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短編小説の検索結果1 - 40 件 / 104件

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短編小説に関するエントリは104件あります。 小説、 本、 読書 などが関連タグです。 人気エントリには 『衝撃の結末! 一瞬で世界が反転する、天才作家たちのどんでん返し短編小説20選。 - Something Orange』などがあります。
  • 衝撃の結末! 一瞬で世界が反転する、天才作家たちのどんでん返し短編小説20選。 - Something Orange

    ボタンをクリックするとこのブログを購読できます。よろしくお願いします。 ●はじめに――ちょっと地球をひっくり返してみませんか? ①法月綸太郎「カニバリズム小論」 ・同じ作家のオススメ短編集 ②麻耶雄嵩「遠くで瑠璃鳥の鳴く声が聞こえる」 ・同じ作家のオススメ短編集 ③乙一「華歌」 ・同じ作家のオススメ短編集 ④綾辻行人「どんどん橋、落ちた」 ・同じ作家のオススメ短編集 ⑤連城三紀彦「親愛なるエスくんへ」 ・同じ作家のオススメ短編集 ⑥川島誠「電話がなっている」 ・同じ作家のオススメ短編集 ⑦森博嗣「卒業文集」 ・同じ作家のオススメ短編集 ⑧山本周五郎「なんの花か薫る」 ・同じ作家のオススメ短編集 ⑨栗本薫「コギト」 ・同じ作家のオススメ短編集 ⑩鮎川哲也「達也が嗤う」 ・同じ作家のオススメ短編集 ⑪ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア「男たちの知らない女」 ・同じ作家のオススメ短編集 ⑫シオド

      衝撃の結末! 一瞬で世界が反転する、天才作家たちのどんでん返し短編小説20選。 - Something Orange
    • ファミレスに滞在している客と、信じがたい量の“雑談”を繰り広げる『ファミレスを享受せよ』は上質な短編小説のような良作アドベンチャーゲームだった

      「なあ君、ファミレスを享受せよ。 月は満ちに満ちているし ドリンクバーだってあるんだ。」 これは、今回ご紹介するアドベンチャーゲーム、『ファミレスを享受せよ』のストアページに記載されている説明文です。 その独特な説明文にも目を引かれますが、本作の概要を聞いた時に何よりも気になったのが、『ファミレスを享受せよ』というタイトル。これは、私のこれまでのそれなりの長さの人生の中で初めて聞く、違和感の強い日本語です。 私が感じ取った、「ファミレスを享受せよ」という文章の中にある違和感は、ファミレスという軽い言葉と、それに相反する堅苦しさを持つ享受という言葉の組み合わせによって生み出されたものであり、その文末に “せよ” という命令形が連なることで、この違和感が更に増幅されているように思います。 ただ、一口に違和感と言っても、「ファミレスを享受せよ」が持つ違和感は不快感に由来するものではなく、ある種の

        ファミレスに滞在している客と、信じがたい量の“雑談”を繰り広げる『ファミレスを享受せよ』は上質な短編小説のような良作アドベンチャーゲームだった
      • スゴ本の中の人 on Twitter: "グレッグ・イーガンが『君の名は。』を観たみたい。感想→「私の短編小説『貸金庫』からインスピレーションを得たようです(プロットは全然違いますが)。甘い感じですが、全体的にはかなり良くて、ヴィジュアルは素敵でした」 https://t.co/Qv4BBRWB7b"

        グレッグ・イーガンが『君の名は。』を観たみたい。感想→「私の短編小説『貸金庫』からインスピレーションを得たようです(プロットは全然違いますが)。甘い感じですが、全体的にはかなり良くて、ヴィジュアルは素敵でした」 https://t.co/Qv4BBRWB7b

          スゴ本の中の人 on Twitter: "グレッグ・イーガンが『君の名は。』を観たみたい。感想→「私の短編小説『貸金庫』からインスピレーションを得たようです(プロットは全然違いますが)。甘い感じですが、全体的にはかなり良くて、ヴィジュアルは素敵でした」 https://t.co/Qv4BBRWB7b"
        • 自身が見た高校のイジメをそのまま描写した短編小説が作家に「高校生にしては幼稚過ぎる」と講評された時は「上澄み~~」と声に出たが今では納得しかない話…リアルとリアリティは違う好例

          蛙田アメコ(作家) @amecokaeruda リアリティといえば、自分の通ってた高校のイジメをほぼそのまま描写して短編小説賞に送ったら、最終選考の選評で超人気作家さんに『高校生にしては幼稚すぎる、小学生じゃないんだから』って講評いただいたの、読んだ瞬間に「う、上澄み〜〜〜〜〜!!」って声出た。

            自身が見た高校のイジメをそのまま描写した短編小説が作家に「高校生にしては幼稚過ぎる」と講評された時は「上澄み~~」と声に出たが今では納得しかない話…リアルとリアリティは違う好例
          • みんなのおすすめ!嫌な気持ちになる短編小説15選 | オモコロブロス!

