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連載5回目です。 小説連載ですので、途中からご訪問くださった方は、よろしければ下のリンク(第1回)... 連載5回目です。 小説連載ですので、途中からご訪問くださった方は、よろしければ下のリンク(第1回)からお願いします(^_^) www.keystoneforest.net 『瓜』の家の墓地では、祖父の三角瓜が一際目立っていました。一升瓶の倍近くの高さがあって、他より一回りは大きかったでしょう。滑らかで触り心地のよい表面が見事な焦げ茶色をしていて、光の具合によって時折瑠璃色の輝きが見て取れるほど立派なものでした。一方、父の三角瓜は三十センチくらいしかなくて、色もくすんだ緑でした。 『瓜』は墓掃除の最後に必ず祖父と父の三角瓜を磨くことにしていました。磨くほどに色あいが深みを増していくように思っていたのです。耳元で静かに揺すってみます。小さく乾いた音がしました。何か話しかけてくれるのをいつも『瓜』は期待していました。時々父の声がしたように思い、また代わりに祖父の言葉が聞こえてきたような気にもなり
2021/05/07 リンク