イチゴ栽培の歴史「以前は冬にイチゴを実らせるため、山に持っていく"山上げ"を行っていた」標高差を利用した農業の知恵
クリスマスのイチゴって本当のシーズンは5月。品種改良が進む前は、日光中禅寺湖そばの戦場ヶ原(標高1400m)まで苗を持ち上げて”冬”を経験させ、鹿沼あたりにおろして栽培し、クリスマスに実らせる山上げ栽培をしていた。湿地と火山灰土しかない戦場ヶ原を開拓したのは、満蒙開拓から引き揚げた人々。
2024-12-24 10:39:19土の研究者。将棋アマ5段。新刊『土と生命の46億年史』(ブルーバックスamazon.co.jp/dp/4065378389/)ほか、『大地の五億年』、『土 地球最後のナゾ』など。関西学生王将。fjkazumichi at gmail.com
同じ黒い土でも、満州の肥沃なチェルノーゼムではなく、当時は問題土壌とされた火山灰土・泥炭土。寒冷で、水も乏しい過酷な環境。そこを開拓して生まれたのが栃木のイチゴ。今や品種改良で戦場ヶ原は関係ないけれど、感謝する気持ちを持ってイチゴを味わってくださいませ。メリー・クリスマス!
2024-12-24 10:39:19私の話は、特に知っていてもどうってないことばかりですが、こんな話が面白いと思ってくださる方には新刊もおすすめです。発売は12/26~。価格以上の価値はあると思います。その余剰分は、私からのクリスマスプレゼントです。 amazon.co.jp/dp/4065378389/
2024-12-24 11:22:22栃木県公式による説明
山上げ栽培とは、平地の温暖な場所で出芽したイチゴの苗を、一定期間冷涼な高地に移植した後、再度平地に戻すことで苗の早生を刺激するもの。本来イチゴは初夏の果物で、出荷時期は5月頃でした。
しかし早生種のイチゴを戦場ヶ原に山上げすることでクリスマスシーズンに出荷することが可能となり、日光のイチゴは全国で重宝されるように。つまり日本一を誇る栃木のイチゴは、山上げ栽培の成功があったからこそともいえます。
標高が低くては効果が少なく、高すぎると平地に戻した時の温度差が大きすぎて苗が傷むなど、大変な労力を要する山上げ栽培。現在は夜冷育苗やポット育苗といった技術が開発されたことで、山上げ栽培に取り組む農家の数は減っています。
満洲からの引き揚げ民には六ヶ所村みたいな、人が住むに適さない土地があてがわれたんだよね…… x.com/virtualsoil/st…
2024-12-24 22:00:41@VirtualSoil 国道120号の右側の区画ですね。国道からは隠されていて車で通っても築きません。グーグルアースで可視化され気になって一度訪れたことがあります。いろいろ勉強になる場所です。 胡蝶蘭の山上げにも利用されたと聞きました。 pic.x.com/qzlf90N3AI
2024-12-24 13:00:30クリスマスに食べるイチゴは本来春に実るもの
品種改良と促成栽培の歴史が詰まっている
@VirtualSoil @hayakawa2600 イチゴの旬は12月だ!と言い張っていた友人がいました。「イチゴは春のものだよ」といっても「だってクリスマスの頃に出てるじゃん」と納得しませんでした。小学校教員であり子を持つ父。コロナ以降会っていませんが、変わってなさそう。
2024-12-24 23:26:06子供の頃庭で育てていたイチゴは確かに5月頃に実を付けていた。 近年イチゴの旬は冬というのを聞いて違和感あったんですよね。 x.com/virtualsoil/st…
2024-12-25 08:49:31野生種にも冬に実るイチゴが一応あるから、そういうのから冬に収穫できる品種を作ったのかな?と思ってたけど、やっぱり本来は初夏の果物なのね。納得した。 x.com/VirtualSoil/st…
2024-12-25 00:44:04@VirtualSoil 40年ほど前、山小屋の同僚の実家は神奈川でイチゴ農家だった。暑さに弱いので丹沢の高地に避暑させると言ってた。それからどうするのか聞かなかった。今ほどハウス栽培は盛んでなかったが、暖地とは言え今時分露地で実らせられるのだろうか。
2024-12-24 13:38:16現代の品種でも普通に栽培すれば5月頃に実がなるはず、この時期のイチゴは品種改良ではなく促成栽培のおかげかと x.com/VirtualSoil/st…
2024-12-25 11:47:39石垣いちごで早春に食べられる様にした話は学研の科学で遠い昔に読んだ覚えがあるけれど、戦場ヶ原への山上げという手法は知らなかった。 x.com/virtualsoil/st…
2024-12-24 12:53:54昔は「山あげ」と言ってイチゴの苗を高い山に持っていって、擬似的に冬越えをさせていたんだけど、今は温度管理ができるようになってその必要はなくなったと聞いた。でも聞いただけでも大変そうではあるな。
2024-11-11 03:30:22現代の一期なりイチゴ品種、花芽分化が早すぎる&休眠浅すぎで露地栽培がけっこう難しい、というよりハウス促成栽培ありきの品種改良なんですよね。山あげしなくても(酷暑でなければ)当地でも12月の頭からとれる
2024-05-17 21:45:05花も同じ手法で調整してきた
球根類も同じ山上げをしていたと聞いたことがあります。 x.com/virtualsoil/st…
2024-12-24 12:16:49同様にパンジービオラも戦場ヶ原に山上げして花芽を作らせて年内出荷する技術から普及した。 今は品種改良で平地でも年内出荷が可能に。 おかげで暴落。 価値も下がる結果に。 x.com/virtualsoil/st…
2024-12-25 04:21:51