            ネガティブなテーマなのに、どういうわけかどちらの記事も大好評! 嫌な気持ちを求めている人がこんなにいるとは驚かされました。 そこで今回は映画、漫画に続いて『嫌な気持ちになる短編小説』をご紹介します。 情報源となるのは「こんなのない?」にみんなで答えるQ&Aサイト「コロモー」に投稿されていたこちらの質問! 短編で嫌な気持ちになったり奇妙な終わり方をする小説をアゲて (質問者:こんにちはさん) ここで紹介された中から15作品を紹介します! それではどうぞ! 赤/リチャード・クリスチャン・マシスン 厭な物語に収録されている4頁の短編です。 道に落ちている「なにか」を拾いながら歩く男性。まるで白昼夢から現実に引き戻されるような演出は圧巻です。この短編集に載っている話はどれも嫌な気持ちになってオススメです。是非。 かしこさん

              みんなのおすすめ!嫌な気持ちになる短編小説15選 | オモコロブロス!
            • [急募]はてな受けしそうな短編小説のお題

              くれ 書くから

                [急募]はてな受けしそうな短編小説のお題
              • Solispia Winter Short-storiesに公募しました!入選できるようにがんばります!#超短編小説祭#ソリスピア - 上級国民に憧れる下級国民の会

                今回はちょっとした発表を。 solispia.com ソリスピアの短編限定文学賞に公募させていただきました!これで会長もついに公募勢の仲間入りですよ!応募したのはこちらの作品です。読んでいただけると、無くしていた100円玉が見つかるくらい嬉しいです! 会長はどんぐりやネコじゃらしを主食にしなければならないほど、明日の生活費にすら困っているので、ここで賞金3000円ゲットして大儲けですぞぉぉ! この3000円さえあれば、米が買えるんですよ!米ですよ米! 世の中、米です!名声は食えないけど、米は食えるからな! 米とえば、ネコじゃらしやノビエみたいななんちゃって穀物とは違う本物の人間の食べ物ですよ! いやーもうどんぐりやネコじゃらしは食べ飽きましたからね「Solispia Winter Short-stories」にさえ入賞すれば、ようやく米にありつけるという訳です!人間らしい生活やったりますよ

                  Solispia Winter Short-storiesに公募しました!入選できるようにがんばります!#超短編小説祭#ソリスピア - 上級国民に憧れる下級国民の会
                • 遠藤周作の記録が残されていなかった短編小説 見つかる | NHKニュース

                  「沈黙」などの作品で知られる作家、遠藤周作が、デビュー後まもない時期に発表したものの記録が残されていなかった短編小説が、遠藤周作文学館などの調査で見つかりました。専門家は「後の作品に影響を与えた貴重な作品だ」と話しています。 見つかった作品は「稔と仔犬」というタイトルで、著作目録などには記録がなく、これまで研究者の間でも存在が知られていませんでした。 長崎市にある遠藤周作文学館に親族から寄託された3万点以上の資料の中に切り抜き11枚が残されているのが去年見つかり、文学館や研究者、それに出版社の河出書房新社などのチームが詳しい調査を進めていました。 その結果、この作品は遠藤周作が初めての小説を発表した次の年となる1955年からおよそ1年間、キリスト教系の団体の機関紙に連載されたものと分かり、切り抜きが残っていなかった2回分も含めて、13回分すべてを見つけ出すことができたということです。 作品

                    遠藤周作の記録が残されていなかった短編小説 見つかる | NHKニュース
                  • 「友人が数学者をやっている。…昨日、彼の結婚式に出席した。」から始まる短編小説のようなエピソードが素敵過ぎる件

                    佐伯 佳祐 @noeasywalk 友人が数学者をやっている。30歳にして旧帝大の教員。たぶん、いや間違いなく凄いことだろう。昨日、彼の結婚式に出席した。乾杯挨拶が東大数学科教授。「彼は博士課程の時、部分的にさえ明らかになっていなかった分野の未解決問題を解きました。世界が驚きました。」衝撃的な乾杯挨拶だった。 佐伯 佳祐 @noeasywalk 僕と彼との出会いは、小学校1年。「帰りの会」というSHRみたいな時間。先生にお願いして、僕と彼ともう一人で、「金曜劇場」と銘打ったコントみたいなものを毎週披露していた。アホな小学生だったが、楽しかった。「転校してもらう」と父に言われたのは、三年生のときだった。 佐伯 佳祐 @noeasywalk 彼と離れて6年間、携帯も持てなかった頃。もう会うことはないだろうと思っていたが、中3の12月、受験のために土壇場で駆け込んだ塾の教室に、彼がいた。あまりに

                      「友人が数学者をやっている。…昨日、彼の結婚式に出席した。」から始まる短編小説のようなエピソードが素敵過ぎる件
                    • 伊坂幸太郎が薦める極上の短編小説19選『小説の惑星』

                      いまの時代、面白いアニメやゲーム、映画が沢山ある。しかも、Amazonやネトフリで、居ながらにして楽しめる。じゃぁ、どうして小説を読むの? その答えが、この2冊だ。小説の面白さを語るより、まずはこれを読んで欲しい。これを読んでダメなら仕方がない……という最強ばかりを集めたという。 名前は知っている作家だけど、未読が多かったので、たいへん楽しめた。 嫌悪感を抱きつつ、こいつ酷い目に遭えばいいのに……と思ってたらナナメ上の展開で吹き出してしまったり、まんま『はたらく細胞BLACK』やんけと思ったら、こっちが本家なことに気づいたり、ダブルプロットにしては変な構成だなぁと不思議だったのが、全てがカチっと噛み合う怖ろしいほど美しいラストに化けたりと、読む悦びに浸りまくった。 本書が良いのは、理由が書いてあるところ。数ある中から、なぜその作品なのか、どんな思い入れがあるのかが、あとがきにまとめられてお

                        伊坂幸太郎が薦める極上の短編小説19選『小説の惑星』
                      • 三角瓜の実る郷 (創作短編小説) 6/6(最終回です) - 森の奥へ

