業務用・家庭用医療機器の正しい処分方法!業者の選び方や注意点についても解説

目次

CT

病院やクリニックの閉院・移転時には、メスやピンセットのような小型のものからMRI装置、手術台などの大型のものまで、実に多種多様な医療機器を処分しなければなりません。
しかしいざ処分するとなると、どういった処分方法があるのか、処分時にどんな手続きが必要なのかを知らないという方は意外と多いのではないでしょうか。

そこで今回のコラムでは、医療機器の処分方法と注意点について詳しく解説します!
業者の選び方や費用について、また体重計や血圧計、家庭用マッサージ器といった家庭用医療機器の処分方法についても取り上げていきますので、処分前にはぜひ参考にしてください。

▼この記事でわかること

  • 業務用医療機器の正しい処分方法
  • 家庭用医療機器のお得な捨て方
  • 医療機器処分時の注意点
まずはお気軽にご相談ください!
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業務用医療機器は自治体で捨てられない

医療機器

業務で使用した医療機器には感染の恐れがあるものや、特別な化学物質・有害物質を含んだものが混ざっている可能性があります。そのため、自治体でごみとして排出することはできません。
環境や周囲の衛生に悪影響を及ぼさないためにも、法令に基づき適切に処分することが大切です。

適切に処分できなかった場合は罰則も

使用済みの医療機器は、許可を得た業者に委託し、処分するのが一般的です。
「面倒だから」「少量だから」と適当に捨てたり、委託した業者が医療機器を適切に処分できなかったりした場合には、以下のような重い罰則が科せられるため注意しましょう。

違反の内容罰則
廃棄物の不法投棄5年以下の懲役または1000万円以下の罰金、またはその両方
※法人が不法投棄をした場合の罰金は3億円以下
マニフェストの義務違反1年以下の懲役または100万円以下の罰金
無許可業者への委託5年以下の懲役もしくは1,000万以下の罰金
契約書の未締結3年以下の懲役または300万円以下の罰金、もしくはその両方

業務用医療機器の処分方法

医療機器
  1. 専門業者に委託する
  2. リース・レンタル元に返却する
  3. 医療機器専門の買取業者に売却する

業務用医療機器は業者に委託して処分する以外にも、いくつか処分方法があります。
ここでは処分方法それぞれの利用手順や、注意点について確認していきましょう。

①専門業者に委託する

医療機器の処分は、感染リスクの有無や医療機器の種類によって委託業者が異なります。
処分する医療機器の種類を確認し、適切な業者に処分を依頼しましょう。

産業廃棄物の種類具体例委託先
非感染性廃棄物(産業廃棄物)
(感染リスクが少ない産業廃棄物)
・廃プラスチック類
・ガラス・陶磁器くず
・廃酸
・廃アルカリ など
産業廃棄物(運搬処理)許可取得業者へ委託
非感染性廃棄物(一般廃棄物)
(感染リスクが少なく、産業廃棄物にも分類されないごみ)
・紙くず
・繊維くず
・未使用のガーゼ など
・事業系ごみとして市町村に処理委託
・一般廃棄物処理業者に委託する
感染性廃棄物
(血液や体液などに接触したり、感染症を媒介したりする可能性があるごみ)
・メス
・注射針
・はさみ
・病原微生物の検査や試験に用いられた器具 など
特別管理産業廃棄物(運搬処理)許可取得業者へ委託

業者の選び方

前述したように、医療機器の処分は許可を得た業者に依頼し、適切に行う必要があります。
しかし初めて業者選びをする際は、どのような業者を選べばいいかわからないこともあるかもしれません。
その場合は、自治体のホームページや産業資源循環協会のホームページに記載されている業者リストを確認しましょう。

自治体のホームページには事業系ごみの捨て方やマニフェストについても詳しく記載があるため、処分前には参考にするといいでしょう。
わからないことがある場合はそのままにせず、直接自治体や産業資源循環協会の相談窓口に問い合わせて確認しておくと確実です。

②リース・レンタル元に返却する

すべての機器を購入せず、一部の機器をリースやレンタルで補っているクリニック・病院ももちろんあるでしょう。その場合は、リース・レンタル元に医療機器を返却すればOKです。

ただし、そのまま返却だけすればいいというわけではなく、返却時に残債を精算する必要があったり違約金が発生したりするケースもあるため注意してください。
契約内容や金額は会社や医療機器の種類ごとに異なりますので、契約書を用意し、リース・レンタル会社へ確認を取ってみるといいでしょう。

③医療機器専門の買取業者に売却する

処分費用が高額になりがちな大型医療機器でも、専門業者に売却できれば費用をかけずに手放せます。
業者によっては故障したものでも引き取ってくれる可能性があるため、どんなものでも捨ててしまう前に一度査定を受けてみるのがおすすめです。

【買い取ってもらえる可能性がある医療機器】

  • CT装置
  • MRI装置
  • レントゲン装置
  • 超音波診断治療・診断装置
  • 電子内視鏡
  • ビデオスコープ
  • ​​​心電計・自動血圧計
  • 滅菌器
  • 手術台 など

