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大事なのは相手のことを知ろうと努力すること。その先に優しさや思いやりが生まれる。「葬送のフリーレン」

毎日生活している中で大なり小なりいろんな問題について、ああでもないこうでもないと自問自答を繰り返しているのが人間なんだと思います。動物たちも日頃、腹減ったなあとか、あの子カワイイなあとか、人間と同じようなこともそれなりに思っているのかもしれませんが、それ以外にも思慮深く何かに想いを巡らせたりはしているのでしょうか?自分や周りの世界に様々な考えを巡らせながら行動して生活しているのが人間なんだと思います。

自分が人あるいは人間である事は何の疑う余地もなく、私は人間という存在を深く掘り下げないでこれまでを生きてきました。人間は考える生き物であると言われていますが、自分のことだけでなく他者のことを気遣いながら生きて行けるのがより人間らしい人間なんじゃないかと思います。中には自己中な方々もそれなりはいらっしゃいますが。

私たち人間はこの世に生まれてから平均でも70~80年は生き長らえます。生物界の中では寿命においても知的生命体としても人間が最上位の生物だと誰もが当たり前に思っているでしょう。これは人間を上回る生命体が今のところこの地球上に存在しないからに他なりません。もしも、人間よりも優れた知的生命体がいたら・・・

そうした存在がいたとしたら人間はその存在と人間を比較しながら人間の優位性について意識せざるを得ないようになり、どうにかその存在より上回ろうとするんじゃないでしょうか。

最近ですが、話題の「葬送のフリーレン」というアニメを観ました。エルフという1,000年は生きる種族が人間世界で共存しているアニメです。全28話の作品ですが、観ている最中も、そして観終わった後にもまず思ったのがそうした人間という存在全般についてです。

人は生活していく中で自分ばかりではなく他者にももっと関心を持ち、互いを敬いながら生きて行くべきじゃないか?これから先を生きるものはまもなく死を迎える人たちの生きた証を次世代に伝えていく使命を持っているのではないか?先代がどう生きて何をこの世に残したかを周りの人たちが記憶に留め、バトンリレーで次の時代へ継承していく、こんなことが人間の本来の在り方ではないのでしょうか?

人間は一人では生きて行けない分、そうした人間らしいふるまいを心がけながら周りの人間と共存・共栄していく。人間よりも長く生きるエルフの目から観た人間とは?を傍観する、人間自体にフォーカスを当てたとてもユニークかつヒューマニックな作品です。

葬送のフリーレン4

この作品は昨年の9月29日の日本テレビ「金曜ロードショー」の枠を使って、物語のオープニング4話分が一挙に放送されるという異例の新作アニメのスタートをかざったことでも話題となりました。その後の日本テレビの「FRIDAY ANIME NIGHT」(フライデーアニメナイト)23:30~24:00で5話~28話が10月26日~2024年3月22日の期間で全国放送されました。

物語は”ファンタジー”系作品です。人間界を陥れる存在の魔界の魔王を討伐するために結成された4人の勇者パーティー。彼らが10年の月日をかけて世界を旅し、ついに魔王を討伐して世界に平和が訪れます。そして物語は討伐後の勇者パーティーの後日譚からスタートします。パーティーメンバーの一人である1,000年は生きるエルフ族”魔法使いのフリーレン”が本作品の主人公です。

勇者パーティーで過ごした10年間は彼女にとってはほんのまばたき程度の一瞬の出来事と感じていたのに対して、100年も生きられない人間にとっての10年間とは感覚的にも大きな隔たりがあり、フリーレンは深く考えずに50年後にまた会おうと他の勇者メンバーに再会を約束しながら別れを告げて魔法収集の一人旅に出かけます。

50年後にフリーレンはパーティーメンバーと再会を果たしますが、400年は生きるドワーフ族の戦士メンバーを除く勇者と僧侶のメンバーは確実に年老いていて、その後まもなく勇者がこの世を去ります。彼を墓地に埋葬する際に初めてフリーレンは彼と共に過ごした10年間以外で彼について何も知らない事に気づかされ、後悔して涙を流します。どうしてもっと彼を知ろうとしなかったのか?彼女は再び旅に出るのですが、魔法収集に加えて人間の事をもっと知ろうとする事が旅の目的となっています。

そしてそこから始まるその旅がこの物語の中心になっていきます。彼女が人間たちと一緒に過ごした日々の出来事を通して人間たちを観察した事柄がこの物語のベースになっています。

人生の中での限られた人との出会いと別れの必然、その中での人との関りの奥深さ、そしてそれらをひとまとめにした人間の素晴らしさを様々と魅せてくれる作品です。この作品に触れると人間同士の付き合い方だけではなく、日々を淡々と生きて行くことのもったいなさ、限りある時間をいかに有意義に過ごすしていくかなどについてもいろいろと考えさせられる物語です。

各話ごとに名言だなあって思える会話がちょくちょく出てきたりもしますのでそのあたりにも注目してご覧いただけたなら幸いです。言い方は悪いですが、とても少年漫画誌で連載中の作品とは思えないぐらいに繊細で心の琴線に触れるお話がたくさん詰まっているのでとても共感できます。フリーレンが人間を知ろうと努力する姿にも共感できますし、登場人物が発する一言二言にすごく重みが感じられますね。

序盤は勇者パーティーによる魔王討伐後に訪れた平和な世界とさらにそこから50年後の穏やかなお話で始まり、さらに20年後のお話へと続きます。その後はフリーレンと弟子たちとの新たな魔法収集の旅での出来事が中盤となります。中盤以降で行く先々でバトルも繰り広げられます。戦闘シーンもあれば、また新しい人との出会いも描かれています。コミカルパートの面白さ、そしてシリアスパートの魅せどころと両方あって、バランスもとれた見応え充分な作品です。それでは最初の1話だけご紹介しますね。

葬送のフリーレン1

魔王を討伐するために4人の勇者パーティーは結成された。勇者・”ヒンメル”、戦士・ドワーフ族の”アイゼン”、僧侶・”ハイター”、魔法使い・エルフ族の”フリーレン”。勇者一行は10年の長い年月を共に旅し、そして彼らは遂に魔王を見つけ出し、4人の総力で魔王討伐を成し遂げた。人類の悲願であった平和が世界にもたらされたのだ。

勇者ヒンメル一行は王都へ帰還。街を挙げて彼らの盛大な凱旋パレードが取り行われた。魔王討伐達成を王様へ報告し彼らの使命は無事に果たされた。夜は街中で祝宴が繰り広げられた。4人はこの10年の思い出を語り、終わりを告げた旅を懐かしんだ。ヒンメル、アイゼン、ハイターの3人は各々が冒険した10年を振り返りながら、これからのそれぞれの人生に想いを馳せていた。

すると、夜空に50年に一度の周期で降る”エーラ流星群”が流れ始めた。「きれいだな。」ヒンメルがつぶやいた。「街中だと見えにくいね。」とフリーレンが水をさす。「人が感動しているんだ。空気を読みたまえ。」とヒンメルは返した。1,000年を生きるフリーレンにとってはその10年はあっという間の出来事でしかなかった。人間にとってはとてつもなく長い年月だけど月日の重みを感じていないフリーレンは「じゃあみんなで50年後、もっときれいに見える場所知っているから案内するよ。」そう答えた。それを聞いたヒンメルは笑いながら「そうだな。みんなで観よう。」と感慨深げにそう答えた。

翌朝、エルフのフリーレンは感慨にふけることもなく3人に別れを告げ、また魔法探求への旅へと向かった。月日は流れて50年後、みんなとの約束のためフリーレンは再び王都を訪れた。50年後の勇者・ヒンメルは体つきも小さな老人になっていた。僧侶・ハイターは白髪交じりで貫禄のある僧侶姿に変わっていた。戦士・アイゼンは人間よりは長生きなドワーフ族のため、見た目にはほとんど変わりはなかった。フリーレンの知っているエーラ流星がきれいに見える場所までは1週間ぐらいかかるらしい。