                        連載6回目、最終回です。 小説連載ですので、途中からご訪問くださった方は、よろしければ下のリンク(第1回)からお願いします(^_^) www.keystoneforest.net * 「──夢はいつもそこで終わります」 店内はすっかり静寂に包まれていた。マイルス・デービスはもうとうに演奏を終え楽屋に戻っている。 「その『瓜』はどうなっちゃったんだい」 「さあ……、たぶん、ここに入ることになったのでしょうね」 私は『瓜』を耳元に寄せて静かに振ってみた。カラカラと小さな欠片が転がる音がする。 「村は常に死と隣り合わせにありましたから……」 「じゃあさ、母親を喜ばせてやりたいっていう『瓜』の願いは、結局叶えられなかったってことか」 「そういうことになりますか……」 でも、本当は違う。『瓜』の想いはまだ消えてはいない。もっと立派な三角瓜を育てたい。母に喜んでもらいたい。その無垢なほどの『瓜』の想い

                          三角瓜の実る郷 (創作短編小説) 6/6(最終回です) - 森の奥へ
                        • 鳩たちの夜 (創作短編小説) - 森の奥へ

                          創作小説です。 かなり前に書いた作品です。実は、あと何作か以前に書いたものがあります。ほとんどが十数年前に書いたものです。当時参加していた小説同人誌に掲載するために書いたものです。 読み返して手直しをして、これからぼちぼちアップしていこうと思っています。自分が書きたかったのはやっぱり小説だったんだなって、不出来な俳句を詠んでいるうちに気付きました。でも、だからといって、小説だったら俳句より出来が良いかというと、決してそういう訳ではありません。書いていて楽しいのが俳句よりも小説だったということです。 自分が楽しいからっていうだけじゃなくて、読んで楽しんでもらえたら、さらに嬉しいです。 ちょっとだけ長いです。文字数は4500字ほど、約9分で読めます。 *** * *** 鳩たちの夜    by 摩耶摩山猫 一人住まいの部屋に帰る。郵便受けを確かめる。入っているのはピザのチラシとダイレクトメール

                            鳩たちの夜 (創作短編小説) - 森の奥へ
                          • 三角瓜の実る郷 (創作短編小説) 1/6 - 森の奥へ

                            『森の奥へ』へお越しいただきありがとうございます。 いつもは、山猫🐾のつぶやきあれこれを掲載していますが、今回は小説創作です。 今回の創作短編小説『三角瓜の実る郷』は原稿用紙換算で55枚くらいになります。1記事あたりの分量としては多いと思いますので、区切りが良いよさそうなところで分けて、6回連載という形で掲載させていただきます。分割することで読みづらくなる面もあるかと思いますが、どうぞよろしくお願いいたします。 ***** 毎年の事ながら、新年会のシーズンが終わると途端に客足が遠のく。そのうえウイークデイの今夜は、店を開けてからまだ二組しか客が入っていない。二十二時を過ぎたのが合図のように、その二組目の客も帰り支度を始めた。 「マスター、ごちそうさま。いくらですか」 仕事帰りらしい三十くらいのサラリーマンと職場恋愛中の後輩OLといった感じのカップルだった。二人の会話が耳に入らないように、

                              三角瓜の実る郷 (創作短編小説) 1/6 - 森の奥へ
                            • 【懐かしい歌No.78 絵描きが女優に恋をした。短編小説のようなストーリーソング】「百万本のバラ」加藤登紀子(1987) - さえわたる 音楽・エンタメ日記

                              東京大学在学中の1965年に、アマチュアシャンソンコンクールに出場して優勝。 1966年に「誰も誰も知らない」でデビュー。 (文字通り、私もその曲は知りません) 「お登紀さん」の愛称とともに彼女の存在が世に知られるようになったのは、1969年の「ひとり寝の子守唄」のヒットあたりから。 翌1970年には、森繫久彌作詞・作曲による「知床旅情」が大ヒットします。 彼女自身の作詞・作曲によるシングルも、数多く発表されています。 また、「愛のくらし」「灰色の瞳」「リリー・マルレーン」など、海外のメロディーに日本語の訳詞を付けて歌う歌手としても有名です。 中森明菜の名曲「難破船」の作詞・作曲者でもあります。 「百万本のバラ」 動画の冒頭クレジットにも出ているように、もともとは元ソ連・ラトビアの歌謡曲だったものに彼女自身が日本語の歌詞をつけた、1986年に発売のアルバム収録曲のひとつでした。 しかしこの

                                【懐かしい歌No.78 絵描きが女優に恋をした。短編小説のようなストーリーソング】「百万本のバラ」加藤登紀子(1987) - さえわたる 音楽・エンタメ日記
                              • 三角瓜の実る郷 (創作短編小説) 3/6 - 森の奥へ

                                連載3回目です。 小説連載ですので、途中からご訪問くださった方は、よろしければ下のリンク(第1回)からお願いします(^_^) www.keystoneforest.net * 客の男は煙草は吸わないらしい。口寂しそうに爪を噛んでいる。私はナッツをいくつか小皿に盛って男の前に置いてやった。 「じゃ、本当は瓜じゃないかもしれないんだ」 「いえ……。村では確かにそれを三角瓜と呼んでいました」 「村の人? その谷に誰かいたのかい」 「いましたよ。ですがそれはきっと、ずっとずっと以前のことだったと思いますが」 その先はしばらく記憶が途切れています。前夜から食事をとっていないのと、睡眠が足らないのと、そしてあの草いきれと、遮るものなく照りつける陽光のせいとで、……貧血? そうでしょうね、貧血を起こしたのでしょう、きっと。 耳元でしきりに音がしていました。ザワザワと、誰かが囁く声のように聞こえました。遠

