毎日の買い物や移動を快適にしてくれる、高齢者向け電動いすの「セニアカー」は、今や高齢者の生活に必要不可欠な存在と言えるでしょう。
一方で、「高齢者の移動」という用途以外でシニアカーを使うことはほとんどないのではないでしょうか。
しかしセニアカーのように大きくて重さがあり、バッテリーなど取り扱いが難しいものは捨てようにもどうすればいいのか悩んでしまいますよね。
そのため故障してしまったり、使わなくなってしまったりといらなくなったセニアカーは、しばらく物置に放置したまま…という状況にも陥りかねません。
この記事ではセニアカーを処分するにあたって、気になる方法について解説していきます。
取り扱いが大変なセニアカーについて「少しでも楽に処分したい」「手軽な処分方法が知りたい」というときはぜひ参考にしてくださいね。
【この記事でわかること】
- セニアカーの7つの処分方法
- セニアカーを捨てるときに注意すべきこと
- セニアカーを売る、譲る、寄付するときに注意すべきこと
セニアカーの処分方法7選!
セニアカーを処分するときには、次のような方法の中から特に最適な方法を選んでください。
- 粗大ゴミとして回収してもらう
- ゴミ処理センターへ運ぶ
- リサイクルショップで売る
- セニアカーの販売店に回収してもらう
- 人に譲る
- 寄付をする
- 不用品回収業者に回収してもらう
それでは早速、セニアカーの処分方法について解説していきましょう。
粗大ゴミとして回収してもらう
セニアカーのように大型の不用品は、一般的に「粗大ゴミ」に分類されます。
粗大ゴミは、自治体の決まりに従って回収場所に出しておくことによって回収してもらうことができるでしょう。
ところが、シニアカーの場合にはすべての自治体で回収してもらえると限りません。
セニアカーについては「回収に応じていない」という自治体もあるのです。
実際に、自治体ごとに違うセニアカーの対応について調べてみました。
- 名古屋市「販売店等にご相談ください」
- 福岡市「市で回収しないゴミ 販売店へご相談ください」
- 甲府市「購入先や専門業者に. 処理を依頼する」
- 大阪市「不燃性粗大ゴミ」
- 津市「自己搬入」
- 仙台市「車いすは粗大ゴミ、電動車いすはバッテリーを外してから粗大ゴミ」
このように、自治体ごとに違う決まりを確認した上で処分方法を検討しましょう。
「粗大ゴミとしての回収に対応している自治体だった」という場合には、次のような流れで回収の手続きを行ってください。
- 自治体の粗大ゴミ回収受け付け窓口に問い合わせ、セニアカーを粗大ゴミとして出したい旨を伝える
- セニアカーの回収ができる場合には回収日時、回収場所、処分費用などを確認する
- 地域のスーパーやドラッグストアなどへ行き、粗大ゴミ処理券を購入する
- 氏名や受付番号など必要事項を記入した粗大ゴミ処理券をセニアカーに貼る
- はじめに確認した回収日時に間に合うように回収場所へ運ぶ
このような手順によって、セニアカーを自治体に回収してもらうことができます。
メリットは、自宅近くの回収場所であれば簡単に持ち込みやすいということです。
一方で、回収の日時や場所を自分で決められない点はデメリットと言えます。
「この日までに必ず処分したい」というような決まりがあるときには、あまり向いていない方法かもしれません。
ゴミ処理センターへ運ぶ
粗大ゴミの回収日時が自分の都合と合わなかったときや、もっと早めに処分してしまいたいというときには、自治体が運営するゴミ処理センターへ運ぶという方法もあります。
前述の「自治体ごとの対応」で「自己搬入」とされていた自治体は、この方法で処分しましょう。
各自治体には「リサイクルセンター」や「クリーンセンター」といった名称のゴミ収集、処分施設があるはずです。
そうした施設へ直接運び込むことによって、大きなゴミも自分の都合を踏まえて処分できるようになります。
メリットは、ゴミ処理センターの開業時間内であればいつでもセニアカーを持ち込むことができ、忙しい人や時間の都合をつけにくい人でもすぐに処分できることです。
ただしゴミ処理センターの営業時間は「平日の日中のみ」ということも多いため、そういった面では都合を合わせにくい人もいるかもしれません。
一方でデメリットとして、ゴミ処理センターまでは自力で運搬しなければならない点が挙げられます。
特にセニアカーは、大きさも重さもあるため一人で運ぶのはなかなか難しいでしょう。
「車に乗り切らない」、「手伝ってくれる人の都合が合わない」というときは、無理せず他の方法を選んだ方が無難です。
ゴミ処理センターでセニアカーを処分するときの手順は、次の通りとなります。