そして4人はエーラ流星を観るために再び冒険の旅に出た。途中で出くわす魔物も退治しながら4人は目的地に到着した。夜空に降り注ぐエーラ流星を眺めながらヒンメルは、「みんなで最後の冒険が出来たことに感謝しているよ。」とフリーレンに気持ちを伝えた。4人は50年後の約束を無事に果たすことが出来た。それから間もなくしてヒンメルがこの世を去った。

葬儀の際に涙1つこぼさないフリーレンを観た参列者から薄情だとの非難をフリーレンは受けた。しかし、ヒンメルを墓地に埋葬する際にフリーレンは、勇者パーティ以外でのヒンメルについて何も知らず、また知ろうともしなかったことに気づき後悔して涙を流した。フリーレンはこのことをきっかけに、人間を知るためと魔法収集のために再び旅に出た。

そこからさらに20年後、フリーレンはハイターを訪ねた。ハイターは戦災孤児の少女”フェルン”を引き取り一緒に生活をしていた。先行き短いハイターは魔法使いとしての素質があるフェルンをフリーレンの弟子にしてはもらえないか、と頼み事をする。しかしフリーレンはその頼み事を断った。見習い魔法使いの旅先同行での死亡率は高いため、足手まといにしかならないことが理由のようだ。ハイターはそれを聞いて思いのほかあっさりとそれを承諾した。

その代わりに5年ぐらいはかかるであろう魔導書の解読と、その合間にフェルンに魔法を教えてほしいと再び頼み事をする。フリーレンはかつての勇者パーティ―でハイターにいろいろと借りもあることからその頼み事を承諾する。ハイターの代替案の意図するところは一体何なのだろうか?(第1話)

葬送のフリーレン6

この作品は、漫画家・”山田 鐘人”さんによる同タイトル漫画が原作で、作画は漫画家・”アベ ツカサ”さんが担当、「週刊少年サンデー」の2020年22・23号合併号に掲載され、現在も連載中です。2021年には第14回マンガ大賞、第25回手塚治虫文化賞新生賞受賞。2023年には第69回小学館漫画賞、2024年には第48回講談社漫画賞などを立て続けに受賞するくらいに評価されている作品です。

その後アニメ化され、昨年の9月29日の日本テレビ「金曜ロードショー」4話、10月26日~2024年3月22日で日本テレビ「FRIDAY ANIME NIGHT」(フライデーアニメナイト)23:30~24:00で5話~28話が全国放送されました。インターネットでは”Amazon Prime Video”、”dアニメストア”、”Netflix”、”U-NEXT”、”Hulu”、”FOD”、”ABEMAビデオ”、”バンダイチャンネル”他で配信されております。監督/”斎藤 圭一郎”さん、シリーズ構成・脚本/”鈴木 智尋”さん、キャラクターデザイン/”長澤 礼子”さん、アニメーション制作は”マッドハウス”。

声優さんは主人公・フリーレンが「SPY&FAMILY」/アーニャ役、「わんだふるぷりきゅあ!」/犬飼いろは・キュアフレンディ役を演じた”種﨑 敦美”さんです。普段の地声にはあまり特徴がない声優さんなのでそれぞれの個性のある役どころを聴いても種﨑さんだとは思えないほど振り幅が大きな声優さんです。まさに職人芸と言っても過言ではないくらいに声色を変えてどの役も名演技と言い切れる声優さんです。今回は魔法使いとしては超一流だが、生活面ではだらしなく弟子に面倒を見てもらう、抑揚のないしゃべり方で淡々と話すフリーレンを演じています。

勇者ヒンメルは「とある魔術の禁書目録」/一方通行(アクセラレータ)役、「鬼滅の刃」/不死川玄弥役、「ホリミヤ」/仙石翔役を演じた”岡本 信彦”さんです。割と激しい役どころも多い方ですが、勇者の割にとても穏やかな口調で物腰柔らかく優しさいっぱいでイケメンなヒンメルをさわやかに演じています。

フリーレンの一番弟子となるフェルンは、「機動戦士ガンダム・水星の魔女」/スレッタ役でブレイク中の”市ノ瀬 加那”さんが、普段は冷静沈着で大人びた少女ですが時折見せる気分屋で子供っぽい一面を持つ彼女を上手に演じています。

同じくフリーレンの弟子となる戦士・”シュタルク”ですが、こちらは「マッシュル-MASHLE-」/マッシュ・バーンデッド役でとても強いけれど天然ボケの主人公をコミカルに演じた”小林千晃”さんが、自己肯定感が低いけど努力家でいざとなったら逃げ出さないで弱い者を守る男気のあるシュタルク役をカッコよく演じています。

キャスティングされた声優さんがどなたも役割をしっかりと演じていて、あらためて声優さんの持つ演技力の高さを感じる作品だったと感じました。
 
最後はオープニングテーマとエンディングテーマの紹介です。フリーレンの世界観がしっかりと詰め込まれたミュージックビデオですので作品を観る前と後で二度見して楽しんでくださいね。

オープニングテーマ「勇者/YOASOBI」
エンディングテーマ「Anytime Anywhere/milet」

ストーリー・作画・キャラ・声優・音楽の3方ならぬ5方良し!の文句なし・死角なし・共感ありのこの作品。まだ観てないよって方は今からでも遅くないので是非、ご堪能下さいませ!!

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互いに影響し合って人は生きて行く。心の中も観る世界も人それぞれの大切な何かがきっかけで色づき始める。「色づく世界の明日から」

日本の漫画・アニメ界において、突然の訃報が立て続けに入ってきました。『Dr.スランプ アラレちゃん』『ドラゴンボール』の原作者である鳥山 明先生がお亡くなりになりました。そして国民的なアニメ、日曜夕方18:00から放送の『ちびまる子ちゃん』の主人公・さくらももこ(まる子)役の声優のTARAKOさんがお亡くなりになったのです。

初めて週刊少年ジャンプで『Dr.スランプ アラレちゃん』に触れた時の面白さと感動はいままでにない衝撃でした。その後にアニメ化され、TVでも毎回観ていましたね。私の少年時代はアラレちゃんとともに在りました。『ちびまる子ちゃん』のまるちゃんはサザエさんと同じく私たちが毎年、年を取っていっても私たちの中ではずっと変わらない存在でした。毎週日曜日に必ずルーティンのように観る番組として生活の一部となっていましたね。

永遠に変わらないコンテンツ・キャラクターを提供してくれるそれぞれお二人が常にこの世にいてくれるというのが当たり前のことだと錯覚していましたが、そうではないのですよね。当然ですが、お二人とも普通の人間です。いつまでも永遠ではいられないわけです。お二人ともまだ若いだけに非常に残念なことです。鳥山先生・TARAKOさんのご冥福を心からお祈りいたします。今まで素敵な時間を与えていただきありがとうございました。

私たちが何気に当たり前のように生活していることは実は当たり前ではなく、失ったり無くしてしまって初めてそれが当たり前のことではないことに気づきます。人間が何気にふだん使いこなしている視覚、聴覚、味覚、嗅覚、触覚のいわゆる五感と言われるものも、人間にとってとても重要な役割を果たしています。コロナ禍でウイルスによって味を感じなくなった方がいましたが、普段あるべきことがなくなる違和感は相当なものですよね。気持ち的にもうつむき加減にならざる負えない影響を及ぼすことでしょう。

例えば、自分の目の前に映る世界がモノクロだったら一体どんな気持ちになるでしょうか?私たちは普段、当たり前のように色のついた世界で生きています。中には視覚障害をお持ちでそうじゃない方もいらっしゃるかもしれませんが、大抵の方は、何の疑いもなくカラーの世界で生活していることと思います。ある日、生活の中から色が無くなってしまったら?色のある世界だからこそ私たちは奇麗だと感じることができ、感情も豊かになるでしょうし、自己表現にも色が関係し、積極的に生きる原動力にもつながります。色がある事、色がわかる事の恩恵を無意識領域の中で私たちは得ながら生きています。

今回紹介するアニメは、そうした色がない世界でずっと生きてきた少女が過去の世界にタイムスリップし、とある事がきっかけで色のある日常を再び経験し、乏しい感情で後ろ向きに生きてきた人生からやがて前を向いて生きて行こうと変化して行く様を描いた「色づく世界の明日から」です。

