スポーツつれづれ観戦日記
野球、アメリカンフットボール、サッカー・・・・・実際に見て感動したことを中心に綴ってゆきます。
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 前回(→)の続き。

 さてリッチモンドからサンフランシスコに戻って野球を見よう、BARTの駅までバスで行こうとして、駐車場の方に行ったのだが、バス停がない。
 バス停がないってことはないだろうと、しばらくうろうろしたが分からず。仕方なくインフォメーションの人に尋ねる。教わったとおりに歩くと、何だか裏口というか、荷物搬入口のようなところから外に出た。

 あったあった、バス停。何だかあまりきれいな感じじゃないなあ。
 人もほとんど並んでいない。
 コーラの自動販売機があったのでコインを入れたが、何も出てこない。
 壊れている。
 20分くらい待って、バスが来た。
 AS Transit という会社のバス。ずいぶんくたびれた感じの車体。
 運転手さんに「バートの駅に行きますか」と聞くと、「バートのどこの駅よ」と言われたので「リッチモンド」と言うと「行かないよ」。いったん引き下がり、「El Cerrito (リッチモンドより1つサンフランシスコ寄りの駅)には行くでしょ。」「行くよ。」ということで乗った。

 運転手さんは黒人。
 乗っているお客さんも、みんなラフな服装の黒人。
 そこで、やっと気がついた。

 一般的な人がこのモールに来る場合は、みんな自家用車で来るのだ。
 バスで来るのは、いわゆる貧しい人たちだけ。
 私のように大きな袋を持っている人は、ほとんどいなかった。ということは、買い物に来たというより、働きに来たのだろうか。よく分からないが…。
 複雑な気持ちだった。

 ひとまず、バスは無事にバートの駅に着いた。
 駅のあたりでは、白人もそれなりに見かけた。

 後日、帰国する際に旅行社の人と話したときにも、「まあ!よくあんなところに行ったわね。」という反応だった。
 リッチモンドというのは、そういうところだったようだ。


 さて、話は急に変わるが、先日「コーチ・カーター」という映画を見に行った。

 荒れた高校の弱小バスケットボール部に、ケン・カーターというOBがコーチとしてやってくる。基礎を徹底的に鍛え、戦術を教え、チームは州のトップチームの1つになる。しかし選手の中に、授業をさぼって赤点を取った生徒がいた。カーターはこれに怒り、秋のリーグ戦を出場辞退する。
 父兄たちや市民は「バスケだけの子供たちからバスケをなぜ奪う?」と怒り、マスコミを巻き込んだ大騒動に発展する。

 しかしカーターは動じない。バスケットより大切なのは勉強だ、と説く。
「統計的に言って、この町では、黒人の3人に1人は、犯罪を犯して監獄に行くのだ。選手たちの将来に待っているのはこういう現実だ。それを打ち破るためには、勉強して大学に入るしかない。」

 この映画は実話を元にしている。
 そしてそのモデルになったリッチモンド高校というのは、どうやら私が訪れたリッチモンドにあるの高校のようだ。(ホームページはこちら→
 リッチモンドという町は全米にたくさんあるのだが、映画の舞台はカリフォルニア州だったよな…
 それが分かったとたん、映画の風景が、急にリアリティを持って迫ってきた。
 そして、コーチ・カーターが自分の存在すべてを賭けて訴えたかったことも。


 映画「コーチ・カーター」:新宿での上映は9月16日まで。

 こちらは、ケン・カーター本人のホームページ。→
 その後、違うチームのコーチになったようですが。


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