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連載3回目です。 小説連載ですので、途中からご訪問くださった方は、よろしければ下のリンク(第1回)... 連載3回目です。 小説連載ですので、途中からご訪問くださった方は、よろしければ下のリンク(第1回)からお願いします(^_^) www.keystoneforest.net * 客の男は煙草は吸わないらしい。口寂しそうに爪を噛んでいる。私はナッツをいくつか小皿に盛って男の前に置いてやった。 「じゃ、本当は瓜じゃないかもしれないんだ」 「いえ……。村では確かにそれを三角瓜と呼んでいました」 「村の人? その谷に誰かいたのかい」 「いましたよ。ですがそれはきっと、ずっとずっと以前のことだったと思いますが」 その先はしばらく記憶が途切れています。前夜から食事をとっていないのと、睡眠が足らないのと、そしてあの草いきれと、遮るものなく照りつける陽光のせいとで、……貧血? そうでしょうね、貧血を起こしたのでしょう、きっと。 耳元でしきりに音がしていました。ザワザワと、誰かが囁く声のように聞こえました。遠
2021/05/06 リンク