色づく世界の明日から21

舞台は2078年の長崎県長崎市。17才・高校二年生の”月白 瞳美”は祖母と花火を見に出かけようとしていた。用事を片付け中の祖母を置いて一足先に瞳美は花火の見える丘に向かった。魔法一族の末裔である瞳美はいつしか色のある世界を失っていた。幼い頃に母と観ていた花火には色があった。「魔法なんて嫌い。」彼女はそう心に思う。色のない世界で生きてきたせいか、あまり人と関りを持とうとしないし一人でも大丈夫だと自分に言い聞かせる彼女。

「私が魔法使いでなかったら花火は今もきれいだったかな?」瞳美がそんなことを考えている所へ遅れて祖母がやって来る。「お待たせ。遅くなってごめんなさい。やっと準備が整ったわ。時間魔法の必需品。今日のために60年分の満月の光を浴びさせ続けてきたの。」そう言って祖母は瞳美の目の前に星砂時計を差し出したのだ。

「あなたは今から高校2年生の私に会いに行きなさい。魔法であなたを過去へと送ります。せっかく行くのだから楽しんでいらっしゃい。」「私、行くなんて一言も・・・」瞳美がそう言いかけるやいなや、祖母は魔法の呪文を唱えはじめた。気が付くと瞳美は2018年版の地図と手紙を握りしめ、バスに乗っていた。時空を移動するバスの中?「到着。」車掌がつぶやく。「あの~、ここはどこですか?」彼女は尋ねた。「君の行くべきところ。」車掌はそう答えた。バス停の表示にはむかし→いま→みらいの停留先の表示が出ていた。彼女はバスを降りた。次の瞬間、瞳美は見知らぬ部屋に背中から落ちた。

ここはどこなのか?今は西暦何年?部屋を見渡すとカレンダーと思しき物があり、2018年4月が表示されていた。突然、部屋に近づく足音が聞こえてくる。とっさに瞳美は部屋にあったベットの下に隠れた。部屋に入ってきた人の足が見え、彼女は身構えた。着替えを済ませた住人らしき人物は部屋から出て行った。彼女はそのタイミングでどうにか部屋の窓から外へ逃げ出すことに成功した。彼女が観る目の前に広がる風景はどこかで今までに観たことのある景色に感じられた。

彼女が家の窓から出てくるところを二人の女子高生に見られていた。”川合 胡桃”と”風野 あさぎ”だ。 同じ写真美術部仲間の男子・”葵 唯翔(あおい ゆいと)”の家の窓から少女が出てくる光景は、彼女たちにしてみれば大スクープである。二人はその事実を部活仲間にスマホで伝え、招集をかける。街中で合流し事の経緯と少女の容姿を話していると、まさにその容姿にピッタリ当てハマる少女が目の前に現れた。地図を持ちながら右往左往している瞳美だった。

「あの~、大丈夫ですか?えッと、何か困ってますか?」部長の山吹 将が話しかける。「あの~、私たち怪しい者じゃなくて、道に迷っているみたいだから、何か力になれればと思ったんだけど、大丈夫?」そう話しかける胡桃たちの制服を観て瞳美はつぶやく。南ヶ丘高校。」「ああ、そうだよ。丘の上のね。」将が答える。「制服変わったんだ。」瞳美がそう呟くと「いや、変わってないけど。」と胡桃とあさぎが思わずハモル。瞳美は魔法屋へ行きたいことを伝え、彼女らに案内してもらい無事に魔法屋へたどり着くことが出来た。

中へ入ると店主らしき女性がいた。「あの~、こちらに”月白 琥珀”さんて・・・」瞳美が言いかけると、「琥珀のお友達?ごめんなさい。あの子は今、イギリスに留学しているのよ。魔法を勉強しに。」瞳美は要件を得られずに外に出る。その場を立ち去ろうとすると、「お待ちなさい。」と老婆に呼び止められた。瞳美の祖母の祖母だった。瞳美は持っていた手紙を差し出した。それを読むと祖母の祖母は話をはじめた。「残念ながら琥珀はいないけど、他に行く当てはあるの?来たところへ帰れる?」瞳美は首を横に振る。「あの子が帰ってくるまで家にいてもらうしかないかしら。この手紙が本当なら、あなたはうちの家族なんですもの。」

祖母の琥珀が使っている屋根裏部屋を使うよう案内された瞳美。60年前の屋根裏部屋は新築の香りがした。魔法のアクセサリーであるアズライトを無くしたことに気付いた瞳美は魔法の砂の力を借りて無くした場所を特定してもらった。どうやら瞳美が初めにこの世界に舞い降りた葵 唯翔の部屋に落として来てしまったらしい。

翌日、瞳美が唯翔の家へ向かうと、家から唯翔が出てきた。隠れながら後を追うと、唯翔は公園で絵を描き始めていた。遠目から彼女がその絵を眺めると、普段はモノクロにしか見えない彼女の視界はカラーに彩られはじめた。そして絵の中の魚は動き出し、虹はアーチを描いた。瞳美はその絵にしっかりと色を感じることが出来たのだ。いつの間にか色のある世界を楽しみクルクル回る瞳美。悦に入っていた彼女は「誰?」という声に我に返る。瞳美は唯翔の目の前に立っていた。(第1話)

色づく世界の明日から25

この作品の魅力はまず一つ目に、作画の良さが挙げられます。テーマも色であるだけに終始、奇麗な映像美を堪能できるところにあります。作中のみんなが普段観ているであろうカラーの世界とヒロインが見ているモノクロの世界が交互に映し出され、その対比を観ることから私たちは日頃からカラーの世界の恩恵にあずかっていることを知り、それが何気に幸せなことに映ります。

目の前の世界がカラーに見えるからこそ私たちは豊かな感情を持ちながら生活を送ることが出来ています。食べ物だってカラーだからこそより一層おいしく感じることが出来ているのではないでしょうか。おそらく色が無ければ私たちは確実に今より無機質に生きていることでしょう。長崎市が舞台の作品ですが、長崎の美しい情景も手伝ってとても視覚効果に優れた作品に映ります。色彩と風景も相まって、観終わった後は長崎に行きたくなること請け合いですね。オリジナルアニメーションを丁寧に作る印象のP.A.WORKSが制作会社と言う事もあって、背景から人物まで安定した作画で私たちに作品を魅せてくれます。

二つ目に、ストーリーの良さですこの作品は主人公が未来からタイムスリップして過去を今としてお見せするお話しなので、様々な物事のつじつまも加味して物語が設定されていないといけませんが、そのあたりがきちんと設計されているように感じます。いろいろと伏線も盛り込まれていて、物語の最後にはそれらがきちんと回収されて腑に落ちるストーリー展開にもなっています。

未来人と現代人の心の交流。友情そして恋。家族の絆。最後に皆さんの想像に任せられる設定も見受けられますが、すべてを言わない終わり方も観終わってみると粋なラストだときっと思える作品です。心の琴線に触れる箇所がたくさんあって良い作品である事は間違いないかと。さらにストーリーに”魔法”というエッセンスが加わり、現代のお話のようでありながら実はファンタジーなお話に私たちをいざなってくれる素敵な作品となっています。見方によってはこの作品は、もう一つの「時をかける少女」かもしれません。

三つ目に、役割のしっかりとした個性あるキャラクターの登場です。基本、作品の登場人物すべてが優しさに溢れる人ばかりで構成されていますので、嫌な気持ちにならない作品です。それぞれのキャラの内面が繊細に扱われていて、心のやり取りも様々あってお互いの距離感も絶妙に描かれています。青春期ならではの独特な異性への感情や登場キャラのそれぞれの進路に対するエピソードもいろいろと描かれていて、主人公ばかりではなく他の登場人物にもしっかりとフォーカスされた厚みのある物語だと感じました。

色づく世界の明日から1

モノクロの世界で生きてきただけに感情が乏しく物事に対してどこか積極的になれない、人との関りもあまり持とうとしない主人公が、タイムスリップした先で様々な人々と出会い、その関りによって徐々に自主性を持ちながら前向きな生き方に変わっていく。そんな生き方にエールを送りながら共感して観て行ける作品です。

祖母の時間魔法で過去に送られる主人公ですが、果たして無事に現代に帰還することは出来るのでしょうか?その方法とは?祖母が大事な孫を過去へ送った理由とは何だったのか?ハラハラドキドキの時間旅行の冒険もありながら夢から覚める現代で主人公は何を観て何を考えるのか?