                                  三角瓜の実る郷 (創作短編小説) 3/6 - 森の奥へ
                                • 三角瓜の実る郷 (創作短編小説) 4/6 - 森の奥へ

                                  連載4回目です。 小説連載ですので、途中からご訪問くださった方は、よろしければ下のリンク(第1回)からお願いします(^_^) www.keystoneforest.net * 囁くような小さな音が聞こえます。白い靄のようなものが辺りに立ち込めています。その中に私の身体は浮かんでいます。……フロイトですか? 性的な不満からだっておっしゃりたいのでしょう? いえいえ、そういう話は、ご勘弁ください……。 私はそこでもまだ息苦しさを感じています。力一杯息を吸い込んでも、肺はほんのわずかしか膨らんでくれないようです。胸に手を当てます。そこにはぽっかりと大きな穴が空いていました。こんなはずがない。今、私は夢を見ている、そう自覚します。その一方で、息苦しいのは空気が薄いせいだ。高く飛びすぎたらしい。高度を下げなければ、と焦ってもいます。 ふと見ると、『瓜』が傍にいて、私の手を引いてくれています。そのまま

                                    三角瓜の実る郷 (創作短編小説) 4/6 - 森の奥へ
                                  • 我が家の独立宣言 (創作短編小説) - 森の奥へ

                                    我が家の独立宣言 by 摩耶摩山猫 始まりは浴室だった。 ある日、我が家の浴室はわたしからの独立を宣言したのだ。ある蒸し暑い夏の夕方のことだった。 仕事から帰宅すると、寝室とリビングダイニングのエアコンをONにして、全部の部屋が冷えるのを待ちながら冷蔵庫でキンキンに冷やしておいた麦茶を一杯飲む。全部の部屋と言っても、1LDKの我が家なので、エアコンがあるのはその2部屋だけだ。麦茶を飲み干すと、寝室のキャビネットから取ってきた着替えの下着とTシャツ、短パンを持ってシャワーを浴びに浴室に行く。ここまでがいつものわたしのルーティーン。その日は、そこから先がいつもと違った。ドアに張り紙があったのだ。 「当浴室は本日、貴方からの独立を宣言いたします」 けっこう達筆な字だ。と言うか、わたしより上手い。いや、そんなことどうでもいい。なんのことか意味が分からなかった。 身体中不快な汗にまみれているわたしは

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                                    • 走れ!エロス!【短編小説】 - コピの部屋

                                      コピは激怒した。 あの町は、終わっている。 妹の結婚祝いを『ドン・キフォーテきゃぶき町店』で買おうと思ったのに。 新しくこのエリアの王様になったコロナのせいだ。 新コロナ王は、手下のホスト一家を使い、ウイルスをまき散らす。 ウイルスに命を奪われる者まで現れた。 「妹のためのLEDシーリングライトが買い難いじゃないか!」 コピはマスクを装着し、勇気を出して、きゃぶき町へ向かった。 JR新宿駅で降りると靖国通りを渡らないといけないので、西武新宿駅を利用することにした。 ちなみに、JR新宿駅の西口と東口、行き来がしやすくなったらしい。 ただの余談だ。 コピは、シーリングライトを買った後、ついでに新コロナ王の城へ向かった。 コロナ城は、城と言われればまぁ城だが、腕を組み歩く或る男女が、利用する部屋を光るパネルの中から選ぶホテルに酷似していた。 コピの手には酒造メーカーの高濃度アルコール。 新コロナ

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                                      • 三角瓜の実る郷 (創作短編小説) 2/6 - 森の奥へ

                                        連載2回目です。 小説連載ですので、途中からご訪問くださった方は、よろしければ下のリンク(第1回)からお願いします。 www.keystoneforest.net * 私は山歩きが趣味でして、お盆休みを利用して毎年あちらこちらの山へ登るのを楽しみにしています。いえ、登山といえるほどのものではありません。せいぜいお決まりの観光コースを歩いてくるくらいです。そうですね、たいていは一人で出かけます。 十年以上前だったと思います。ある年の夏のことです。私は山を下る途中で不意にコースを外れてみたくなりました。山頂で一緒になった賑やかな中年グループに混ざって歩くのがたまらなく嫌に感じられたからでした。 何度か登った山でしたから、だいたいの地形は頭にはいっていました。決して無謀なことをしたつもりはありません。でしたが……、迷ってしまいました。 まずはとにかく沢を探して、それを伝って下ることにしました。そ

                                          三角瓜の実る郷 (創作短編小説) 2/6 - 森の奥へ
                                        • 武田綾乃/è‘— オリジナル短編小説「きみと雨上がりを」