ただし、業者によっては買い取ってもらえる機器の種類やメーカーが限定されていることもあるため注意が必要です。査定を依頼する前には、業者のホームページで買取実績や取扱メーカーなどを忘れずにチェックしておきましょう。

医療機器を高く売るコツ

  • きれいに清掃・メンテナンスしておく
  • 付属品を揃えておく
  • 複数の業者から見積もりをとる
  • 医療機器をまとめて売る

医療機器も一般的な家電と同じく「状態が良いもの」「正常に動作するもの」が高価買取されやすいです。査定前には動作確認を済ませておくのはもちろん、メンテナンスや掃除をし、できるだけきれいな状態にしておきましょう。

「売却までに時間がある」「手間をかけてもいい」という場合は、複数の業者から見積もりをとって買取金額を比較しておくのもおすすめです。
より高い買取額の業者を選びやすくなるのはもちろん、他社の見積金額を参考にして、業者に買取金額アップを交渉できる可能性もあるため、ぜひ試してみてください。

家庭用医療機器の処分方法は?

体温計と血圧計

業務用医療機器は前述したような特殊な手段で処分が必要ですが、体重計や血圧計などの「家庭用医療機器」については、自治体でごみとして処分できるほか、リサイクルショップでの売却も可能です。
ここからは「家庭用医療機器」の処分方法をご紹介します。

  1. 自治体でごみに出す
  2. リサイクルショップで売る
  3. 不用品回収業者に回収してもらう

①自治体でごみに出す

家庭用の医療機器は、自治体でごみとして排出できます。
医療機器の種類、大きさによって「不燃ごみ」「粗大ごみ」「小型家電」など分別が異なるため、まずはお住まいの自治体の分別一覧を確認しましょう。

【各自治体の分別】

自治体分別
愛知県名古屋市・体温計(ガラス製):不燃ごみ
・体温計(電子式):小型家電
・体重計:小型家電/粗大ごみ
・血圧計:小型家電 ※水銀柱血圧計は販売店等に相談
・マッサージ器:粗大ごみ
東京都板橋区・体温計:不燃ごみ ※水銀使用を含む
・体重計:不燃ごみ/粗大ごみ
・マッサージチェア:粗大ごみ ※総重量70kgまで
千葉県松戸市・体温計(液晶・電子式):不燃ごみ
・体温計(水銀使用):有害ごみ
・体重計:不燃ごみ
・マッサージ器・チェア:不燃ごみ/粗大ごみ
福岡県福岡市・体温計(電気式):小型家電
・体温計(水銀使用):燃えないごみ
・体重計:燃えないごみ
・マッサージ器・チェア:不燃ごみ/粗大ごみ

自治体のごみ回収を利用できれば、家庭用医療機器を手軽に捨てられます。費用が安価で済むのもうれしいですよね。

とはいえどんなものでも捨てられるわけではなく、水銀が使用された血圧計や体温計、マッサージチェアのように大型の医療機器などは別の捨て方を指示されるケースもあるため注意しましょう。
分別一覧に詳しく記載がないこともありますので、不安な場合は自治体の窓口に問い合わせて確認しておくのをおすすめします。

②リサイクルショップで売る

状態の良い家庭用医療機器は、リサイクルショップでの売却も可能です。

【リサイクルショップのメリット】

  • 店舗数が多く気軽に持ち込める
  • 持込買取ならその日のうちに現金化できる
  • 幅広いジャンルのものをまとめて売却可能
  • 出張買取や宅配買取を実施している店舗もある

ただしどんなものでも買い取ってもらえるわけではなく、売却できるのは状態の良い製品のみです。
正常に動作しないものや、汚損や傷が多いもの、販売から5年~10年以上経ったモデルは買取不可になってしまうケースも多いため注意しましょう。
リサイクルショップの中には必要な届出を出しておらず、そもそも家庭用医療機器を取り扱えない店舗もあります。せっかく持ち込んだのに買取を断られてしまった…なんてことにならないよう、事前にお店に問い合わせて買取可能かどうかを確認しておくのがおすすめです。

③不用品回収業者に回収してもらう

「家庭用医療機器のほかにも捨てたいものがある」「大型マッサージ器など持ち運びの難しい医療機器の処分に困っている」ということでしたら、不用品回収業者に回収を依頼する方法がおすすめです。

【不用品回収業者のメリット】

  • 重い医療機器もスタッフが運び出してくれる
  • そのほかの家具や家電もまとめて回収してくれる
  • 電話一本で家まで来てくれる
  • 不用品の買取もしてもらえる

不用品回収業者を利用する一番のメリットは、分別や搬出などの面倒な作業をすべてスタッフにおまかせできることです。
医療機器を分別してどう捨てるか調べたり、当日の朝にごみ捨て場に持って行ったりする手間が必要ないのはもちろん、そのほかの不用品の処分も一度に済ませられるのでとにかく手間がかかりません。
大量の不用品を気軽に片づけたい方におすすめな手段です。

また、不用品回収業者には自分の都合のいい日程で回収を依頼できるという利点もあります。
土日や祝日の回収はもちろん、即日や夜間の回収も実施しているため忙しい方にも非常に便利です。
「引っ越しまで時間がない」「仕事が忙しいので対応できる時間が限られている」といった事情でお困りの方は一度、相談してみるのをおすすめします。

まずはお気軽にご相談ください!
電話受付時間:9時~19時

以下の記事では、安心して依頼できるおすすめの不用品回収業者をご紹介しています!
業者選びの際はぜひ、参考にしてみてください!