この作品は原作が”ヤシオ・ナツカ”さん、アニメーション制作会社”P.A.WORKS”のオリジナルアニメです。2018年10月~12月に”TBSテレビ”(関東広域圏)・”毎日放送”(近畿広域圏)・”BS-TBS”(日本全域)で放送されました。インターネットでは”Amazonプライム・ビデオ”にて配信。現在では多数のネット配信会社から配信されています。

監督は、「黒執事」「凪のあすから」の監督も担当された”篠原 俊哉”さん。シリーズ構成は、「そらのおとしもの」「ちはやふる2・3」「orange」「月がきれい」「あそびあそばせ」「Buddy Daddies」のシリーズ構成・脚本も担当した”柿原 優子”さん。キャラクターデザインは、”P.A.WORKS”の専属アニメーターとして同社作品を多数手がけている”秋山 有希”さんです。監督とシリーズ構成のご担当者の作品を知る限りでも面白い作品ばかりで本作が面白い理由に納得が行きます。そして個人的にはキャラデザが私好みですので手掛けた秋山さんの他作品も気になるところです。

今回の作品の声優さんは現在大活躍中の方々が多数出演されています。主人公・月白 瞳美/”石原 夏織”さん、月白 琥珀/”本渡 楓”さん、葵 唯翔/”千葉 翔也”さん、風野 あさぎ/”市ノ瀬 加那”さん、河合 胡桃/”東山 奈央”さん、深澤 千草/”村瀬 歩”さん。

以下、声優さんの代表的な出演作品・役名も挙げておきます。

”石原 夏織”さん:「緋弾のアリア/レキ」「変態王子と笑わない猫/小豆 梓」「お兄ちゃんはおしまい!!/緒山 みはり」
”本渡 楓”さん:「魔女の旅々/イレイナ」「パリピ孔明/月見 英子」
”千葉 翔也”さん :「月がきれい/安曇 小太郎」「86-エイティシックス/シンエイ・ノウゼン」「青のオーケストラ/青野 一」
”市ノ瀬 加那”さん:「機動戦士ガンダム 水星の魔女/スレッタ・マーキュリー」「葬送のフリーレン/フェルン」
”東山 奈央”さん:「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている/由比ヶ浜 結衣」「きんいろモザイク/九条 カレン」「マクロスΔ/レイナ・プラウラー」「ゆるキャン△/志摩 リン」
”村瀬 歩”さん:「ハイキュー!!/日向 翔陽」「ひろがるスカイ!プリキュア/夕凪 ツバサ・キュアウイング」

色づく世界の明日から14

最後は作品のオープニングテーマ・エンディングテーマの紹介です。

オープニングテーマ「17才/ハルカトミユキ」
エンディングテーマ「未明の君と薄明の魔法/やなぎなぎ」

この作品を観終わった後、みなさんの目の前と心にも何かしら素敵なものが色づくことを願っております。

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夢を叶えるために信念を貫く。人に喜ばれるために妥協はしない。共感できる生き方がここに。「シュガーアップル・フェアリーテイル」

令和6年能登半島地震に見舞われ被災された皆様に心よりお見舞い申し上げます。皆様が一日も早く心穏やかな日常を取り戻せますようお祈りしております。

私は東日本大震災を経験しましたので、毎日のニュースを見ていると胸が痛いです。日頃の幸せに感謝しつつ、妻と私でそれぞれ少ない額ですが、募金をしました。今は何かとしんどいと思いますが、希望の光を持ち続けてほしいと思います。

2024年は波乱の幕開けとなりましたが、いつも訪問下さる皆様、今年もどうぞよろしくお願いいたします。m(__)m

世の中の一流と呼ばれる方々の中で「気がついたらオレ、一流になっていたよ。」なんて宝くじに当たったかのように突然一流になる方はまずいないはずです。一流な人は一流になれるだけの凡人とは一味も二味も違う、アンテナと経験と知識と努力を積み重ねてその地位を築き上げてこられたのだと想像します(遠い目)。

私のような凡人日本代表のような者には他人の芝生はすごく良く見えます。うらやましいと思いながらもその割に自分なりの確固たる目標は掲げないで、流れに身を任せてのほほんと生きてきた結果が目の前の現状ですね。

「ああ、ぼくは疲れたよ、パトラッシュ。だんだん眠くなってきた。」となるその前に、自分なりに意識して努力を重ねていかないといけませんよね。今から一流を目指すことはないものの、せめて自分なりに残りの人生が有意義だったと振り返られるエンディングに出来るよう軌道修正をしていかないと!と思っております。

今回紹介いたします作品はファンタジーアニメ。「シュガーアップル・フェアリーテイル」という作品です。一流の砂糖菓子職人を目指す少女の物語です。

いつも明るく真面目でお人良しな少女が、信念を貫きまっすぐに生きながら自分の夢を叶えていく、といったサクセスストーリーが描かれています。主人公が様々な試練や困難な状況に遭遇しても決して負けずに自分の生き方を貫き通していくこの物語は、過去にTV放送されていた○ルピスこども名作劇場、ハ○ス食品・世界名作劇場のテイストを感じさせる作品に映ります。

子供に共感され支持されるのが世界名作劇場だというコンセプトがあるらしいですが、子供ばかりではなく、大人でも引き込まて観ていたという方はそれなりにいたんじゃないでしょうか。一本筋が通ったぶれないストーリーが持ち味で、時に優しく時に荒波にもまれるような波乱の展開もあったりと、視聴者が引き込まれる脚本の上手さが多くの作品の中にあったような気がします。

シュガーアップル・フェアリーテイル01

世界名作劇場は、時代背景なども割ときっちり設定されている作品が多かったように思います。こちらの作品は”ファンタジー”作品という事で、世界のどのあたりの地域でいつ頃の物語かという細かい設定にはなっていませんが、お城が出てきたり馬車で旅をしながら物語が進んでいくあたりを見ると中世ヨーロッパの時代を感じさせる設定でしょうか。ちょっとした恋や以外にもバトル要素もあったりしまして、中学生以上から大人が楽しめる作品かと思います。子どもよりは社会で働いている大人が共感できそうな内容ですね。  

ここは人間と妖精が共存している世界。それぞれが対等な関係であったがいつしか人間が妖精を使役する上下関係へと変わっていく。人間に奉仕するための労働妖精、人間の身を守る護衛のための戦士妖精、ペットのようにかわいがるために飼われる愛玩妖精などが存在している。

この世界では砂糖菓子は”聖なる砂糖菓子”と呼ばれ、人々に幸運をもたらすものとして信じられている。そのお菓子は誰にでも作ることを許された代物ではなく、王都で年一回開催される砂糖菓子品評会において国王陛下にその腕前を認められた、ただ一人だけが”銀砂糖師”の称号を手にすることができ、その資格を持った者だけが砂糖菓子を作ることが許されている。

15歳の少女”アン・アルフォード”は銀砂糖師であった母を亡くしてしまう。母の作った砂糖菓子はとても甘くておいしいだけでなく、観る人々の心を掴んで離さないほど魅了される砂糖菓子であった。そんな砂糖菓子を身近で感じながら育ったアンは自らも銀砂糖師になることを決意する。

銀砂糖師になるためには年に一度の砂糖菓子品評会に参加して国王陛下のお目にかなう砂糖菓子を作らないといけない。アンは砂糖菓子品評会に参加するために馬車に砂糖菓子を作る原料と道具を積んで王都へ向けて旅立つ。行く先々で修業を積みながら王都を目指ざす一人旅が始まった。

王都へ向かう途中でアンは、旅先での危険を考え戦士妖精を雇った。彼の名前は”シャル・フェン・シャル”。戦士妖精にしては端整な顔立ちと容姿をしていた。黒曜石から生まれた彼は戦士妖精としての実力は本物のようだが、とにかく口が悪い。やせっぽっちのアンを見るなり”かかし”呼ばわりする。シャルが人間を信用していないせいか、二人はことある毎に口げんかをしてしまう。

二人は旅の途中で、妖精ハンターに襲われている”ミスリル・リッド・ポッド”という湖水から生まれた小さな妖精を救い出す。ミスリル・リッド・ポッドは助けてもらったその恩を返そうと二人の旅に同行するようになる。行く先々で3人は様々な出来事に遭遇するが、3人で力を合わせ試練を乗り越えていく。

旅が進んでいく中、アンは人間が妖精を使役するという関係に馴染めずにいて、命令で妖精を動かすのではなく、出来れば友達の関係で過ごしていきたいと願いはじめる。人間のアンと妖精のシャルが種族や立場を越えて友達になれる日は訪れるのか?そしてアンは無事に王都までたどり着き、砂糖菓子品評会に参加して砂糖菓子職人としての実力を認めてもらう事はできるのだろうか?  