                                          一 門を出た途端、吹き抜ける風が柔らかに色鮮やかな草花を揺らした。頬へぶつかる風に混じる、乾いた土と草木のみずみずしい香り。 膝丈ほどの高さに伸びた草の隙間からは、丸みを帯びた形をしたピンク色の生き物が動き回っているのが見える。〈わたくさポケモン〉のハネッコだ。その近くには〈わたげポケモン〉のメリープの姿もあった。ふかふかの体毛に草のかけらが絡まっている。 ポケットモンスター、縮めてポケモン。この不思議な生き物は、人間と同じように昔からこの地に棲すみ、生きている。 伸び伸びと過ごす野生のポケモンを見ていると、ネモは自身の心臓が強く高鳴るのを感じた。冒険の予感に胸が躍る。モンスターボールのなかではきっと、仲間のポケモンたちもその目を輝かせていることだろう。 ポニーテールにした黒髪を結び直し、ネモは記念すべき一歩を踏み出す。 天気は快晴。旅立ちにふさわしい青空が、その頭上に広がっていた。 ネモ

                                            武田綾乃/著 オリジナル短編小説「きみと雨上がりを」
                                          • 川上未映子さん寄稿 日本語原文未公表の短編小説「恥」:朝日新聞デジタル

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                                              川上未映子さん寄稿 日本語原文未公表の短編小説「恥」:朝日新聞デジタル
                                            • 【読切短編小説 あとがき】あじさいの、すべりこみ - ジローの部屋

                                              今回は、 surrealsight.hatenablog.com のあとがき、ということで。 かなり久々にも関わらず、たくさんの方にお立ち寄りいただきました。 また、記事としてはかなり長文となったものを最後まで目を通して下さり、 本当にありがとうございました。 さて、あとがき。 では、どうぞ。 1 きっかけ 今回の短編は、りょうさん (id:ryousankunchan)の ryousankunchan.hatenablog.com にお邪魔したときに、何か書けるかなと思ったところがきっかけ。 最近は立て込みすぎてて、書き出しては何本かが停まってしまっているものがありました。 筆者の場合はわりと集中的にやらないとその時のイメージがまた変わってしまい、難しくなるのです。 2 構成 今回は「たなばたさま」という曲がメイン。 youtu.be この曲のシンプルなメロディが、りょうさんのアレンジで

                                                【読切短編小説 あとがき】あじさいの、すべりこみ - ジローの部屋
                                              • 【短編小説 神様が仕掛けた、忘れ物③】つながる、時間 - ジローの部屋

                                                ご訪問ありがとうございます。 いつもたくさんの星、ブクマやコメント、本当にありがとうございます! 今回も、短編小説の続きを。 これまでの1話、2話を未読の方はこちらのリンクからどうぞ。 surrealsight.hatenablog.com surrealsight.hatenablog.com さて、『神様が仕掛けた、忘れ物』と題打った6000字制限の短編小説。 では、最終話を、どうぞ。 正太郎は、高校でまたサッカー部に入部した。夕方までグラウンドを駆け回り、部活が終わるとひたすら自転車をこいで、家までのけっこうな距離を帰る。何日かやってみたが、疲れ切った身体にはこの長距離の自転車通学はけっこうきつい。 その日、正太郎は部活が終わって帰る前に忘れ物に気がついた。そのまま忘れて帰ると宿題が出来ないので、教室に戻ることにした。 教室は昼間の喧騒が嘘のように静まりかえっている。イスを引くだけで

                                                  【短編小説 神様が仕掛けた、忘れ物③】つながる、時間 - ジローの部屋
                                                • 「吸血鬼ドラキュラ」の作者ブラム・ストーカーの長く失われていた短編小説が発見され公開へ

                                                  1897年に出版され、その後の吸血鬼の設定を確立したホラー小説「吸血鬼ドラキュラ」の作者であるブラム・ストーカーが1890年に執筆し、その後100年以上にわたり行方不明となっていた短編小説が、アイルランドのアマチュア歴史家によって発見されました。 gibbet-hill/story.md at main · mmastrac/gibbet-hill · GitHub https://github.com/mmastrac/gibbet-hill/blob/main/story.md Dublin City Council Bram Stoker Festival An Extraordinary Bram Stoker Discovery: Gibbet Hill (Worldwide Exclusive) - Dublin City Council Bram Stoker Festiva

                                                    「吸血鬼ドラキュラ」の作者ブラム・ストーカーの長く失われていた短編小説が発見され公開へ
                                                  • 短編小説を毎日一編ずつ読んでいくという試み (※随時更新) - 世界のねじを巻くブログ

                                                    一カ月間の短篇読書チャレンジ どうも、ねじまき(@nejimakiradio1)です。 新しい月始まりということで、 また懲りずにあらたな挑戦をしてみようかと。 今回のテーマは「毎日1篇ずつ短編小説を読む」ということ。 今年は小説を書きたいなということもあって、 たくさん短篇小説を読むことにした。 ・・・昔からベッドの上に本を何冊か置いて、 寝る前に読んで眠くなったらやめる、という習慣はあるんだけれど、 短編小説を1編必ず読む、という縛りはしたことないので、 ちょっと気合を入れて読んでいこうかなと。 Kindle Unlimitedや古本、図書館で借りた本など、 読むには困らないほど短編小説集は積読しているので、 ・・・あとは読む時間を確保するだけ。 いくら長い短編小説でも15~30分あれば読めるはずなので、 今読んでいる長編本などの進捗を多少犠牲にすれば、 1日1編ならそれほど苦労するこ

                                                      短編小説を毎日一編ずつ読んでいくという試み (※随時更新) - 世界のねじを巻くブログ
                                                    • 不快な存在 (創作短編小説)2/6 - 森の奥へ

