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2012年6月11日 (月)

黄昏乙女×アムネジア 十ノ怪「喪失乙女」

新谷貞一は影夕子を通じて庚夕子の捨てた過去の記憶を覗く事になる。
何故かいきなり夕子の着替えシーンからスタート。
夕子の視点で全てを見ることになるため、夕子の感じた感覚もそのまま貞一にフィードバックされる仕組み。何故か貞一の姿が子供になってるけど。
夕子の妹、庚紫子は夕子が少女のお見舞いに行こうとしていることに対して、夕子まで疫病にかかってしまっては、と心配するも、夕子は村が大変な時期だからこそみんなが協力しなければいけないと強く当たる。
紫子は霧江の祖母だけあって、夕子より更に霧江に似ている。

村は疫病が蔓延して、一家全員が亡くなる家も少なくなかった。
風邪で寝込んでいるアサちゃんだが、彼女の家族もみんな疫病で亡くなっていたため、自分が疫病だと信じて疑わない。
夕子はアサちゃんを励ましつつ、自分が身につけている鈴の一つをお揃いとして差し出す。
しかし昔の田舎の村で疫病が蔓延していて、疫病以外の病気になっても、周囲からは疫病扱いされてもおかしくないので、夕子だけが彼女の世話をしてくれていたのかな。

終わりの見えない疫病に怯える紫子に、希望を持つように励ます夕子は、村長達が学園へ向かうのを目撃して、自分たちも学園へと足を運ぶ。
しかし学園で大人達はただ現状を嘆くだけ。
神社の後に学校を建ててしまったからだという一人の不安から、村長が人柱を口にする。
年寄りや罪人ではなく、若い穢れのない者をという大人達は、人身御供とした者も疫病で死んだことにすれば良いと考えると、銅人(アカヒト)をクジで決め、アカヒトが選んだ人間を人柱として神社に埋めることとする。
溺れる者は藁をも掴む。打開策が見つからず、最後は一度は捨てた神頼みか。時代的に国や県からも救済がなかなか来ないんだろうけど。

話を立ち聞きした夕子は不安に感じる紫子と共に立ち去ろうとするも、夕子の鈴が鳴ってしまい気付かれてしまう。
後に怪異調査部の部室となる物置になんとか隠れる事の出来た二人。
隠れることが出来たものの、村の中心となる大人たちが人柱を立てようとしているので、誰にも話す事が出来ず、自分たちの身を守ることぐらいしかできないだろうな。

夕子たちは人柱の危険性から一人暮らしのアサちゃんを自宅へと引き取った。
お風呂に入っていた夕子に、紫子は人柱の話を持ちかける。科学の時代に人柱など許されないと、止めさせようと考えていた夕子の身を案じて止める紫子だが、夕子は自分だけ助かろうとは思わないと怒る。

夕子が風呂から上がると、居間にアサちゃんの姿はなく、夕子は大人達が人柱として連れ去ったのではないかと学校の物置へと急ぐ。
貞一は必死に夕子を止めようと呼びかけるも、無論聞こえる筈もない。
どれだけ呼びかけたところで、所詮は記憶を見ているだけなんだから変わることはないんだけどね。
そこに捕らえられていた朝ちゃんを助けようとした夕子だが、アサちゃんが助けに来た夕子の名前を口にする。
だが、アサちゃんはアカヒトさんとして連れてこられていたため、夕子が人柱に選ばれて大人達に捕らえられると、祠跡の地下室へと投げ込まれる。
投げ込まれて階段を転げ落ちたことにより、夕子は足を骨折してしまった。
道徳心と正義感が強かったがために起きてしまった不幸だったわけだ。
ただもう少し冷静に考えていれば、まずアカヒトさんを決めると言っていたことを思い出していただろうし、大人たちに正面からぶつかってもどうにもならないのだから、隙を見て助け出すとかするべきだったんだろう。正面からぶつかってしまったのがまだ子供だったという事か。
てっきり夕子があげた鈴が原因で、立ち聞きしていたのがアサちゃんだと勘違いして捕らえられるとかなのかと思っていた。

そんな人柱に様子に憤る貞一だが、夕子は自分の不安を押し殺して、自分が人柱になる事でアサちゃんや紫子が人柱にならずに済んだと自分を納得させる。
夕子は地下室の奥に祠を見つけて、その扉を開けると、そこには鏡が祀られていた。
その鏡に映った窶れた自分の姿を目にして、死を感じ取ってしまった夕子は恐怖に怯える。
必死に自分自身を納得させようとしていたけど、死を目の当たりにしてしまったことで恐怖心が増大してしまったのか。

暗闇の中で一歩ずつ死が近づき、夕子は何故自分がこんな目に逢わなければならないのかと嘆く。そしてアカヒトさんであるアサちゃんのせいだと、少女に憎しみを抱き出してしまう。そんな自分の憎しみの感情に気付いて、我に返った夕子だが、少女を憎んではいけない、憎んでいるのも怒っているのも自分ではないと、負の感情を切り離してしまう。
しかし紫子は人柱の存在とか知っていたし、神社の場所も話で聞いていた筈なんだけど、なぜ助けられなかったのか。あの大人たちが部屋で見張りとかしていたのだろうか。
夕子の記憶しかないので、夕子が閉じ込められた後、村がどうなったのかは判らないまま。
紫子は生き延びて子供を産んだようだけど、アサちゃんはどうしたのか。それに疫病がどうやって治まったかも不明だけど、人柱が夕子一人で済んでいるという事は、夕子が人柱にされて間もなく治まったという事だろうか。

祠の鏡を通じて産まれた影夕子。
「私を切り捨てたアナタが、憎い」
周囲への憎悪を抱く影夕子は、自分を切り離して永遠の苦しみを与えている夕子本体にも憎しみを持つようになっていました。
全部を知った貞一がどう行動するのか。夕子を説得する必要があるんだろうけど、そのためにはやはり紫子たちから夕子が消えた後の事情とかを教えてもらう必要があるのかな。夕子がアサちゃんに上げた鈴が何か鍵となるのかな。

次回 十一ノ怪「紅涙乙女」

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