シュガーアップル・フェアリーテイル8

この作品の共感ポイントは3つございまして、1つ目はストーリーの良さと分かり易さにあります。全24話で起承転結もしっかりと組み立てられており、主人公たちが目標を達成するためにそれに向かってぶれずに突き進んでいく流れがシンプルで分かりやすいです。途中で幾多の困難にぶつかりハラハラドキドキの展開もありますが、知恵と努力と周りの助けも借りながら乗り越えて行きます。伏線回収が楽しみな作品もありますが、この作品はどなたが観ても非常に分かりやすい展開かなって思います。

登場人物過多な作品もありますが、この作品は物語に必要不可欠な主要キャラのみ(決して登場キャラが少ないという意味ではなく)で進行していきますので、そう言う意味でも分かりやすい作品ですね。

全24話には中だるみ回はございませんので物語の流れに集中して観れますし、最後はきれいに一旦、完結を迎えております。今後の人気の度合いによっては続編2期があり得なくもないですが。

2つ目の共感ポイントは、主人公のお客様ファーストな考え方です。主人公が他の砂糖菓子工房で働くお話がありますが、お客様ファーストな考え方で行動しているところが非常に共感できます。最近の世の中では行き過ぎた自社ファーストの姿勢の会社が浮き彫りにされ、某中古車販売会社や某自動車メーカーが問題となっていますよね。自分の夢や目標を叶えるために他人をないがしろにするような行動は一切なく、周りとの調和の中で折り合いをつけていくあたりは、主人公のお人好しな性格が功を奏しているところもあります。今の世の中にも当てはまる姿勢かと思います。

3つ目の共感ポイントは、主人公の仕事のこなし方にあります。主人公が他の砂糖菓子工房の経営の立て直しのためにその工房の経営者に企画提案をするエピソードが出てきますが、絶対に良い提案なのに経営者の伝統的で保守的な経営理論の前にそれが潰されそうになります。普通だったらそこでジエンドとなりますが、決して諦めずに工房再建のために理路整然と丁寧に経営者と対話を重ねることで打開し、新しい風を吹き込むことに成功します。

現代社会でも十分通じる商品づくりや経営基盤の在り方・組織の在り方など、共感できる内容が結構出てきます。

広い視野で物事を観ること、目先の事ばかりではなく先々も考えて行動する事、自分事と他人事を同時進行していく事等、主人公に共感できるポイントは結構ありまして、働く大人の方々にもぜひ、観ていただければ幸いです。私の仕事にも通じることは意外に多いように感じました。

総合的に”初心貫徹”に向かう主人公の姿勢と行動力には一流さを感じながら観進めていけて非常に楽しめました。

シュガーアップル・フェアリーテイル2

今回の作品も割と全体的に作画が良い印象を受けました。その中で更に本作品の要となる砂糖菓子のビジュアルはとても奇麗で華やかで繊細。銀砂糖師が作るアーティスティックな作品である事を上手く表現されています。そうでなければ一流な銀砂糖師の仕事柄を視聴する方々に理解してもらえないでしょう。やはりそれがこの作品のキモになると思われます。

この作品は小説家・”三川 みり”さんによるライトノベル作品が原作です。「ヤングエース」「花とゆめコミックス」で漫画化もされておりその後にアニメ化され、2023年1月~3月に1クール目・7月~9月に第2クール目の全24話が”BS朝日”で全国放送されました。インターネットでは”Amazon Prime Video”、”ABEMA”、”Hulu”、”U-NEXT”、”dアニメストア”、”ニコニコチャンネル”、”FOD”他で配信されております。

監督/”鈴木 洋平”さん(変態王子と笑わない猫/監督)、シリー構成/”水上 清資”さん(とある科学の超電磁砲S/シリーズ構成)、キャラクターデザイン/”飯塚 晴子”さん(たまゆらシリーズ妖狐×僕SS田中くんはいつもけだるげホリミヤ/キャラクターデザイン)、アニメーション制作/”J.C.STAFF”。ホリミヤを手掛けた飯塚 晴子さんのキャラはとても洗練されている印象で、私好みのキャラデザで大変満足です。

本作品の主要な声優さんは、アン・アルフォード/”貫井 柚佳”さん、シャル・フェン・シャル/”水中 雅章”さん、ミスリル・リッド・ポッド/”高橋 李依”さんです。

貫井さんは昨年あたりから主役級のキャラを2~3やられていて、歌が好きとのことですので、今後で活躍が期待される声優さんかと思います。

水中さんは「東京リベンジャーズ」場地 圭介役を演じた方でクール系キャラが似合う声優さんといった印象です。海外映画の吹替えでも活躍されているようでして、今後さらに露出が増えてくるのではないかと。

高橋李依さんは「リゼロ」/エミリアや「からかい上手の高木さん」/高木さん、「魔法つかいプリキュア!|/朝日奈みらい/キュアミラクル、「この素晴らしい世界に祝福を!」/めぐみん役ですでにメジャーな中堅どころの声優さんではありましたが、昨年の「推しの子」の星野 アイ役でどなたにも知られる声優さんとなりました。

それぞれの声優さんの今後のさらなるご活躍に期待したいですね。

シュガーアップル・フェアリーテイル6

最後はオープニングテーマとエンディングテーマの紹介です。
これから始まっていく喜怒哀楽のたくさん詰まった自分の人生を、ミュージカルの舞台に例えたようなオープニング曲と、自分の願いや希望をあきらめないで叶えて行こうとする、未来へ向かって前向きに生きる気持ちがこもったエンディング曲それぞれを聴いてください。どちらもこの作品にピッタリで前向きな気持ちになれる素敵な曲です。

オープニングテーマ「ミュージカル/鈴木 みのり」
エンディングテーマ「叶える/諸星 すみれ」

※一流つながりでこちらの素敵な言葉も載せてみました
~”好きなこと”に自信を持って自分を表現し続ければ、新たな扉はきっと開かれる~ byイチロー(メジャーリーガー)

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おじさんは果たしてヒーローになれたのか?否か。いつの世もアップデートできるものが時代を生き抜く、今昔物語。「異世界おじさん」

もうすっかりと”おじさん”が板についてしまった私が、小学生の頃に読んだ児童文学の中に「ぼくのおじさん」というタイトルの本がありました。何気に魅かれるそのタイトル本は、実際に読んでみると非常に面白かったことを記憶しています。主人公の少年の語り口で始まるその本、自宅に居候するおじさんのなんとも言い難い奇天烈ぶりが中心になっている”おじさん”がメインの物語。

ぐうたらだけど大学で講師をやっているおじさんがある日、海外旅行を計画するのですが、海外旅行に行くために様々な懸賞に応募するというお話。海外旅行を当てようと海外旅行懸賞付きのウイスキーやフウセンガム、チョコレートなどをたくさん購入し、居候ながらみんなにもそれらを買うよう強要する しまつ。あるコンクールにそんなおじさんのことを作文にして応募した”ぼく”は、入賞してハワイ旅行を当ててしまうのでした。おじさんは編集者として?保護者として?ちゃっかりとぼくに同行。おじさんとぼくの旅が始まる・・・なんてお話です。

おじさんが主役の話なんて世の中にそうそう在りはしないのですが、最近見たアニメの中でそんなおじさんが主役として活躍する作品があり、実際に観てみるとかなりの爆笑&共感をよぶ作品でありました。タイトルは「異世界おじさん」

異世界ものでよくあるパターンは、主人公が1話の前半でお亡くなりになって異世界に転生・あるいは召喚されて、異世界で仲間を見つけ共に戦って活躍を遂げていくという展開が多いものです。しかし、このお話はそれらとは逆で、異世界から帰ってきたおじさんの、向こうの世界での武勇伝?あるいは珍道中を現世で回顧するというお話なのです。異世界から生きて帰ってきた人の異世界話という設定は今までにない斬新なパターンではないでしょうか?

