黄昏乙女×アムネジア 八ノ怪「追憶乙女」
「はじめまして、貞一君。
それとさようなら貞一君。
もう私と会わないで」
自分を苦しめる人だから忘れた筈であり、もう会わないで欲しいと告げる。
嫉妬を自覚したことにより、新谷貞一に関する記憶を切り離してしまった庚夕子は貞一を拒絶する。
性格も明るい夕子ではなく、無感動な夕子。
前回に霧江が夕子は貞一に関する事以外は無感情だと言っていたように、貞一に関する部分が無くなったので感情表現をしなくなったのだろう。
話を聞いた庚霧江は夕子が記憶を切り離していた事を確信。
一種の健忘、特定記憶が欠落……「アムネジア」だと語る。
夕子の天真爛漫さは過去の記憶を切り捨てている。人間は過去の経験によって人格や行動が形成されているため、過去の嫌な経験を全て捨てる事ができたら、夕子のようなお気楽な性格になるのかもしれない。
今の夕子は既に貞一の知っている夕子ではないかもしれない。
ようするに嫌な経験などを積んでいない幼児などと同じ無邪気さということだな。
夕子からの拒絶により、貞一はそれから目を逸らすように怪異調査部を避け、貞一の世話を焼く小此木ももえと日々を過ごす。
そんな中で時折起きる奇妙な現象。ももえが貞一に食べさせる箸が落ちたり、貞一の投げたバスケットボールが他のボールの妨害を受けたり。
そして貞一は夕子が見えなくなってしまっていた。
嫌な事から目を背けて逃げ続けるダメな貞一。全てを把握している霧江から見ると痛々しくて仕方ないのだろうな。
しかしあの距離からあの投げ方でゴールを決められる貞一は凄くないか。
裏山の夕子の墓前に貞一を呼び出した霧江は、本当に今のままでいいのか、と問い質すも貞一は霧江の言葉の意味すら理解出来ない。
貞一もまた夕子に拒絶された事から、夕子に関する記憶を心の奥底にしまい込んで見ないようになってしまっているという事だろう。
憧れていたのに、と貞一の肩を掴んで泣いていた霧江の体が何かに引き離されてしまった。
霧江にも何も見えないが鈴の音だけが聞こえる。
もちろんこの状況を引き起こすのは夕子の嫉妬心だけ。ただ霧江には夕子も影夕子も見えるはずなのに、何故霧江にも見えなかったのか。影夕子は見えたり見えなかったりするのだろうか。
そうしたある日、偶然目にした怪異調査部日誌に書かれた夕子の相合い傘の落書きを目にして、夕子から目を逸らしていた事に気付いた貞一。
更にももえの友人、西河日登美と河東真奈子の出現で勇気を振り絞って貞一に憧れている事を告げ、好きな人がいるのかと問いかける。
ももえの言葉に自分が夕子を好きだと思い知らされた貞一。
誰かのために貞一が怪異調査部で頑張っている、その姿を見ていて貞一が誰かを好きではないのか、と予想しながらもちゃんと伝えたももえ。そして振られても笑顔で送り出せるももえは良い子です。
しかし二人の友達が出てきて思い出したけど、ももえって貞一の先輩なんだよね。あの性格とか幼い外見のせいで後輩のように感じてしまうけど、貞一は一年だったし。
貞一は夕子がもう貞一を思い出す事はない、という霧江の反対を押し切って怪異調査部の部室に乗り込んで夕子と対面。
見えなくなっていた夕子の姿が再び見えるようになった貞一は、夕子の手を掴んで夕子との思い出を語りながら屋上へと連れて行きました。
自分は夕子の事を知りたかったから、夕子について調べていたのだと告白した貞一。
初めてあった時と同じように転んで馬乗り姿勢で夕子の胸を揉んでしまった貞一。
貞一の告白とその衝撃からか、夕子も貞一の事を思い出しました。
しかしどうやって転んだらあんな馬乗り姿勢になれるんだ。
気持ちを確かめ合っていた二人ですが、そこにももえが登場。
「新谷さんは旧校舎の幽霊、夕子さんが好きだったんですねぇ!!」
貞一は思わず否定しようとするも、夕子さんが好きだとももえにも認めました。
最後にももえに全部持って行かれた……このタイミングで現れるとか神懸かり過ぎだろう。
しかも恋敵とも言えるべき相手が幽霊だと知って、むしろ喜んでるところが不思議な感性をしています。
時折見せた不可解な現象は全て影夕子の仕業でした。
夕子の切り離された貞一への思い。それらは全て影夕子の中にあったため、影夕子が貞一への嫉妬を持って、行動していたという事でしょう。
そんなワケで貞一に関する記憶を取り戻した夕子は、今度は記憶を捨てている過去の自分である影夕子も受け入れるための覚悟を決める必要が出てきたわけですね。
次回 九ノ怪「怨念乙女」
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