                                                      連載2回目です。前回分はこちら👇です。 www.keystoneforest.net 「秋山さん、お伺いしましょう。ゆっくりと最初からお話しください」 とりあえず話を聞くしかないだろう。片岡は覚悟を決めた。「長い話になりますが」と前置きすると、秋山は感情を抑えた口調で静かに話し始めた。 「私はつい先月まで床屋をやっておりました。家内と二人で何とか切り盛りしている程度のほんの小さな店でした。三カ月ほど前のことです。仕事の後片付けの途中で、家内が顔を剃って欲しいと言いまして、剃ってやっていますと、変な臭いがすると言うのです。あちらこちらをくんくん嗅いでみましたが床屋特有の臭いがするばかりで、私には特に変な臭いはしませんでした。臭うのは私の手だと家内は言います。剃刀をあてる時に左手で家内の顔を押えておりましたので、その手が臭ったのだと思います。慌てて手を洗いました。人様の身体を触る仕事ですので

                                                        不快な存在 (創作短編小説)2/6 - 森の奥へ
                                                      • 【短編小説 神様が仕掛けた、忘れ物②】ループする、セリフ - ジローの部屋

                                                        ご訪問ありがとうございます。 いつもたくさんの星、ブクマやコメント、本当にありがとうございます! さて、今回は、短編小説の続きを。 この話は3話ものなので、明日で完結します。 第1話を未読の方はこちらから surrealsight.hatenablog.com では、第2話をどうぞ。 相変わらず早矢香からのメッセージは夜になるとたくさん来る。しかし、ここのところ少し減ってきていた。新しい学校、新しいクラス、新しい友達、新しい部活に慣れていくのにはかなりの体力もいる。 トロンボーンを選択した早矢香はその音色について、熱く語っていた。しかし、文化部に入ったのに筋トレもやるらしく、それがかなり参るらしい。 「もう、やんなっちゃう」 というメッセージは、いつもの感じでため息をつきながら言っている早矢香が目に浮かぶ。 正太郎の中学校生活は、ほとんど知り合いがいない状況から始まった。しかし、同じサッカ

                                                          【短編小説 神様が仕掛けた、忘れ物②】ループする、セリフ - ジローの部屋
                                                        • 三角瓜の実る郷 (創作短編小説) 5/6 - 森の奥へ

                                                          連載5回目です。 小説連載ですので、途中からご訪問くださった方は、よろしければ下のリンク(第1回)からお願いします(^_^) www.keystoneforest.net 『瓜』の家の墓地では、祖父の三角瓜が一際目立っていました。一升瓶の倍近くの高さがあって、他より一回りは大きかったでしょう。滑らかで触り心地のよい表面が見事な焦げ茶色をしていて、光の具合によって時折瑠璃色の輝きが見て取れるほど立派なものでした。一方、父の三角瓜は三十センチくらいしかなくて、色もくすんだ緑でした。 『瓜』は墓掃除の最後に必ず祖父と父の三角瓜を磨くことにしていました。磨くほどに色あいが深みを増していくように思っていたのです。耳元で静かに揺すってみます。小さく乾いた音がしました。何か話しかけてくれるのをいつも『瓜』は期待していました。時々父の声がしたように思い、また代わりに祖父の言葉が聞こえてきたような気にもなり

                                                            三角瓜の実る郷 (創作短編小説) 5/6 - 森の奥へ
                                                          • 不快な存在 (創作短編小説)1/6 - 森の奥へ

                                                            順番待ちの外来患者が、ようやく片手で数えられるほどになっていた。お昼で終了するはずの診察時間はもうすでに二時間は超過している。昼食を昼にとれないのはいつものことだが、その日の片岡にはかなりこたえていた。 要領を得ない老人との面談にも気長に付き合えることで評判の片岡だったが、その日は自分でも驚くほど厳しい口調で患者に接していた。その日の朝、妻の由実子と言い争ったことが片岡から患者を気遣う余裕を奪ってしまっていた。と言っても、言い争いはその日だけのことではなかったけれど。 かなり前から由実子の片岡に対する感情は冷め切っていた。振り返ってみれば、二人が結婚してから三年間、互いを結ぶ感情が愛情だったことなどほとんどなかった。露骨に相手を傷つける言葉を投げあうようになったのは最近になってからだが、結婚当初からすでに感情のすれ違いは随所にあった。三年間別れないできたのは自分の辛抱強さによると片岡は思っ

                                                              不快な存在 (創作短編小説)1/6 - 森の奥へ
                                                            • 【短編小説 神様が仕掛けた、忘れ物①] 離れても大丈夫、なはず - ジローの部屋

                                                              ご訪問ありがとうございます。 いつもたくさんの星、ブクマやコメント、本当にありがとうございます! さて、今回は、筆者としてはかなり久しぶりの短編です。 テーマなどについては、末尾の昨日記事のリンクからご確認を。 今回のお話は3話ものとなります。 では、どうぞ。 小学校の6年間で、5年間同じクラスになった石野早矢香(いしのさやか)は、衣笠正太郎(きぬがさしょうたろう)にとって何でも一番話せる仲だった。 一番話せる仲が異性だというのはおかしいのだろうか。3、4年ぐらいまではそんなこと気にもしていなかったけれど、最近なんだか周りが 「お前ら付き合きあってんのか」 と聞いてくる。どういう関係が「付き合っている」というのか、正太郎にはよくわからない。 早矢香からも何回か「〇○に告白された」という話を聞いた。その度に、「モテるねぇ」と茶化すけれど、そういう話をするときの早矢香は、どこか表情が暗かった。