さらにこのお話は、単にそれらを回想するばかりではなく、おじさんが昏睡していた17年間の間に世の中が目まぐるしく激変し、長い眠りから目覚めたおじさんの17年前の価値観が現世では木っ端みじんに打ち砕かれる、現代の浦島太郎的なお話しです。当然、おじさんは時代から取り残されて打ちひしがれる展開かなと思いきや、20歳の甥とのルームシェアという一助もあって、身寄りのないおじさんはz世代監修のもと、Youtuberとして現世に再生されるというタフネスぶりも魅せる作品です。

あちらの世界での孤独で波乱に満ちた17年間と、こちらの世界でアップデートしながらたくましく生きていく2層構造のおじさんストーリーには、時代に振り落とされないように生きているおじさんの悲哀と雄姿を同時に観ることができ、設定の妙と様々な共感が得られる秀逸な作品だと思います。いや?もしかするとおじさん限定で得られる共感かもしれません。特に栄枯盛衰の歴史をたどった家庭用ゲーム機・セガサターンを愛したおじさんと同じセガ愛好者の方々にはたまらなく共鳴できる作品内容かと思います。

異世界おじさん2

この物語は2017年の日本が舞台となって進行していきます。2000年の1月、17歳のおじさんはお年玉でセガのゲームソフトを買いに行く途中でトラックにはねられ昏睡状態となり、おじさんの意識だけが”剣と魔法のファンタジー世界”グランバハマルという異世界へ転送され、そこから17年の歳月が流れた2017年の秋、おじさんは長い眠りから目覚めた。

おじさんの処遇を巡って一家離散に追い込まれた甥のたかふみは、身寄りのないおじさんに自立の道を説こうとおじさんが入院している病院を訪れる。面会したおじさんは訳の分からないことを口にし、完全に頭がおかしくなったとたかふみは思った。おじさんは「魔法を見せよう」そう言ってペットボトルの水を浮かせたり、指から炎を出して彼に見せるのだった。

その光景を目の当たりにしたたかふみは、おじさんとルームシェアすることを決め、おじさんを自立させようと魔法を使った動画を作ってYoutuberとしての社会復帰を試みる。おじさんの魔法動画はそれなりに再生回数を伸ばし、先ずは広告収入として6万円を得ることに成功。

おじさんの空白の17年の間に世の中はかなりの進化を遂げており、たかふみとのジェネレーションギャップもかなりのものであったが、スマホやネットオークションも知らなかったおじさんはたかふみからいろいろと現世の常識を教わりながら現実世界を生きて行くのであった。

おじさんの異世界での生活に期待交じりの興味を持ったたかふみは、おじさんにあちらでの暮らしぶりを尋ねた。おじさんは魔法により自分の記憶を映像化して再生動画のようにたかふみに見せるのだが、たかふみの期待を裏切るかのようにおじさんのその記憶の映像は壮絶で過酷さを極める内容であった。美男美女が当たり前のグランバハマルの世界では、おじさんは醜いオークのように映り、人間扱いされずに何度となく人間に狩られかかったようだった。

捕らわれたおじさんの記憶映像の中に、おじさんを助け出そうとする、ひときわきれいな女性・エルフが現れる。おじさんに聴くと、一度彼女を助けたことがあるそうだが、その後はなぜかいつも執拗に付きまとわれ、事ある毎に罵声を浴びせてくる厄介なエルフだとおじさんは答える。

話を聴くと、どうやらツンデレ属性の女性のように聞こえるが、ツンデレ概念が誕生した2004年をおじさんは昏睡状態で過ごしていたため、その概念を知らないまま異世界を過ごしていたのだ。ゲーム機での知識がすべてのおじさんにとって、異世界のお約束はことごとく残念な方向に流れてしまっていた。2017年、おじさんとたかふみのルームシェアはまだ始まったばかりだ。(第1話)

異世界おじさん9

この作品の面白さは、異世界でも現世でもおじさんが世間の基準から常にずれたところで生活しているというギャップにあります。おじさん自身はそのずれに全く気付いていない様子で、異世界では周りの人よりも優れた魔法を使える能力を持っていながら、その能力を上手に周りにアピールできないために残念な生き方をしてしまっているのです。

おじさんがいた異世界では、おじさんは不細工に観られ、人間ではなく亜種に思われて非常に過酷な生活を強いられますが、そんな世界でありながらも数人の女性を助け、おじさんはその強さと優しさで異世界人女性たちのハートを知らないうちに射止めていくのですが、ゲーム内のキャラしか愛したことのないおじさんにはその想いを汲み取る力量と自覚はまったくなく、ことごとく女性の自分への好意を見事にスルーしてしまうあたりも非常にツッコミ満載で楽しいポイントです。

また、17年間の空白を置いて現世に戻ったことで、世の中の進化について行けていないギャップも笑いを誘います。そんなおじさんの異世界での暮らしぶりを映像で観る甥のたかふみは、知らない世界が書いてある絵本を読んでもらう子どものように目を輝かせながらおじさんの過去に期待を寄せるのです。そんなたかふみの目線で私たちは異世界物語を一緒に体感していくあたりも、劇場映画スクリーンを一緒に観客として観ているようでとても楽しめます。

基本的に現世のお話しの流れから異世界の回顧録、そして現世という具合に、それぞれのお話が交互に繰り返されるパターンでお話は進んでいきます。

そして、おじさんが17年間のギャップを埋めるべく、たかふみにサポートされながら社会復帰生活を送っていく中で、17年間の急速な時代の変化を振り返りながら観進めて行けるところもまた、一興かと思います。

おじさんが異世界で使えた魔法はこちらの世界でも基本的に使用できるという設定になっています。たかふみはおじさんのそのスキルをうまく活用してYoutuberとしておじさんを再生させる、プロデュースぶりを見せます。異世界から現世に戻ってきたおじさんが、どのように様々なギャップを埋めて生きて行くのか?おじさんの過去を振り返りながら現在の生き方を模索していく”おじさんドキュメンタリーアニメ作品”とも言えるかもしれません。

異世界の過酷な状況に置かれた中で強くたくましく生きようとするおじさんの諦めない気持ちと適応能力、そして他人に対しては優しく接する包容力も大切であることがコメディな作品ながらしっかりと流れていて、良い作品だなあと感じました。

異世界おじさん5

この作品は、ウェブコミック配信サイト「WebComicアパンダ」で連載中の、”殆ど死んでいる”さんによる同タイトル作品が原作です。ジャンルは”ギャグファンタジー”。アニメ化され、2022年7月~2023年3月まで”BS11”他で全13話が全国放送されました。インターネット配信は、”Amazon Prime Video”、” ABEMA”、” dアニメストア”、 ”ニコニコチャンネル”、” U-NEXT”、”Netflix”他。

監督は”河合 滋樹”さん、構成・脚本は「幼女戦記」「慎重勇者 ~この勇者が俺TUEEEくせに慎重すぎる~」のシリーズ構成・脚本を担当した”猪原 健太”さん。キャラクターデザインは「Go!プリンセスプリキュア」と「HUGっと!プリキュア」の作画監督・原画を担当していた”大田 和寛”さん。アニメーション制作は”telier Pontdarc”(アトリエポンダルク)。こちらの制作会社さんは2020年7月設立で従業員数4名の少数精鋭でお仕事を頑張っている会社さんです。コロナ禍で最終回13話までに8か月を要したのは、制作スタッフの様々なご苦労があったのではと想像いたします。m(__)m 1期の最終回を無事に観ることが出来て何よりです。