- ゴミ処理センターに問い合わせ、セニアカーを引き取ってもらえるか、営業時間や回収方法はどうなっているか確認する
- 車にセニアカーを積み、運転中に動いてしまうことがないように固定しておく
- ゴミ処理センターへ行き受付をする(運転免許証や保険証といった書類を求められる場合があるため用意しておく)
- セニアカーを乗せたまま車の計量をする
- ゴミ処理センター内の廃棄場所へ進み、セニアカーを下ろす
- 受付に戻ってもう一度車の計量をして、差分の重さ分の費用を支払う
詳細はゴミ処理センターごとに異なりますので、不安がある場合にはあらかじめ確認してください。
リサイクルショップで売る
リサイクルショップでは、さまざまな不用品を買取してもらえます。
店舗によってはセニアカーも買取対象となっている場合があるため、査定をお願いしてみましょう。
査定は店頭で行われるほか、自宅まで出張査定に来てくれるサービスや、配送によって対応してもらえるサービスもあります。
メリットは、処分にお金がかからないだけでなく収入も得られることです。
セニアカーは高齢者に需要が高く、その中でも人気のあるメーカーやモデルのセニアカーであれば高価買取の対象となるかもしれません。
ただし、すべてのセニアカーが売却できるわけではなく、状態によっては買い取ってもらえないこともあります。
その際にはふたたび持ち帰らなければいけない点が、店舗査定利用時のデメリットと言えるでしょう。
また、リサイクルショップに配送して査定してもらうというサービスを行なっている店舗でも、セニアカーのように大きなものは受け取ってもらえないケースがあります。
大きくて重いものは配送料もばかにならないので、事前に確認しておいてください。
リサイクルショップでセニアカーの買取をしてもらうときには、次のような手順で査定依頼をしましょう。
- セニアカーの買取を行っているリサイクルショップについて調べる(近場のリサイクルショップを利用するのであればセニアカーの買取に対応しているか聞いておく)
- 買取可能な店舗が見つかったら店舗へ持ち込むなどして査定に出す
- 査定額に納得したら買取手続きを行う
買取手続きの際には、運転免許証などで身分証明を提示することになりますのできちんと用意してから依頼しましょう。
セニアカーの販売店に回収してもらう
セニアカーを購入したときに利用したメーカーや販売店に連絡することにより、不用になったセニアカーを回収してもらえる場合があります。
セニアカーのようにひとつで費用が高額になりやすい品物だからこそ、購入時にはしっかりとした保証が用意されているのです。
もし保証期間内なら、販売店に引き取りをお願いすることも検討しましょう。
保証期間を過ぎてしまっている場合でも新しいセニアカーに買い替えをするのであれば、古いセニアカーは「交換」として引き取ってもらえることもあります。
店舗によってもサービス内容は違うため、あらかじめ対応可能かどうか聞いてみると良いでしょう。
店舗にセニアカーを引き取ってもらうときには、次のような手順で依頼しましょう。
- メーカーや販売店にセニアカーの引き取りをしてもらえるか確認する(買い替えたい、引き取りだけしてもらいたいなどの要望を伝える)
- 店舗と日程を調整する
- 販売店に持ち込む、回収に来てもらうなどの形で引き渡す
店舗によっては回収ができず、店舗への持ち込みのみ対応していることもありますので事前に確認しておいてください。
人に譲る
まだまだ安全に使える状態であれば、セニアカーを欲しい人、必要としている人がいれば、譲るという手もあります。
身近にセニアカーを求めている人がいないか、声をかけて確認してみてください。
声をかけた相手本人が欲しいと考えていなかったとしても、「親戚にプレゼントしたい」「近所のおばあちゃんが欲しがっている」というように、その人の周囲でセニアカーを欲しがる人が見つかるかもしれません。
まずは色んな人に声をかけてみるところからはじめましょう。
その際には「無料で譲るのか」「安価で譲るのか」といった条件もしっかり決めておきましょう。
当然ながらやはり、お金が絡むことになると相手も躊躇しやすくなります。
場合によってはトラブルにも発展してしまいますし、その際には店舗や企業を介さず個人同士でやりとりをする分、もめやすくもなってしまうでしょう。
「お金はもらわない代わりに自宅まで引き取りに来てもらうようにお願いする」など、お互いの都合や希望をすり合わせて納得できる形での解決を目指しましょう。
譲る場合のメリットは、身近に必要としている人がいればスムーズに譲渡が成立しやすい点です。
「あげるから取りに来てね」と都合をすり合わせ、当日立ち会うだけで終わるかもしれません。