                                                                【短編小説 神様が仕掛けた、忘れ物①] 離れても大丈夫、なはず - ジローの部屋
                                                              • メタルギア畑でつかまえてーーファントムを描く短編小説「『Metal Gear Solid V: The Phantom Pain』をプレイして」

                                                                メタルギア畑でつかまえてーーファントムを描く短編小説「『Metal Gear Solid V: The Phantom Pain』をプレイして」 『ニューヨーカー』誌の2020年1月6日号に、短編小説「『Metal Gear Solid V: The Phantom Pain』をプレイして(“Playing Metal Gear Solid V: The Phantom Pain”)」が掲載された(オンライン版は2020年9月現在でも閲覧可能)。同作は小島秀夫監督によるメタルギア・シリーズ第8作となるビデオゲーム『Metal Gear Solid V: The Phantom Pain』(以下、『MGSV:TPP』と表記)が発売された2015年から5年後、アフガニスタン系アメリカ人のジャミル・ジャン・コチャイ(Jamil Jan Kochai) が上梓したものだ。以下にそのあらすじをまとめ

                                                                  メタルギア畑でつかまえてーーファントムを描く短編小説「『Metal Gear Solid V: The Phantom Pain』をプレイして」
                                                                • 【短編小説 総集編】福井歳春の杞憂 - ジローの部屋

                                                                  いらっしゃいませ。ご訪問ありがとうございます。 こんにちは、ジローです。 いつもたくさんの星、ブクマやコメント、本当にありがとうございます! おかげさまで、筆者はぼちぼちとこのブログを続けられています。 さて、この記事は短編小説の第三部福井歳春の杞憂編の総集編です。 今年もあと2カ月、第四部の着手を進めていかないと今年中には出来ないかも知れない。 そんな焦りもありつつも、どうしようかな、と。 いくつかのシーンのイメージはあるものの、それをどうつなげて話として立てていくか。 だんだんと書くのに時間がかかってしまっているので、なんとかしたいけど、いざ書いていって、これでいいかと公開ボタンを押すまで、かなりの逡巡がある。 またスケッチブックにネタ集めていかないとな。 surrealsight.hatenablog.com surrealsight.hatenablog.com surrealsi

                                                                    【短編小説 総集編】福井歳春の杞憂 - ジローの部屋
                                                                  • 【短編小説】 福井歳春の杞憂② - ジローの部屋

                                                                    いらっしゃいませ。ご訪問ありがとうございます。 こんにちは、ジローです。 いつもたくさんの星、ブクマやコメント、本当にありがとうございます! おかげさまで、筆者はぼちぼちとこのブログを続けられています。 さて、今回は、始まりました短編小説、6話ものの第2話。 第1話はこちら。 surrealsight.hatenablog.com では、第2話をどうぞ。 妻から連絡があった。 これまで福井の勤務中に電話をかけてくるなんて事は普段は絶対にしてこなかったのに、だ。福井はその時、たまたま駅のロータリーで順番を待っているときだった。 妻は、慌てた様子で 「ちょっとおとうさん、どうしよう、どうしたらいい」 と言ってきた。 電話の向こうから 「痛いやんけ、どうしてくれんねん。ぶつかったやないか。自転車も傷だらけや。どないしてくれんねん」 という声が漏れてきていた。 福井は妻に対して 「自転車とぶつかっ

                                                                      【短編小説】 福井歳春の杞憂② - ジローの部屋
                                                                    • 不快な存在 (創作短編小説)5/6 - 森の奥へ

                                                                      連載5回目です。前回まではこちら👇です。 www.keystoneforest.net www.keystoneforest.net www.keystoneforest.net www.keystoneforest.net 医療の第一の目的は病気や怪我による身体的苦痛を取り除くことにあるはずだ。秋山の左手は医学的には何の異常もみられない。苦痛など存在するはずがない。苦痛は秋山の生み出した幻なのだ。この場合、手首を切断することよりも、それを切断したいと考えている秋山の精神面のケアが最も大切なことなのだ。彼の左手は救われなければならないし、治療を受けるべきは秋山の精神である。でも、果たして本当にそうなのだろうか。片岡は自分の考えに自信が持てなかった。 片岡の脳裏に由実子のことがまた浮かんできた。 由実子を自分の生活から切り捨てることと、秋山が自分の手首を切り捨てることとは似てはいないか?

                                                                        不快な存在 (創作短編小説)5/6 - 森の奥へ
                                                                      • 不快な存在 (創作短編小説)6/6 - 森の奥へ

                                                                        連載6回目、最終回です。前回まではこちら👇です。 www.keystoneforest.net www.keystoneforest.net www.keystoneforest.net www.keystoneforest.net www.keystoneforest.net 秋山はセカンドバッグを片岡の前に置くと、深々と頭を下げた。その中に秋山の全財産が入っているのだろう。バッグの上で左手首が相変わらず不自然な踊りを続けている。もうこれ以上何を話しても無駄だと片岡は悟った。 「Sという医者がY市にいます。お金はかかりますが、きっとあなたのご希望通りの治療をしてくれるはずです」 短い沈黙の後、片岡は秋山の左手首に向かってそう告げた。 診察室から出ていく秋山の後ろ姿に向かって「お大事に」とはさすがに言えなかった。 何事においてもくよくよ考え込んでしまうのが片岡の悪い癖だった。見方を変えれ

                                                                          不快な存在 (創作短編小説)6/6 - 森の奥へ
                                                                        • 【短編小説】 福井歳春の杞憂① - ジローの部屋