処分時の注意点

注意マーク

ここでは、医療機器の処分時に注意したいポイントを解説します。
処分前には参考にしてください。

産業廃棄物管理票(マニフェスト)を必ず発行する

業務用医療機器を排出する事業者は、処理業者に産業廃棄物管理票(マニフェスト)を交付しなければなりません。

産業廃棄物管理票(マニフェスト)とは、廃棄物の処理が適正に実施されたかどうか確認するために作成する書類です。排出事業者には、マニフェストを作成して「委託した産業廃棄物が適正に処理されたか否か」を確認する義務が課せられています。 排出事業者の交付するマニフェストには、誰がどのような産業廃棄物をどのように取り扱うかということが記載されています。

引用:全国環境資源循環連合会マニフェストとは

規定に従わなかった場合には、排出事業者だけでなく処理業者にも「1年以下の懲役又は100万円以下の罰金」と、重い罰則が科せられます。
「業者に言われなかったから」「少量の廃棄物だから大丈夫だろう」と適当に処理せず、必ずマニフェストを発行しましょう。

フリマアプリ・ネットオークションには出品できない

マッサージチェアや電子血圧計などの使用済み家庭用医療機器を、フリマアプリやネットオークションで売却することを検討する方は多いかもしれません。

しかしマッサージチェアや血圧計、家庭用低周波治療器などは「管理医療機器」に該当するため、販売には法律上の許可または届出が必要です。許可や届出のないままフリマアプリに出品・販売すると出品停止やアカウント削除、最悪の場合は法令違反となってしまう可能性もあるため、注意してください。

出品前には、自分が売却しようとしている医療機器が規約に違反するものではないかを確認しておくことが大切です。

▼マッサージチェアの処分については以下の記事で詳しく解説しています。

よくある質問

Q&A

Q 家庭用医療機器がたくさんあるのですが1度に回収してもらえますか?

A. 当社では1度に回収する不用品の数量や種類などに制限を設けておりません。安心してご依頼ください。家庭用医療機器が大量にある場合でも、1度で回収させていただきます。

Q  マッサージチェアなど、重量が大きいものの運び出しもお願いできますか?

A. はい、運び出しも当社スタッフにお任せください。作業の前にお客様自身で不用品を運び出していただく必要はございません。なお、屋外に運び出すまでの経路にほかの荷物などが設置してある場合は、運び出しができる程度に荷物を移動しておいていただけると、作業がよりスムーズに進みます。可能であればご協力お願いいたします。

Q  見積もりだけでもお願いできますか?

A. お見積もりのみでも喜んで対応させていただきます。なお、見積もりは無料となっておりますのでご安心ください。ご依頼方法は電話やメール、LINEなどいくつか手段がございます。お客様のご都合の良い方法でご連絡ください。

Q 引っ越しを控えています。すぐに来てもらえますか?

A. 当社は地域最多級のトラックで稼働しているため、当日のご依頼にも対応できます。名古屋市内・近郊であれば、最短30分で訪問も可能です。しかしほかのお客様との兼ね合いによっては回収の時間を調整させていただく場合もございますので、急ぎでしたら早めにお問い合わせいただけますと幸いです。

まとめ

血圧計

業務用医療機器は、感染性廃棄物か非感染性廃棄物かによって処分方法・処分を依頼する業者が異なります。
閉院や移転でたくさん処分する医療機器がある場合は管理が大変ですが、正しく処分を行わないと罰せられる可能性もあるため、注意が必要です。
業者が必要な資格を保有しているかどうかを必ず確認し、確実に処分ができるようにしておきましょう。

今回の記事では業務用医療機器のほか、家庭用医療機器の処分方法についてもお伝えしました。
家庭用医療機器は業務用のものより処分が簡単ですが、それでもものによっては売却できなかったり処分が難しかったりするものもあります。
そういった場合は不用品回収業者にまとめて回収してもらうのがおすすめです。

【不用品回収業者のメリット】

  • 重い医療機器もスタッフが運び出してくれる
  • そのほかの家具や家電もまとめて回収してくれる
  • 電話一本で家まで来てくれる
  • 不用品の買取もしてもらえる
  • 自分の都合のいい日程に処分を依頼できる

弊社「出張回収センター」でも、家庭用医療機器はもちろん、それ以外のさまざまな不用品の回収・買取を行っています。
年中無休で受付しておりますので、お急ぎの方はぜひ一度ご相談ください!

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