デメリットは必ずしも相手が見つかるわけではなく、長期間に渡って譲る相手が見つからないまま処分が先送りになることもあるという点で、「今すぐにセニアカーを処分したい」という人には向いていないでしょう。
寄付をする
身近な人に譲るのが難しいのであれば、必要としている団体や施設に寄付するという方法もあります。
例えば高齢者向け施設や慈善団体では、セニアカーのように需要が高い製品の寄付を募っている場合があるのです。
近隣の高齢者向け施設に勤めている人などがいれば、必要か確認してもらうと良いでしょう。
メリットは、お金をかけずにセニアカーを処分できることに加えて、人に喜んでもらえるということです。
セニアカーは高額な商品も多いため、相手にとってもありがたい申し出となるでしょう。
デメリットは寄付に対応している施設や団体がすぐに見つかるとは限らないという点と、施設や団体の事務所まで自力で運搬する必要がある点です。
一部には配送での対応を受け付けている施設や団体もありますが、いきなりセニアカーを送っても受け入れてもらえるわけではありませんので、事前に確認することを忘れないようにしてください。
また、自宅まで回収に来てもらうのは難しいケースが多いでしょう。
寄付する場合には、次のような手順で対応してください。
- セニアカーの寄付に対応している施設や団体を探す
- 施設や団体に連絡し、セニアカーを寄付したい旨を伝え許可を得る
- 寄付する日時を確認し、指定の日時にセニアカーを持ち込む
配送の場合には、連絡した際に伝えられた住所にセニアカーを送ります。
配送料などは本人が持つことになるケースが一般的です。
不用品回収業者に回収してもらう
人に譲ったり売ったり寄付したりという選択ができるセニアカーは、かなり「状態のいいセニアカー」と言えるでしょう。
そのため、動かなくなったセニアカーについては、取り扱い方法に困ってしまいますよね。
使えないシニアカーは、運搬するのも大変なものですから、不用品回収業者に依頼するのもひとつの手です。
不用品回収業者とは、不用になった品物をどんなものでも回収してくれる業者のことです。
セニアカーのような取り扱いの難しいものはもちろんのこと、その他の自転車やバイク、家具や家電、生活用品など「使わなくなったもの」であればどんなものでも回収してもらえます。
一度の依頼で、これら複数の不用品をまとめて依頼することも可能です。
「セニアカーと一緒に使わなくなった冷蔵庫も処分したい」というような依頼もできるので、部屋や物置をすっきりさせたいときに役立つでしょう。
壊れているもの、動かないものも回収してもらえるだけでなく、産業廃棄物のように「自治体に回収してもらえないもの」であっても対応してもらえる点が最大のメリットです。
前述のように自治体によって「セニアカーは回収不可」と決められているケースもありますが、その場合でも回収してもらえるので「売ったり譲ったりできない状態なのに自治体でも回収してもらえなくて困っている」というときに助かりますね。
回収にあたっては自宅やオフィスなど依頼場所まで直接来てくれるため、自分でセニアカーを動かしたり運搬したりする必要はありません。
また、回収の日時を決定する上では基本的に依頼側の意見を尊重してもらえます。
もちろん業者の予約状況などにもよりますが、自治体の粗大ゴミ回収のように「この日時です」と一方的に決められることはありません。
場合によっては即日対応など、急ぎの対応もしてもらえます。
「この日までに引っ越しをしなければいけない」といった用事のときにも、活用します。
回収した品物は、経験豊富なスタッフが適切な方法で処分します。
売るだけでなく、状態によっては買取へ切り替えることも可能です。
「自分ではセニアカーが売れるのか売れないのか判断できない」というときも、まずは依頼してみると思わぬ収入につながるかもしれません。
不用品回収業者の利用方法は、次の通りです。
- 不用品回収業者を調べ、セニアカーの回収を依頼したい旨を問い合わせる
- 見積もりを出してもらう
- 見積もりの内容で問題なければ日時をすり合わせ回収依頼をする
- 当日、回収に来てもらい立ち合いをする
デメリットとしては、中には悪徳業者も存在しており、そうした業者を選ぶと高額請求などの餌食になってしまうことが挙げられます。
業者の選び方に迷ったらこちらの記事もご参考ください。
セニアカーを処分する際の注意点
ここからは、セニアカーを処分するときに注意したいポイントについても解説していきます。
セニアカーを処分するタイミングは「5年以上経過したら」
セニアカーは、多少調子が悪くなっても「まだ動くから使えるだろう」と考えてしまうのではないでしょうか。