                                                                          いらっしゃいませ。ご訪問ありがとうございます。 こんにちは、ジローです。 いつもたくさんの星、ブクマやコメント、本当にありがとうございます! おかげさまで、筆者はぼちぼちとこのブログを続けられています。 さて、今回は、ようやく書き上がった久々の短編です。 このお話は、6話ものとなっています。 1話ずつ、まとめ読み、時間のあるときでも、お好きなペースでお越し下さいませ。 では、第1話をどうぞ。 「だから、やってくれって頼んでるでしょう」 「なんでそれができないんだ」 「警察が見つけてこないと信用してくれないんだろう」 福井歳春は必死に訴えた。 対応する警察官は 「忙しいんだ。あなたの同僚の事故だけ担当しているわけじゃない。今からも出かけないとだめなんだ。さぁ、お引き取り下さい」 と表情すら変えようとしない。 福井は 「それじゃ、あんまりじゃないか。相手が青だと言ったら警察はそれを信じるのか。

                                                                            【短編小説】 福井歳春の杞憂① - ジローの部屋
                                                                          • 【短編小説】 増本優芽の事情④ - ジローの部屋

                                                                            いらっしゃいませ。ご訪問ありがとうございます。 こんにちは、ジローです。 たくさんの星、ブクマやコメント、本当にありがとうございます! さて、今回は、短編小説全4話の、最終話。 これまでのお話はこちら↓ surrealsight.hatenablog.com surrealsight.hatenablog.com surrealsight.hatenablog.com では、最終話をどうぞ。 「良平君が、良平君が今日はまるで、別人だったんですよ!!」 優芽は、これまでと違った担任の勢いに圧倒されている。 担任は 「皆の前でハキハキしゃべるし、自分から発表して元気よく答えていたし、クラスのみんなが本当にびっくりしていて。 良平君に、どうしたのって聞いても、 「昨日ファインプレーやってん」 と言って笑っていて。 こちらも、すごく楽しい1日になったんですよ」 と続けた。 優芽は、わけがわからない

                                                                              【短編小説】 増本優芽の事情④ - ジローの部屋
                                                                            • 【短編小説 神様が仕掛けた、忘れ物】あとがき - ジローの部屋

                                                                              ご訪問ありがとうございます。 いつもたくさんの星、ブクマやコメント、本当にありがとうございます! さて、今回は、短編小説のあとがきを。 surrealsight.hatenablog.com 3話続きましたこの短編小説。 なかなか難しかったのですが、たくさんのコメントや感想をいただきまして、筆者は感無量であります😢 では、構成などの考えなどをサラッと。 きっかけ 仕事が少し一段落したので、そろそろ何かを書き始めようとしていたところでした。雨宮さんの続きを書こうとしていて、少しやり出してきたところで、このコンテストの存在を知りました。 とはいうものの、テーマは若干苦手分野。自分には豊富な経験もありません。まぁ、しかしそこは心情描写の練習だと思ってトライすることに。 字数 3話合計で5800字いかないぐらい。元々は8000ぐらいまで行ってました。そこからかなりけずり倒して、この形に。 モデル

                                                                                【短編小説 神様が仕掛けた、忘れ物】あとがき - ジローの部屋
                                                                              • 【読切短編小説】あじさいの、すべりこみ - ジローの部屋

                                                                                今回は、筆者久々の読み切り短編小説。 タイトルを見て、おっ!?って思われた方。 そうです、久しぶりに、書きましたよ。 途中で切ると、もやっとするかも知れないので、敢えて切らずに1本のお話としてまとめました。 ブロ友、りょうさん (id:ryousankunchan) ryousankunchan.hatenablog.com の記事から生まれた、お話。 では、どうぞ。 車は、夜の街を進んでいく。 あたりはすっかり日が落ちて、ヘッドライトが近づいてきては眩しくなり、眩しくなっては右へ消えていくのを繰り返している。 職場まであと少し。車は出張からの帰りだった。 スピーカーから時報の後にFMのアップテンポなメロディが流れ出した。 『皆さん、こんばんは!フライデー・ジュークボックス!DJの千春でーす。 もうみんな晩御飯終わったかな?まだお仕事してる方もいるかな…』 と軽快なトークが流れ、新たな夜の

                                                                                  【読切短編小説】あじさいの、すべりこみ - ジローの部屋
                                                                                • 【読み切り短編小説】水色の空が、オレンジ色にかわるとき - ジローの部屋

                                                                                  いらっしゃいませ。ご訪問ありがとうございます。 こんにちは、ジローです。 いつもたくさんの星、ブクマやコメント、本当にありがとうございます! おかげさまで、筆者はぼちぼちとこのブログを続けられています。 さて、今回は、これまでとは違った短編を書いてみました。 これまでのお話は、それはそれということで。 このお話は、全く別物の読み切りです。 では、どうぞ。 4月から新しい生活が始まった。 亜紀は、社会人になって3年目。最初の2年の赴任地は終わり、新しい事業所に転勤となった。実家から通っていた最初の事業所は、通勤時間が2時間近くになるため、やむなく一人暮らしを始めることにした。 世話焼きの母親が心配しながら新しい部屋を探し、一度そこに行ってみて駅までが近いのと夜遅くまで開いているスーパーが近いのとで、即決した。 新しい家に住んでみると、いつも話しかけてきた母親がおらず、がらんとした1DK が待

                                                                                    【読み切り短編小説】水色の空が、オレンジ色にかわるとき - ジローの部屋

                                                                                  新着記事