今回の声優さんですが、おじさん:”子安 武人”さん、甥のたかふみ:”福山 潤”さん、冒険者のツンデレエルフ(画像真ん中):”戸松 遥”さん、冒険者のメイベール(画像左):”悠木 碧”さん、神聖勇者のアリシア(画像右):”豊崎 愛生”さん、たかふみの幼馴染・藤宮 澄夏:”小松 未可子”さんです。

時にクール時に熱いおじさんの感情の起伏を子安さんが見事に演じています。そのおじさんの行動にたかふみと幼馴染の藤宮が単独ツッコミとダブルツッコミを入れてきますが、その絶妙さに思わず笑いが出てしまいます。3人の女性たちはそれぞれに個性とかわいらしさがあっておじさんとの関係性を上手く演じていらっしゃいます。何と言ってもツンデレエルフのツンとデレは観ていただければわかりますが、3人の中で最強のかわいらしさです。

異世界おじさん3 (2)

ソードアートオンラインのアスナもかわいらしさと強さを兼ね備えてとても良いのですが、今回の戸松さんのツンデレエルフもなかなかなものですね。

最後は作品のオープニングとエンディングテーマ曲の紹介です。異世界でのおじさんがカッコ良すぎなオープニングと好きな相手に想いを届けたい女性の切ない気持ちがこもったエンディングをそれぞれお聴きくださいませ。

オープニングテーマ「story/前島 麻由」
エンディングテーマ「一番星ソノリティ/井口 裕香」

今いるこの世界が異世界に映らないよう、私たちは柔軟に時代に合わせて自らをアップデートしていく必要があるのかもしれませんね。限界を作らず、何事にも積極的にチャレンジして行けたらなあ、なんて思います。

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人生なんて所詮、不可思議な出来事の積み重ね。目に見えないことが案外、真実だったりするかもしれないよね。「青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない」

この世は不可思議な出来事で満ちている。一体何が真実なのであろうか?なんて、そんな大層なことではないのですが、うまくいかないときにはとことん、うまくいかないものですよね、ってお話です。私のある1日。たまたま仕事で体を動かしすぎて筋肉痛に。「若いから筋肉痛が次の日にきちゃったな。」とまだ若いぞ!アピールを妻に。すると、それを聞いていた義理母が「若くない私の前でいう話?私は4日も腰の痛いのが治らないよ。」といささか面白くなかったようなツッコミが。

そして翌日。義理母の歯ブラシが黄色と黒のカラーリングのものに変わっていたのに気づいた私が義理母に、「ピカチュウカラーでかわいい歯ブラシですね」というと「そうなの?」と義理母。続けて私が妻に「みかチュウもかわいいよね。」と妻の名前をもじって伝えると、「思ってもいないことは言わない方がいいよ。ミエミエなのよ。」と妻からの辛口コメントが。「思ってもいないことは言えないよ、俺は。」と自分の発言を肯定したのですが、どうもそれも本心とは受け取ってもらえない様子。そうか、うちの妻はやっぱりツンデレさんなのか?あんまり照れるなよ、とポジティブに自己修復する私でありました。

人生とはやはり、自分が思い描く通りには、なかなかうまく進まないものである。「おお、神よ、この2つの事件、私の一体どこがいけなかったというのでしょうか?場の空気を読んでうまく立ち振る舞うという状況判断が甘かった?」人生は決して甘くはありませんね。My life is bittersweet.ってやつですね。より人生を快適に送るためには、場の空気を読んで周りに同調しながら居心地さ重視で生きていくか、あるいは鈍感力を高めて周りに流されないオレ流を貫き通すか、選択肢は大きく2つありますが、どちらのスタイルを選ぶかはその人次第ですよね。あなたならどちらのスタイルをベースに日々過ごしていますか?はて、私はどっち?

本日紹介する作品は、”思春期症候群”という思春期特有の、不可思議な現象(ありそうでなさそうな、なさそうでありそうな)にさいなまれながらも、あるがままを受け入れ、自分と対峙しながら場の空気はあまり読み過ぎず、周りとは一定の距離を保ちながらバランスをとって日常を送っている主人公の数奇で徒然なる物語です。

タイトルは「青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない」です。

なかなかインパクとのある活字が並んでいるタイトルですよね。主人公の周りでは本人以外でも、いろんな人たちが”思春期症候群”を発症します。その症状は人それぞれ。人に干渉されないように空気のように生活しているうちに、本当に周りの人たちに自身の存在を認識されなくなって行くケースや、自分以外にもうひとりの自分が存在するようになり、それを観た周りが混乱するケースとか。

あるいは二人の姉妹の人格が入れ替わってしまうというパターンもあったりと、主人公の周りではいろんな問題が起こリます。周りと一定の距離を保って生活している主人公が、なぜかそうした事件に関わりが出てしまい、巻き込まれてしまったが故に事件をひとつひとつ解決していく、と言ったお話です。

青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない9

この作品は、小説家・ライトノベル作家である”鴨志田一”さんの同タイトルのライトノベル(2014年電撃文庫より発刊・既刊9巻)が原作となってるアニメです。鴨志田さんは、「さくら荘のペットな彼女」というアニメの原作であるライトノベルを描いた人でもあります。2018年10月~12月に全13話が”BS11”他で全国放送されました。インターネットでは”AbemaTV”・”ニコニコ生放送”他で同時配信。アニメのジャンルは”SF”・”ファンタジー”・”ラブコメ”。アニメーション制作は”Clover Works”。とある街の町おこしを買って出る5人の女子たちの奮闘を描いたアニメ「サクラクエスト」の監督の”増井壮一”さん、シリーズ構成担当の”横谷昌宏”さんがこの作品の監督とシリーズ構成&脚本を手がけております。

そして注目したいところは作品本編のみならず、この作品のオープニングテーマ「君のせい」を歌って&演奏しているガールズバンドの”the peggies”です。軽快で疾走感のある曲調&歌声&インパクトのある歌詞が耳に残ります。新進気鋭のガールズバンドですが、アニソンの領域を超えて遥か遠くまで駆け上がるメジャーバンドに成長して行くことが容易に想像されます。こちらも意識して聴いて観てくださいね。最後にアップしておりますのでクリックして聴いてください。

主人公、”梓川 咲太”(あずさがわ さくた)は高校2年生。5月7日の朝、咲太が起きて勉強机を観ると、そこには1冊のノートがあり、こう記されていた。「5月6日、野生のバニーガールに出会った。~」と。しかし、咲太にはその自分の日記の記述内容を自分が書いたものだという認識はない様子である。

~過去回想~ある日、街の図書館で咲太は本を探していた。すると咲太の視界にバニーガールの格好をしたお姉さんがはいってきたのだ。彼女は周囲の人たちの眼の前に立ち、自分をアピールしているような動きをしていた。しかし、誰一人として、彼女のその姿に気がつくものはいない様子だった。

彼女が自分の方に移動してきたので咲太がじっと見ていると、彼女の方から話しかけてきた。「君には私が見えているようね。」と。それに対してうなずくと、彼女は「今日のこの事は忘れなさい。いいわね。」と咲太にそう告げてその場から立ち去ろうとした。咲太は彼女に、「あなたは、”桜島 麻衣”さんですよね。」と話しかけた。彼女は咲太の通う高校の3年生で、咲太からすると先輩であった。なに故にそんなことをしているのか、どうして周りには彼女が観えていないのか、現時点では咲太には何もわからなかった。

翌日、学校へ行くと、咲太は登校してきた麻衣先輩を見かけた。数少ない友人である”国見 佑真”(くにみ ゆうま)に、咲太は麻衣先輩について聞いてみた。彼いわく、彼女は芸能人(人気女優さん)であり、忙しさのために高校1年のスタート時は休学していて夏以降から学校へ来るようになったらしい。学校では友人もいないようで浮いた存在となり、自らも空気を演じているように、咲太の目には彼女がそう映った。

