論調査は菅氏64%、小沢氏17%」で、

また、菅内閣の支持率は53.5%で、先月の調査に比べて11.5ポイント上昇しました。政党支持率では民主党が41.6%と、先月の調査より8.6ポイント上昇し、3カ月ぶりに4割を回復しました。

と、菅内閣の内閣支持率も50%を超えて急回復している。小沢グループの尽力も今のところ裏目に出ているようだけれど、仮に支持率50%以上の内閣を小沢氏が引き摺り下ろしたら、それはそれで面白いことになりそう。小沢内閣支持率いきなり20%以下で、発足時点で死に体内閣と呼ばれる可能性すらある。
ことわざに「ひいきの引き倒し」というのがあるが、小沢コールズも度が過ぎるとそうなりそうな気配だ。
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