しかし、ある日突然まったく動かなくなる可能性もあります。
出先で突然セニアカーが動かなくなってしまっては、大きな事故の原因にもなりかねず危険です。
セニアカーを処分するタイミングは、バッテリーの寿命となる「5年」を目処にしましょう。
セニアカーを5年以上使っていると、バッテリーも劣化しやすくなり充電がすぐに切れてしまったり、セニアカーの馬力が物足りなくなってしまったりとさまざまな不調が現れやすくなります。
危険を避けるためにも、5年以上使っているセニアカーは処分を検討しましょう。
セニアカーを自治体のゴミ回収に出すときは分別をする
セニアカーを自治体に回収してもらうときには、他のゴミを出すときと同様にしっかり分別をすることが大切です。
特に注意したいのが「バッテリー」です。
バッテリーがついたままで自治体の回収に出してしまうと、大きな事故の引き金にもなりかねません。
バッテリーはきちんと取り外し「小型家電回収ボックス」などに出しましょう。
小型家電回収ボックスは、家電量販店やショッピングモールなどに設置されていることが多いようです。
売る、譲るときはセニアカーをよりよい状態にしておく
セニアカーを売る、譲る、寄付するときにはなるべくよい状態にしておくことが大切です
なるべく、次のような状態を目指してください。
- 動作に問題がないことが確認できている
- 汚れやホコリなどはできる限り拭き取るなどきれいにしておく
- 説明書や保証書もまとめておく
- 充電器なども合わせて用意しておく
売る場合には、上記のような条件を満たしていると高額買取につながりやすくなります。
人に譲る場合にも、あらかじめ相手に現物を確認してもらうことでトラブルを避けやすくなるでしょう。
悪徳な不用品回収業者に注意する
前述の通り、不用品回収業者の中には悪徳な業者もいます。
次のような特徴に当てはまっていないか、事前に確認しましょう。
- 「無料」を謳っている
- 廃棄物処理などの各種許可証を取得している確認がとれない
- ホームページを見ても実績や事業内容、料金形態がわかりにくい
- 悪い口コミが多すぎる
- 見積もりをとっても料金やサービス内容がわかりにくい
このような業者は悪徳業者の可能性が高いと言えます。
悪徳業者に依頼してしまうと、はじめは無料と言っていてものちに「オプション料金が必要なケースだった」など難癖をつけられて、高額請求されてしまう可能性があるので注意してください。
また、回収してもらったものが不法投棄された場合には、元々の持ち主も処罰の対象となります。
思わぬトラブルに巻き込まれないためにも、悪徳業者を見極めることは非常に大切です。
セニアカーの処分についてのよくある質問
Q. 不用品回収をしてもらうときはバッテリーの分別などが必要ですか?
A.いいえ。スタッフが対応しますので、依頼主の方が分別する必要はありません。
Q. セニアカーが物置の奥に入ったままなのですが、不用品回収をお願いしてもいいですか?
A.はい。不用品回収業者を依頼するときは基本的に、搬出作業についても行う必要がありません。
Q.動かなくなったセニアカーでも大丈夫ですか?
A.問題なく回収いたします。
動かなくなったセニアカーを運搬するのはとてもたいへんです。当社のような不用品回収のプロにお任せになるのが何よりです。重量物の取り扱いに熟達したスタッフが、搬出や積み込みを担当いたします。ご安心ください。
Q.セニアカー以外のものも回収してもらえるでしょうか?
A.はい、回収させていただきます。
セニアカーだけでなく、他の不用品もまとめて回収いたしますので遠慮なくご相談ください。量がまとまることで、割安で処分できる場合もございます。
当日に量が増えるときは改めてお見積もりしますので、お気軽にご依頼ください。
まとめ
高齢者の移動や買い物を楽にしてくれるセニアカーですが、不用になったときには次のような方法で処分しましょう。
- 粗大ゴミとして回収してもらう
- ゴミ処理センターへ運ぶ
- リサイクルショップで売る
- セニアカーの販売店に回収してもらう
- 人に譲る
- 寄付をする
- 不用品回収業者に回収してもらう
手間をかけず、簡単にセニアカーを処分したいときには「出張回収センター」へご依頼ください。
セニアカーはもちろん、さまざまな不用品の回収を行います。
「忙しくて予定を合わせられない」、「高齢者だけなので不用品処分の手間がかかってしまう」というときにも、安心して任せられるでしょう。
セニアカーの処分についてお悩みのときには、まず一度ご相談ください。
セニアカー以外にも乗り物の処分を検討しているときには、こちらの記事もご参考ください。