青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない8

学校帰りに咲太は、駅のプラットホームで電車を待つ彼女を見かけた。そして、彼女が芸能人だとわかった男に写真を撮られそうになっていたのを阻止した。それに気づいた彼女は彼に礼を告げた。電車の中で咲太は麻衣と隣り合わせに座った。彼女は咲太の名前を覚えていたらしい。そして、彼女は咲太が”病院送り事件”という喧嘩沙汰の張本人であるようなネット記事を見たらしく、それが事実かと咲太に聞いてきた。もちろん、それが本当のことではない事は彼女にも想像はできていた。咲太は遠まわしにそれが事実に反することだと彼女に伝えた。

今度は咲太が彼女に対して、昨日のバニーガールの一件は何だったのかを訪ねた。すると彼女は自分の身の上話を始めた。彼女は、過去にTVの朝ドラに子役として出演してブレイクし、それ以来、行く先々でずっと注目を浴び続ける生活を送り続けてきたのだと。彼女はある時、それに嫌気が指し、私のことを誰も知らない世界に行きたい、とそう願うようになっていた。仕事のOFFがある時に、彼女はたまたま一人で水族館に行ったのだが、よく人にぶつかったり、人に何かを訪ねても反応が返ってこない不思議な出来事が続いたらしい。どうも相手には自分のことが観えていない様子であり、自宅周辺に戻って来るとそういった現象はなかったと。そのために、目立つ服装であるバニーガールの格好をして、度々、周囲の状況を確かめているとのこと。

電車を降りた二人は商店街を歩いていた。途中で麻衣が好きなパン屋に寄った際、麻衣が店員にクリームパンを一つくださいと告げるのだが、店員には麻衣が観えていない様子。咲太は代わりに店員に告げてクリームパンを購入して彼女に渡した。その後、咲太は麻衣を自宅へと連れてきた。帰り際、麻衣の話を信じている理由を彼女にわかってもらうために自宅へ連れてきたのだ。家に着き部屋に入るなり、咲太はシャツを脱ぎだした。「変態、なんで服を脱ぎ始めるの?何もしないって言ってたじゃない。」そう麻衣が話すと彼は自分の胸にある傷を麻衣に見せ、そして妹が映っている1枚の写真も見せながら話をはじめた。その写真には、体にあざや傷を負った手足を包帯で処置した姿となった妹が映っていた。

妹は学校で、SNSのメッセージを無視したとの言いがかりによっていじめに会い、そのために送られてくる嫌がらせメールを見るうちに突然、体にあざや切り傷ができる症状(思春期症候群)を発症したとのこと。直接、友達から殴られたり切られたりしたわけではないと。そして咲太も、ある朝起きてみると胸に傷ができ、そこから大量に出血し、救急搬送されたとのこと。それが病院送りの真相であり、原因不明の思春期症候群であるらしい。

携帯・ネットを見ないことで妹のその症状は収まったようだが、それ以降は学校へ行けなくなり、自宅大好き少女になってしまったとのこと。だから、麻衣のその症状も思春期症候群の一つだろうと咲太は麻衣に話した。そして、それは麻衣が芸能界に復帰してバンバンTVに出るようになれば自ずとみんなの目に映るようになるため、この問題はそれによって解決すると。そのために麻衣先輩は芸能界に復帰するべきだと。しかし、彼女は「あなたに私の一体何がわかるの?」と機嫌を損ねて帰ってしまった。

翌日から麻衣先輩は学校へ来なくなってしまった。彼は、何か彼女の気に入らなかった地雷を踏んでしまったらしい。ある日、咲太は何気なしに彼女の好きなクリームパンを買って自宅へと戻ると、玄関のドアの前に彼女が座り込んでいた。そしてお腹を鳴らしていた。どうやらここ2週間、まともな買い物ができないくらいに周辺が彼女を認識しなくなってしまったらしい。今は自分が彼女のことををまだ覚えているのがせめてもの救い。これがキッカケでこれが出会い。忘れられる訳がない。忘れてもしっかりと思い出せ!未来の僕。咲太は彼女のことを無事に救えるのだろうか?(第1話)

青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない2

この作品の見所は、主人公が様々な不可思議な事件に巻き込まれはするものの、どうにかその事件を解決して行くところにあります。ある意味、推理小説のような側面もあり、どうやって事件を解決・収束させていくのだろうという、見る側の期待に答えるべく結果を出してくれるところにすっきり感があって後味が良い作品です。主人公はセクハラ的な言動をするので周りから”ブタ野郎”呼ばわりされますが、行動は必ずしもブタ豚野郎ではなく、それに反して根はとても優しく、”なんていいやつなんだコノ野郎~”とさえ思わせられる行動力を発揮します。そこが素敵ポイントでしょうか。

特に身内である妹に対する愛情はひとしおで、彼女をどんな敵や有害分子からも身をもって守るという兄の力強さをこの作品には強く感じます。人が絶対守らなければならない最小単位である家族との絆とはなにか?をあらためて彼の行動で再認識させられるシーンがたくさん登場します。そんなシーンを観ると、心が熱くなって家族ってやっぱりいいよなあって思えます。今回はそこを見てもらいたいがための作品紹介と言っても過言ではありません。そんな家族愛を見てもらえたら私は満足です。

主人公の咲太と麻衣先輩の会話もとてもユーモラスで楽しめますよ。ブタ野郎の咲太くんの発言にツッコミを入れる麻衣先輩はとてもクールビューティではありますが、実は恥ずかしがり屋さんの裏側もあって、そうしたキャラの個性も楽しい作品でもあります。兄大好きな”梓川かえで”ちゃんも可愛いキャラでいいですね。

作品の基本はSFとファンタジーのどちらの要素もあり、「氷菓」や「涼宮ハルヒの憂鬱」などが好きな人には受ける作品だと思われます。ラブコメ全開(先輩女子と後輩男子と後輩女子の恋のトライアングル弱冠あり)ではありませんがそれなりにこちらの要素もありますのでお楽しみくださいませ。原作ストックとの兼ね合いもあるでしょうが、いずれ2期がありそうな作品です。その前に、今年の6月15日には劇場版映画「青春ブタ野郎はゆめみる少女の夢を見ない」が公開決定となっております。

青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない3

今回の作品の声優さんは、主人公の梓川 咲太(あずさがわ さくた)役/”石川 界人”さんは「ツルネ-風舞高校弓道部-」/小野木 海斗役の方です。桜島 麻衣(さくらじま まい)役/”瀬戸 麻沙美”さんは「TARI TARI」/宮本 来夏役、「荒野のコトブキ飛行隊」/レオナ役の方です。咲太の妹の梓川 かえで役/”久保 ユリカ”さんは「ラブライブ!」/小泉 花陽役、「少女終末旅行」/ユーリ役の方です。咲太のもうひとりの友人の双葉 理央(ふたば りお)役/”種﨑 敦美”さんは「ブレンド・S」/天野 美雨役の方です。咲太の後輩の古賀 朋絵(こが ともえ)役/”東山 奈央”さんは「きんいろモザイク」/九条 カレン役、「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている」/由比ヶ浜 結衣役の方です。どの方も中堅どころの声優さんで、けっこう豪華なラインナップだと思います。

最後にオープニングテーマとエンディングテーマの紹介です。

オープニングテーマ「君のせい/the peggies」※余裕ぶっこいてる君に狙い撃ちするのさ!♪
エンディングテーマ「不可思議のカルテ/桜島 麻衣(瀬戸麻沙美)バージョン」※キャラごとのバージョンがあります。

「昨日の私よりも今日の私がちょっとだけ優しい人間であればいいなと思いながら生きています。」こんなフレーズもこの作品には登場します。どこで出るかは観てのお楽しみ!ということで。

ブタ野郎でもいいじゃないか、にんげんだもの by相田みつを って相田先生が言ってたかも?そうでないかも?

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takapon46

Author:takapon46
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
マジンガーZにパイルダ~オン!ヤマトと999の主人公達と一緒に旅していたアニメ世代の私も今は40歳。嘘です。年齢だけは立派な50歳になりました、てへぺろ。40歳を過ぎた頃から再び、アニメの世界へ戻って来まして、今は専ら深夜帯アニメに夢中です。私なりに選りすぐりだと思うアニメを紹介しておりますので、良かったら覗いていって下さいね。

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